記 2017年04月04日〜 ja3npl
LMH6702(超低歪み、広帯域、電流帰還型オペアンプ)を使って、実験を行い、 相互変調歪の改善が得られましたので、紹介します。
インストルメンテーション・アンプの構成で、LMH6702を3個使っています。
インストルメンテーション・アンプは、平衡で高インピーダンスの入力が特徴なのですが、後述する実験の結果、違った使い方をしています。
これを、”wsml_opamp ”と称する事にします。
Trのエミッター入力(ベース接地)の回路で、インピーダンスは、10Ω以下と思われます。
Trゲイン特性(Ib/Vbe)が非直線なので、歪特性には、限度があるのでしょう。
ループ・アンテナの内部抵抗は、1Ω程度、リアクタンスは3uH程度で、インピーダンスは、周波数によって大きく変わります。
一体、どの様に、このアンプが対応しているのか、不思議です。
とにかく、このループ・アンテナとアンプは、FBに動作し、実用できます。
LTspiceのシミュレーションで確認した所、入力のインピーダンスは、約8Ω(7MHzにて)でした。
一方、アンテナ側(1Ω、3uH)のインピーダンスは、8Ω@450KHz、20Ω@1MHz、程度なので、HF帯では、どんどんミスマッチになります。
通常のインストルメンテーション・アンプの入力です。
信号が弱く、内部雑音レベルが高く、全く実用になりません。
51Ωの入力抵抗を、1Ωにするなどをやってみましたが、改善の気配はありませんでした。
ステップ・アップ・トランスで、インピーダンス整合を採った回路です。
これも、信号が弱く、内部雑音レベルが高く、全く実用になりません。
3T:10T、1T:10Tなど、変化させてみましたが、改善の気配はありませんでした。
オペ・アンプの"-IN"は、常に"+IN"と同電位になるように動作しており、低インピーダンスです。
(ベースとエミッターの関係に似ています。)
"-IN"に入力した所、真に、うまく動作しました。
”wsml_opamp ”の回路です。
LTspiceのシミュレーションで確認した所、入力のインピーダンスは、約1Ω(7MHzにて)でした。
一方、アンテナ側(1Ω、3uH)のインピーダンスは、20Ω@1MHz程度にあるので、ミスマッチなのですが、アンテナのループ電流を検出するには優れている様です。
このオペ・アンプの使い方は、電流-電圧変換回路(Vo=-I x R)です。
使用するオペ・アンプは入力バイアス電流・Ibnの小さいものがS/N比で優れています。
しかし、LMH6702のIbnは、-6uA で、ピコ・アンペアのオペ・アンプもある内では、大きい方です。
周波数特性、低歪、低Ibnを満たすオペ・アンプがあれば良いのですが、まだ、見付けていません。
” I/Vアンプ ”で検索下さい。
WSMLをTrで受けて、インストルメンテーション・アンプで出力する構成です。
内部雑音で優れて居り、歪の程度は”wsml_tr”よりは良いと思われますが、”wsml_opamp”と比べてどうなのでしょうか。
未実験です。
この、”wsml_opamp”(実験3の"-IN"に入力した回路)の性能・特性のデータです。利得は、2SC3325のアンプとほぼ同等になるように調整しました。
<受信レベル><指向特性>
ほとんど同じなので、省略です。トランス結合が無いので、周波数特性は、より、平坦です。
<内部雑音>・・()内は、2SC3325の前作の値
アンプの入力を短絡(つまり、ループ・アンテナをつながない場合);-101dbm (-105dbm)
ループ・アンテナをつないで、信号の無い状態での雑音レベル;-98dbm (-100dbm)
正規の受信状態、7MHz帯にて。
アンテナ接続の有無によるレベル差によれば、2SC3325の前作の方が内部雑音が少ないのですが、使用感では、判別できません。
この無信号時の熱雑音の様相が大きく違います。
2SC3325の前作;ジーーという安定連続した音、蛍光灯の雑音のイメージに似ている。
wsml_opamp;ササーーという、遠方の雷ノイズに似て、少し変動している。静かなイメージ。
<歪特性>
素晴らしく良い特性です。
スペアナの測定限界を超えていて、測定できませんが、混変調・相互変調歪は、10〜20dbの改善があります。
<入力部の周波数特性>
入力部の周波数特性を回路シミュレーションで調べました。
アンテナを、0.5Ω x2、1.5uH x2 として、オペアンプの"-IN"の入力を、1Ωとして、回路構成しました。
”CircuitMaker 6 Student”、緑丸Aの電圧レベルが次特性カーブです。
100pFと250nHの共振周波数 33MHz辺りで持ち上がって居り、30MHz以下をいくらか平坦にする効果となっています。
平坦とは言え、10db以上の変動があります。
もし、220Ωの値を大きくすれば、持ち上がりが大きくなります。
もし、100pFと250nHが無い場合は、アンテナの1.5uH x2のせいで、周波数増と共に急激に下がります。
ループ・アンテナの利得は、(波長比を考慮して)周波数増と共に上がるので、相殺する傾向がこれに加えられます。
しかし、この回路が、実用レベルにあるとは、まだ、理解できません。アンテナの出力から-40db超の減衰が有りながら、使えます。
約3か月、試した結果です。
バーティカル・アンテナ、IC-756PROを使った送受信系統、
さらに、WSMLアンテナと受信機の系統を設けています。
受信時に、好ましい方を切り替え選択する事で、聞きやすくなっています。
次回に続きます。
以上
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