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アスペルガー症候群診断に対する専門家の意見
ここで児童精神科の臨床医師であり、また、小児科学会の学校保健・こころの問題委員会の医師のコメントを紹介する。
私(ジョン)はアスペルガー症候群という障害がまだ一般的でないと認識しているが、専門家の間では、ある程度知られていると認識されていて、また、この障害の診断について意見の異なる医師がおられることが分かった。確かに、小児科学会の学校保健・こころの問題委員会においても、以下の様に周知が不足であることは認識している。
2)教師の数,学習時間の充実。
(2)注意欠陥/多動性障害児、学習障害児の一般小児科医向けの解説について平成15年3月に文部科学省の方から、特別支援教育の在り方についての答申が出されている。ただ、教師がうまく教育できない児童生徒を、疾患名に当てはめて済ませるといった制度になってはいけない。ホームドクターとしての役割を、小児科医が果たせるように、問題行動を抱える子どもがいた場合は、小児科医に相談するよう教育側に申し出ていく。これと同時に、一般の小児科医にも,注意欠陥/多動性障害,高機能自閉症,アスペルガー障害,学習障害についての基本的な概念を理解していただくよう広報活動を続けていく。また、小児神経学会に対しても、積極的にこの問題に係わっていただくように要請していく。
しかし、児童精神科の小児科医の間では、アスペルガー障害の定義について、広く解釈する医師と、症候群に関して限定して解釈する医師がおられる。例えば、私(ジョン)に関して言えば、広く解釈する医師から見れば、アスペルガー障害の範囲に入る。しかし、限定的に解釈する医師、すなわち、小児科学会の学校保健・こころの問題委員会の医師から見ると、アスペルガー症候群ではなく、アスペルガーとして診断することは問題であることになる。この、広く見るか、限定的に見るかで意見が分かれる。
限定的に見る医師のコメントを紹介する。
小児科学会の学校保健・こころの問題委員会の医師のコメント
(私がアスペルガー障害と診断されたことに対して)最近、時流に流され、アスペルガーと安易に診断される傾向があり、問題である。本来、アスペルガー症候群はおとなしく、暴力的ではない。(アスペルガーの範囲を広げて)何でもアスペルガーと診断されるのは好ましいことではない。
この限定的な意見の医師に従うと、私の場合は、対象から外れるので、私が今後、人生において、どの様に考えていけばよいのか、再考が必要となる。つまり、本来、アスペルガー障害の診断は、診断そのものが目的ではなく、患者本人を理解するための方法、あるいは分類であり、その後の対応や指導に重点がおかれる。私の場合は、これからトレーニングする方向性を示すための診断だと考えているので、大変有効ではないかと思う。
一方、広く解釈する医師の立場としては
診断そのものが目的ではなく、アスペルガー障害の診断は、患者本人を理解するための方法であり、その後の対応や指導のための方法にすぎない。という考え方である。
アスペルガー症候群は自閉症スペクトルに分類され、軽症から重症まで連続的である。最も重症の場合、カナータイプと診断される。症候群と障害は異なると診断することに積極的な意味を見出すことは難しい。というのは、学術上、異なるとしても、患者本人が、「今後、人生において、どの様に考えていけばよいのか」を考える時、臨床的に、指針があった方がないよりよほど参考になるからである。以上、私見を述べた。
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