ラブクエスト攻略



タイトル画面 対応機種:スーパーファミコン
1995/03/17 徳間書店インターメディア

●「恋愛」と「変愛」の狭間で

 「愛の探求」…本作の内容を一言で要約するならば確かにそれで間違ってはいない。
 結婚式の最中に突如として姿を消した婚約者を探す旅に出た主人公(マザコン気味の気弱な24歳青年サラリーマン)が、その行く先々で様々な人と出会い様々な出来事に巻き込まれていくうちに新たな愛の形を見付ける…というあらすじは、RPGとしての見た目はなるほど風変わりだがその内容自体は至極真っ当なものである。
 しかし実際に本作をプレイすることで得られる印象は、そういった無難な手堅さからはおそらくかなり隔たった危ういものとなるだろう。言うならば…「恋」と書くべきところを漢字を間違えて「変」と書いてしまったラブレターを延々と読んでいるうちに、いつの間にかそっちの方が普通だと思えるようになってしまうようなものだろうか。
 「選択肢によってはゲーム開始直後3分でいきなり始まるエンディング」「カットされたまま投げっ放しのメッセージ」など、カルトゲームとしての本作の評価を確固たるものとしているそれらの特徴についての詳述はあえて割愛するが、ゲームの本筋とは関係が薄い部分にむしろ数多くバラ撒かれている(ともすれば邪悪さすら感じられるほどの)背徳的なネタと直情まっしぐらなテキストの数々が、ひいてはプレイヤー自身が持つRPGに関する既成概念までもを激しく揺り動かし、また時としてそれを粉々に破壊してしまうことすらあるだろう。


いきなりエンディング カットされたセリフ ヤバめなテキスト

 そんな風に既存の一般的なRPGの固定概念をおちょくっているという意味では本作は確かに、自称している通り「パロディRPG」でもある。
 こうして小難しく「攻略」の情報を書き連ねるよりもいっそ街の住人のセリフ集でも作った方がはるかに手っ取り早く本作を語れるのでは…という気さえするほどだが、膨大なネタとテキストを徹頭徹尾詰め込みながらも単にそのネタに溺れきるのではなくシナリオ的に終盤に向けてとりあえず筋の通ったクライマックスをもきっちり演出しているあたり、倫理の箍(たが)を外し精神のネジを何本か飛ばしつつもその裏ではやはり最後の一線で冷静な計算がなされているであろうことが感じられる。本作は俗に言う「バカゲー」の中でも「意図的に」そう作られたものであり、しかもそれがスベることなく一定のレベルで成功した極めて稀なケースだと言えるだろう。



その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 その8 裏技など


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