最近の若者の思想



著者:異端乃猿
2015.04.12



 国が少しずつ外国に支配され、滅びゆく様を目の当たりにしていると、関心を持たない人たちのことを蔑んだ眼で見てしまう。いま国のなかで何が起きているのか知らないだけかもしれないが、それでも知ろうと思えば知ることはできる。

 いま最も警戒すべきことは「反米」という思想を根底に持つ政治勢力の存在である。その中でも特に顕著なのが「反米右翼」である。最近の若者、それもインターネットに浸る若者に多く見られる思想である。インターネットを介して広まるため、その速度は速く、広く、多くの若者そして中高年の間にも広がりを見せている。

 この者たちは如何なる特徴を持つかというと次のような発言をする機会が多い。「日本は米国の属国だ、従属国だ」という発言である。このような発言を声高に、それも自慢げに語ろうとするのだ。これは、とても愚かなことである。なぜなら、属国だ、従属国だと言うことは、すなわち自分たちは「奴隷だ!奴隷だ」と言っているに等しいからだ。

 恥ずかしくないのだろうか。この者たちは自らを貶めていることに気づいていない。この者たちは自分だけではなく、国そのものを貶めていることに気づいていない。

 また、反米右翼は「親米」すなわち米国と仲良くしようとする者たちを批判の的とする。さも自分たちが正しいことを主張しているかのように、その相手を批判するのである。それも親米の者たちを「戦後保守」だと罵り、反米右翼こそが保守派だというのだ。

 しかし少し考えれば解ることなのだが、反米という思想は戦後に生まれた思想なのだ。戦争をする前は、日本と米国は仲が良かった。日本は国中が親米だったのだ。それが、いつしか変化を遂げて戦争へと向かったのだ。そして戦時中に「反米」の思想が生まれ、戦後に引き継がれたのだ。反米という思想は戦後の思想なのである。戦後の思想を持つ反米派が親米派を戦後保守だと罵る行為は実に滑稽である。

 反米右翼が保守派を気取るのであれば、その思想もまた戦後保守なのだ。これは戦後の世代に広まってきた思想だといえる。

 さらに、反米右翼のおかしなところは米国しか批判の対象にしないところである。先の大戦の対戦相手国は米国だけではなく、オランダとイギリス、それに終戦近くに参戦したソビエトである。

 七十数年前に起きた戦争だから忘れているのだろうか。それとも本土空襲をした相手国が米国だから、米国だけが記憶に残っているのか。しかし、戦後の世界で反米の思想を持つのは限られた国だけである。日本の周辺国であればソビエト、中国、北朝鮮である。これらの国々の影響を受けている思想が「反米左翼」と呼ばれるものだ。だから「反米」といえば一般的にはソビエト(ロシア)、中国、北朝鮮の工作員を連想する。

 最近の若者たちに広まりつつある「反米右翼」という思想は、この「反米左翼」の影響が顕著に表れている。たとえば「反TPP」、「反グローバリズム」、「新自由主義批判」と呼ばれる言論である。これは元々反米左翼が主張していた言論である。それがいつしか反米右翼にも広まっていったのである。反米という思想が根底にあるため容易に洗脳されてしまったのだろう。

 先に挙げたTPP、グローバリズム、新自由主義は過去から現在に至るまで日本政府が政策として執行してきたものである。最近、安倍総理が農協改革の折に「新自由主義のようなことはしない」と発言しているようだが、そもそも「新自由主義」という用語は反米左翼が日本政府の政策を批判するために故意に作成した造語である。だから安倍総理が、先に挙げたような発言をしたというのであれば、それは反米左翼の勢力を遮るために発言したことだろう。

 日本の農業団体には反米左翼が巣食っているのだ。安倍内閣が戦おうとしているのは農協という殻に覆われた強固な反米左翼なのである。

 この事実を反米右翼の活動家たちは気づいていないようだ。日本国内の反米派というものは先にも挙げたようにソビエト(ロシア)、中国、北朝鮮であるように、その思想は社会主義か共産主義である。反米右翼たちが自らを保守派だと名乗りたがっているが、これは即ち社会主義と共産主義を保守しようとしているのであって、日本政府が執行しようとしている政策とは根本から異なるのである。

 いわば反米右翼が持つ思想というものは、言い換えれば「反日思想」なのである。

 反米という思想は左翼と右翼を問わず警戒すべき対象である。



以 上





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