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WAIS-R検査結果および診断結果
今回のWAIS-R検査結果を踏まえた診断結果について、主治医の患者に対する診断の説明は以下の様にまとめられた。
すなわち、患者はWAIS-Rにおいて、1項目であるが、最大得点差が9点という通常範囲を越える得点差があることから、発達障害と言える。
通常、典型的なアスペルガー障害の場合、多くの報文では、「理解」が低く、「積木模様」が高得点であるという報告が多いが、今回の場合、「理解」は平均の上で「積木模様」は高得点であるが、その差は1点と小さい。しかし、これは、患者がこれまでの間、世間一般に適応しようとして、理解の低さを豊富な知識で補って来た結果であり、かなりの努力が払われたことが伺われる。
自閉的認知特性に関しては、言語性IQが低く、動作性IQが高い傾向があると考えられる(ギルバーグでは、言語性IQが高く、動作性IQが低いと説明がある)が、これは、自閉的認知特性の場合、自分以外と交渉を持とうとしないことから、言語性が発達しにくいと考えられ、逆に、動物的感が発達すると考えられる。患者は、この傾向とは違い、言語性IQの方が動作性IQよりも高く、自閉的認知特性は低いと考えられる。
総合的に判定すると、生育歴、脳波検査所見、知能検査所見から、衝動性の高いアスペルガー障害と診断されるが、診断基準に準じて診断すると、次の特徴から判断できる。患者の診断基準に適合する所見としては、社会的不適応状態から、@コミュニケーションの障害、A社会性の障害、B想像性の障害が見られ、患者は、生来の不適応が散見され、これまでの診察で聞き取りしたエピソードからも不適応が、@、AあるいはBに合致することが判断された。患者は現在、十分に社会的に適応しており、それは、患者の努力であるが、一部にはやはり不適応があると考えなければならない。
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