1994年のこと。
アメリカの大学院で女性学を勉強することを希望し、
いくつかの大学に問い合わせをしていた管理人に、
1通の手紙が届きました。
差出人は、問い合わせをした大学に通う日本人女性。
私が出した手紙をたまたま学科のオフィスで見つけ、
役に立てることがあれば、と手紙をくれたのです。
その手紙にどれほど勇気付けられたことか。
彼女は、本当に色々なことを教えてくれました。
その後、彼女と入れ替わるように、私もその大学に留学。
在学中にやはり日本人から来た手紙を学科のオフィスで見つけ、
自分がしてもらったのと同じように手紙を出しました。
帰国後は、これから留学する人を応援したい気持ちと、
また、せっかく勉強した女性学を
自分の中だけに閉じ込めておくのはもったいない!という思いから
ホームページを開設。色々な方とメールをやり取りし、
過去に相談を受けた方から
「留学が決まりました。」とのご報告をいただくことが
何よりの楽しみとなりました。
それから数年。
自分と同じように、
女性学をあえて外国で学ぶことを選択した女性たちは、
いったい何を考え、何を学び、
その後どんな生活を送っているのかを知りたい、という考えが
私の中に芽生えてきました。
そしてその情報を1冊の本にまとめ、
これから留学を予定している方や、
外国の女性学に興味を持っている方に提供し、
さらにその利益を、
外国で女性学を学ぶ女性のための奨学金にできたらいいな・・・と
夢はどんどん膨らんでいったのです。
執筆者のあては全くありませんでした。
しかし、メールや手紙で参加を呼びかけたり、
このプロジェクトを知った方が
メーリングリストに情報を流して下さったり、
執筆者が他の執筆者を紹介してくれた結果、
決して条件が良いとは言えないにも関わらず、
8人の女性たちが趣旨に賛同し、参加してくれることになったのです。
本を出版し、その利益が30万円以上になったら、
海外で女性学を学ぶ女性のための奨学金制度を創りたい。
それが私たちの願いでしたが、残念ながら商業出版には至らず、
ホームページで情報を提供することにした次第です。
外国の女性学のほうが日本のそれよりも優れている、
と言うつもりはありません。
しかし日本の女性学とは異なる点も多く、
その情報を日本語で得る機会はまだ多くありません。
本書をきっかけに、海外で女性学を学ぶことを志す方や、
海外の女性学に興味を持つ方に、
私たちの体験や学びを
リレーのバトンのように渡していくことができれば幸いです。
出版が叶わなかったとはいえ、
ここに至るまでには多くの方が関わって下さいました。
企画の趣旨に共感し、「見えない境界を越える女たち」という
名前をつけてくださったライターの方。
原稿を読んでアドバイスを下さったライターの方。
同じく原稿を読んでアドバイスを下さった出版社の方。
他にも私たちの知らないところで
応援してくださった方々がいらっしゃると思います。
この企画に関わってくださった全ての方々に、心から感謝します。
どうもありがとうございました。 |