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2003年ドラフト指名動向&補強ポイント&総評(パ・リーグ編)
福岡ダイエーホークス
【指名動向&補強ポイント】
ここ数年で獲得した即戦力投手が中心となり磐石のローテを確立し日本一になったダイエーだが身売り騒動などでゴタゴタがあり今年の補強は緊縮ドラフトとなりそうである。その中でも九州共立・馬原に関しては根本遺産とも言われ自由獲得枠での入団が確実視されており、唯一不安定な抑えの補強ポイントに馬原は合致している。また資金不足からか早稲田大・鳥谷の獲得からも撤退も余儀なくされ2巡目以降は井口、村松などのFA流出を考慮して将来性重視で高校生を中心にリストアップしてる模様。
【結果】
自由獲得枠で馬原を獲得し2巡目から6巡目まではオール高校生野手の指名に終始し下位で二人の即戦力投手を指名した。また高校生野手の内二人は投手だが内野手として今後は育てる方針である。また毎年地元九州出身の選手を多く指名する傾向にあったが今年は自由獲得枠の馬原1人であった。
またドラフト前に小久保を無償トレードで読売に放出した事で主力のFAでの流失が余儀なくされたダイエーだがドラフトではその影響もあってか本来の大型補強ではなく高校生中心の地味なドラフトを展開した。
【総評】
今年は当初から高校生中心のドラフト戦略を打ち出していたが狙ってた高校生がことごとく他球団に先に指名されたり、指名凍結選手になったりと最後まで誰をリストアップしてるのかが判らなかったが強力打線のFAでの今後の流失などを考慮し高校生野手を4名指名したのは評価できる。小久保の電撃移籍に始まり、村松のFA流出、井口のメジャー志向などゴタゴタが続くダイエーだがドラフトでは将来性を睨んだ指名ができたのではないだろうか。今年指名した高校生の特徴として3拍子揃った選手ばかりで広い福岡ドームを意識しての補強が見られる。また今年からは今までの即戦力重視の補強では無く、育成に力を入れた補強に転換する節目のドラフトになったのではないだろうか。今ドラフトが成功かどうかの是非は球団の育成能力にかかっていると言っても過言ではないだろう。また手薄な左腕の補強が出来なかった点は多少マイナスか…
西武ライオンズ
【指名動向&補強ポイント】
早稲田大・鳥谷の獲得に当初向かったが結局断念し一時高校生野手No1と呼び声高い柳ヶ浦・吉良を1巡目候補にあげていたが伊東監督が新監督に就任した事も関係あるのか、10月に上位指名は投手で埋める方針を打ち出した。結果的に自由獲得枠をひと枠行使して平成国際大・山崎を獲得する事になったがそれまでは12球団OKの姿勢を打ち出してる県川崎工・内投手の指名が有力と考えられていた。また長期に渡って西武の正捕手の座に君臨してた伊東が引退し監督に就任した為に、後任の捕手の育成も急務となり01、02年ともに即戦力捕手の補強をしてきたが今年も下位で近大・田中などの捕手の指名を考えてる模様。また松井がメジャーFA行使にてメジャーに行く可能性が高い為にポスト松井の指名もあるだろう。今年は不作のため、4,5人の指名になる模様。
【結果】
2巡目であわよくば獲得を狙ってた柳ヶ浦・吉良を近鉄に先に指名された為に熟考の末、ポスト松井を睨んでの県岐阜商・黒瀬を指名した。4巡目ではロッテ、近鉄の横槍が心配された明治大・岡本を指名するかと思いきや、岡本は6巡目に回し、ドラフト前日に退部届を提出した港・松川を指名。5巡目では西武お得意の長打力ある高校生指名で東海大仰星・松阪を指名し、当初予定してた捕手は7巡目で前フィリーズ1Aの佐藤、8巡目では去年ドラフト候補に名前が挙がってプロ入りを諦めきれずに浪人していた専修大卒・杉山を指名した。
【総評】
当初は少数指名を表明していたが最終的には7名の指名になり他球団からの先に指名される可能性が高かった明大・岡本を6巡目に回してまで獲得に向かった高校生松川、松坂の二人の指名する辺りは西武のしたたかさだろう。港・松川をドラフト直前まで退部届を出させなかった点や明大の岡本を6巡目に回したのも入念な根回しがあったのでは無いかと疑いたくなる程の見事な指名だった。2巡目で吉良を獲得できなかったのは残念だったろうが変わりに
ポスト松井の黒瀬が獲得できたので問題はないだろう。
近鉄バファローズ
【指名動向&補強ポイント】
いてまえ打線は今年も健在だったがローズの退団が決定的となった為に補強ポイントは即戦力投手だけでなく将来の四番候補もリストアップする模様。また来季からペナントが前期、後期と分けられる為に即戦力投手獲得は必須で筆頭候補に自由獲得枠では春先から調子を落してる東芝・香月を徹底的にマークし、ヤクルトなど他球団が獲得戦線から撤退するのもお構いなしに獲得にこぎつけた。近鉄サイドから見れば『今更、調子うんぬんで評価する選手では無い』との事で香月の潜在能力を高く評価した結果、プライドの高い香月の心を動かしたと思える。まさにスカウトの熱意が実った結果だろう。2巡目以降は高校生中心の指名方針を打ち出しているが誰を指名するのかはドラフト当日まで混迷を極める模様で他球団の動向を読みきれない為に当日の他球団の指名動向次第での臨機応変の指名になりそうである。
【結果】
自由獲得枠で社会人3羽カラスの1人香月の獲得に成功し2巡目ではスラッガー候補の吉良を指名。4巡目でも3拍子揃った常総学院・坂を指名し下位ではリーダーシップを発揮する法政大・新里、守備に定評のある近大工学部・中本内野手を指名し、最後にテスト合格者の栗田投手を指名した。
【総評】
ドラフト当日まで混迷を極めた近鉄のドラフトだが2巡目でダイエー、西武以外の球団からの指名なら九州産業大への進学を打ち出していた柳ヶ浦・吉良を果敢に指名し、当初2巡目での指名が噂されてた常総学院・坂を4巡目に回して指名するしたたかさを見せ、下位で即戦力の野手を二人指名し抜け目のない指名結果となった。まさに他球団の動向を上手く利用した編成部の勝利と言えるだろう。またテスト入団の栗田に関しては千葉工業大時代から技巧派左腕として活躍した選手であり、宮城建設の休部に伴い1年目の今年の指名が可能になった事もあり指名できた選手である。総合的に見て投手、野手ともに即戦力、将来性をバランス良く指名でき、まずまずの指名結果だったのではないだろうか。浴を言えば即戦力投手をもう1人くらい指名できれば良かったように思うが…
千葉ロッテマリーンズ
【指名動向&補強ポイント】
今まで自由獲得枠を行使した事が無く独自の路線を走ってきたがやはり即戦力投手の補強が急務と言う事もあり、八戸大・川島の自由獲得枠行使を打ち出してたが、川島が春先に肩の故障で投げれない事から獲得を断念し従来の高校生路線に方向転換した模様。1巡目指名には広陵・西村、徳島商・平岡、県川崎工・内と将来性豊な本格派の高校生右腕をリストアップしドラフト直前まで候補を絞れないでいる。また中位では西武も獲得を狙う近畿大・田中捕手の獲得を狙い、下位では相思相愛の横浜・成瀬の指名を予定している。また最大の補強ポイントである即戦力投手は下位で社会人の準即戦力である日本通運・金剛、JFE東日本・三橋、新日本石油・手嶌をリストアップしてる模様。
【結果】
読売を逆指名してた広陵・西村の強行指名があるのかが注目されたが直前で新監督に就任したバレンタイン氏の意向を汲み、西村の強行指名を回避し12球団OKを打ち出してた内投手を指名した。また3巡目指名では阪神が5巡目でリストアップしてた開星・杉原を強奪指名し、4巡目でも西武より先に近大・田中の指名を敢行した。開では高校生投手を3名指名したが7巡目指名の藤井は野手としての打撃センスを買っての指名である。
【総評】
新監督のバレンタイン氏曰く、ロッテに来る事を拒む選手を無理に指名しドラフト後に編成部に無駄に長い時間をかけるのは得策では無いとアメリカンらしいポジティブな発言があり結局一巡目は内の指名に踏み切った。結果的にこの作戦はよかったのではないかと思う。西村よりも内の方が一軍に出てくるのは時間がかかるかも知れないが将来性は内の方が現時点で未完成の部分が多いだけに期待出きるだろう。また補強ポイントである即戦力投手の獲得はゼロの点は気になるが2,3年先を見据えたドラフトと捕らえればまずまずの指名結果だったのではないだろうか。
日本ハムファイターズ
【指名動向&補強ポイント】
今季は投壊とも言える投手陣の不調が続きペナント争いから後退した経緯があり補強ポイントはやはり即戦力投手となるだろう。そこで今年は早くから近畿大・糸井の獲得を表明し水面下で読売、阪神と争ったが見事、糸井の心を射止める事に成功した。また来季から札幌に本拠地を移すこともあり今後は積極的に道内選手獲得を目指し地域密着型の球団を目指す事を確認されており、それに伴い12球団で初の道内専属スカウトを常駐させる熱の入りようである。
今年は道内出身選手で有望株な選手が多く、尚志学園・柴田投手、札幌第一・渡部捕手、駒大・北道などをリストアップしてる模様。また2巡目指名では読売入りを強く希望してる浦和学院・須永を強行指名するか注目されてるが01年寺原、02年高井と直前回避がお家芸の日ハムとすれば最後まで強行指名に踏み切るかどうか注目される。今季は4名〜5名の少数指名の予定。
【結果】
ドラフト直前の編成会議では2巡目指名を須永の意向を重視して、上位指名ならプロ入りを表明していた日産自動車・押本を指名する噂が飛び交ったが蓋を開けてみればヒルマン監督のツルの一声で将来性豊な浦和学院・須永の強行指名に踏み切り場内を唖然とさせた。そして4巡目(3番目)指名では2巡目での指名が噂された日産・押本を指名した。今年は例年には無い強気の姿勢が見えた。その後は予定通り稲田、渡部を指名したが下位で指名を予定してた
道内No1右腕と評判の柴田をオリックスに先に強奪された為に将来性投手として東海大菅生・金森を穴埋め指名した。
【総評】
ここ最近、弱腰な姿勢を見せる日ハム編成部だが今年は『ドラフト制度のルールにのっとった指名は当然』と強気の姿勢を最後まで崩さず浦和学院・須永と日産自動車・押本を指名したのは評価できる。押本に関しては他球団は上位指名以外は残留を打ち出していた為に回避してた即戦力投手であり、須永は読売以外な社会人入りを表明してたが2巡目で指名しなければヤクルトが指名した可能性もあし、また読売は須永を指名するとしても4巡目以降の予定だった為、ドラフトのルールに乗っ取って指名した日ハムに賛否両論あるだろうが私は現行ドラフト制度上高校生に逆指名が認められてない以上、非はないと考えている。即戦力投手2名と高校生投手2名に手薄な内野の補強もでき、柴田が取れなかったが代わりに将来性の高い金森を獲得できた為、満足の行く指名ができたのではないだろうか。あとは須永をどう口説き落すかが焦点である。また外野手の指名はゼロだったがコチラは外国人+メジャーからの出戻りの新庄の補強にメドが立ってる事から敢えて指名しなかったようだ。
オリックスブルーウェーブ
【指名動向&補強ポイント】
ここ数年低迷が続続くオリックスは投手、野手ともに戦力不足は否めない為に、将来性よりも即戦力を重視した戦力補強を予定。早い段階から社会人ヤマハの即戦力左腕・歌藤の自由獲得枠での獲得を表明している。野手では東北福祉大の中村を自由獲得枠での獲得を目指したが中日と相思相愛の関係もあり断念するも変わりに、九州国際大・嶋村をリストアップ。その他では近畿大・野村、立命館大・松村など即戦力投手をリストアップする。その他には高校生で話題性も考慮して東洋大姫路のアンもリストアップしてる模様。また今年はGMに元阪神監督の中村氏が就任した事もあり、契約金”0”枠での指名は今年からは見送られそうである。
【結果】
ドラフト前日の編成会議にて外野手の手薄さを考慮して早稲田大・由田、自由ヶ丘・小嶋を獲得する主旨を決定しまた混迷を極めた2巡目指名は来季から北海道に本拠地を移し道内枠として下位で目玉指名を考えてた北海道尚志学園・柴田を強行指名した。
【総評】
補強ポイントである即戦力投手を3名、即戦力野手を内野、外野ともに1名づつの指名をし、将来性を重視して道内No1の豪腕投手の柴田、下位でスラッガー候補の小嶋を指名しバランスの取れた指名ができたと思う。守りを重視する新監督の伊原監督からすれば守備に定評のある嶋村、由田の二人を指名したのは心強い限りだろう。しかし問題は日ハムと相思相愛だった柴田を口説き落せるかが今ドラフトの成功の是非に関わってくるだろう。