ケンクラフト QS-500完全解体-ニッケルメッキ仕上げ-完全レストアby JA6MSI

掲載(2009/06/06)

ケンクラフト製のQS-500を完全分解、ニッケルメッキ後に完全レストアしたJA6MSI局から写真を提供して頂きましたので、特集させて頂きます。

この素晴らしいQS-500をじっくりとご覧下さい。








★完全バラバラに解体されたQS-500

このように基板から細かいパーツまで、全て取り外された状態になっています。
シャーシはニッケルメッキに出されたそうで、それはとても高価なメッキです。
シャーシの他、細かい部品類もメッキされたようで、メッキ前には下地処理が必要なのは言うまでもありません。
その下地処理次第でメッキの乗りが変わり、仕上がりが大きく変わってしまいます。
この時点で錆び落としなどもして、きれいにならしておかなくてはなりません。
汚れ落としの他、表面仕上げなど磨き込みも行っているでしょう。
部品交換などもこのあと行われました。
完全に分解されていますので、パーツのチェックも同時に出来る事でしょう。
劣化したパーツなどはチェックして、交換しています。
配線類も全てではないでしょうが、交換する事を前提に行われたでしょう。



















分解したパーツなどはチェック後きれいに磨かれてています。
回転部分は脱脂後に再注油され、ギヤ・軸なども磨きを掛けてありました。
バンド切り換えなどのロータリスイッチは一旦分解して接点洗浄、端子の清掃研磨などされたようで、とてもきれいになっていました。
これで接触不良とは無縁でしょう。
配線類も洗剤できれいに洗われて、1本ずつバラバラにして再結束、交換なども行われたようです。
とても丁寧な仕事です。




























取り替えられた部品達です。
ネジも山になっていますが、交換されたパーツがかなりの数になっていました。
トランジスターは全て交換されたようで、コンデンサもかなりの数取り替えているようです。
取り外した電子部品は、チェックするよりも交換した方が早いでしょう。
ネジは全て取り替えられたようで、ソケット類、コネクターからシールドケースまで多岐に渡り、新品を作るよりも手間が掛かりそうな程です。
































★ニッケルメッキ仕上げ

磨き上げられたシャーシ類は、ニッケルメッキ処理されて出来上がりました。
底板からVFOケース、基板土台から細かい金具などメッキできる物は全てメッキ処理されました。
使用するネジも同じメッキネジです。
フロントパネルのベースも同様になっていて、この状態でメッキ糟に入り、電気メッキされます。
入れる前とメッキ後の重量の差で、その価格は決定します。
接合部などの深い部分にも当然メッキされて、見える部分から見えない部分まで全てニッケルメッキになりました。
CrよりもNiの方が高いようで、細かい価格はお聞きしていないですが、それだけでリグ1台分くらいには軽くなるでしょう。
交換部品なども入れると、ちょっと想像したくない価格になってしまいます。
それ以上に素晴らしい出来ですので、代えがたいものがあります。

ここからは復元に入ります。


















★シャーシ全景

ニッケルメッキされたシャーシ

実物を是非見てみたい・・・・です。


































★プリント基板

きれいに洗浄清掃された基板は、再半田処理されて、クラックなどの出来ないように処理してあります。
基板には酸化防止剤が塗布され、新品以上の輝きがあります。
ここまでに電子部品の交換、チェックなどは済ませ、全ての基板を処理して、これから基板の取り付けに入ります。
























★パーツの取り付け

ここからシャーシに基板の取り付けから、取り外した部品、ソケット類、端子類まで一気に取り付けしていきます。
VFOの基板、ギヤ類、VRスイッチ類、ここで全てのパーツは取り付けが完了します。
かなり形になってきました。
部品類の取り付けは数が多いので手間が掛かりますが、それ以上に大変なのは、ワイヤーハーネスです。
キットでもここまでは一気に終わりますが、これからがもっと大変です。







































★ハーネス開始

配線が始まるとどの線がどこへ行くか、一旦広げてシミュレートしなくてはなりません。
仮付けして間違いがないか、確認しながら元の配線を繋ぎ、交換しながら長さ合わせをしていく、ここが一番大変なところです。
一歩間違えると配線が足りない、合わないということになってしまい、取り外す時に既に元の場所を記載するか、記録しておかなくてはなりません。
それを忘れると新たに配線を作り直さなくてはなりません。
いっそその方が早いのかも知れないですが、ここは利用できる配線はそのまま、シールド線類は交換してあるようです。
余裕もみてハーネス固定の場所も確認しながらの作業ですので、一番手間が掛かり、出来栄えも左右されます。
これがきれいに出来ると、市販されたもののようにきれいな配線となります。
一番気の遣う所が配線類です。





































配線類を一旦全部入れて穴に通してあり、この様な状況になっています。
ここまで来ると、あとはまとめる作業です。
1本ずつ確認しながらのコンの必要な作業です。
単調ではありますが、一番重要な部分でもありますので、慎重に事を進めなくてはなりません。
端末にはどこに繋がるか、記載したタグが付いています。
これと配線図を見ながらの作業で、これが外れたりするとどの配線なのか解らなくなってしまいます。


































★もう少し〜最終仕上げ

配線も進んでワイヤリング固定完了、余裕も取ってもう少しです。
ここまで進むと、先が見えてきました。
あともう少し、自分がやっているような気分になってきます。
大変な作業ですが、キットではここまで組み立てる様になっていますので、作るのも大変です。
キットよりも元に戻す作業の方が大変ではないかと思いますが、ここまで来たらあともうちょっとです。









































★配線完了

配線が完了しました。
きれいに並べられた配線です。
これにはセンスが必要で、見た目がきれいだと無線機ではすぐ動作しそうな感じがします。
処が配線は終わっても、これから調整作業が待っています。
配線が済んだら、後は出来たも同然。
一度は出来上がっていたものを分解しているので、それほど大きく調整のずれはないでしょう。
コイルなどもメッキ線を使用したものと交換してあるか、洗浄したものか解らないですが、若干の調整は必要になるでしょう。
トランジスターなども交換していますので、動作確認などには少し時間が掛かるでしょう。






































★完 成★

配線も終わり、パーツ取り付けなど全て終わりました。
この勇姿を見て下さい。
新品よりもきれいなQS-500です。
左横からの姿です。




































★後ろ姿

こちらは後ろ姿です。
きれいですね。
シールドケースもこの様にきれいです。
トランスもこの様にきれいになりました。
交換した電解コンデンサも黒光りしています。
後ろから見える中央の基板は、ノイズブランカー基板、100KHzマーカー基板です。




































★右側面

ファイナルボックスに繋がっている真鍮棒も輝いて、ラダーチェーンも光っています。
右側面からの姿です。
受信部トップとドライバの載った基板と、AFアンプ基板が見えます。
スケルチは付いていませんが、S/Nがいいのでその必要もないでしょう。
ノイズブランカーは効き方はちょっと甘めかも知れませんが、イグニッションノイズはきれいに消えます。
AMは低電力変調でノーマルだと3W程度です。
バランスを合わせるときれいな変調が出てきます。
このQS-500では、電源トランスの高圧部を倍電圧整流に改造してあるそうです。
無負荷でDC600Vくらいにはなるでしょうから、S-2001シングルでは最大50WPEP位の出力になるでしょうか。
ノーマルSSB/CWでは13W、AMが3Wとなっています。
AMにはフィルターが付いていませんので、狭めのSSBフィルターを経由した音ですが、通常の受信には支障ないです。
できれば6KHz位のクリスタルフィルターが欲しいところです。
オプションのAMフィルター設定がなかったと思いました。

これだけ手の掛かったQS-500は他にないでしょう。
素晴らしい出来のQS-500を参考に、レストアされて下さい。















★正面から

JA6MSI局のQS-500の勇姿です。

これほどきれいなQS-500は他に存在しないでしょう。

改めてこの出来栄えに感動してしまいます。

次の世代でも使えるよう、新基準に適応できるといいですが・・・。

この先、博物館行きは確実でしょうが、こんなQS-500で電波を出してみたいですね。













戻る