はじめに(略)
「昭和丈人と平和」(高年者宣言)案  


   

・*・*・
「昭和丈人と平和」(高年者宣言)

1 天年(天寿)を全うすること

人はだれしも天年(天寿)を全うする権利をもつ。
周囲の人びとと協力しあいながら、
明日への希望と目標をもって力のかぎりに生きぬくことが、
人生の意味であると考える。
しかし、そう考えない人びとの存在を軽視するものではない。

2 人生の三つの時期

人として生まれ、育くまれ、学んで、
自己形成をする「青少年期」(ジュニア期)。
みずからの意思で選んで労働参加・社会参加をし、
同時代の人びととともに新しい成果を生み、
先人の労苦を想い、未来を託す後進を育てる「中年期」(ミドル期)。
そして以後は、蓄積した知識と経験と資産とを活かして、
同じく後半生をむかえている人びととともに、
みずからの人生の充足を果たしながら、
時に病と闘い、ついには世を去るまで、
「尊厳」をもって生きぬく「高年期」(シニア期)。
その三つの時期を、それぞれに十分に享受する人生であることを希求し、
実現にむかって努力する。

3 大戦後の日本

前世紀に遭遇した二度の世界大戦とその後の経緯は、
人類がはじめて滅亡をかいま見た歴史上で最大の試練であったといえる。
この国と国民は、極東において覇権を争う先進列強国の一員として加害者となり、
また一方で、広島と長崎への原子爆弾投下による
世界初の被爆被害者となった経緯を持つ。
敗戦によって壊滅的な打撃を受けたが、
苦難を引き受けてくれた先人の心火を灯し伝える
「日本国憲法」をえて半世紀。
「主権在民」と「恒久平和」をめざしたたゆまぬ努力により、国富を回復し、
食生活を豊かにし、医療を進め、
最良とまではいかないまでも、生活環境を整えることに成功した。
そして個人の健康づくりと家族と企業と社会の
「ケア」によって、
各国に先んじて高齢化をなしとげ
「高年化社会」を体現していることを誇りとするものである。

4 いま高年者であること

大戦とその後の経緯を考察して、
現状ではまず先進諸国からむかえている
「高年化社会」であることを実感をもって認識する。
「高齢社会」の個人の人生には、「青少年期」「中年期」「高年期」
という三つの時期があり、現在の高年期が先人の思い及ばなかった
未踏の領域としての「人生の第三期」であることを実感をもって確認する。
人生の第三期を「自立」的にとらえて、
高年者としての新たな生活の場を創出し、
三つの世代に配慮した「社会の高年化」を推進する。
半世紀を超えて平和のうちに暮らして得た熟成した知識と経験を持つ
各界の高年者によって形成される「日本高年化社会」は、
そのままで、平和を願う人びとが未来を託す
「世界平和へのメッセージ」となることを実感をもって確信する。

5 日また一日の暮らし

「社会の高年化」を体現しているひとりとして、
「からだ=身体」「こころざし=目標」「ふるまい=行動」

において常に健丈であることに心がける。
その上で、まずは家庭内で、そして職域や地域生活圏で、
高年者の立場を明確にしてすごしながら、
「自己実現」の目標を定めて活動する。
日々の暮らしを快適にし、多彩にする「モノと場の高年化」のために、
高年者むけ用品・用具・設備・施設の需要者となり、
企業の活性化と発展に寄与する供給者となる。
また同じ成熟期にある人びととともに、知識と経験を共有する場として、
「高年者文化圏」を構成し、多彩に個性的に高年期をすごす者同士として
出会えたことを喜びとする。

6 生活圏の「高年化対応」

高年期をすごす者として、
お互いの高年期の人生をいっそう豊かにするために、
さまざまな形で
「社会参加」する。
地域特有の四季の変化や伝統を考慮した「モノと場の高年化」をすすめて、
高年者が優先して活用できる地域生活圏の創出につとめる。
各種各地の課題をもつ「地域高年者の会」は、
特色を生かしながら協力して各種各地の高年化に関する課題を協議し、
率先して高年化対応の生活環境の形成につとめる。

7 「高年化対応」のまちづくり

地域の四季がもつ特性や多様性をよく知る地域の高年者として、
その保護・育成をすすめるとともに、
高年者が優先・専用して利用する場をつないだ
「高年化対応」のまちづくりに参加する。
三世代が四季ごとの変化をたのしめる「三世代四季型中心街」を構想し、
とくに中心都市に暮らす高年者は、高年者活動の成果を集積し、
周辺地域のまちづくりを支援する拠点となる
「高年化対応都市」(シニア化シティー)空間の形成をめざす。
だれもが訪れるのをたのしみとするような
「地域特性」(お国ぶり) が際立つまち空間を競って現出する。

8 活動成果の公表

「昭和の日」(4月29日)や「国際高齢者の日」(10月1日)には、
一年間の高年化活動の成果を公表し、各種の催しや記念行事をおこなう。
先進高年化国の国民として、「日本高年化社会」の形成に関わることが、
そのまま国際的貢献であることを意識する。

9 国際社会への貢献

日本の高年者の経験と成果が、
あらゆる機会を通じて国際発信されることを期待する。
高齢者25%時代をむかえる21世紀半ばには、
同じ課題を有する各国の高年者と連携して、それぞれにかかえる課題を、
先進高年化国としての経験を生かして解決に寄与する。
二〇四五年、「日本国憲法」と「日本高年化社会」とは、
世界平和のシンボルとして世界の人びとから祝福されるだろう。

10 経験の蓄積

高年化活動の成果は、
途上にある各地の高年世代の人びとのために
確保され、蓄積され、提供される。
蓄積された成果は、これから高年期を迎えるすべての人びとの資産として、
人生に安心をもたらす基盤となるだろう。


思いのほか大ぶりになったが、
以上が「日本高年化社会」の形成に立ち向かうにあたっての、
「高年者=丈人」としての自覚であり、
「昭和丈人と世界平和」 (高年者宣言)である。

<注>国連は、21世紀に先進国から迎える
「高齢化社会」への願いを込めて、
自立・・・・・(independence)
参加・・・・・(participation)
ケア・・・・・・・・・(care)
自己実現・・(self-fulfilment)
尊厳・・・・・・・・(dignity)
という「高齢者のための国連五原則」を
新世紀を前に採択し(1991年)、
1999年を「国際高齢者年」とし、
毎年10月1日を「国際高齢者の日」と定めた。


発足 1999年(国際高齢者年)10月1日(国際高齢者の日)
〜 HP 2005年10月1日(「丈人と平和」公開の日)
〜10周年・2009年10月1日〜現在も途上

<呼びかけ人代表 堀内正範>





# 「老人」と「丈人」が多重標準  のフロントにもどる。

『多重標準の時代「昭和生まれの丈人力」』目次にもどる。

* 「丈風の会」のトップページにもどる。

トップページに