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実験コーナーイメージとパネル原稿(案) 2004.8.25 12:30更新


実験正面 全体平面 全体斜視(2003)

真空展VACUUM2004 東京ビッグサイト 2004.9.15(Wed)-17(Fri)

主催者(JVIA)ゾーン 薄膜ワールド [2004年パネル]




真空と大気との圧力差

高い山に登ってスナック菓子の袋が膨れた経験ありませんか?

普段あまり気がつきませんが、地上の大気中では1cm2当たり約1kgの力が四方にかかっていて袋の内側と外側で釣り合っています。

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        大気圧                           真空排気

この実験で周囲を減圧していくとビニール人形の中に僅かに残った空気が拡がっていくのがわかります。

真空の基礎とも言えるこの現象は、薄膜作成装置でもガス置換や液晶注入、基板の真空吸着搬送などに利用されています。



この現象の応用分野・製品

掃除機/ガス吸引/液体の充填/ガス置換/注入/吸盤/吸着パッドによる搬送/圧縮袋/シュリンク包装/隔膜真空計/ダイアフラムポンプなど





ワンポイント講座



標高(km)と圧力(Pa)の模式図

高い山では空気が薄くなり、さらに高いところ(宇宙)では高真空になることを示した図です。
真空の区分は一般に
低真空=10万〜100Pa
中真空=100〜10-1Pa
高真空=10-1〜10-5Pa
超高真空=10-5〜10-8Pa
極高真空=10-8Pa以下
とされています。


真空中での自由落下

大気中では空気の粒がぶつかり合っていますが、気体分子が少ない真空空間では真っ直ぐ飛んでいきます。

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        ふわふわ〜                           ぽてっ!

        大気圧                           真空排気



大気中ではフワフワ落下する鳥の羽も空気抵抗の無い真空中では、金属と同じ速度で落下します

気体分子同士がぶつかることなく飛ぶ現象は真空蒸着やイオンビーム成膜をはじめ様々な真空技術で利用されています



この現象の応用分野・製品

真空無重力トンネル/蒸着(蒸気の直進)/電子銃/イオンビーム応用技術/スピニングローターゲージ





ワンポイント講座



圧力の違いによる気体分子の衝突回数

分子流領域と呼ばれる高真空では気体同士がぶつかり合うことがほとんどなく、イオンや電子を電磁力で操作することが可能になります。

機材協力 島津理化器械株式会社




真空による音の減衰・断熱

音は空気を媒体とした波ですが、容器の中を減圧していくと音が伝わりにくくなり最後は聞こえなくなります。

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      チンカンピー!                           し〜ん

        大気圧                           真空排気

エネルギーを伝搬する気体分子を取り去ると断熱や遮音できます。

特に真空中で熱が伝わりにくくなる現象は、極低温の液体窒素(−196℃)や液体ヘリウム(−270℃)の保存・輸送や、金属を高温(数千℃)に加熱することに役立っています。



この現象の応用分野・製品

遮音窓(真空窓ガラス)/魔法瓶(デュアー瓶)/クライオパネル/真空溶解炉/電球/各種真空管/ピラニ真空計





ワンポイント講座




希薄な空気中での音の伝わり方の図で、大気圧を基準として減圧に伴ない、音がどのくらい小さくなっていくかを示しています。




真空による沸点低下

気圧が低いと、液体の沸点は下がって蒸発しやすくなります。

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        大気圧                           真空排気

水が沸騰する温度はいつも100℃であるとは限りません。

気圧の低い高い山では水は低い温度で沸騰してしまうため、ご飯が炊けなくなってしまいます。

さらに真空中では水は室温でも沸騰してしまうことを確かめてみましょう。



この現象はフリーズドライのインスタントコーヒーや即席ラーメンの製造や、熱に弱いビタミン剤など医薬品の蒸留や乾燥に役立っています。

また、真空装置の脱ガスや基板クリーニングなど前処理や超純度材料供給といった化学操作にも利用されています。

この現象の応用分野・製品

真空乾燥/凍結真空乾燥/蒸留/濃縮





ワンポイント講座



水の蒸気圧曲線

例えば、20kPa(大気圧の1/5)では水は60℃で沸騰することがわかります。

水の蒸気圧
温度 ℃ 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
水の蒸気圧 Pa 611 1228 2333 4240 7373 12332 19865 19865 47329 70127 101325(大気圧)



真空による防湿・酸化防止

真空中では水や酸素をシャットアウトする働きがあります

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        大気圧                           真空排気



空気中にて高温で物を加熱すると、あっという間に燃えてしまいますが(酸化)、真空中では酸素がないので薄膜作成をはじめ様々な反応に利用することができます



この現象の応用分野・製品

食品の真空保存/白熱電球フィラメント/冶金(高温処理)/蒸発源/各種薄膜作成





ワンポイント講座


晴れの日は青色で雨の日はピンクに変わる「お天気猫」さんは、塩化コバルト6水和物が水と反応して起こる現象です。

塩化コバルト6水和物

(乾) (湿)

乾燥剤のシリカゲルの青い検知剤が吸湿するとピンクになるのも同じ仕組みです。




真空放電とプラズマ

空気は電気を通しにくい(絶縁体)ですが、僅かに気体がある真空中では放電が起こりやすくなります。

中が真空の放電管の電極に1万ボルト程度の高電圧を印加すると放電します。

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        大気圧                           真空排気



  
10kPa              1kPa                100Pa

絞り弁を操作して放電管内に空気を導入すると圧力変化に伴ない放電の色や形状が変化します。

大気圧
放電しない
10kPa
紐状の放電
1kPa
電極間で幅広く放電
100Pa
電極の裏側まで薄く放電
10Pa
少し明るくなり、管全体で放電
1Pa
ガラス管が蛍光を発する


残留ガスが真空放電によりプラズマと呼ばれる電離状態となる性質は、スパッタやエッチング、イオン注入といった薄膜作成やリークテストや真空計測などに利用されます



この現象の応用分野・製品

蛍光燈/グロー管/プラズマテレビ/プラズマ応用技術(スパッタ・イオン注入・冷陰極真空計/イオンポンプ)





ワンポイント講座


物質は温度(エネルギー)によって固体・液体・気体と状態が変化します。

プラズマは気体よりもエネルギーの高い4番目の状態です。

プラズマを利用した応用産業は薄膜作成以外にもたくさんあります。

機材協力 島津理化器械株式会社

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