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講演・講義 (編集中) お問い合わせは、掲示板 もしくは jap_psyche@yahoo.co.jp へ。今、家庭と子供が危ない!
<日曜コース> >10:30〜12:OO <夜間コース> >20:00〜22:00
Yahooメッセンジャー、ライブカメラ、マイクなどが必要。 受講料=30,OOO円(パスツアー料金含む、税別) 場所 水曜および日曜コース・・・琉球新報カルチャーセンター(098-865-5277) 夜間コース・・・ぎのわん調剤支援センター研修室(国立沖縄病院前がねこ薬局2F、090-1940-0525) インターネット・・・各位のPCの前 連絡先 jap_psyche@yahoo.co.jp 注意 夜間コース及びインターネットにはバスツアーはありません 講演・講義録(1) 「お母さんだって、甘えたい!」 〜正しい甘えが、心を癒す〜 お母さんのための、家族療法講座 −1 講師:又吉 正治氏
−−もくじ−− 日本人には日本人の心理学があります 西洋の子育てと、日本の子育ての基本的な違いとは? 「叱る」のは、逆効果!? 精神構造の基本 二重人格性 「意識」」と「無意識」の割合 「無意識」の癖の直し方とは? まず、人間と動物の、子供の違いを知る 「多世代伝承過程」つまり子供は親のコピー、その子がまたコピー、またコピー・・・ 離婚は3世代おき!?の論理 女の知恵=「婦道」とは? では、子育てとは!? 「条件母性反射」 甘える、甘えさせる、そして甘えを阻止する因子とは 結婚しない子供をつくる育て方とは・・・!? 仕事もしない子供をつくる育て方とは・・・!? 上手な共稼ぎ&子育て かしこい家庭マネジメント法 お母さんだって甘えたい 正しい甘え方、甘えさせ方 名づけて「忠犬ハチ公化計画」 「自立」と「自律」 すね、ひがみ、恨み、ふてくされ・・・の原因は、甘え不足 身に付けよう「甘え」の能力 言葉の意味の、落とし穴!? さいごに・・・
日本人には日本人の心理学があります たとえばみなさま、まだご記憶かと思いますが、福岡で起きたバスジャック事件。犯人の少年は精神科にかかって、それなりの治療も受けていたにも関わらず、ああいった事件が起きてしまった。つまり、心理療法や精神療法は、実際には役に立っていなかった、ということですね。なぜでしょうか。 日本で学ばれている心理学は西洋から直輸入された心理学、というのが現状であります。しかし、日本の歴史や文化は西洋のそれとは異なりますね。本当に日常生活に役立たせたいなら、日本の文化に基づいた日本本来の心理学が必要であるわけです。ここでは、お母さんたちの日常生活に本当に役に立つ心理学を、「甘え」という観点からお話していきましょう。 西洋の子育てと、日本の子育ての基本的な違いとは? 子供は母親に甘える。しかし、西洋の家庭にはこの「甘え」という概念がありません。「甘え」という言葉も、英語にはありません。ではどうなるかと言いますと、早くから子供を自立することを促します。日本では、子供は両親と川の字になって寝ることが多いですが、西洋では夫婦と子供は別室で寝ますね。つまり、西洋では、親は子供を甘えさせない。子供は親に甘えられないまま成長します。このことを踏まえて、話を聞いていただけると理解しやすいでしょう。 「甘える」とは、自分でやってできないことはないことを、あえて相手に頼むこと。つまり、相手に上手に依存する、ということですね。これを確認しておきましょう。 「叱る」のは、逆効果!? たとえば子供が勉強しない、遊んでばかりいる、朝起きない、夜更かしする、とか、夫は金遣いが荒い、酒ばかり飲んでいる、あるいは夜な夜な女を探しに行く・・・。人にはいろんな癖がございますが、みなさま方はご家族のこういう嫌なものを見た時、だいたいが、文句を言って注意しますね。これが実は、ほとんど功を奏さない。こんなことを言えば言うほど逆効果になっているはずです。勉強しない子に「勉強しなさい、しなさい」って言っても「はいお母さん、すぐやります」なんて、なりませんね? たとえば、機械が壊れたらどうするか。普通は構造を知りませんからドンドン叩いて直ればもうけもの。直らなければ修理、つまり病院行き。しかし構造を知る人は、自分で配線をいじって直すことができる。人の心も同じであります。問題を起こしている子供、気に食わぬ夫がいた時に、この人間の精神構造を知らないので、結局言葉でバンバンと叩く、あるいは本当に身体をボンボンと叩いて、こうしなさい、ああしなさいとやるのですが、効き目がない。しまいには悪化して家庭の中が壊れたりするわけですが、これは機械と同じで、人間の心の構造がわかれば、簡単に直せるわけです。 精神構造の基本 おおまかに言って、人間は2つの心を持っています。そのうちの1つは「意識」と言われ、もう1つの部分は「無意識」と言われております。 「意識」と「無意識」。言葉としてはわかるが、具体的にどういうものか、こう言われると「あれ?」と思いませんか?「意識」というのは多分直感的にわかるでしょう。では「無意識」は? 「無意識」は「慣れ」、つまり「癖」と考えればよいでしょう。どんな癖があるかといえば、「うん」と言ったら頷く。なんてことなく首を振る、その時には意識せずに自然にやりますね。「にこにこ笑おう」とか「歯を何本見せよう」とか一切考えないで自然にしている行動であります。 これが癖であります。こういった癖がたくさんありますね。人は歩く時も、右足と左足を代わりばんこに間違いなく出すように自然とやっています。こういったことを全て「意識」でやると気が狂ってしまいます。つまり我々はそいうった人間としての自然な行動ができるようになっている、そういう癖を持っている、つまりそれが「無意識」の部分であると考えればいいということです。 二重人格性 人間は基本的には「意識」と「無意識」の二重人格者である、ということであります。 ご家庭では、奥様の目から、お子さんやご亭主の二重人格性を理解できると、人間関係として大成功です。しかし、これができないと、家庭の中でいろんな問題が起きてしまうわけです。 二重人格は病気ではなく当たり前に持っている性格です。 たとえばご亭主をよく観察すると、他人に対してはへこへこしていい感じの顔でお付き合いするのですが、家に帰ってくるとあぐらかいて「おいメシ」「おいこれ」と、とかく傍若無人に振舞ったり、やたら甘えてきたり。お父さん、外ではいい顔してうちでは・・・。女性も同様で、普通に家庭の中で話している時でも、電話が鳴りますと急に声のトーンが上がりますね。相手が亭主だったりすると「なーんだ」とガタッと下がるのですが(笑)。 こういったいろんな場面でその人の人格が現れるわけですが、意識的にやっている表向きの人格、そして自然の癖の中でやっている部分、この2つの人格が現れます。 ですから家庭の中で「うちの子はとってもいい子です。しつけが行き届いています」そういう子供は、だいたい「意識」だけできている。ということはもう1つの「無意識」の人格の部分はどこで出しているのか。実際、学校で暴れて人をいじめたりする子供は、おうちの中ではとってもいい子で、どうして学校でそんなことするの?と、親がびっくりすることが多いわけですね。 おうちの中でだらしない子供や亭主。外では立派な人であります。このへんを理解したいところであります。 「意識」と「無意識」の割合 家族療法では、本人(子供や夫)を直接治療しなくても、そのお母さんないしは奥さんを通して、お父さんや子供さんの全ての問題行動を直してあげることができます。この方法を身に付けていただきたいですね。 覚えておいていただきたいのは、「意識」と「無意識」の大きさは全然違うということです。自覚できる「意識」の大きさを1とします。それに対して「無意識」の大きさはどれくらいか。これがなんと1に対して10万と言われているのです。多くの方はもっと少ないと思っていまして、そのために日常生活に支障が出るのですね。 大事なのは、子供やご亭主の悪い癖を見た時、その癖というのは「無意識」のものである、ということですね。だから悪い部分を直させようとして注意する。それを教育・躾と称する。しかしそれは10万分の1の「無意識」の癖を直させようとしているわけですから、ほとんど直らないと考えていただいていいと思います。かえって注意し続けることで、ひどくなっていきますね。真面目な人ほど、ああ今日もだめだった、今日もできなかった、また言われる、もうだめだ・・・。 癖になってないことは、注意すればすぐ直る。しかし癖になっていることは、注意して直してあげようと言い続けると、余計ひどくなる。これがわかれば、日常生活でだいぶ気が楽になるんじゃないでしょうか。悪い癖を直そうと思ったら、言わない。これが大原則になります。 「無意識」の癖の直し方とは? たとえば自分に悪い癖があるとします。その癖を「直そう、直そう」と思っても直りませんので、あきらめていただきたい。そういうやり方では直らない、ということです。「私はだんなの顔をみたら何か文句言いたくなる」という癖のある奥さん、けっこういらっしゃいます。帰ってくると文句言って、朝出て行く時に「ゴミ捨てて行って」とガーガー言って出て行く。いろいろいらっしゃいますが、直そうと思っても直りませんのでこれは、正しく言わせていただく、という感覚が必要であります。 そして、どのようにしてこの癖を直すか、ということになると、この癖がどのようにして作られたか、その原因を知るということがわかることが必要になります。 まず、人間と動物の、子供の違いを知る 人間と動物は根本的にどこが違うのか、ペットの犬や猫を育てるのと自分たちの子供を産んで育てるのはどこが違うのか。お母さま方はわかっていらっしゃいますか? 「あまり変わらないと思います(ある参加者)」(一同笑)。 根本的に違うところは、動物の子供は生れ落ちた瞬間から、その動物特有の本能のもとに行動できる、ということです。自分の足で歩き、母親のおっぱいを自分で探し、そして自分で飲みます。母親は寝ているだけであります。ところが人間の赤ちゃんはまったくできませんね。生れ落ちた瞬間からできることは、唇に触れたものに吸い付くだけです。他のことはほとんどできません。約1歳になったころにやっと、動物が生まれた直後の状態に追いつくわけであります。 その人間の赤ちゃんが生まれ持った数少ない本能の中で、模倣本能というものがあります、これは本能ですから、「あの人の真似をしたらいいよ」こんなことを言わなくても、自然と真似るのです。この本能が、動物と大きく違うところです。人間が動物をいくら可愛がって大事にして育てたとしても、動物は人間にはなりえない。しかし人間は、赤ちゃんの時に狼に育てられたら狼になってしまう。1920年インドの狼少女の話はとても有名ですね。 アメリカで起きた話です。ある夫婦が子供を預けて共働きしていました。最初はベビーシッターに預けて、そこにラブラドール犬を飼ったんですね。その赤ちゃんがラブラドール犬になついたので、これはいいと思ってずっと一緒に留守番をさせていました。何が起きたかといいますと、半年くらい経った時、その赤ちゃんの行動が犬のようになってきたわけなんです。これはまずい。しかしこのように赤ちゃんは、自分を育ててくれる、自分の周りにいる人の行動を真似る。これが人間であります。 「多世代伝承過程」つまり子供は親のコピー、その子がまたコピー、またコピー・・・ ですから、子供は二重人格者である親の癖、歩き方から話し方までコピーして生きていくわけです。で、我々も成人して結婚して子供を産んだら、我々の行動を子供にコピーさせる。これが先祖代々から続いており、これからも未来に渡って続いていく。いい面ならいいですけどね。 虐待を例にとりますと、これが世代から世代に渡って伝達されるというのは、よく知られた事実であります。虐待されて育った人は、自分はしたくないのに、しないと体がおかしくなってしまう、ということで虐待をしてしまう。また、夫婦喧嘩を見ながら育った人は、結婚して幸せになりたい、あんなことはしたくない、と思う。喧嘩を避けようとしてその癖を出さないように我慢する。しかし、だいたい10年前後も我慢すれば、もういやだ、と反動が出て我慢できなくなります。そしてまた、喧嘩するわけですね。このように現象が続いていく。 こういったものは、日本の伝統的な文化では、先祖の祟り、と言われているものです。つまり先祖の祟り、という概念は迷信ではない、ということになりますね。この現象は医学の世界では、たとえばアメリカの医学ですと「多世代伝承過程」という形で理解されております。多くの世代に伝わるプロセス、という意味ですね。スイスの衝動病理学では、遺伝に見えることから「遺伝趨勢」という名前をつけております。アメリカではしかし、この「多世代伝承過程」を専門とする人は、医師では全体の1%いるかいないか。この現象を理解するのは、ごくごく一部の人間であります。しかし日本では、一般庶民がすでに、なんとなく昔から持っていた概念であるわけです。「親の因果が子に報い」「かえるの子はかえる」のような諺も多く残していますね。ですから、今起きている問題は、先祖からの関連で出ている、そう考えることで、当事者同士で言い合っても直らない癖に対処法が出てくるわけです。 離婚は3世代おき!?の論理 たとえば、離婚は、3代おきに出てくるといわれます。外国の研究では、1人犯罪者が出ると、家系的に犯罪者が出る、という事例もあります。また、アル中、精神病、浮気性など、さまざまなものが、これにあてはまります。 3代おきに離婚が発生する具体例ですが、1代目が離婚したとします。すると、その子供は多くは母に育てられる。最近は父が育てる場合も増えてきましたが。いずれにしろ、親1人子1人ですね。すると、どういう生活になるかというと、子供にしてみれば、母親が働きに出る。すると淋しい。親からするとどうなるか。子供がいるから(単身者や男性ほどには時間的に)仕事に打ち込むことができない。だから結果的に、子供は淋しくしかも貧しい生活を余儀なくされることになるわけです。 そうするとそういう気持ちを抱いて成長する子供はどうなるか。その淋しさや貧しさが嫌であればあるほど、母親が離婚したから、自分にこんな思いをさせたから、自分は絶対自分の子供にこんな嫌な思いはさせないぞ、と、がんばるわけです。そしてこの世代(2代目)は、何があっても子供のために我慢する。つらくても我慢して、がんばって別れないわけです。そんな親を見て育つ子供は、いったいどうなるでありましょう。その我慢している程度がひどければひどいほど、「この親ばかか。こんなに嫌なことを我慢するくらいなら別れてくれないか、お願いだから。」と思うようになるわけです。お互いに不幸なんだから、我慢するくらいならお互いの幸せのために別れて、相性のいい人と結婚する方がいいと考えるようになるわけですね。ですから結婚生活で、我慢しよう、という気持ちはない。どうしても嫌であれば、別れていく、という方向に走りがちになりましょう。ですから、ここで(3代目)また離婚という形が出るということになるわけです。 「〇→●→〇」であります。 肉体的、生物学的な伝承が「遺伝」であるなら、文化的な遺伝を「多世代伝承過程」と考えてくださればよろしいでしょう。 人の顔でいうならば、目の形は遺伝でありますが、「やさしい目」の、この形容詞の部分が多世代伝承過程であります。生物学的なものは、いわゆる医学の対象ですが、性格的・精神的なものは、精神療法や心理療法の対象になるわけであります。 ですから、生まれつき直らない、というのは、目が二つあるとか、そういうものですね。でも、「目がきつい」とかいうのは、生まれつきだから直らんとは考えないで下さい。これは直ります。 女の知恵=「婦道」とは? 自分が嫌な思いをしたから、子供にはそういう思いをさせまい、この伝承が、多世代伝承過程の特徴ですね。 もし、ほんとうに家庭の中で離婚の危機に直面したら、どうしますか? 我慢する。爆発する。どちらもとりたくないでしょ? しかし、この中庸を行くというセンスを持っているのが、実は日本の伝統的な文化であります。この中庸のセンスを生かすのが、昔から女の道、つまり「婦道」と言われています。 「婦道」とはつまり、女の道、知恵ですね。残念ながらこれが消えつつある。 もうわかりますね。ここに悪いものがある。この悪いものを消したい、と思ったら、親に対する反感を消せばいい、ということになりますね。しかし、簡単にはいきません。昔から日本では「親を敬え」と言いますけど、ただ敬うことだけを押し付けられたら反発しますね。「敬えるような親になってくれ」とか。ですから、「ああしろ、こうしろ」ではなくて、親が子供を育てる時に、子供から見て「うちの親はすてき」と思われるような親にならないといけないわけです。 しかしだからといって、子供のご機嫌とりばかりして、ほしいもの全部与えてしまうのは、絶対にいけません。 心理療法などで、問題を抱えている、あるいは心身症になったような人は、精神分析をしますと、必ず親に対する反感を抱えている。つまり、家庭の中の問題の根源は、親に対する反感であります。それを消せばいいということを、まずここでわかっていただければいいでしょう。反感を持たないようにしよう、と、意識でコントロールしてもだめですよ。この反感という「癖」があるとしたらどうしたらいいか、それを考えましょう。 では、子育てとは!? 今までの心理学とか教育の講演などでは、母親に「がんばれ」とか「しっかりしなさい」とか、せき立てるようなことが多かったですね。だけどここでは言いません。がんばらなくていいよ、やることだけはやればいいよ。では、何をやればいいのか。子供を育てる時に、最低限どれだけのことをやればいいかわかっている方、いますか? 沖縄県の保育士の大会があって、そこで特別講演なんか頼まれまして、参加者の方に「子育てとはいったいなんですか」と聞きましても、答えきれないです。これが現状ですね。 では、子育ての本質とはいったいなんなのか。 これは、子供の不快感を取り除いて快感に変える、一連の作業であると定義することができます。よく考えていただければ、それだけのことであります。 ここに、躾をよくするとか、将来どうするとか、難しいことを言う必要はございません。まずこれだけが基本です。そしてこれは自然に我々はやっているはずです。 つまり、赤ちゃんが泣いたら空腹のサイン、お母さんはおっぱいを含ませて赤ちゃんは安らかな顔になる。おしめも、そうですね。不快感を覚えたら母を求める。そして安心という快感を得る。それを何回も何回もやっていますと、やがてそれが条件反射のようになってまいります。これは大人になってからも続きまして、不快感、たとえば非常に淋しい場所に行ったり、死に瀕したような時に、思わず「おかあちゃん!」と、母を求めて叫ぶということがあるわけです。 これを、「条件母性反射」と、私は呼んでいます。 「条件母性反射」 ここに、不快感・快感・母という、3つの要素があります。 「条件母性反射」は生後6ヶ月前後に、子育てが普通に行なわれていれば発生します。6ヶ月前後に赤ちゃんに見られる現象はつまり、「人見知り」であります。 人見知りが発生するということは、つまり母には甘えるけど父には遠慮して甘えないとか、ましてや他人にはもっと甘えない。これはとても重要な現象でありまして、子供が、言語とかを抜きにして反射的に母親を認識した証拠になります。ですからこれ以降、子供というのは、男の子であろうが女の子であろうが、母というものに甘えていくわけです。 いろんな事情で父に甘えて育つような子供はどうなるかと申しますと、男らしさと女らしさが逆転するようになります。男女になったり、女男になったり。で、最終的には、性同一性障害など、いろんな問題を引き起こすようになりますが、この理論は、実際の防止法などを含めて、3回目くらいにお話することにいたします。今は、子育ての本質というのは、不快感を取り除いて快感に変える作業である、ということを念頭に置いてください。 これは実は実践されていないケースが多いのです。赤ちゃんの時には、泣いたらおっぱいをあげる、それは自然にやりますが、2歳3歳4歳になってくると、「うるさい、黙れ」と、不快感を覚えているのに、余計不快感を与えてしまうケースがけっこうあります。これを間違えないようにしていただきたいのであります。 今、申し上げました子育ての本質は、教育の本質、あるいは介護、看護の本質でもあります。介護者が高齢者に、「それくらい自分でやりなさいよ」と言うわけにはいきませんね。やっぱり、不快感を取り除いてあげるのが、介護、看護であり、また、勉強という世界では「わからない」という不快感を取り除いて快感に変えてあげるのが教育であります。これもなされてない。「何?そんなこともわからないか、ばか者、出直せ」、そんな態度の人が多いですね。これはいけない。やはり、不快感を取り除くという態度が必要であります。 甘える、甘えさせる、そして甘えを阻止する因子とは 母=女が子育てする、世界的に共通の現象ですね。それは乳房があるからでございます。 子供は、男女の別なく母に甘える、こういう特徴は成人しても続きます。沖縄では戦時中、死にそうになったご老人がたくさんいます。そういう時に誰に頼りたくなったか、と聞きますと、「かあちゃん」と言うんですね。アメリカ人の学生にも同じ質問をしまして、アメリカではそういう時、神様を呼ぶのだと考えていましたら、やはり「かあちゃん」なのだそうです。 子供というのは母に甘えたい気持ちを持っている。母は甘えて来る子供に対して普通は「はいはいおいで、いい子ね」と抱きとめます。それを「甘えさせる」と言います。 しかし現実の家庭生活の中では子供が母に甘えるのを邪魔する因子も存在しますね。まず挙げられるのは、夫婦の夜の営み。セックスの間は母を父に奪われる。この時、子供には「母」が「女」になるのを忌み嫌う心理が発生します。 男性は、妙齢な女性のセクシーな姿を見ると、思わずムラムラっと来てしまうものですが(笑)、自分の母親のそういう同じような姿を見た時に、素敵だな、と思うかというと、そうじゃないですね。みっともない、やめてくれ、恥ずかしいと思う。女性もそうじゃないですか? これは自分の母親の、女の部分を見たくない、といった心理なのです。これはとても重要です。「アジャセコンプレックス」と言いますが、これだけは頭に入れておいていただいた方がいいと思います。これは家庭の中での近親相姦を防ぐための大切なものです。 男性というのは、思春期以降、毎日性欲に耐えて生きている動物なのです。女性から見ると、まさかと思うかもしれませんが、大変ですよ、この耐えていくの。いつプッツンするかわかりません。もし母親に対してエロチックな欲望を持ったら毎晩大変です。しかし、今のように子育てが普通に行なわれていれば、母に対して女を感じることはないわけです。 もしこの中に、だんなの性欲が強くて強くて困る、という人がおりましたら、簡単にこの性欲を抑えることができます。「母」を演じて自ら迫れば、その場で性欲ストップです(笑)。 男は単に女であればセックスは成立するのです。他人の、母の面影を持たない女ですね。これが母の面影を持つと、もうだめです。ですから男は一般的に、自分の母親か、それ以上の年齢の女性には、興味を示しませんね。 結婚しない子供をつくる育て方とは・・・!? 人は、家庭の中で母の「女」の部分を見たくない、という心理があります。しかしもし、「性教育だから」「早く慣れなさいね」と言って母がチラチラ見せて歩くとどういうことになるか。どうなると思います?男の子は。見たくないものを無理に見せられながら大きくなるということじゃないですか? 嫌悪感を示すわけですね。ですから、沖縄でも事例があるのですが、離婚して、水商売をしながら一人息子をうんと立派に育てようと努力する。自分は男で失敗したから、子供には変な虫をつかせないように、少し見せながら慣れさせる、なんて人が実は多かった。で、結果どうなるかといいますと、100%とは言いませんがかなり高い確率で、女の裸を見ると嫌悪感をもよおすわけです。するとどういうことになるかといいますと、結婚しないわけです。結婚せずにどうするかといいますと、女体には嫌悪感を催しますが、性欲はあるわけです。ちょっとおかしな性行動がでてきますね。ま、こんな男の子に育てないでほしいわけです。 仕事もしない子供をつくる育て方とは・・・!? 次に、共稼ぎについて考えてみましょう。 共稼ぎの家庭では、子供から見れば、母を仕事に奪われる、ということになります。「かあちゃん、一緒に寝ようよ」「ごめんね、仕事があるから」という感じになるわけです。と、小さい頃から仕事に嫉妬しながら成長するわけですね。するとどうなりますか。仕事が嫌になりますね。 嫌になるから、どうするか、仕事をしたくない。でも社会的義務がありますから、いやいやする。楽しくないことをいやいやするわけですから、ストレスがたまって疲れる。1年もすると疲れてばたっと倒れる。そして休養して、しばらくするとまた元気になってやりだす。そしてまた疲れてやめる・・・。これを繰り返すわけです。ですからいつまでたっても責任ある一定の仕事につくことができない。もしくは、いわゆるフリーターのようになりますね。 そして、仕事が嫌いになれば、仕事にまつわることまで嫌いになります。仕事にまつわることといったら、真面目にルールを守ること、協力すること、などがありますから、こういったことは嫌いです。したがって、いい加減な人間が出来上がるわけであります。 ぼくの住んでいる沖縄県は、伝統的に貧困でありますし、ほとんど全土が(第2次世界大戦で)やられましたので、我々の親の世代はゼロから出発しております。ですから、我々は常に、親を仕事に取られながら生きてきています。そうするとどうなりますか。仕事?そんなことはどうでもいい。時間?遅れて当たり前。そんな感覚であります。これを沖縄の方言で、大概ですまそう、つまりテーゲーとよばれますが、こういった県民性ができるわけです。こういった、仕事に不真面目な、いい加減な人間が出てしまいます(笑)。 上手な共稼ぎ&子育て しかし、だから共稼ぎはやめなさい、というわけにはいきませんから、沖縄では、共稼ぎをしながらどうやって子育てをするか、ということが、とても重要でした。その中で大事なことは、西洋式にどうのとか、保育士に預ければいいや、じゃなくて、親子関係・母子関係を大切にしながらするということです。そのポイントが何かということは、わかりましたね。 仕事をする時に大切なのは? 仕事をすることで、子供に仕事に対して嫉妬心を覚えさせないように配慮しながらするということであります。じゃ、具体的にどうすればいいですか、もうわかりますでしょう。働いているからといって疲れていたり、子供にああしろ、こうしろ、という母親になったら、もうだめですね。そうじゃない。帰ってきたら、やさしい母親になる、おかあちゃんが働いてるからぼくは人よりいい思いができる、母親が働くことに喜びを感じるように持っていきたいわけです。 ですが、そのために子供にやたらに物を買ってあげる、これはいけません。変なあげ方をすると、甘やかし、という感じになるからです。この甘やかし、の部分は、次回に全部の時間を使ってお話します。しかし、おかしいということはわかっていて下さい。 今日は、母も甘える必要がある、というところに話を持っていきます。 家庭の中の、子供が甘えることを邪魔する因子。それをみなさまに見つけ出してほしいのです。それが生活に必要なものであれば、子供に対して嫉妬させないように配慮する。不必要なものであれば取り除く、それがポイントであります。 たとえば、今日も保育に預けている方いらっしゃいますね。終わって子供に会った時、どうもありがとう、さすが私の子供ね、と、ちゃんと子供と心をつなげていって下さい。でないと「お母さんは勉強するたびぼくを捨てる」、ということになりますでしょ?勉強嫌いになってしまいます。気付かないうちに子供を勉強嫌いにしておきながら、勉強しない、勉強しない、キィーッ、となるのでは、だめですよ。 かしこい家庭マネジメント法 そこでですね。今日は家庭の中をマネジメントする時に大切なことをお話したいと思います。 人間は母親に甘えます。甘えることによって、精神的に健全に成長するわけです。子供は母に甘え、そして夫は妻に甘えます。 だけど妻という女は、誰に甘えたらいいのかわからない。家庭の中では、妻という女が甘える場がないというのが現実であります。ですから、女性は結婚したらどういう生活を送るかといいますと、まあ最初のうちは楽しいですけどね、子供ができてからはこうです。 朝起きて、みんなより早く起きてご飯を作って食べさせる、そしてみんなを送り出して解放されて自分も出て行く。そしてなるだけみんなより早く帰って、夕方以降はみんなをお帰りなさいと迎える。そして片付けて、寝かせて、自分も抱かれて子供を作ってあげて、それをまた育ててあげて、それを一生繰り返していくわけですね。ですから、結婚生活ではみんなが甘えてくるのを受けとめて、サービスする。 最初の1、2年はこれも楽しいかもしれませんが、これが5年10年経つ頃には、ストレスがたまってきてしまいます。母親だって甘えたい。ではその母親の甘えをどうするか。 お母さんだって甘えたい お母さんだって甘えたい!この状況を切り抜けるのに原則的2つ、その方法が考えられます。 1つは西洋的な知恵ですね。西洋の家庭では、こういう葛藤が日本人よりもっともっと強いわけです。何しろ小さい頃から親に甘えないで育ちます。ですから結婚してからの甘えがとっても強い。たとえば、アメリカでは結婚したら夫婦優先。夫婦で甘え合うことが最重要、ここに子供は絶対に入れない。だから、子供は甘えられない。ですから大人になった時にまたセックスを通して互いに甘えるということになります。だからセックス文化になるわけです。 我々日本人は、そんなことはしないわけですね。セックス文化ではなくて、もう少し、精神的な、お互いに理解し合うといった、精神的な面での甘えがある文化になるわけです。 西洋には「甘える」という言葉がない。しかも本当は甘えがとっても強い。子供の頃から「甘えるな」と親から言われ、厳しくされている。ですからどうなるかというと、家族が妻・母に甘えてくると「もう甘えてこないでちょうだい!」ということになるようです。日本人でも、小さい頃から母に甘えられずに育った女性は、みんなが甘えてくるのを、鬱陶しいといって拒否するようになりますね。 もう何年前でしょうか。西洋の女性も昔から苦しんできましたから、これから解放されたい、ということで、女性解放運動というのが始まりまして、ウーマン・リブとかフェミニズムとか、そういうものがあったわけです。 そういった世界では、お互いが一人前になって、干渉しないでそれぞれが原則的に自立して、甘えることはしないで生きていきましょう、となります。そういう思想を、日本も近年輸入してきまして、現在「男女共同参画」という体制にはめようとしているわけです。 西洋と違って、日本人である我々は、甘えるという感覚を持っている、そして子供が甘えてくるのは当たり前のように受けとめます。皆さん、イライラさえしていなければ、だんなや子供が「これお願い」と言ってきたら、「うん、いいよ」と受けとめるでしょ?ただ、イライラしているとできないだけで、それは本当の気持ちじゃないわけですよ。ただ、そのイライラの解消法がわからないから、イライラした時、こういった男女共同参画のようなものに賛成してしまうんですが、これはまずいわけであります。 我々は甘えるという方法をもっている、そして日本人は、甘えさせるという心性をみな持っているはずです。 お母さんが甘えるための2つ目の解決方法、甘えさせる、これが大切です。 正しい甘え方、甘えさせ方 甘えさせる、というのはどういうことでしょう。いかにも相手の忠実な犬になるような雰囲気を感じますね。なんでも要求を聞いてあげる。いけません。違うんですよ。 「甘えさせる」、これはつまり、「ほめること」であります。 たとえば、ほめられたら、認められたら、うれしいじゃないですか。自分が認められたらうれしい。甘える、ということにつながるでしょ?そういうことなんです。 自分のいいところ、がんばってるところを認めて、えらいね、と言われたら、うれしくなって、とても気持ちがよくなってきます。つまり、甘えたい時に甘えさせてもらえるとうれしくなるんです。これをもう少し細かく言うと、この人は本当に自分をよくわかってくれてるわ、と、相手を信頼する気持ちが出てきますね。信頼する気持ちが出てきたら、ああ、この人は信用できるから、この人の言うことを聞いていこう、聞きたい。そういうふうになってくれるわけです。つまり、適切に甘えさせることができれば、相手はその人に対して、信頼の気持ちと忠誠の気持ちを向けるということです。ですから、家庭の中では、妻に対しては夫も子供も自然と甘える気持ちを向けているから、女は甘えさせるテクニックさえ覚えれば、家族全員に、信頼と忠誠の気持ちを自分に向けさせることができる、ということであります。 名づけて「忠犬ハチ公化計画」 これを私は、「忠犬ハチ公化計画を実施しましょう」と言っています。家庭の中の夫や子供を、みなさまの忠犬ハチ公に仕立て上げましょう、そういうふうに表現しております。日頃どんな変なことをしていても、基本的には、うちのかあちゃんのためならおれは何だってやるぜ、という気持ちが出てくるわけですから、稼いできたものは全部貢ぐ、こうなるわけです。 日本の家庭では、女性は家族の精神的な中心となっているわけです。条件母性反射があって、みんな母に甘えたいという心理が自然に存在するのです。この特性をよくわかって、自分の家族を忠犬ハチ公にすると、みなさんだって甘えられるわけですね。 忠犬ハチ公になってるかどうかは、チェックしてみて下さい。たとえば棚をわざとちょっとガタガタにしておきます。ねえ、あなた、棚がちょっとおかしいのよね、と、自分でできるけどね、(甘えてるわけですね)ねえ、ちょっと腰が痛いの。うんと言ってすぐにやってもらえるような夫を持っている人は、忠犬ハチ公化に成功しているということです。うんと言っても1週間、1ヶ月、もっとたってもやらない、これは計画失敗(笑)。 男女共同参画計画を推進しているとある女性。なんて言っているかというと、男は、ぬれ落ち葉とか、粗大ゴミ。忠犬ハチ公化計画に失敗した女性のたわごとでございます。忠犬ハチ公化計画を実践できれば、男というのはそんなふうにはなりません。粗大ゴミにするか忠犬ハチ公にするかは、女の知恵ひとつ、心ひとつでございます。 平均的な結婚では、女性は男性よりも年下ですね。しかも、男性は女性よりも短命です。ということは普通の夫婦生活では、夫の死後、女性は未亡人生活を10年20年送っているということになりますが、これを否定的に考える必要はまったくございません。つまり、男は甘える動物ですから、うんとおだてて、おだてて、おだてて、働かす、そして貢がす。そして、いい気持ちで天国に先に行っていただく(笑)。そして、遺産をがっぽり相続。なかなか壮大な計画でしょ?これでいいと思うんです。男の側から言えば、自分を一生支えてくれる女にだったら、おれは全部貢ぐ、捧げる、はっきり言いますが、そうなりますよ。 「自立」と「自律」 「自立」とは本来西洋の考え方ですが、日本的な考え方で「自立」と言った場合、ちょっと意味が違ってきますね。どうなるかといいますと、本物の自立は(これは世界的にも通用しますね)「相互依存」、つまり甘えですね、お互いに甘える。相互依存しあうなかで、自分をふりまわされないように律する、相互依存しながら自分を律して、相手に負担をかけ過ぎないようにしよう、これが本当の「自立=自律」ではないでしょうか。 だから、西洋の考え方を即日本に取り入れますと、家族の中が殺伐とした関係になってまいりますが、日本の伝統に基づいた「自立=自律」は、西洋にも輸出できる概念なのであります。だから我々はぜひ、こういう相互依存、精神的にも物理的にも互いに助け合い、その中で度を越さないように律していく関係を築きたいと思いますね。 みなさまも、この忠犬ハチ公化計画というのを、ぜひ面白く実践していただきたいな、と思います。そしたら自分自身が安らぐはずなんです。我々は「甘える」と言って、互いに信頼と忠誠の気持ちでつながっているわけですから、あうんの呼吸がうまく伝わるわけです。西洋人には無い感覚です。そういった文化を大事にしたいですね、精神文化というものを。 現在多くの地域で行なわれている「男女共同参画」というのは、今生きている自分たちだけの生き方を規定しているものであって、次の子供たち=次の世代のことを考えることがほとんどありません。もし、みなさまの地域で男女共同参画の条例が定められていったら、ぜひ気をつけてください。次の子供をいい子に育てないと、人間社会は滅びていきます。よく考えましょう。子供は甘えるものですね。甘えさせてもらって初めて、精神が落ち着くわけです。 すね、ひがみ、恨み、ふてくされ・・・の原因は、甘え不足 西洋式に生きていますと、「甘えるな」という生き方ですから、そういう社会で子供たちはどうなりますでしょう。甘えたくても甘えられない時、みなさまはどういう気持ちになりますか?すねてきます。そしてひがんできます。そして恨むようになる。それでも甘えさせてくれない時は、ふてくされてきます。最後にはやけくそになるわけです、つまり西洋式の生活を送っていけば、次の世代の子供たちは、みんなすねてひがんでふてくされてやけくそになった人間の集まりになる、ということであります。 そういった憎しみを持った子供たちが集まるアメリカの学校が荒れ果てているというのがよくわかります。そして日本でも最近の都会生活の中で、こういうことがわからないでアメリカ的になってしまった学校社会は、そういう心理を持った子供たちであふれているわけですから、何か言えばすねてひがんでまともなコミュニケーションができない、喧嘩にしかならない、学級崩壊。こんな感じの社会にだんだんなりつつありますね。そうしますと人類は破滅の方向に向かう。 しかし、日本には、お互いにうまく距離をとりながら、甘えあい支える、そういう気持ちがあります。親はだから子供を甘えさせる。そうすると、すねひがみ恨みがない。すると、この子供の社会は、とても治安のいい社会になる。そういう子供が大きくなれば、社会全体の治安がよくなりますね。 日本は伝統的に、世界各国に比べると、ダントツに治安がよかったわけです。日本の「交番」という言葉が「KOBAN」として海外に輸出されるほど、日本の治安は有名であります。これは警察が優秀だからとかいうことではなく、犯罪を発生させる心理を持った人間が少なかった、ということであると思うのです。これは親子関係であります。甘え、甘えさせるという関係がうまくいっておれば、すねてひがんで恨んでふてくされてやけくそになるような人間は、少ないのであります。ですから犯罪が起こりますと、親子関係がうまくいっていない、というのがわかるわけです。 こういうわけですので、家庭を経営する時、女は、まず甘えてくる夫を甘えさせる、このテクニックをお互い習得しようではありませんか。これが、自分が甘えるための方法であります。これができればできるほど、みなさんの気持ちは、落ち着いていくわけです。 身に付けよう「甘え」の能力 だから家庭の中にまず、自分の甘える場所を作りましょう。そのためには、今言ったように、甘えさせる能力を持ちましょう。これは何も、家庭の中だけに当てはまるものではありません。企業経営する際に、あるいは組織の中で管理職の立場にある人は、この能力を持たなければいけないわけで、いい管理職といわれる人はその能力、すごく持っています。部下のいいところを伸ばす、信頼を集める、すると、ちゃんと言うことを聞いて部下が動いてくれる。そして業績が上がる。こういう感じですね。ですから、経営の神様と呼ばれるような人の本などを読みますと、こういう態度で貫かれているわけです。たとえば、又吉さんの家庭では、「又吉家庭株式会社」という組織になるわけです。その中の社長は誰かというと、女である自分自身です。夫は何かと言うと、一応、営業部長?主婦は経営の長でありますから、すべて男は、馬車馬と思ってうまく働かせる。 ではこれから帰って、早速実践してみようとしたら、どうなると思いますか?うまくいかないんですよ。 言葉の意味の、落とし穴!? 男がいて女がいて、最初他人ですが、縁あって一緒になって生活していきますと、ある時点から情がつながりを持って身内の感覚になりますね。すると、他人の時の感情とは全然違います。他人の時には、相手に言ったことがそのまま通じます。「愛しいてるよ」という言葉も、他人だったら、まあうれしいわ、となるわけですが、しかし生活していくと、ね、そう言われてもおかしいですよね。他人の関係だと言葉はそのまま通じるのですが、身内の関係になると、言葉の意味は、反対の意味を伴ないながら相手に伝わっていくんです。これが特徴です。 家庭の中では特に注意してください。子供に「勉強するんだよ、勉強するんだよ、東大入ろうね」とやりますね。で、何が伝わるかと言うと、その裏の意味が伝わることが往々にしてあります。勉強しようね、の裏の意味は?「あんたは頭が悪いんだよ」という意味が伝わるわけです。だから勉強しようね、と言われ続けた子供は、「うるせえ、ばばあ、おれはどうせ頭が悪いんだ」こんな感じになって、ひねくれて勉強しなくなる。逆効果になるわけです。 さて、最初に話したことを思い出してください。人間の精神構造は二重人格で、無意識が意識の10万倍も多かった。自分の好かない悪い癖は言っても直らなかった。やさしく言っても伝わらない、となると、もう家庭の中ではできない、ということになりますね。女の子に、「女の子なんだから、片付けようね、片付けようね」と言い続けると、「あんたは女の子なのに片付けることもできない、汚れ好き者」ということ、あるいは「あんたは女じゃないよ」ということになるんですね。こういわれて育つとどうなります?ふん、どうせ私は女じゃないわ、女の特性、大嫌い。そしてフェミニストになっちゃうわけですね。これはやっかいですね。ですから我々は、ほめる、という時にも、相手に皮肉に取られないようにしなければいけません。 さいごに・・・ 西洋の心理学をそのまま直輸入して講演をしている人々は、子供をほめましょう、信頼される母親になりましょう、みなさん、と言いますが、こんなの実行したら失敗しますよ。こんなバカな講演をして高い講演料をもらっているのが、大多数の心理学者です。もしそのような話を聞いたら、偽者である。エセ心理学者であります。気をつけてください。つまり、西洋の心理学のほめなさいは、日本では適用できない、日本でちゃんと実行するには、ほめるときに、裏の意味が伝わらないように、相手にほめる、ということです。裏の意味が伝わらないようにするには、いろんな工夫ができます。そういった工夫も、2、3、4回と続けていく時にちゃんとお話しますが、今は悪い事例だけお話しておきましょうね。たとえばこんなことがあります。 ほめる側がいますね。ほめられる側がおります。ほめる側が、すねてひがんで、そんな気持ちの中で相手をほめたとしましょう。なんか変な言葉が伝わってきますでしょ?ほめるにしても「あんた、えらいわね」と言っても、なんか嫌な気持ちが伝わってきますね。 ほめる側がすねてひがんだ気持ちを持っていると、相手が(素直であっても)変な裏の意味が伝わってしまいます。二重の意味のメッセージですね。また、こっちが落ち着いて真心から「あんた、えらいわね」と言っても、相手がすねてひがんでいたら、まともには伝わらないわけです。ひがんで受け取ったりしますね。こういう状況になったりするわけです。こういったコミュニケーションを家族の中でうまく整理して、真心がどんどん伝わるようにする、そういった工夫をしていきたいと思うわけであります。 あと3回講演がありますが、その中でうまく習得していただきたいと思います。 今日はこれで終わりです。どうも有難うございました。
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