はじめに
今、皆さんが政治家に対して抱いているイメージはどのようなものであろうか。おそらく、否定的な評価が圧倒的に多いことであろう。もちろん、その理由には政治家自身の問題も少なからずあることだろう。しかし、そのような否定的な評価は、本当に我々の意見そのものなのであろうか。
私には、それら否定的な評価のほとんどが、国民一人一人の真意ではないように感じられる。つまり、マスメディアが政策の否定的な面のみを強調し、意図的に国民を誘導している結果ではないかと思われるのである。
記憶に新しい例を挙げれば、小渕前首相についての評価がある。内閣時代の小渕氏は、マスメディアから非常に低い評価を与えられていた。だが、彼が激務の余り倒れた後、マスメディアはそれまでとは全く違った肯定的な評価を行うようになった。その結果、彼は国民から内閣時代よりずっと高く評価されるようになった。政治家としての経験が皆無である彼の娘が当選したことに、それが表われている。
このように、我々が得ることができる情報の多くは、おおよそ公正とは言い難いものである。今、情報化社会の中で暮らしている我々は、マスメディアから少しばかり距離をおき、より客観的に政治家を評価する必要があるのではないだろうか。
その具体例として、歴史上の執政者を取りあげてみたい。この論文で紹介されている人物は、いずれも明治維新での敗北者、幕府執政者である。現在でも、否定的に評価されることの多い彼らに注目し、政治家像の再評価を試みてみようと思う。