第5回    真夏の夢 〜Airデモに思う〜

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もう掲示板のほうでも言ったことではありますが、
先日の「ブライトシーズン6」、ご来訪いただいた皆様には
改めてお礼を申し上げたいと思います。

さて、「ブライトシーズン6」も終わって、やっと通常の生活が戻ってくる…と
安易に考えていましたところ、
よくよく考えていたらいろんなことを
「イベント前だからそれ終わったらやろう」なんていいながら
後回しにしていたことに気がつきまして。

とくに、このコーナー。
何が「週刊」じゃい。

そんなこんなで前回の更新からはや二週間が経過してしまい、
なんかネタないかなー、と思っていたら
ちょうど絶好の時事ネタがあるじゃありませんか。
そう、あの「来ると分かっていても避けられない泣かせブランド」Keyの最新作、
「Air」のデモ版がやっとこさ公開されているではないですか。
この感想を書けば、時事ネタとして絶好の題材ではないか!!


…と、まあそういう動機で、買っちゃいました。雑誌。
一軒目に入った書店で、ゲーム攻略本コーナーの
先客の女子中学生の存在にビビって、そこから逃亡した記憶は
たぶん僕のこころの奥底に、いつまでもよどみつづけることでしょう…。
彼女の読んでいた本がフツーのゲーム雑誌であった以上、賢明な判断だったような
気もしなくは…ないんですが。

まあ、そんなことはどうでもいい。

しかし、この雑誌、この八月号はたぶん
通常の三倍くらいの売上はあるんじゃないかなぁ。色は黄色でも。
それにしても黄色。思いっきり派手な。半分金髪の観鈴嬢と、色、カブッているんだけど。
配色的にいいことなのかどうか、デザイン関連の素養がないのでよく分かりませんが。


おっといけない、雑誌の感想じゃなくて
デモの感想ですか。

OP曲…。
…なんとなく渡辺美里。 そのまんまなコメントですね。

なんていうか、ものすごくミュージッククリップ的。
背後から「今週の第○位は…」とかいうナレーションが入ってくるような。
つまり、映像と音楽の組み合わせのセンスは
あいかわらずイイ感じだということです。
前作の「KANON」のときに多用された「思わせぶりなセリフを小道具にする」手法も、
相変わらず健在。
この手法、ことばの力をそうとうしっかり制御できないと
「ことばが浮いてしまう」か
「ことばが背景に埋没してしまう」ので、
使いこなすのはそうとう難しいはずなんですけれどね。
前回の「起こらないから、奇跡って言うんですよ」ほどの
絶妙さはないですけれど、それでも
この手法を使いこなすだけのレベルはあると思っていいんじゃないでしょうか。
本編のシナリオも、技術的な面では期待してよさそうです。
内容的なことは、今の時点ではなんともいえませんが
現在公開されている情報からすると、前作「KANON」の
佐祐理と舞、そして祐一の三人のような微妙な関係が、物語の主眼のようですが。
松本裕太がかなり喜ぶでしょうね。


絵。
もうこれを見たら、(好きな人には悪いですけれど)
「MOON.」の絵は忘れたほうがいいですね。「ONE」もかなりキツイかも。
それくらい、グラフィック的にあかぬけてます。もっともそうでなければ、このような
ミュージッククリップ的な演出はできないでしょうが。
(曲に画面が負けてしまいますから)
そういえば、今回原画の樋上さんはキャラの等身を意図的に上げているようで、正直違和感。
個人的には、あの微妙な5.5等身キャラゆえに
とんでもない世界観を受け入れられたのですが…。
(人間が自分の意志で消えたり、たいやき泥棒の生霊が徘徊して
 危篤な患者がほいほい蘇生する世界は
 いくらお世辞でもリアルとは言えないでしょう…。
 その違和感を乗り越えて、「泣き」を遂行できるのは、それこそ
 現代の奇跡なのかもしれませんね)
まあ、このあとの作品の方向性次第なのでしょうが
もともといわゆる「萌え絵」の中でも他とは少々違ったベクトルの画調なので、
いずれ受け手であるこっちの方が、慣れさせられてしまうんでしょうね。
それができるだけの総合的なチカラを、このチームはまちがいなく持っています。

余談ですけれど、美凪嬢は樋上さんのお気に入りデザインであるらしいです。
佐祐理・長森・ED後のみさき先輩と、ビジュアル的な基本コンセプトが似て見えるのは
そういう理由だったんでしょうか…。
ま、ご本人がそうおっしゃられるだけあって
たしかに全体としてバランス取れていて、納得はできるんですけれど。
それと、同人誌で繰り返し語っておられた「黒制服」へのこだわりも
ついに果たされたようで、喜ばしいことです。
「夏なのに…黒?」というツッコミは、このさい忘れることにしましょう。


いまとなってはもうどうしようもないことですし、
別にどうでもいいといえばどうでもいいことなんでしょうけれど、
今回特に感じたことがひとつ。

美凪だの、観鈴だの、ふつうの日本語で考えづらい命名は
そろそろやめになりませんでしょうか…? 
前作の登場キャラ、佐祐理さんなんかにとくに顕著なんですけれど
なんか、昔のTRPGの流行時に蔓延した
みょうちきりんなキャラ命名を思い出して、あんまりいい感じはしません。
わざわざややこしい漢字を使わなくてはいけない理由も、ちょっとよく分かりませんし。

まあ、この製作チームの作品に共通している極端にファンタジックな世界観には、
このくらい現実になさそうな名前のほうが
「あゆ」とか「香里」とかのような名前よりもふさわしいという考え方もありますけれど。



と、最後にちょっと批判してみたりもしましたが、
やっぱり今年夏を代表するソフトになる、
それだけの風格は十分に感じさせてくれるデモでした。
願わくば、この作品の本編との出会いが
僕たち「神明社」にとって、創作意欲をどばどば沸き立たせてくれるような、
そんなかたちになりますように。



(以下、発売延期後差分…)

と、思っていたら、いきなり大幅な発売延期になってしまいましたね。
ふつう、こういうソフトの発売は
「○×年春予定」→「六月予定」→「七月八日」→「七月十五日」
というふうに、だんだん延期期間が短くなっていくのが通例です。
徐々に製作が進んでいくにつれ、「どれくらい延期したらよいか」が
正確にわかっていくから、だろうと思われます。

しかしそれにしてもいきなり九月かい。
流通関係者とカラフルピュアガール編集部の落胆ぶりが
目に見えるようです。
前者は当然ですが、後者もせっかくの特ダネが台無しですから。


延期の理由は、正確なところの発表がないので分かりません。
この文章の発表時には、何らかの情報が出回っているのならいいのですが。


こんな時期に来ての大幅な発売延期は、なかなか例がありません。
ついでに付け加えますと、どうも久弥さんの同人サークル「コルクボード」も、
夏の新刊、ダメみたいですし…。

シナリオの遅れとかいう、瑣末な理由では、この時期にこれだけの延期を必要とは
しないでしょう。
シナリオライターの交代とか、Windows自体を崩壊させるような危険なバグとか、
実は先読みしすぎて「X-BOX」用に作ってしまった、とか。

個人的には、
中核となる主人公の設定が
世間の有名事件とそっくりになってしまったから、
ほとぼりを冷ますため、延期…というのが
いちばん面白い妄想なんですけれど。
根拠などありませんが。
もうネット上では類似の妄想がぼろぼろ出てきているでしょうけれど、
まかりまちがってもKeyに「なんで延期したのー?」なんて
アタマ悪い質問、しないようにしましょう。
答えられるくらいなら発表しているんですから(笑)


ま、ちょっと最後は不謹慎になってしまったような気もしますが
これで、夏のゲーム雑誌各社はネタの夏枯れという
とんでもない事態に悩むことはさけられますまい。

どうなることやら。


最後に、相方・松本裕太氏の感想。
「あんなカッコいいデモ見せておいて、二週間ならともかく二ヶ月も待たせるなー(怒)」
…ごもっとも。

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