中国製BCLラジオ TECSUN PL-550/PL-600 DEGEN DE-1103の比較


2006年購入PL-550,2009年製造PL-600,2010年購入DE-1103の実用的比較
(2010/03/12)
(2010/03/22)更新
(2010/05/15)更新
(2014/06/28)更新



DE-1103の正面

DEGENのDE1103はBCLラジオの標準機といわれるほど、性能対価格比が素晴らしいラジオです。
長波から短波までゼネカバ受信ができて、29MHz以上は隠しコマンドで周波数拡張ができるちょっと遊べるラジオです。
100KHzから下の長波帯も拡張機能で0から100KHz分が拡張しますが、実用的かは解りません。
お決まりの拡張はしましたが、音質に関してはロットによって改善されている様で、それほど酷い音でもないようです。
今回は破格値で新品の購入が出来ましたので、中国から直接輸入しました。
PL-550よりもひとまわり小さく、シルバーを買いましたがグレーもあったようで、今ではメーカーの生産ラインにはシルバーがなくなったようです。
今後在庫以外にはシルバーは手に入らないでしょう。







DE-1103の側面

側面から見たところですが、メインダイヤルにはクリックがなく選局が出来ます。
その下にはスライドスイッチがあり、受信帯域のワイド/ナローの切り換えが出来ます。
SSB受信時に使用するBFOのピッチ調整がありますが、これでUSBもLSBも調整できます。
もう1個スライドスイッチがありますが、パネル照明のスイッチです。
電源OFF時もON時でもこちらで切り換えが出来ますので、時計の確認ができ、タイマー調整時の照明もこれでONになります。
自動消灯になりますので、操作完了後10秒程度でOFFとなります。
アナログ風のダイヤル指針が出てきますので、直感的にどの辺を受信しているのかわかりますが、デジタル表示がありますので、これが必要かどうかは意見の分かれるところでしょう。
他の表示にも使える広い領域ですので、勿体ない様な気もしますが。
横部分の写真ですがメインダイヤルの逆で、アンテナ端子とATTに電源端子と外部イヤホン端子があります。
周波数帯によって外部アンテナが使える所と使えない所があります。
音量調整がボタンで切り替えてメインダイヤルを使うのが馴染まないですね。




PL-600の正面

このPL-600はCNRの記念式典か何かで要人にプレゼントされた物らしく、特別仕様の製品で非売品でした。
PL-550からPL-600に変わって、大きく変わったところはシングルスーパーからダブルスーパーになった所と、SSB受信が出来る様になった所、長波受信が出来る様になったところです。
筐体は共通のプレスで、プラスチックの表面処理をラバー処理から普通の処理なしになったところで、表面のタッチが変わったのがちょっと残念ですが、劣化でべたべたになるよりはいいでしょう。
シルバー仕上げもあり、3色から選べる様になっています。
PL-550にあったプリセレクターがなくなって、その部分にSSBの微調整つまみが付きました。
実用面で大きく変わったのが、感度が良くなったことでしょうか。
FMの感度が上がりまして、自宅から札幌方面にあるコミュニティFM局の受信がロッドアンテナで出来る様になったことが大きな違いです。
音質は以前のPL-550と同様にいい音がします。
FMに関してはセラミックフィルターは特に変わっていないようで、受信している分には感度の違い以外は特に感じないです。
コマンド改造でAIRバンドが表示します。
こちらはハード改造しましたが、日中だと飛行機からの無線が聞こえますが、夜になると短波放送が強く入って来ます。
短波にコンバーターが付いている様ですが、アンテナの切り替えか、短波のすり抜けがありますので、実用的ではありません。
切り替えがしっかり出来れば、AIRバンドも使えるPL-600になるでしょうが、PL-660にAIRバンドが入りましたので、そちらを買った方がいいでしょう。


PL-600の側面

PL-550にはメインダイヤルにクリックがありましたが、PL-600にはなくなりました。
数年使うとメインダイヤルが抜けやすくなってきます。
PL-600ではまだ抜ける様なことはないですが、ボンドなどで抜けない様に固定しないとスポッと抜けてしまうのが気になります。
中国産ラジオの電池充電はタイマーによるものになっていますが、使用している時間によっては時間調整しなくてはならないので、急速充電やΔピークで停止出来る様な充電機能になっているといいのですが、そこがちょっと寂しいところです。
充電電流が100mAと1200mAHの電池としては0.1C以下の電流ですので、充電自体は優しいですが、時間が掛かりすぎます。
エネループを使うと2000mAですので、20時間以上掛かってしまいます。
別の充電器を使用して充電することをお奨めしています。
PLLのラジオで誤作動もあるようで、いずれのラジオにもリセットスイッチが付いています。
















PL-550の正面

こちらは別の特集でも出していますので、これといったものもないですが、長期間使ってダイヤルの抜けが気になりました。
まだボンドでは固定していないですが、そのうちに固定しなくてはならなくなるでしょう。
本体の裏に付いているスタンドのツメが3回ほど折れてしまい、そこは修理しましたが、プラスチック部に金属の針を入れて補強しました。
立てて使う時のスタンド針金が短いのでどうも不安定です。
内蔵電池は当初から付属していた物をそのまま使用していますが、消費電流の少ないラジオですのでそれなりに長持ちますので付属電池で充分に使用できます。
プリセレクターと音量のVRの接触不良が出てきましたが、ここは安い部品を使用しているのか、ちょっと接触不良には早すぎると思います。
値段が値段ですので、それでも納得できますが、電子ボリウムよりはいいかな・・・・と。
ゴム引き風の筐体は滑らずタッチもいいので気に入っていますが、年数が経過するとベタベタになつてしまいます。






PL-550の裏面

裏のスタンドの中には普段聞く短波放送の周波数と時間帯を印刷ラミネートして貼り付けてあります。
余りに小さい文字だったのでよく見えないですが、それでも便利?です。
メモリーには日本語放送の短波局を入れてありますが、何がどこの周波数だったか解らなくなってしまいました。
メモリーが多いのはいいですが、メモ書きが出来ると便利ですけどね。
シングルスーパーのこのPL-550ですが、内部ノイズも少なくとても聞きやすいです。
付属のACアダプターにはタムラのトランスでちょうど入る物がありましたので、AC100V仕様にしてありますが、DE-1103とは端子のプラスマイナスが逆ですので、共用して使えないのが残念です。














3台の実用的比較

この3台とナショナルのクーガーRF-2200とRQ-585も比較してみました。


◎FM放送

FM放送では感度の差と強力な隣接局のかぶりがどの程度影響するかですが。
アンテナの向きで強力な放送局からの信号を逃げられますが、今回の方向は一定です。

屋根に上げた9素子FMアンテナに繋いで南西向きでミニFM局を聞いてみました。
その方向には手稲山の送信所があり、10kwクラスのFM放送局が多数ありますので、被りは相当ある状態での受信でした。

例 ○=良好フルスケール ×=受信不能 M*=メリット1〜5

_____________PL-550___PL-600___DE-1103__RF-2200__RQ-585

76.1MHz_______○________○___________○__________○___________○ FMはまなす(岩見沢市)
76.2MHz_______×________×___________×__________M2__________× 札幌三角山(札幌市)
76.5MHz_______×________M3__________M2_________M4__________× FMアップル(札幌市)
77.6MHz_______M5_______M5__________M5_________M5__________M5 FMドラマシティ(札幌市)
78.1MHz_______M2_______M3__________M3_________M4__________× FMカロス(札幌市)
79.9MHz_______M5_______M5__________M5_________M5__________M4 FMメイプル(北広島市)
83.0MHz_______M2_______M3__________M4_________M5__________M2 With-S(札幌市)



★PL-550★

シングルスーパーでは健闘していると思います。実用感度の問題はありませんが、ギリギリの局でしたら聞こえるか聞こえないかの差となってしまいます。
隣接局からの被りはありますが、受信したい局はノイズ混じりで聞こえてきます。
外部アンテナを使えば問題なく入ります。

★PL-600★

DE1103と比較するとロッドアンテナではメリット5がPL600ではメリット4になる状態です。
ちょっとした感度の差なのか、誤差の範囲内か、そんな程度の差でした。

★DE-1103★

さすがに感度はいいです。ここの場所で聞こえる50km離れたFM放送局ですが、20W出力にしてはよく聞こえてきます。
部屋の方向が全く逆ですので、放送局に向いた部屋でしたら間違いなく強力に受信できそうです。
今の環境では問題なく聞けるレベルでした。

◎AM放送(長波・中波)

★PL-550★

AM放送では大きな差はないと思っていましたが、良く聞いてみると多少の違いがありました。
550ではシングルスーパーの関係なのか、割と静かに聞こえノイズの関係はあまり気になりません。
受信感度ではダブルスーパーに一歩譲りますが、実用感度では問題なくこちらもいいです。
弱い信号の灯台放送などではさすがにこの感度の差が現れます。
全て内蔵アンテナでの比較です。
こちらは北海道ですので、近い積丹灯台、襟裳灯台が聞こえてきます。
それもかなり弱いですが、メリット2-3程度では聞こえますので、内容の判別がギリギリできる程度です。

★PL-600★中波・長波

ダブルスーパーですが、内部ノイズは特に大きくもなくで聞きやすいです。
隣接局の被りも少なく、極々普通に聞けてストレスは感じない受信が出来ます。
灯台放送も聞こえ、これもPL-550同様近くは聞こえますが、遠方は聞こえません。
外部アンテナを付けると聞こえますが、普段使う本体のみという条件でしたらPL-550とそう変わらないでしょうか。
それでもダブルスーパーだけあって、同じ聞こえる灯台放送ですが、了解度が少し上がります。
そこが感じる違いでしょうか。

長波はラジオ単体で聞こえますが、279KHzは良く入ります。 同じコンディションの時には、音楽が楽しめますので、良好です。
長波になると外部アンテナが使用できないので、バーアンテナ近くに置いた結合用のバーアンテナを近づけての評価です。
内蔵でも夜でしたらよく聞こえます。

★DE-1103★中波・長波

BCL標準機といわれるだけあって、こちらの感度というのは優秀でしょう。
ただAM放送を聴いているとS/Nが余り良くない様な感じがしますが、それ程でもなさそうです。。
AGCが良く効いているのか、強力な近くの放送局でも極々普通に受信しますし、遠方もちゃんと聞こえてきます。
強力すぎて・・・というのは余り感じないので、マスクされる様なことは余りないようです。
まだまだ使いこなしていないですので、中途半端なレポートですが、感じたままに・・・・・。
例えば、日本放送の電波と、ここから20Kmほどしか離れていないNHKラジオ2局500KWの送信所からの電波も同じように聞こえるのです。
長波でも同様の感じで、279KHzは隣で鳴らしているPL-600と遜色ないです。
違いは音作りくらいでしょうか。
ヘッドフォンで聴くと細かい部分が解りますが、問題なしですね。
Line outがこちらには付いていますので、そのまま聞きながら録音ができる利点がありました。
こちらは外部内部アンテナの切り換えが隠しでできますので、それで外部アンテナを切り替えてみました。
屋内長波アンテナでは内蔵と余り変わりませんでした。

◎短波放送

★PL-550★

こちらでは違いは感じないです。
こちらで聞こえるものは、他のラジオでも同様に聞こえます。
そこでの受信感度の差は感じないですが、PL-550の強みはプリセレが付いていることと、フィルターの切れの切り替えできて、ナローが2段あるということでしょうか。
これがあるのでこの様な結果が出ているのかもしれません。

★PL-600★

内蔵ホイップでの比較ですので、普段使う状態です。
外部アンテナを付けるとまた違う評価になるでしょうけど、本体アンテナということで、この状態では大きな差が見つけられません。
違いがあるとすると、フィルターの違いと音質の違いとS/Nのちょっとの違いくらいでしょうか。
PL-600はワイドとナローの2段ですので、PL-550のIFの f 切り換えが出来る物とはちょっと違うかもしれないです。
音質の違いは了解度の違いとして現れることもあり、割と重要なことです。
どちらも音質に関してはHi/Loの切り換えだけですので、スピーカーから聞いている分にはこの2台ではあまり差は感じられません。
PL-550で聞こえて、PL-600で聞こえないというのはなかったですが、その逆も今まで使った分には殆どなかったです。
ダブルスーパーとの違いはここではあまり感じられませんでしたが、状態によってはこちらが良く受信出来る事もありました。

★DE-1103★

内蔵ホイップで違ったのはこのラジオで、同じ受信は出来ても了解度の違いがでました。
RAEアルゼンチンを聞いていた時に3台で聞きましたが、音質のいいのはPL550/600でしたが、了解度となるとちょっとの差でDE-1103が良かったです。
中国の四川省からのQRMがありましたが、同じISの確認にしてもちょっと1103が良かったです。
ただ大きな差ではなく、ちょっと聞きやすいかな・・・・程度なものですが。
これで外部アンテナ接続となるとまた違った評価になります。
ATTの減衰量と混信の具合、その時の伝搬状況など複雑に絡み合ってきますので、一概には言えないですので、ラジオ本体だけの比較としました。

★RF-2200クーガー★

番外ですが、当時アナログ最高峰のクーガーもありますので、こちらとも比較してみました。
購入後に全て調整しパーツ交換などしていい状態にしてありますので、一般的なRF-2200とは少し違うかもしれません。
AMではジャイロアンテナがなかなか便利で、灯台放送も受信できます。
AMでは周波数は読めないですが、別マーカーで校正して受信してみました。
さすがに当時最高といわれたラジオだけあり、よく聞こえました。
短波でもその性能は発揮されて、今の周波数精度はありませんが、待ち受け受信できるラジオというよりも受信機に近い感じです。
音質も良く大きい筐体ですので、それも当然なのですが、TONEが低高の2VRですので、細かい調整ができます。
フィルターは2種類でちょっと甘めですが、RFゲインの連続可変ができますので、その辺りは強みでしょうか。



★番外 RQ-585★

こちらはラジカセにBCLチューナーが入ったものです。
BFOは殆ど効かないですが、普通の放送を聴く分には問題ないです。
中波・短波ともナローがないので厳しいですが、放送を聴いている分には極々普通に聞こえます。
シングルスーパーの割には高い周波数の感度が良く、21-29MHzなどでも充分な感度で受信できます。
これも内蔵ホイップでの受信ですが・・・・・
ジャイロアンテナを装備したこのラジカセですが、ゼネカバ受信ができるちょっと楽しいラジカセです。











★ 測定値 ★

SGで各周波数を測定をしてみました。
SGは長波から短波までのアナログ信号発生器です。
信号強度が絞りきれなかったらと、外付けでUHF用のATTを付けてみました。
1dB単位で20dBまで絞れるATTで、ラジオのアンテナ端子から信号は入れてみました。
信号には400Hzの変調を掛けて、50%の変調率に設定しての測定です。
ちなみに0dBで1μVになる信号ですが、余りに感度が良いので外部ATTで絞り測定しました。
聞こえる最低限の信号を入れて、信号が聞こえなくなるまで絞ってみました。













==============PL-550=====PL-600=====DE-1103================
5MHz  0dB入力全部S/N 10dB over OK

5MHz ________________ -14dB___________ -18dB___________ -20dB_______スレッショルド

10MHz_________________ -2dB_____________ -9dB___________ -11dB_______スレッショルド

15MHz_________________ -5dB___________ -15dB___________ -11dB_______スレッショルド

20MHz___________________ 0dB___________ -12dB___________ -18dB_______スレッショルド

27MHz___________________ 1dB___________ -12dB___________ -18dB_______スレッショルド

1670KHz________________________________________________________ -5dB_______スレッショルド

BarANT経由1670KHz 全て+10dB入力でS/N 10dB以上

以上の様な結果になりましたが、数値ではDE-1103が一番です。
短波帯のみの測定になりましたが、大まかな感度はこれで想像が付くでしょう。
シングルスーパーとダブルスーパーの差が数値として出ています。
単なる比較ですので、これが実用での性能に結びつくかというと、その様にはなりません。
2信号特性やイメージ、混変調など色々な要素が加わって、実際の受信をしていますので、この数値の意味はあまりないと思いますが、単なる比較としてご覧下さい。

PL-550/600は音楽用ラジオという感じで、DE-1103は通信機の様な感じでした。
どちらも短波放送を聴くには充分かつ、いい状態で聴けるラジオであることは間違いないです。




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