「中1ギャップ」
07年度の国の調査では、不登校は小6で約8千人だが、中1では3倍強の約2万5千人に跳ね上がる。いじめも小6の約1万件から中1で約2万1千件になる。
日本教育相談研究所長の木下貴博さんは、小中の「段差」の大きさを指摘する。
まず、勉強のスピードと量だ。教科担任がそれぞれ宿題を出し、定期テストの前には遅れを取り戻そうと授業を急ぐ。さらに、部活動やふだんの学校生活では、小学校で経験しなかった先輩、後輩の厳しい上下関係がある。
(朝日新聞教育081123)
国立教育政策研究所は、中学1年の不登校の生徒の半数は小学校時代からの不登校が継続して入学直後から休みがち、中学校からの不登校は夏休み明けから欠席が増えるとする調査結果(中間報告)をまとめました。 調査は昨年12月、4県114市町村の公立中で2001年度に不登校だった1年生全員の1633人について実施し、2001年度の中1の不登校2万4293人は7%に当たります。
中1の不登校生徒の51.3%が小学校4〜6年生の間に何らかの形で不登校を経験。うち8割は小6で不登校でした。 小学校で不登校の経験がある生徒の欠席日数をみると、半数が中1の1学期末時点で不登校の基準となる30日以上でした。これに対し、「経験なし」の場合、1学期末までの欠席は9割が30日未満。しかし夏休み明けの9月から欠席が急増していました。 同研究所は、小学校で不登校だった生徒の欠席が2日になったら生徒指導主任や担任、スクールカウンセラーらのチームによる対応が必要だと指摘している。
「中1ギャップ」小学校で不登校だった子は、中学でも不登校を起こしやすい。
朝日新聞(*11/23朝日新聞教育記事)にもコメントさせていただきましたが、人との関わりが希薄になってきている現在の子どもたちにとって、小学校から中学校への段差は大きくなっているのが実情のようです。中学校では小学校と違い、殆どの科目を一人の担任の先生が見ているわけではありません。中間テストや期末テスト、そして部活。人間関係の構築と学力面でもその際は大きく、6年間慣れた小学校と違って、環境が極端に変わってきます。小学校時代に不登校を経験しなかった子どもたちでも、中学校での環境に慣れるために、最初の1ヶ月間ぐらい緊張感をもって中学校に通います。良い子を演じすぎたり、中学受験で燃え尽きてしまったり、友達関係を学ぶ一番大切な小学校高学年のときを受験勉強中心の生活で乗り切る手段がわからないでいる場合。特に小学校で不登校だった子どもたちは小学校から中学校の大幅な環境の変化に対応しきれない子も少なくないようです。それを「中1ギャップ」と言います。
友達関係や人間関係を学ぶことが大切。
「み〜んな悩んで大きくなった!!」なんて・・・。そんな昔CMがありました。今では子どもたちは悩んだら潰れそうになってしまうのかもしれません。シャイでプライドが高くて・・・。できれば小学生の間に、不登校を完全に克服できる心の強さを、多少のことは気にしない、大らかな気持ちをもてるようになること、自分自身に自身をつけることを覚えさせてあげたいと思います。 不登校の問題は、家族だけで悩んでしまうことが多く、カウンセリングをしても「学校に行けるようになるまで待ちましょう」と言われてしまい、その対応の仕方にただただ悩み、時間だけが過ぎていく状態の相談電話が後を絶ちません。
みんなの中に入っていけない、学校に行けないことで自分自身が「なんて駄目なやつなんだろう」と自己嫌悪に陥り、家庭内暴力に至ったり、自傷行為にまで陥っている子もいます。そのストレスをどう発散していいものかも分からずに、苦しんでいるのです。不登校になった子は、二度と同じことを繰り返したくない。同じ苦しさを味わいたくないと考えています。
不登校になる子はよく考える子です。考えすぎで悪循環を呼んでいる場合が多いです。著書にもありますが、「不登校の子ほどよく伸びる・丸ごと受けとめることからはじめよう」です。「上手にアプローチ、提案してあげることが何よりも大切なのです。 「中1ギャップ」その対応と対策
「不登校」は、ちょっと躓いてしまっただけです。「引きこもり」や「ニート」などという言葉がありますが、まだまだそんな言葉は当てはまりません。今を大切にして、家族だけで悩まず、なるべく長びかさないようにしてあげることが大切なのです。
不登校になった子どもにとって学校に行くより、家にいた方が、親御さんにわがままも言えて楽であり、煩わしい人間関係や友達関係などで悩むこともない方を選ぶのは当たり前です。でも無理やり学校に行かせたり、家ですら居心地が悪くなってしまうようなことは避けてあげたいです。なるべく外に出すように工夫をして、家族だけで悩まずに、新しい風を入れる意味でも相談機関に頼る方法をお勧めします。
不登校になってしまう苦しさを知っている子どもたちは同じ繰り返しはしたくないと思っています。不登校克服の成功例は多数あります。
|