1. 設立の背景

 特定非営利活動法人「第三者品質管理機構」は、第三者が品質を管理することの意義を社会に普及することを目的として東京都から認証を受け平成17年7月1日に設立されました。その趣旨を以下に示します。
[設立趣旨]  最近、いろいろな場面で安心という言葉が使われるようになりました。 これまで積み上げられて来た社会のシステムや商品などの品質に対す る信頼性が薄れ、誰もが不安感を抱くようになったからです。この根 本的原因は、社会のさまざまなシステムや製品の製作過程において最 終使用者あるいはコンシューマー(以下、生活者という。)がほとんど 蚊帳の外に置かれてきたことにありました。そこで、真の意味での第 三者といえる生活者を主体とする視点から、それらの品質を管理する 仕組みを作り、これを活用して心豊かな社会の形成に向けた諸活動を 展開することを目的として、この法人を設立します。その活動は、生 活者が安全・安心でサステナブルなライフスタイルを享受するために 必要な製品(もの)、システム(こと)および両者の融合体である(も のごと)の品質を、専門家の意見も参考にして生活者自身で管理・運 用することを支援すること、つまり、世の中に出される様々な「もの」、 「こと」および「ものごと」の品質を評価し普及することです。 この活動を通して生活者の、生活者による、生活者のための生活スタ イルが着実に進展し、心豊かで安心な社会が実現することを確信する ものであります。
 要約しますと、生活者を主体とするライフスタイルの実現を支援するために活動する方策を考えることが、この法人の設立目的です。最近、環境会計、コンプライアンス(法令遵守)、コーポレイト・ガバナンス(企業倫理)など、企業の社会貢献(CSR)に関する表現が普通にみられるようになりました。サステナブルな社会を構築する一環として、生活の自立を支援する活動の重要性がクローズアップされています。そのためにも第三者による公正、透明で信頼性のある品質の検証、評価、管理などの体制を確立し、生活者の生活支援に資することが不可欠であると思います。

2. 第三者と機構について

 この法人は、次の項で触れますように、消費者の保護を図るために活動する組織です。活動を確かなものとするためには、第三者および機構の位置づけを明確にしておく必要があると考えます。より正確には、法律などによらなければなりませんが、普通の表現では、以下のようにいえると思います。
[第三者機構]  「第三者」は、当事者でない個人や法人を云い、「機構」は、ある目的を遂行するために関わるいくつかの機関をつなぐ組織といえます。したがって、この法人は、当事者でない個人あるいは法人として品質の管理に関わる諸機関から提示された事項を処理し、それに必要な情報などを発信する組織、またはその機関のあり方を研究する組織といえると考えています。最近は、第三者の前に「真の」という冠をつけた例も目につきます。当事者かどうかが不明瞭で、第三者を装っている場合もあるからと思います。これでは、正しい判断がなされない恐れがあります。この法人では、そのようなことがないよう事業を進めたいと考えています。

3. 品質管理について

 欧米では、まず品質を考え、つぎにそれを保持するために必要なコストをリーズナブルに決定しています。しかし、日本は逆で、まずコストありきの風潮が強いと思います。品物の品質を確保する方法には二つあります。一つは、品物の規格を作成し、その通りに生産されているかをチェックする方法です。TQC(製品総合品質管理)やJISなどの制度はその例です。二つ目は、品物を作り出す工程に注目し、各製造工程が的確に機能していることをチェックする方法です。工程管理が適切であれば適正な品物が生産されるという考え方です。ISO9000sなどの制度がその例です。この法人は、最終消費者あるいはコンシューマー(生活者)の視点から、専門家、消費者(市民)などを交えて申請された製品の性能を、この法人が作成した評価基準に基づいて評価すること、生活者が製品の品質を適切に判断する力を養えるようセミナーなどを通して支援すること、製品やシステムの規格(Japan Consumers Standard)を作成することなどの事業を通して、品物の品質が生活の場に適切に生かされる方策について探究する場であると考えています。

4. 活動の種類

 この法人が掲げる活動の種類は、定款の第4条に示していますが、「消費者の保護を図る」ことです。建築分野に限定いたしましても、安心な暮らしの場が確保できるよう支援すること、安心してリフォームができる環境の整備を生活者と協動することなど挙げられます。東海地震・東南海地震・南海地震の切迫性が報じられる中、無料耐震診断と称して住宅に上がりこみ、不安感をあおって高額な改修工事を契約させる、実際の製品と異なるものを届ける、評価を受けた製品と異なるものを納める、評価を受けたと偽ってカタログを作り販売に利用するなど、CSRとは程遠い商取引の秩序を乱す行為が日常茶飯事であり、消費者が安心して心豊かな生活を送ることが困難な状況がますます増大していると思います。ビルや住宅は不動産であるためPL法の対象外ですが、アルミサッシ窓、ドアなど不動産の一部となった動産は、引き渡された時には動産であり、PL法の対象とされます。いずれにしましても、最終ユーザーあるいはコンシューマー(生活者)が安心して品物やシステムを使用することができる社会にする必要があります。そのためには、これらを正しく検証・評価すること、評価したことを公示すること、評価した品物やシステムが品質を維持していることを確かめること、品物やシステムの特性を正しく識別できる賢い生活者の育成あるいは生活者との協動を目指すこと、など多くの事業を展開する必要があると考えております。

5. 事業の種類

 この法人では、「消費者の保護を図るため」の以下の4つの事業の種類を設定しています。
[事業の種類]
  1. セミナーの開催などによる品質管理に関する知識の啓発や普及の事業
  2. 品質管理に関する評価、格付け基準の作成および評価の事業
  3. 建築物、住宅に特定した品質や性能についての知識を啓発、普及させるための生活者との協動事業
  4. その他、この法人の目的を達成するために必要な事業
 品質管理に関するセミナーについては、安全、建材知識を主なテーマとして採り上げ、最終消費者や使用者(生活者)が製品の特性や安全に関する情報を的確に取捨選択できる能力を養えることを目途に内容の充実に努めています。
 製品や生活システムに関する評価・格付けを行うための実施マニュアルを作成しています。このマニュアル(要領書)の特徴は、以下のように整理できます。
[評価・格付けの要領]
  1. 評価を希望する企業、技術システムは、消費者の保護を図るために有意義な組織、システムであること
  2. この法人の定めた評価・格付け基準に従い申請者が提出した資料の適合性について評価・格付けを実施する体制を提示すること
  3. 評価・格付けされた企業、技術システムは、提出した書類に忠実にしたがって活動を行うこと
  4. 評価・格付けされた企業、技術システムに関わる瑕疵などは、申請者の責任において解消すること
  5. 評価・格付けの運用体制や活動内容の変更に速やかに対応する組織運営の方法を確立し、本NPOのHPやニューズレターを通して公示すること
 上記第5項の評価・格付け書の有効期限については、3〜5年間程度が望ましいと考えています。また、製品評価の場合はラベリングやリスティングの制度を確立することが望ましい訳ですが、この法人はそのための資料を作成し実施機関へ引き渡すことが妥当と考えております。こうした活動については今後とも検討を継続し、その過程はニューズレターやHP上でお知らせすることとします。
 建築物や住宅に特定した知識の啓発や普及に関しては、比較的規模の小さい設計事務所や工務店を対象に専門的知識を講述すると共に、双方向的に課題解決のための論議を行うこととしています。また、市民と建築物や住宅の安全について知識および知恵を協動し、安心で心豊かな生活の構築に資するよう努めています。比較的大きな企業とも最先端技術を共有し、生活者との協働を目指しています。さらに、設計、製造、施工、販売に関わる会社の、サステナビリティー(環境・省エネ)、安全・安心、コンプライアンス、財務内容などの取り組みの的確性に関する評価・格付け基準のブラッシュアップを行い、企業の信頼性を公示し、評価・格付けの正当性を生活者、専門家により絶えずチェックし、消費者サービスに努めると共に、会社の経営にも資する活動を展開しようとしております。
 その他、この法人の目的を達成するために必要な事業としては、生活者の目線で建材の特性、建物の安全・安心に関する知識情報を普及させるために、VTRの発行や現場見学会など、オープンアカデミー事業を実施しております。
 入会などのお問い合わせは、お手数ですが下記宛ご連絡いただければ幸いです。
なお、ささやかながらホームページを立ち上げました。目下鋭意進化中です。
[このNPOの連絡先]  〒162-0824 東京都新宿区揚場町1-21飯田橋升本ビル7階
 東京理科大学大学院総合科学技術経営研究科 菅原研究室気付
 特定非営利活動法人 第三者品質管理機構
 TEL/FAX: 03-5225-7844
 E-mail: sugahara@rs.kagu.tus.ac.jp
 または sugasuga@beige.ocn.ne.jp
 ホームページアドレス http://www.geocities.jp/japan_consumers_standard/
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