化石探し(99年3月27日)

ヨルダンも雨の降る冬が終わり、春を迎え、だんだん雲のある日が少なくなってきました。これから12月頃まで、一滴の雨も降らない乾燥した日々が続くことになるそうです。この国では3月27日からハジ休暇に入っています。(メッカに巡礼するための休日)そんな休みを利用して、アンマンから南へ120キロメートルに位置するカラクという町の近くにあるワジ(日本語で言えば川の意味ですが、雨期以外には、水が流れていないので水なし川のイメージ)に化石を探しに行って来ましたので報告します。今回は事務所の中川さん(シニアボランティア)に案内してもらいました。彼の趣味は化石探しだそうで、週末になると、郊外に化石を求めて車で走り回っています。シニアボランティアは、海外青年協力隊の年輩者版ですが、その活動力には脱帽します。

(写真1)

今回化石探しをした付近のワジを撮ったものです。今の季節はほとんど水は流れていませんが、雨が降ると一度に洪水のように水が流れ、両岸を少しずつ浸食していくので、このような地形になっています。対岸をよく見ると、地表の下をえぐるように、土砂を削り取っているので、非常に危険な感じがします。ヨルダンではこのような地形をあちらこちらで見ることが出来ます。

(写真2)

これはアンモナイトの化石を掘り出しているところです。この沢を少し歩くと、たくさんのアンモナイトの化石を見つけることが出来ます。アンモナイトは中生代ジュラ紀(約1〜2億年前)に生息していた海に住む生物で、形は貝のようですが、イカやタコの仲間だそうです。生息していた時期は恐竜の年代と一致します。2億年前にはここが海の底だったのかと想像すると気が遠くなります。手に持っている棒は、化石探しをするためと言うよりはむしろ、ベドウィン(遊牧民)の番犬から身を守るために持っているもので、こうした所には絶対に必要なものだそうです。夏になるとサソリが出るので、入れるのは今だけです。

(写真3)これがアンモナイトです。2つ並んで地面から顔を出しています。春は冬の雨によって表面の土砂が流されるので、化石探しには非常に良い時期だそうです。この日見つけたものの中では、大きい部類で直径が約30センチ程ありました。形のきれいに出ている右側の方を持ち帰りました。この他にも二枚貝、ウニの化石などを見つけましたが、こちらの方は大きさが親指の先ほどしかないので、とても素人には見つけられるものではなく、全て中川さんが拾い上げたものです。まあ、いずれにしても日本では博物館か学校の理科室の標本でしか見ることの出来ない、アンモナイトを掘り起こす貴重な経験が出来ました。

(写真4)中川さんの紹介

事務所の中川さんはシニアボランティアの調整員をしています。以前は日商岩井に勤めていたそうで、中近東地域のプロです。趣味は化石探し。週末になるとヨルダンのあちこちをジープで走り回っています。化石に関する情報(地質そのものと言っても良いかも知れない)はこの国では全くなく、自分の足で探し回る以外に方法は無いそうで、普通の人間にはとてもまねが出来そうにありません。 

(写真5)筆者の近況

こちらに赴任してようやく3カ月が過ぎ、生活のリズムは相変わらず仕事に追われている毎日で、やや気落ちしていましたが、今回の化石探しで、非常によい気分転換が出来ました。また、気を取り直して頑張ります。今回はカラクから「キングスハイウェー」(王の道:ローマ時代からの幹線道路)を通って帰ってきました。その間には十字軍の砦、マタバの教会など、いくつもの史跡があるのですが、今回は訪れることが出来ませんでした。また、時間を見つけ訪問し紹介したいと思います。では皆さんお元気で。

(99年3月28日作成)