営火長のことば 1
今、ここに集まった○○中学校2年生の諸君へ、
人類に無限の発展をもたらし、人間を万物の霊長たらしめた由来について語り伝えよう。
諸君、万天に光り輝く星を見たまえ。この夜空に輝く星と共に、何億年の昔、我々の住めるこの地球が生まれて間もない頃、神々は先ず、海には魚を、空には鳥を、陸には四つ足の獣を創り給うた。そして、神は最後に、巨人プロメラウスとその弟のエビメラウスに人間を創る役目と、人間や他の動物が生きていく上に必要なさまざまな能力をさずける役目を与えた。
エビメラウスは、さまざまな動物に、それぞれ勇気や、すばしこさや、智恵などの贈り物をさずけた。ある動物には賢さ、あるものには爪を、あるものには身体を隠すよろいを与えた。そして、万物の霊長たる人間に与えるものはもう何一つ残っていなかった。
そこで、プロメラウスは、女神アテナの助けを借りて、天へのぼり、太陽の火の車から、たいまつに火を移しとって人間のために持ち帰った。
この火を使って人間は他の動物を征服し、人間に無限の幸せをもたらした。
しかし、この火をひとたび使い方を誤れば、全世界を焼きつくし、人類を滅ぼす呪いの火となるであろう。
願わくば、この火が永久に人類の無限の幸福と平和のために燃え続けることを、今、ここに諸君と共に祈るものである。