〜第2子 妊娠の記録〜

 

                                         訪れてくださり、ありがとうございます。

            

平成17年10月26日に 無事に 女児を出産することが出来ました。

多くの皆様に 見守っていただきながら妊娠期間を終えることができ、本当に感謝しております。

妊娠初期に 超音波検査で NT という胎児の異常が確認され、ダーリンりんりん夫婦は 出産を終えるまで 無事に出産が出来るかどうか不安を抱えていました。しかし 産後すぐの手術の必要など心配されていたことは 何もなく 元気な女の子が誕生しました。

その NTをめぐって 辛い思いをしたりしたこともありました。だからこそ、そういうことすべてを記録しておこうと思い、このページを作りました。

きっと不安な気持ちを抱えて読まれている方もいらっしゃると思います。少しでもお役に立てれば幸いです。

 

発覚17年2月28日 ・ 3月7日

3月29日 9週6日目産院

4月5日 10週6日目産院

4月7日 11週1日目大学HP

4月14日 12週1日目大学HP

4月15日 12週2日目産院

4月27日 14週0日目産院

5月27日 18週2日目産院

5月31日 18週6日目子供HP

6月13日 20週5日目子供HP

6月24日 22週2日目産院

7月21日 26週1日目産院

7月22日 26週2日目産院

8月5日 28週2日目産院

8月11日 29週1日目子供HP

8月19日 30週2日目産院

9月2日 32週2日目産院

9月16日 34週2日目産院

9月24日 35週3日目産院

9月30日 36週2日目産院

10月7日 37週2日目産院

10月14日 38週2日目産院

10月21日 39週2日目産院

10月25日26日 THE出産!

 

< 出産を終えて >

 

<調べたこと>

出生前検査について 

高齢な妊婦に染色体異常児が産まれやすい訳 

 


りんりんの 第二子妊娠発覚は ちょうど二人目出産を終えた友人を見舞いに病院へ通っていた頃。もしかして…と 思った。

H17.2.28 今回の妊娠ではじめて病院へ行くことに。選んだ病院はタンタン出産時にお世話になった先生がご実家の産婦人科に戻られたので、新築されたその産婦人科。ダーリンの勤める会社の社長の妹さんが お世話になる先生と結婚されていることから、妊娠したらこちらにお願いしようと決めていた。まだ 小さくて見えにくいけれど妊娠は間違いないでしょうとのこと。正常に着床しているか確認するために1週間後にも受診し、ちゃんと確認してもらえた。

気になっていたことがある。タンタンは今のところ 何も言われていないが、ダーリンが心臓に奇形を持っていることから(2回の手術を今までに経験している)、他の子供に比べ心臓奇形の出現する割合は多くなると聞き、その心配についても尋ねた。やはり奇形出現の割合は多少だけれど上がるから、時期になってから 胎児ドックというものを受けてみてはどうかと勧められた。そういうものがあるのだと知り、驚いたが是非受けたいですと 答えた。

思えばタンタン妊娠時は、ダーリンの手術が重なり タンタンの心臓奇形など心配する余裕がなかった。


それから更に約1ヵ月後の 3.29 の健診の際に、先生にエコーで診た おなかの中の赤ちゃんのある所見について、説明を受けた。エコーで横向きの赤ちゃんを見るとうなじの辺りに2重の線が見える。つまり赤ちゃんのうなじ辺りに浮腫が見られるということ。この浮腫の幅はNTと呼ばれ現時点でりんりんのあーちゃんは 1mmほど あるとの事だったが、この幅が太くなっていくと 染色体異常があったり、心臓やそのほかの内臓に奇形が見られたり、場合によってはそのふくらみのせいで赤ちゃん自身が生きられなくなることもあるということだった。ただ、浮腫が見られる赤ちゃんすべてに異常があるわけではなく、多くの場合は正常に産まれてくる。が、浮腫が見られた場合はなかった赤ちゃんよりも異常が出る確率があがるというものだった。

1mmという幅は 問題は全くないのだけれど、まだ9週目の終わり、NTがどのようになるか経過を見なければならなくなった。

いろんな事が頭を駆け巡る。もしも 染色体異常の子供だったら どうしよう、ちゃんと育ててあげられるだろうか、どんな大変な苦労が待っているのだろうか、もっと勉強しなくては…だとか、 どんな風にダーリンに話したらいいのだろうか… そんなことも考えた。ダーリンが自分の心臓に奇形があるからだと思うのはかわいそうだった。

しかし その事実を 他の誰に相談できるか、誰もいない。そんな重要なこと、いくら親しい友人でも相談できない。両方の親には とても話せなかった。どちらの親に話しても ショックを受けることは間違いない。それに それ以上に あたし自身が とてもナーバスになっていた。

<いわゆる出生前検査というものは 近年 進化してきている。エコーの精度はあがり、体長が5センチにも満たない赤ちゃんであってもNTなどの浮腫が確認できる。更に 染色体異常のリスクは母親の年齢とともにあがるのだが、羊水検査・繊毛検査などのDNA検査により100%に近い割合でその染色体異常は妊娠の早い段階で確認することができる。この 「妊娠の早い段階で」 というのが ある意味をもつ。つまり生まない決心もできる時間があるということ。今の 時代ではこの羊水検査などは「生まない決心」するためのような意味合いが強く、障害者は生まれてきてはいけないのか?というような論争さえある。逆に 染色体異常を持った子供の場合、生まれて来たときに適切な処置をすることができるから、あるいは両親が心構えをもてるようにと いうこともある。>

しかし どんな意味であれ、それらの検査は 羊水を採るためにおなかに注射器をたててエコーを確認しながら赤ちゃん付近の羊水を採り赤ちゃんから取れた垢などを採取するものであったり、胎盤という形になる前の段階の繊毛を採取するものであったりして 200分の1〜300分の1の確率で流産したり、 または赤ちゃんに障害を残すといった危険性を併せ持っている。

りんりんは 先生に羊水検査をどうしますか?と聞かれたときに しないと答えた。それは まず第一に りんりんが注射嫌いであること、第二に年齢に対して異常が現れる確率と検査の危険性を天秤にかけたとき、検査の方が危ないと思ったこと、第三にりんりんには かわいい息子が既に産まれているという理由からだった。三番目の理由を詳しく書くと、この時代、NTなどの所見がわかるほどエコー技術が進んでいるお陰でこういった不安も出てくるけれど、タンタンという息子がそのエコー画像をずっと見ながら妊娠期を過ごして無事に誕生し、今こうして目の前ですやすやと寝息を立てている、つまり 今こうして見ているエコー画像は ほかでもないタンタンと同じ我が子なんだということを知っているから…。想像上のものではなくて ちゃんと 大きくなれば こうやって生まれてくる事のできる赤ちゃんなんだと知っているから。異常の程度によって 「産まない決心」をしなければいけない などと できるものなら考えたくなかった。

ただし、これはりんりん一人の問題ではなく ダーリンにも一緒に考えてもらわなければいけないことだった。当然、染色体異常で有名な障害としてあげられるダウン症の子供が生まれた場合の事を考えると 今のようにダーリンの帰りが遅いとやはり不便なことも出てくるだろうし 職換えも検討しなければいけなくなるだろう。

結局 NTの値の持つ意味や考えられる障害の発生頻度、種類、検査の種類やその危険性についてダーリンに話すことになった。初めは軽い気持ちで聞いていたダーリンも少しずつ事態を飲み込み始めた。そして検査についてはりんりんが思うようにすればいいと言ってくれた。


そして 4.5 の診察、10週目の終わり。あれから1週間が経っていた。ダーリンも一緒に先生の話を聞くために産婦人科に行ってくれた。気になる NTは 3.3mmになっていた。1週間でそんなに増えていたということに 愕然。それは ダーリンも同じようだった。そして先生から念のため大学病院での検査を勧められる。そこで何がわかるのか りんりんには分からなかったが、とにかく先生を信頼しているし何かにしがみつきたいと思った。ただ、羊水検査については しないつもりです と再び答えた。これは心に決めていた。

万が一 障害を持った子供だと知りながら出産までを過ごすことは 不安や悲しみが出る日もあるだろうし、おなかの赤ちゃんには決していい事はないだろうと思っていた。それに 障害を持っているからといって このおなかの赤ちゃんの人生をここで終わらせてしまうのは やはりかわいそうだった。それに検査によって子供が流産してしまうという事だってありうるのだから。

だからといって、異常が認められた子供を産まない決心をする人に対して りんりんは何も言うつもりはない。自分だって何かの拍子にそう考えそうにはなるのも事実だったし、誰がなんと言おうと 育てるのは親。きれいごとを言ったところで 苦労するのは親なのだから 悲しい決心をしたからと言ってそれは 誰が責めるべきものでもないと 思う。

このとき NTが更に肥大していたのに 両方の親には やはり 話せないでいた。というか、この時点で既にりんりんは 決定的な何かがあるまでは 両方の親には話さないでおこうと 決めていたのかもしれない。上記で 「ナーバスになっていた」と書いている通り、羊水検査をしないと決めた=どんな子供であっても 産む ということ。それを どちらの親であっても 「ああした方がいいのでは?」 などと 言われたくはなかった。つまり 産むと決めたのに 産まないほうが…やら、「産むの?」などと 言われたくなかったのだ。


二日後の 4.7。 松山にある大学病院に行った。タンタンとダーリンと一緒だった。


初めは仕事が休めないと言っていたダーリンだった。じゃぁタンタンはどうしたらいいの?と聞けば「おかあ(姑さん)に預けていけば…」という。姑さんにりんりんが何をしに遠出するのか 理由はどうすればいいの?と言うと「話せばいい」という。それは 前述の通り、りんりんはしたくないと説明。あれこれ言われたくないのはもちろん 心配だってかけたくない。仕事を優先しようとするダーリンに対して、最後にはけんか腰になっていた。

「あなたの人生の中で 何回 こんな 大事な場面があるって言うの。自分が手術したときは自分が一番だったくせに。妊娠は あたし一人の問題だと思ってるの?」

そういうと 涙が出た。やっぱり 不安だ。一人でドクターの話を聞くには重たすぎる。もしも障害を持った子が産まれたら…そればかりを考えてしまう。ぐるぐるぐるぐる… 何度も何度も繰り返し 同じことばかりを考えてしまう。

少しでも自力で不安を解消するために NTについてネットであれこれ調べまくった。そもそも 染色体異常は どのようにして起こるのか、どんな異常の種類があるのか…、などなど。

 染色体異常の種類や症状について、ここであれこれ書くととんでもない量になるので、一つだけ。妊婦の年齢が上がるにつれそのリスクがあがるのはなぜか。これは BANYU製薬のメルクマニュアル家庭版というHPで読んだのだけれど、以下 抜粋して。

女児は生まれたときすでに卵巣内に、卵子のもとになる細胞(卵母細胞)をもっています。その多くは徐々に消失し、出生後に卵母細胞が新たにつくられることはありません。卵母細胞はその後も減り続けますが、それでも女性の生涯の生殖機能を支えるには十分すぎるほどの数があります。成熟して卵子となるのは、ごくわずかで、何万個もの卵母細胞は成熟することなく退化していき、閉経期にはすべての卵母細胞がなくなります。

生殖可能期間にある女性の体内では、1回の月経周期につき通常は1個の卵子が排卵され、全期間を通して排卵される卵子はわずか400個程度です。排卵前の卵子は、細胞分裂を途中で休止した状態で卵胞内に維持されています。つまり卵子は体内でも特に寿命の長い細胞であるといえます。細胞分裂を休止している間は通常の細胞内で起こっている修復プロセスが行われないため、女性が年をとるにつれて卵子に損傷が生じる可能性が高くなります。高齢出産では染色体や遺伝子の異常が生じやすくなるのはこのためです。

メルクマニュアル家庭版より>


大学病院では 初診だったので 長い時間待たされた。仕方がない、大きな病院は予約でまわっていくものだから。そうしてやっと名前を呼ばれ診察室に入っていき、週数を確認され 経膣ではなく 経腹エコーで赤ちゃんを診察し始めた 若いドクター。あたしよりも年下かもしれないな、大丈夫かな、この先生…などと 余計なことを考えている。

程なく 赤ちゃんが画面に映し出され、タンタンは「あーちゃん!」と騒ぐ。ドクターは 表情も変えずに淡々と仕事を進める。看護婦さんは横でにこっと笑ってくれている。赤ちゃんは元気そうに動き、小さな小さな心臓も トクトク トクトク…と 動いているのが見える。かわいい、と思わず声に出た。

そして NTは やはり確認される。ドクターの計測では 3.4〜3.9mm との事。その mm数の幅はどういうことだろう?と疑問に思いつつも あまりにも無愛想なドクターに質問する気が失せ、椅子に座って話をすることに。

ドクターは 今回 この状態ではまだ何とも言えないので 1週間後に再診してください と言った。簡単に言う。遠い道のりを小さな子供を連れてくるこちらの事など 全く 気に留めてない様子。それが すこし カチンときた。男の先生だからか?若いからか?どっちでもいいけど、産婦人科なんだから子供連れで来る人の事も気に留めたら?と思ってしまった。

すべての可能性について 説明をしてくれた。例えば 今 確認できるNTが 今後消失してもやはり染色体異常の子供である可能性、このままNTがどんどんと大きくなり赤ちゃんがそのまま心停止してしまう可能性など。

そして羊水検査について。危険性については『大抵の場合は何もなくて終わりますが数百人に一人の割合で流産することがあります』と言う。白黒はっきりさせたいのであればかなり確実に結果が出ます、とも言った。その時点で 夫婦の意思として羊水検査をするつもりはないですとドクターに伝えた。

結局 遠くまでやってきたが、待たされた割に 得た情報は少なかったな、しかし、あのドクターは無愛想だったな、そんなことをダーリンと話しながら帰った。

その晩から りんりんはおなかに向かって「うなじのふくらみ、小さくしてね。病気とか異常とかは自分でちゃんと治すんだよ」と毎日話しかけた。「あんな若造先生、NT小さくして ぎゃふんと言わせてやれ!」ドクターに対して、失礼なことも話しかけていた。


4.14。 大学病院 二回目の受診。今度は 待たされることもさほどなく診察室に呼ばれる。すぐに経腹エコーで赤ちゃんを確認。NT値、なんと 1.9mm !!小さくなっている!! よかった、あーちゃんはママの言うことちゃんと聞いてくれたんだ…。

もちろん、ぬか喜びはできない。先週の時点で NTが消失したとしても 異常がある場合があると聞いていたから。しかし、NTが 肥大し続けるよりもずっとずっといい結果だと思った。紛らわしい白い線が見えるが それは 赤ちゃんを包んでいる袋の一部だと分かった。

ドクターは「ほとんど ないくらいにはなっていますが・・・」

何、残念そうに言ってるのよ!と 正直、むっとした。

すると、やはりNTが小さくなっても異常の可能性はあるという話を始めた。それは 分かっている。

そうして、また、「白黒つけるのなら 羊水検査がよい」ということを言う。それも 分かってる。だからそれは先週、しないって言ったでしょ?

「胎児が大きくなってくるとNTが見えにくくなることもある」という。分かってるから。聞いたってば。

この若いドクターに対して いい感情がもてなくなっていたのは確か。

そしてもう一人のドクターに確認してもらうことになる。しばらくするともう一人の中年のドクターが診察室に入ってきた。が、名前をいうどころか挨拶さえなかった。いきなり、りんりんのおなかにエコーを当て始め、りんりんに話をするのではなく、その若いドクターにブツブツと何かを言っている。それでも、りんりん、確かに若い先生も中年の先生もいい感情をもてなかったけれど ニコニコとして診察を受けていた。それが大人ってモンだから。

その後、おなかを丸出しにされたまま ドクター二人は 診察室の奥へと入っていき 話をしていた。何を話しているのか さっぱり聞こえないところで。そして、数分後、若い方のドクターだけが帰ってきて 「あ、もういいですよ」という。おなかを出しっぱなしで待たせていたことについてもなんら触れられなかった。そこで また カチンと来た。

椅子に座り、ドクターが 突然 「羊水検査をしましょう」 と言った。

しばらく 間が 開いた。何を 言ってるんだろう?と 思った。

すくなくとも りんりんは 「は?」という表情だったと思う。あれだけ考え、悩んで不安に耐えてそれでも我が子を裏切るような気がして しないと決めたことなのに…。でももしかすると、何か 大きな理由があるのかもしれない、そう考え直し、「・・・ あの、先生。その必要性は・・・?」と聞き返した。

ドクターが あたしたち夫婦にした説明は ダウン症の種類とその症状についてだった。

大まかな説明になるが 染色体異常で21トリソミーと呼ばれる異常は 21番目の染色体が異常を持つものでもっとも多い異常と言われている。比較的、内臓などの奇形も軽症ですむことが多く、出生後も長く生きられることが多いが、13トリソミーや18トリソミーでは 短命で中絶をする人もいる。

それで?それを聞いても りんりんの意思は変わらなかった。そこで ドクターは更に 出産時の心構えやこちらの準備もあるから・・・と言った。りんりんは決して この病院で産むなどと言っていない。そのときに言葉にできなかったが、その準備がどの程度大変な事なのか聞きたかった。ダラダラと 染色体異常の種類やその場合にどんな子供が産まれて来るかということを話している。

そのとき、りんりんは 一点を見つめて納得がいかない顔をしていた。それはドクターに丸分かりだったようで これ以上 りんりんに何かを言ってもダメだと思ったのか ダーリンだけに向けて何度も13・18は短命であるとか 産後すぐの体勢確保のために白黒つけておいたほうがいいと 語っている。

大体、産婦人科のドクターが赤ちゃんに対して 白黒って 何なの?先週の時点で 羊水検査はしませんよと伝えてあったでしょ、今回の所見で一体 何がどうなったから 羊水検査が必要になったの?その一番大事な説明がないじゃないの?ごまかそうとしてるじゃない?例えば、厚みがあったものがもっと厚くなっていたとかだったら素人目にも異常の種類を特定するべきかなと思える。でも NTは薄くなっていた。そういう状態で特に起こるかもしれない異常があるとか そういう説明はないの?ただNTが認められるから症例検討のために羊水検査しようとしてるんじゃないの?病院の実習のためじゃないの?・・・・・・・・・・・・・・・

そんなのが 言葉にならなかった。ただ、とても 怒っていた。

あなた方は 大勢の患者や赤ちゃんを見るから『大抵の場合は何もなくて終わりますが数百人に一人の割合で流産することがあります』なんていえるのだろうけれど、このおなかにいる赤ちゃんは あたしの子供なのよ。

とにかく 本当に あたしは怒っていた。ダーリンの手を硬く握り締めたまま。

最後には、その 若いドクターは ほぼ強制するように「あなたには必要です。そういう症状です。」と言い出した。「大学病院としてはベッドの関係があるから 今 もう予約を取って帰ってください」とまで 付け足す。あまりのことに 言葉をなくしたまま、ただダーリンの手を強く握りしめている。ダーリンはりんりんのそんな態度をすまなそうに ドクターの話を聞いている。そんなの すまながることなんかないわよ!と思ってしまう。

結局 ダーリンは りんりんの気持ちを思いやってくれて、「とりあえず、また一週間後に決めさせてください。すみません。」と頭を下げて ドクターに言ってくれた。憮然とした顔で小さな溜息をつく ドクター。

このときは 本当に追い詰められていたから ダーリンの言葉にとにかくしがみつき、すぐに椅子を立った。

帰り際、ドクターは「前向きに考えるためにも・・・」と言った。あたしが 前向きに考えてないと思ってるの?あんたに 何がわかるっていうの?とにかく 逃げ出したかった。ダーリンの一言がなければ あのまま押し切られるところだったかもしれないと思うと悔しくてたまらなかった。そして、また涙が滲んだ。もう二度と あのドクターの顔をみたくないと思った。


言葉にならなかった思いを 整理させつつ 車へと戻る途中 ダーリンが言った。

「だけど、もしも短命な異常だったら…それでも 産むの?産んだのに すぐに死んでしまったら そっちの方が耐えられないと思うよ?」

確かにそれはそうだと思った。手に抱いた我が子が すぐに死んでしまうなんて。考えられない。耐えられるわけがない。

でも、りんりんは 思う、もしも生まれて生きていける力のない子供だったらたぶんりんりんのおなかの中である程度以上生きられないだろうと。もちろん 死産や 出生後すぐに亡くなる赤ちゃんもいることを知っている。だけど 赤ちゃんの力を 信じたい。

 「それ以前に 説明が不足しすぎじゃないの?」

りんりんは 少しずつダーリンに 頭の中で整理したことを話し始めた。

調べてみてもNTが認められた妊婦全員が羊水検査をしているわけでもないし、もしもそうだったとしても、前回受けないと言った時点で 説明なり説得なりがあったはずだし、あくまで「白黒つけたいなら」なんて受身な言い方だったのが別のドクターと話したとたんに急に強制するような言い方に変わった。なのに それに相当する説明が ない。

前回の診察時から比べても悪い方向に傾いた結果は無いのに、染色体異常の種類やその子供たちが長く生きるか短命か は 検査が必要かどうかという点で説明に相当しない。

 りんりんも医療従事者として働いたことがあるから 思うのだけど 患者さんとの信頼関係はとても大切なものだと思う。患者は 医療従事者が安心できる相手かどうか 常に考えると思う。まして 命に関わるものであれば なおさら。

残念ながら あの若いドクターは信頼できそうになかった。そんな要素が 何一つ なかった。例えば、いつも見ていただいている先生に「出産時に備えて 検査した方がいいでしょう」と言われたら、同じ状況でも「先生がおっしゃるなら…」と思えたかもしれない。

しかし今回、2回の受診で一度も笑顔を見せなかったドクター。奥でもう一人のドクターと何を話してきたのか 一切説明もなく 押し付けるように検査をしろと言われたところで、ドクターの何を信頼しろというのだろう?赤ちゃんを危険にさらす検査だというのに…。

あたしから言わせれば単純にあのドクターの インフォームドコンセント不足 なのだ。ただ事実だけを見て診察すればいいというものでは 決してないはずだ。


翌日 いつも通う産婦人科をすぐ受診した。でも せっかく好意で勧めていただいた大学病院での診察だったのに、なんて言えばいいんだろうと思った。だけど信頼できないということや 異常の可能性のある子供を出産する上でご迷惑がかからないのであれば 先生のところで出産したいという事は伝えなければと思ったし、もし大きな病院でなければならないのだったら あの大学病院以外の場所を紹介して欲しいと思っていた。

そして診察が始まり 大学病院でのことを忘れないようメモしておいたノートを手に 話し始めたのだが安心して話しているせいか悔しさがこみ上げてきて、恥ずかしいくらいに泣いてしまった。

先生は困ったような顔をされていたけれど、最後まで話を聞いてくれた。

この日のNTは 1.4mm。「確かに ほとんどわからないくらいになっていますね、」と先生。

最終的には こちらの病院で様子を見ましょうということになった。

そして21トリソミーの子供はほとんどの場合、正常な子供と変わりなく出産できる(だから出産時まで異常に気が付かないケースが多い)ということと、13や18トリソミーの場合は胎児が成長していく過程で 多くの場合、エコーで特徴が現れることがあるので そういった場合は設備のある病院などでの出産が必要になるから 必要に応じて紹介することにしましょうという説明をしてくださった。

そして、初めの方の診察で説明のあった 胎児ドックは 受ける気はありますか?と聞かれた。その様子から言って、恐らく先生は他の病院での診察についてりんりんがナーバスになっていると思ったのだろう。それに 泣いてしまったことで 感情的になる患者だとも 思っていると思う。それは 申し訳ないことをしたと思ったけれど、「先生は 私が一人目妊娠のときつわりがひどくて点滴を受けるのに 看護婦さんが3回も針を入れるのを失敗した後、すんなり入れて下さったから とても信頼させていただいてるんです。(笑)」と 話した。事実 そうだったから。

そうして診察は終わり、次回診察日を決めた。

家に帰り、大学病院の予約変更受付に電話。産婦人科外来へ電話は回され、「来週の予約をこちらの都合なのですが、キャンセルしていただきたいのですが」と伝える。看護婦さんはとても感じのいい声で、「じゃぁ、別の日を おとりしましょうか?」と聞いてくれたけれど、「ちょっとこちらの都合が今わかりませんので…すみません」とお断りをした。これで あの ドクターに顔を合わせなくてすむと思っただけで ホッとした。


4.27。 GWをはさむのでちょっと 早めに受診することになった。順調に 赤ちゃんは育っているし、NTも 問題のない程度で おさまっている。この時点で14週。 胎児ドックは 2回受ける際は 20週と 30週に受けるように 勧めているそうで、次回の受診の18週の時点で胎児ドックの日を決定しましょうということになった。


5.27。 18週。赤ちゃんは 順調。しかし、若干だけれども、大腿骨(FL値)が 短い。なんでそれが問題になるかというと、ダウン症の胎児のエコーでの所見で大腿骨が短いということがあるからである。

そのほかにもいろいろと 特徴的なことがあることを りんりんは調べていたので 知っていた。例えば この時期に鼻骨が小さいこととか、大腿骨と同様に上腕骨も短めであるとか、手の小指の関節が一つ足りない、もしくは小指が短いとか。その他にも内臓の奇形もダウン症の子供は合併症として持つことが多く、心臓の奇形はダーリンからの遺伝以外に、ダウン症であっても起こりうることだった。

今日の診察では大腿骨の事以外は エコーの精度の問題もあってか、何も言われなかった。そして、紹介状をもらい、20週目に当たる週に隣の県にある国立子供病院の産婦人科を受診するように言われた。予約は 本人からのものしか受け付けていないとの事だった。早速 たまたま家に帰っていたダーリンの横で 子供病院に電話してみた。

「今 お世話になっている産婦人科の主治医の先生から そちらの胎児ドックを受けるように言われまして 予約を取りたいのですが」と話した。正直、はじめての病院というのは ドキドキする。大学病院の トラウマ?かも知れないけれど、また 自分に合わない先生だったり病院だったりしたら どうしようと 考えないわけにはいかなかった。

看護婦さんは 大学病院同様 いい感じの方で 「どのような 状態で 勧められましたか?」と尋ねられた。

9週目にNTが確認されていること、ダーリンが心臓に奇形があり手術は今までに2回経験していることを伝えた。そうすると「先生の方からもお電話を頂きました、そういうことでしたら、20週目といわず来て頂いて結構ですので… ええと、そうしましたら5月31日の4時半はいかがでしょうか?」   ダーリンに確認を取る、時間と日、 それで一緒に行ってもらえるのかどうか。 ダーリンはその日を指定してるんだったら それでいいよ言うので 決定してもらった。


5.31。18週6日。道がわからなかったらいけないと、早めに出た。ダーリンは寝不足のため、運転の途中でたまらなくなり、時間にも余裕があったので高速のパーキングで一時間ほど昼寝休憩。タンタンも寝ていた。りんりんはただ一人、寝れるほどの余裕もなく、胎児ドックで決定的なことを言われたらどうしようか、そういうことを考えていた。

わかりやすい所だったので 一時間の休憩をとっても、早くに到着できた。受付は時間外で紹介状を持っている人専用の受付を通してもらった。産婦人科の前で4時半を過ぎても 40分くらいまっただろうか。タンタンは長い廊下にはしゃいで大声を出したりする。だけど 子供病院だからそれほど目立たず冷ややかな目もない。

紹介状のあて先が 女の方の名前だったので女医さんなのかなー… そのほうがいいなー…と 考えていた。

やっと中待合に通された。くまのプーさんの人形がたくさんおいてあり、タンタンもどちらかというと喜んでいる。しばらくして 診察室に呼ばれた。「あ、あの、これらは・・・」と ダーリンとタンタンを指差す。ダーリンは「これらって・・・」と突っ込む。看護婦さんは 「どうぞ、どうぞ!」と言ってくれた。女医さんが一人と 少しわかめの男の先生が一人か二人、はっきり見えなかった。

りんりんだけ奥にある内診室通されて 経腹エコーが始まる。エコーを握るのは 女医さんだった。話をしながらエコーを始めたのだけれど緊張のせいか、何を話していたのか 初めの方は覚えていない。ダーリンの病気の話や NTの大きさなどの事だったかもしれない。

よくは分からないけれど、確かに精度の高いエコーのような気がした。

内診室で撮っているエコーの画像は診察室のダーリンとタンタンにもそちらにある画面で見てもらうことができるようで、映し出されたとたん、タンタンは大きな声で 「あ、あーちゃん!あーちゃん! あーちゃんたくさん!」といい始めた。 「あーちゃんって 赤ちゃんの事?」先生が聞いた。「そうなんです・・・」あまりの大声でこちらからタンタンに小さな声にしなさい!ともいえず、申し訳ない気持ちでいたのだけど、先生は「こんな あーちゃんも いかが?」と 3Dの 画像まで出してくれた。それは不気味だったのか(?)タンタンは 反応していなかったけれど…。

そして 入念に繰り返してたくさんあるチェック項目を見ていっている。隣で記録をとっている看護婦さんに 「 ○○は オッケイ…」 と項目ごとに言っている。途中で 「まー、よく 動く あかちゃんねー。」と先生。どうも 検査の途中でチョロチョロと 動くらしい。おなかに向かって「じっとしててー」と話しかけるものの、あーちゃんは 聞く気がないらしい。というか、りんりんもちょっと痛いかなと思うほど エコーをぐいぐいと当てられていたので あーちゃんも逃げ回っていたのかもしれない。

最後に短い時間だけれど 内診があり 終了。診察室で 話が始まった。

まずは 今までの経緯を確認した。NTについての説明を こちらの先生からもしていただいた。「多くの場合は正常だけれど、確率があがる」と。

そして 恐らく紹介状に 大学病院でのことを りんりんが興奮状態で話したことが 書いてあったのかもしれない… 「羊水検査は  赤ちゃんに負担をかけないようにと思ってしないことに決めたんですよね?」と 言われた。そこで 「はい」と 答えて、「染色体異常があるかどうか ということよりも、この子を出産するときにすぐに大きな処置が必要かどうか、出産時に大変なことがあるかどうかが 知りたいんです。」と付け加えた。

検査の結果は 大腿骨長はやはり短めだけれどそれ以外は所見に問題なし。気になっていた 鼻骨が見えるかどうか…異常なし、小指の関節も3つ(ただし それでも短い場合だってある)で異常なし、そのほかも…。そうして心臓も先生の見立てでは異常はないが 心臓の胎児ドックの専門の医師が他にいるので ダブルチェックしてもらいましょうと そちらの先生に連絡を取ってくれた。

時間外もいいところだったけれど、県外の遠方から来ているから度々来るのは難しいでしょうから受けて帰ったほうがいいでしょう?と 優しいお言葉だった。(どっかの若造ドクターとは大違いだ)

心臓のエコーは 別の離れた診察室(後でわかったのだが、MFICUだった)に行かなければ行けないのだが、タンタンは入室禁止区域。ダーリンに残ってもらうことを考えていたら「この子、ここに置いていったら?」と。「よろいしんですか?」「どうせ連れて行けないところだし、見ててあげるから…」最後の方の診察患者だったことも幸いしたのか 騒ぎはしないかと心配ながらも(タンタンの場合なく心配はないので)、ダーリンと心臓の先生のところへ。

今度は 男の先生が診てくれたのだけれどこれがまた感じのいい先生だった。失礼な言い方、おっチャン先生という感じ。自己紹介だってもちろんある。

ダーリンの病気についてこちらから話し、聞き終わったうえでエコー開始。丹念に診て下さる。今の時点で 赤ちゃんの心臓の大きさは直径1センチ。それから想像しても赤ちゃんは まだまだチビ。それに羊水に浮いているだけだから ちょっと動くと どこに行ってしまったのか また探さなきゃいけないのだそうだ。

りんりん、釘付けで画面を見るが 意味はわからない。ダーリンは心臓のエコーは自らが受けていたくらいだから、何かわかるのかなと ダーリンの方を見ると 

・・・・・・・・・・・・・・・ 寝ている ・・・・・・・・・・・・  

 

 

おい!

 

 おっチャン先生は ニヤッと笑っていた…。

かなり 長い時間がたって 先生が説明を始めてくれた。18週という大きさでは まだ限界はあるけれど 心臓の部屋は4つに分かれているし今のところ 大きな血管が変なところにあるとか そういうこともなさそうだけど、大きくなったら 分かってくることもあるのでそれは経過を観察していかなければいけないことだと。

そして2週間後に 再び 受けに来るということになった。すでに 小児科を出て30分以上 経っていた。

もしかして タンタンが飽きて ワヤクチャなことをしてるんじゃないかと 急ぎ足でもどり、戸を開けてみると 若い男の先生の方と何か話しながら(と言っても意味不明)遊んでもらっている。「全然、泣きませんでしたよ、人見知りしないですね〜。ジュース一本飲みました。」  想像した以上に うちの息子はタフなようだ。というか、先生方に申し訳なかった。

りんりんが産婦人科に行くと いつも 回転する椅子にタンタンは登りたがるのだけど、今まで乗せてもらえるわけもなく来たのだが、今回は特別に診察の終わったその奥の内診室のベッドでタンタンは遊ばせてもらい、満足げな顔をしていた。

こうして不安だった胎児ドックも まずまず安心できる結果と 慎重に経過観察をしていかなければいけないという事実をもらって、第一回目を終わった。


 この 記録を 書き始めたのは この胎児ドック一回目が終わった時点なのだけど、気持ちを素直に書く。

もしもやはり染色体異常の子供が産まれたら と思うと、恐い。

あたしに育てられるだろうか?どうしたらいいのだろう?

親はなんて言うかな?

タンタンにも苦労させることがあるだろうな。

このあたりでそういう子供たち向けの設備は整っているのかな。

子供に八つ当たりすることがあるかもしれないな。

年齢のせいかな、3人欲しいなと思っていたけれど次の子供を妊娠する勇気は出ないかもしれないな。

染色体異常の子供をみて あたしは ちゃんと愛してあげられるのかな・・・・・・・・

逃げ出したいくらい 不安。でもどうにか日々の子育てや友達との時間で紛らわすことができている感じ。それなら 羊水検査を受ければいいようなものだけど、結果が染色体異常を指すものだったら それを背負って妊娠期を過ごす自信というか気力があるかどうか 分からない。りんりんはとても小心者だから。泣いて暮らすのは 目に見えている気がする。産んでみれば 母親になれるのかもしれないけれどまちがってもタンタンに当たるようなことはしたくない。

これを書いている今も 毎日のように おなかに向かって話しかける。奇形や障害や病気は ちゃんとおなかの中で治して出ておいで、元気いっぱいで出ておいで…   そうせずには いられないの。


6.13  今日は 二回目の胎児 心 ドック。 2週間前は 胎児ドック全般 および 心ドック の2種類をしてもらったけれど、今回は 心ドックの方だけ。時間は30分くらいかかった。

おっチャン先生が 「また 見せてくださいね〜」 と和やかムードで入ってきて、診察開始。本当に驚くくらい 時間をかけて 丁寧に見ていってくれる。

所見としては今回、大動脈弁の部分の径が若干大きめだということが 気になると 言われた。しかし、まだ本当に小さな心臓。その大動脈弁自体が 3.4mmという大きさだから、誤差もあるだろうし、個人差の範囲かもしれないとのこと。そのほか、心臓の4つの部屋はバランスは悪くないし、血管の流れも大体きれいに見えているとのこと。何分、小さいこともあるし、この週数(20週)では 確認できないことも多いと。 

前回の診察時にも説明はあったけれど、今後 また何らかの形で 異常かもしれない部分が見つかるかも知れないと。

次回は8週間後、8月11日に 心ドックをうけることになった。

やはりドキドキしてしまう。何かの奇形や異常が出ていたら…そう思うと、恐い。ただ、奇形や異常が見つかったとしても生活していくうえで それほど支障がない程度であるのかどうか それも重要なこと。

事実 ダーリンは 肺の動静脈奇形の疑いと心臓の血管の奇形があることがわかっている。でも、今現在は 人よりも大幅に疲れやすいし、風邪などに対しても弱いけれど、仕事も毎日行っているし、ご飯も普通に食べているし、ちゃんと生活していっている。3年前の手術は それら今も持っている異常よりも優先的で命に関わるような事だったわけだ。だから そんな命に関わるような大きな異常や奇形が見つかることが最も恐いことだと思っている。

心ドックのおっチャン先生は 90%以上の割合で 大きな異常は出生前に見つけることが出来ると思っているとおっしゃっていた。つまり、生まれる前の時点で 誕生後すぐに処置が必要な異常は かなりの確率で見つけてあげられると思いますよという意味。りんりんにとっては それは とっても大きな安心だ。

おっチャン先生は 「恐らくねぇ、ぼーくは 大丈夫だと思ってるんですよ、、お母さんもそう思ってるでしょ?」とりんりんに言った。りんりんは…大丈夫だと 思っているというよりも あーちゃんの力を信じているという方が正しい。だから「んー、毎日、おなかに向かって 悪いところがあったら 自分でなおして出ておいで〜とは話しかけてるんですけどね」と先生に話した。おっチャン先生は 画面を見ながら ポツリと 「あー、 そうですね・・・」と言った。

それから 産婦人科の外来で次回の予約表と 会計に回す書類を受け取り、前回 タンタンが心ドックの間にお世話になり、ジュースまで頂いていたので お礼というと失礼だけれど 30分以上も ご面倒をおかけしたので 伊予柑ゼリーを持っていっておいた。。恐縮されたけれど それは こちらの方だし、、受け取っていただけてありがたかった…。


 染色体の異常を 恐れる反面、もしもそうだったとして、そのこと自体よりも まずは 産まれてきてすぐ 元気に育ってもらうために 必要なことがあるのかどうか それを 知りたいという気持ちが 強い。

もちろん、染色体異常は りんりんにとってかなりのショックを与えると思う。産まれてきた我が子を抱いても前向きに考えるのに 時間もかかるだろうと思う。

ただ、おなかの中の あーちゃんに対して出来ることは 限られているし、染色体異常自体を治すことは 生まれる前も生まれた後も出来ないのだから、それを調べても仕方がないと思うのだ。

 それに 知ってしまうのも 恐いのだ。自分がどんな反応をするのか 恐いのだ。


 6.24   この日は いつもお世話になっている産婦人科に、先日の子供病院での検査結果の書かれた先生からのお手紙を持参して受診した。

K先生はそれにさっと目を通して、「あちらで 何か 言われましたか?」と言われた。「大腿骨が若干短めだということ以外は特に。ただ、心臓の専門の胎児ドックをされている男性の先生に診ていただいて、伺った日から更に2週間後にも経過を見るために受診したんですが、その際、心臓の大動脈弁の径が大きいかな?と言われ、また2ヵ月後に 経過を見ることになりました。」と話した。

それから経腹エコーで 診察。「大腿骨の長さも 確かに短いですが 異常なほど短いわけじゃないですね。まれにありますから。標準の範囲内ではありますよ。体重は〜・・・472g・・・くらいですね〜。」その後もいろんな方向から診てくださり、「心臓も部屋もきれいに見えてますよ。」との事。

今回の診察で 一番 楽しみにしていたのは 実は性別だった。どうも 下半身らしきところをエコーで確認しているとき、 あれ? と思った。その部分には 息子には付いていたものが 見当たらず、しかも小さなモモの様に見える。これって・・・・・・・と、先生の顔を見たら「性別は〜、、知りたいですか?」と。「はい、知りたいですっ。」「90%以上の確率で 女の子みたいですね。」思わず手を叩いて 喜んだ。ダーリンも ニコニコと笑っている。タンタンは 寝転がって 背中で床を掃除している。

9〜10週目のころ、あーちゃんに向かって話しかけていたとき、あーちゃんが逆に りんりんに話しかけてきたように思えたことがあった。そのとき「あーちゃんはね、 ○○ なの。」 と自ら 女の子の名前を言ったように思えた。

りんりんは次は女の子を…と望んでいたので、その願望が現れただけかな?と思ったが、女の子なら付けたい名前が 候補として2つ挙がっていた、その どちらでもない名前をあーちゃんはりんりんに伝えた。ダーリンにも 実は 話してなかったけれど、こういうことがあって…と言うと、じゃぁその名前を付けてあげようかということになり。気の早いダーリンは 早速 字をどうするか…などと 考え始めていた。

この受診で 女の子だと言ってもらえたので 望みどおりと言えば望みどおりになったのだけど、とにかく 障害や奇形、病気などは、おなかの中にいる間に なるべくならば 治して 出てきて欲しい。元気一杯で産まれて来て欲しいと 思っている。


 7.21   朝起きて いつものようにダーリンの朝ごはんの支度をして 洗濯機を回して… と 朝一番にトイレに行かずにいたのだけど、落ち着いて トイレに行ったら 下着に 出血のあとが。しかも 量は多い。

すぐにダーリンにメイル、

「出血してるみたいだから病院に行きたいんだけど一緒には無理?」

「何時ごろいく?今は忙しいから抜けられそうにない…」

ダーリンのお母さんに心配をかけることに ためらいはあったけど、タンタンを連れて病院に行ってタンタンがわがままを言ったりしたら困るのは目に見えているので電話をして連れて行ってくれるようにお願いした。

着いてみると、全く人はいないし、静まり返っている。・・・あれ?今日は木曜日?休診日だ・・・・・・!

2階のナースステーションにいる看護婦さんにお願いして先生を呼んでもらった。

内診などで診てもらったが 出血は止まっているみたいだと。

胎児の心音をとる機械を付けて30〜40分、様子を観察したのだけど、なにせ あーちゃんが動き回るので2度くらい心音が測れなくなって機械の警報がなった。グラフを後で見せてもらっても とにかく胎動が多くて、機械が代わりにりんりんの心音を拾ってきたりしていた。

その機械の置いてある部屋からでてみると ダーリンが立っていた。また仕事へはすぐに行かなければならないらしいが 様子を聞きに来てくれたらしい。心配はなさそうだというと安心していた。

あーちゃんは元気そう。ひとまず安心。明日はもともとの妊婦健診日で明日まで入院することも勧められたが、家で様子を見ることに。

長時間 タンタンの相手をしてもらって 姑さんには 本当に申し訳ないことをした。病院内だけでタンタンの相手をするって言うのは、(子供のプレイルームもあるけれど)かなりしんどい。途中でタンタンのスイミングで一緒の男の子がたまたまお母さんの用事で来ていたのでどうにか助かったと姑さんが言っていた。やはり 一人で連れていくような無謀なことをしなくて良かった・・・・・・。


7.22   昨日の出血が心配だったけれど 出血も治まっているようだし、子宮頚管の長さも3.7mmで、問題はないと。これが2.5mmをきると 即入院だとか 周産期センターに搬送だとかいうことになるのだそうだ。

昨日は頭が下に向いていた あーちゃんだったけれど、今日は逆子。先生に再度 女の子かどうか確認を取ろうと聞いたが 逆子状態でよく分からなかった。

何はともあれ あーちゃんが元気そうで良かった。

そしてもう一点、今までずっと短いと言われていた大腿骨長は特に短すぎると言うこともなさそうだと言われた。目安の一つであり、所見がなくても染色体異常の確率はあるけれど とても嬉しかったし、安心した。

ただ 問題点として・・・・・ りんりんの体重が増加しすぎている。タンタンのときは今の体重で出産を迎えているのだ。これはまずい。。。

次回から2週間おきの診察になりますということで体重 注意しなくては。。。。。


 8.5  2週間おきになった 妊婦健診。一番 りんりんが心配していた、己の体重は400g増加と言うことで、ビミョ〜…。

今日は前回出血騒ぎがあったので 念のため内診もした。そして 感動的なことにあーちゃんの顔の部分が 3Dエコーで初めて映し出された!鼻は高いように見える。= ダーリンに似ている可能性 大! でも 目が細いところだけは似ないで欲しいと願っている。今日改めて確認したけれど、女の子。・・・女の子で目が細いのは ちょっと なぁ…と欲が出て、思ってしまうが、何よりも 元気で病気や障害を背負わず生まれてきてくれたらというのが一番。

思えば つわりちょっと前くらいから ずっと NTという所見を背負って あーちゃんとりんりんたち一家はやってきたんだ。毎日のようにおなかのあーちゃんに話しかけ、自分の力でなるべく治して出ておいで!と言い聞かせてきたけれど、どのくらいまで その話かけが役立っているのか。羊水検査をしないと決めた時点から 宿ったこの命を育てていこうと思ったけれど、それは事実を見ないようにしてきたようにも思える。未だにどこかで まさかうちに障害や奇形のある子供が産まれる事などない という気持ちがある。そして エコーでのいろいろな目安が正常値と言われるたびに その気持ちは大きくなるし、どんな容姿でとか どんな性格でなど、欲も出てきてしまうし。

事実、これだけ、エコー所見が正常であっても 産まれてみたら 染色体異常がありましたということもある。染色体異常であったとしても 健常者に近い状態で生まれて来る事もあるということ。

やはり どちらの両親にも まだ話せる心境ではないのも 確かだな。

NTの事を調べていて 知り合った ネット上の知り合いがいる。りんりんよりも2週間程度はやい妊娠になる。彼女もNT所見があり大きな病院に紹介された経緯がある。最近の検査で ベビーに心臓に欠陥がある可能性が高いということが分かったらしい。羊水検査では染色体異常はなしという結果だったので喜んでいたところだったのだけど、心奇形が見つかった。 りんりんは思う、NTがあったからこそ、詳しく検査をする必要がでてきてそれに伴って心臓の奇形も早い段階からキャッチしてもらえたんではないかと。

その彼女のベビーは 生後3度程度の手術が必要だと現時点で言われているそう。 あーちゃんは まだ 今の時点で大きな奇形があるということは言われていないが、体が小さいせいで見えてこなかった部分があるだろうし、成長してきた今 発見されることもあるかもしれない。来週11日の子供病院での 胎児ドックでは もしかすると何か指摘がある可能性だってある。そうなれば 今のように 欲から出るような言葉も出てこなくなるかもしれない。余裕がなくなってしまうだろうから…。


8.11  この日 10時半から子供病院で胎児心ドックの予約があったので 休みを無理に取ったダーリンと タンタンと3人で9時半ごろに出発した。最近の産院での診察では あーちゃんの顔のかわいい写真もとれて 見せてもらえたし、なんとなく自分の中では 異常は見られないのではないかという 楽観的な考えが占めていた。大腿骨の長さや 顔面の奇形などの異常はないと言われたことによる。

しかし いざ 診察が始まり、おっちゃん先生が慎重にエコーを始めたときは 先述の彼女のように異常が見つかる可能性を考え始め 先生が何かいうたびにドキドキしていた。初め おっちゃん先生は この時期の節水のことや去年の水害の事、そのときに建てたばかりのマイホームの庭に水が押し寄せて浸水するかと思った!というような話をしてくれていて もしかすると 何か決定的なことを話すにあたり、あたしの気持ちを和らげてくれているのだろうかと思った。

そして、「今 こうやって 画像をみてねぇ…  前回の診察のときに大動脈弁がちょっと大きいかもしれないっていう話だったでしょ、今回みたらね、普通ですね。」そう言ってくれたのだ!そうして、静脈 動脈で青と赤に色が分かれて見えるエコー画面でへその緒から血液が入り心臓に血液が流れ込む部分を解説してくれて、「これから以降、出てくるような異常や小さな異常は分からないけれど、95%の割合で僕は現時点で異常があれば見つけられると思っているから、もう、いいですよ。」(つまり、胎児ドックは今回で終了してよい)と言われた。

 要するに 産後すぐに手術が必要な状況ではないという話だったのだ!

羊水検査をしていない以上、染色体異常かどうかという事は生まれてみない限り 分からない。でも それは 検査をしないと決めた時点で産むと決めた事と同じだった。あーちゃんが産まれてから生きていけるかどうか、手術などが必要かどうか それが一番気になるところだった。今回の受診で その産まれてすぐの手術が必要になるような大きな奇形が心臓にある可能性はきわめて低いということを言われ、どれだけ安心できたか。

前の晩に ダーリンに ネットで知り合いになった人もNT所見があって、染色体異常はなかったけど心臓に奇形があるらしいってことがわかって、よく調べてもらったら 産まれてすぐに手術が必要って事らしいという話をしていた。ダーリンは 「…こわいね」 とつぶやいた。そして 先生に言われた結果を話したら顔に出すことはなかったけれど 安心しているようだった。

染色体異常 21トリソミーの場合、健常者にとても近い状態で産まれてくる事がよくあると調べた。だから寿命も他の異常に比べて長いし、より健常者に近い生活や知的レベルを持っていられるという。

だからあーちゃんの場合も 外見的な所見は どれも疑いが低いと出ているけれど 産まれて来たらダウン症だったということも もちろん高確率で考えられる。だから 不安がなくなったと言えはしないけれど、生まれたばかりの小さな体にメスを入れる事態は避けられそうなので、それを糧にあと2ヶ月くらいの妊娠期間を がんばっていこうと思っている。


8.19  30週2日目。この日はりんりんにとって とても辛い日の始まりになった。11年間一緒に暮らした 愛猫のさくらが天国へ旅立ってしまったのだ。考えていたよりもずっと早く、そして突然に その日が来て、 悲しみを抑えることが出来ずに約一週間苦しんだ。

もちろん おなかの中のあーちゃんにさわるからと 何人もに言われた。だけど そんなことはこのあたしが一番分かってるのよと心の中で叫んでいた。みんながりんりんを思って言ってくれる言葉を素直に聞き入れることが出来ず 泣いてばかりだった。さくらが最後に病院を出る前にりんりんに見せた姿が あまりにも悲しかったので それをずっと引きずっていた。今ままでの妊娠期間で これほどまでにおなかのベビーの事を考えられなかったのは タンタンのときも含めて一度もなかった。

はじめて 妊娠が分かったとき 実は りんりんはふと『 え?異常がある? 』と あーちゃんの事を考えたことがあった。いつもの予感のようなものだった。これは早くダーリンに言わなきゃと、「 もしも、障害を持った子供だったらどうする?」と 聞いたが、ダーリンは「 別に障害を持った子供でもええやんか。」と言った。その言葉に押され、それ以上 予感がするといった話をすることはなかったのだけど。

そして 3月29日の健診時にNT所見を指摘されて帰り、やっぱり 何かあるかもしれない…と思ったのだった。が その後の事、また『 さくらが あーちゃんの病気や障害を全部背負っていってしまう 』 と感じたのだった。いってしまうというのは 天国へということ。しかし あまりにも縁起が悪かったし、あーちゃんの病気の可能性を まずは調べなくてはいけないと必死だったこともあって 誰にも話すことはなかった。

でも こうしてさくらが旅立ってしまった今、自分がそう思ったことで さくらがそうなってしまったように思えて つらい。関係はないと分かっていても なぜか 自分が思ったせいだという気がする。ただ、本当に、さくらが あーちゃんの病気や障害を持って行ってくれた様にも思える。だから 産まれて来るあーちゃんの名前には 桜 の文字を入れようと ダーリンと話している。

さくら、ありがとうね、、、長い間 一緒に居てくれて 楽しかった…  さくらの部屋を別に作ってあるけれど、ここでもさくらにお祈りさせて…。


9.2  前回の受診から 2週間。前回の時点で 尿蛋白が2回連続 ±とでてしまい、もしかしてと思っていたけれど、やはり尿蛋白は 完全に +。そして 予想していなかった 尿糖が +。

このところ、足のむくみがひどくなっていたので ダーリン兄に相談したら 歩けといわれたが、歩くにはタンタンを連れてだと無理があるので移動手段を自転車に変えていた。スケジュールも立て込んでいたこともあって 疲れが溜まっていたし 今の時期においしい葡萄をたくさん食べたし、ダーリンが買ってきてくれた 高級プリンなどもいただいていたせいもあるだろう。

そう考えると どっと疲れが出てきて とにかく 体と心を休めることにした。おなかの張りも頻繁になってきてるので ゆっくりと休むつもり。あと最低でも35日くらいはおなかの中にいて 2700gくらいで産まれてきてくれたらいいのになと 思っている。。。そして そう あーちゃんにもお願いしている。

このところ、りんりんがずっと泣いたりして情緒不安定だったことも 謝っておかなきゃね…。ごめんね、あーちゃん。


9.16  34週目に入っている。おなかが張ることが度々ある毎日が続いている。

ここのところ、歩いたり、座ったり立ったりが 覚悟しながら…のような感じで 必ずと言っていいほど「よっこらしょ」が口から出る。胎動もますます激しくなり、しかも何というか 膀胱やら子宮口のあたりやらを 圧迫されているような気がしていた。友達にも タンタンのときよりも下にいるような気がすると 話していた。

案の定、経腹エコーの際、先生はやたらと下のほうから 機械を当てて頭の大きさを測っていた。以前までは もう少し上から当てていたと思うし タンタンの時だってこんな下から当てられたことなんかないなと思っていた。そろそろ 出産も近くなってきたので内診もあるのだけど内診室に行く前に先生がおっしゃった。

「頭が 結構下のほうにあるみたいなので 早産の危険がないか 調べますね。」

思わず やっぱりですか?と言った。だって明らかに子宮口付近はチクチクとしたような違和感があることがあるし 歩きにくいし 座りにくいし。先生に なんかそう思えることがありました?と聞かれ そう答えると そうですか〜・・・と。

内診室に入り エコーで 子宮頚長を見てもらうと 全く問題なし。つまり圧迫はされているけど子宮口は開いてませんよということ。

あーちゃんの重さは2200gくらい。りんりんの尿検査も 蛋白± 糖− 浮腫± で 体重は1.4キロ減。塩加減や間食に気をつけていたし 前回頂いたツムラの23番 当帰芍薬散も 服用していたので浮腫みが減ったお陰で 体重が落ちたのかもしれない。しかし 今回のこの現体重でタンタン出産だから やはり気をつけなくてはいけないのは確か。

豆腐や納豆で 生きて行く事にしよう。偏りはいけないけど。

今回から 胎動カウント というものを毎日つけるように言われた。胎児が10回動くのに要する時間をグラフに書いて次回先生に見ていただくのだそうだが、10回…この判別は 難しい。それに あーちゃんだって メチャクチャ元気に動いているときは それこそ1分程度で10回?くらいは動いてる。表をもらって帰ったけれど 初日はとりあえず 2分のところに点をつけることにした。注意書きには 10回動くのに 30分以上かかるときは 一日に2〜3回測ってみましょう とか そのような場合は先生に相談してください とか書いてあった。そんなに重要なものなんだろうか、タンタンの時にはそんな話 出もしなかったのにな。


9.24  35週と3日。いよいよ来月に出産を控えて、家の中の仕事、いろいろとしておかなきゃと やっと焦り始めた。ここ連日、細かい掃除や、タンタンのおもちゃの整理棚を買いにいったり…と 忙しくしていた。それが良くなかったのか…?前の日から 股の奥がチクチクとした痛みがあって歩くのが辛かった。姑さんに頼んでタンタンと一緒に公園に連れて行ってもらったのだけど、公園近くの幼稚園で運動会をやっていて、その運動会がお開きになった頃、いつも世話になっている産院の先生が自転車で帰られているのを発見。よほど、声をかけて股の奥のチクチクした痛みを訴えようかと思ったけれど、間に合わなかった。

24日、この日、ダーリンが久々の休みで朝からゴロゴロしていたのだけど、どうにも下腹の方が痛い。ゆっくりしていたら 治るかな〜と思っていたけど、おなかの張りもきつい。昼前まで待って 治まらないなら 病院に行こうということになって、結局 行く事になった。

診察を受け、子宮口は1センチ程度開いてきていると。おなかの張りを観察するモニターを付けてみても 張りが多い。強く入院を勧められ、結局 ウテメリンという張り止めの入った点滴を6時間受け、翌日の夕方まで様子を見ることに。

あーちゃんの重さは2400g程度。もう少し大きくなって欲しいところ。

タンタンは  ダーリンと一緒に夜まで過ごして病院にお泊りすることになった。「パパと寝る?ママと寝る?」と聞いたらママと寝ると答えてくれたので。ただ、ずっと病院で時間を過ごすわけにも行かないので、夕方から7時くらいまではタンタンダーリンは家で昼寝。その後 ○ャスコのおもちゃ売り場で遊び 夕飯にカレーを食べ、途中、ドッパーアンと吐き、ダーリンはひーひー言いながら世話をして、家に連れ帰り、入浴させてから病院に連れてきたのだった。せっかくの休みだったのに りんりんとタンタンの世話だけで終わってしまった かわいそうなダーリンだった。

10時ごろ おなかの針を見るモニターを再度付けてみると、張りの方は治まってきている。とりあえず、翌朝まで点滴ははずすことに。

翌朝、またモニターをつけると、やはり張りがある。しかし先生は点滴ではなく 内服薬で様子を見ましょうと言ってくれたので、安静状態のまま 点滴は受けずにいることに。タンタンはお姑さんに預け、りんりんは久々に昼寝を楽しむことが出来た。このまま安静を続けて、様子を見て、内服薬で張りが治まるのであれば帰宅しても良いということになり、夕方のモニター。張りは治まってきていて、夕飯を食べた後、帰宅することに。

せめて 10月にはいるまでは、お腹にいたほうが良いということで、帰宅後もタンタンの抱っこは禁止。安静を保つように言われた。


9.30  入院から約1週間後。36週と2日。今週から10ヶ月に入った!定期健診。

お腹の張りは 出てはいるけれど、10ヶ月に入ったことを考慮すれば 多少の張りはかまわないということだった。子宮口は前回の入院時から比べて 広がっている様子も見られないので、次の目標は 37週に入る事。37週目に入ったら正常分娩ということになるから。

あーちゃんの推定体重、2500g。すぐ出産になっても もう心配はない大きさといえるけれど、やはりもう少し大きくなっている方が 呼吸やおっぱいを吸う力などが断然違うと。なので 37週にはいる 10月5日までは 安静を保つよう、それを過ぎたたら逆に動き始めましょうという話だった。

ここまで来たのだから がんばろうと思い、タンタンに抱っこをせがまれても あーちゃんが産まれたら抱っこしてあげるよと約束を何度もして、我慢してもらっている。

今まで まだ見ぬ あーちゃんの 病気や先天性異常をずっとずっと心配してきた。本当に出産が近づいてきた今だからこそ、思う。病気や異常や奇形は ママのお腹の中でちゃんと治して出ておいで。会えるのを楽しみにしてるよ、ママもパパも、お兄ちゃんのタンタンも。


10.7  37週2日目。今朝未明、前駆陣痛と思われる症状が2時間半続いたが、顔を洗って用意をしていたら、陣痛はどこかへ逃げてしまった。で、予定通り、定期健診を受け、帰ってきた。子宮口は 前回同様1センチ開いているまま。

今日生まれるかと 本当に期待したので なんだかがっかりしてしまったし、一度 生むぞ!という気持ちになったら 今度は何となく産まれて来ない事に不満を持ったりして。

しかし、こればかりはどうにもならないことなので、仕方ないか〜。。。


10.14 38週2日目。タンタンはちょうど 38週2日目にしてこの世の中に出てきたのだった。

あーちゃんは 体重も 滞在日数も 兄ちゃんを超えて出てくるつもりらしい。

今日の健診では2900g推定。りんりんにとっては これだけの重さを産むことが未知の世界。りんりんの体重が激増していることもちょっと気にしなくてはいけないし。。。子宮口は1センチ開いている状態のまま。先生はまだ予定日まで間があるし、無理に出す必要はまったくないし、散歩などしてくださいと。結構先週よりも張りがたくさん出てきて いい感じだったんだけどまだまだらしい・・・。

1週間おきになり その都度 5000円ほどかかる 健診料が 痛い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


 10.21 39週2日目。この一週間も 出るか出るかと思いながら 平和に過ぎていった。

とにかく 腰が痛む。ここにきて、お腹の重たさが とても辛くなってきて、タンタンを出産したときは 本当にお腹の重たさを苦に感じることがなかったんだなぁと 思い返していた。

子宮口は それでも2cm開いてきているとの事で、先生は次の診察までには産まれてると思いますよ!と言ってくれた。

そうであって欲しい。。。というか そうしてくれ!また 5000円が飛んでいってしまう。

それを意識して この一週間の間 タンタンを祭りに連れて行き、肩車までしたし、自転車にも乗っていたし、散歩にも出かけたりした。やれることはたくさんしてみた。あとは あーちゃんしだいということだ。


10.25〜26   夜10時過ぎ。

はじめて 前駆陣痛以上の 大きな痛みがやってきた。布団に寝転がっているところだった。タンタンは7時半過ぎに寝かせていた。今日は朝からお印?というか おりものの色が 更に赤っぽく変化していたので、もしかしたら 出てくるかもしれない!という期待と、それまで食らった すかし の経験から あまり期待しないでおこうかという気持ちが 混ざっていた。

奈良のりんりんの実家に電話した。たぶん明日辺り生まれてくるだろうから・・・と。明日来てくれたのでいいと言ったのだけど、りんりん父は「今から出る!」と。

陣痛ならば 定期的にやってきて 病院に連絡しなきゃいけないぞと 思っていたのだけど それからは 全く何もない。やはり すかし?を食らったのか・・・。そう思っているときに ダーリン帰宅。10時半を回っていた。ご飯はいらないというので、そのまま布団に横になって話をしていたら、再び 先ほどの痛みが スシーーン とやってきた。

「おおおおぉぉぉぉ、痛いかも痛いかも痛いかも・・・」

そういっているりんりんを背に ダーリンはPCに向かって ネットマージャンをしている。こちらを見もせずに「うまれそう?」などとお気楽に聞いている。そんな雰囲気だから りんりんも 痛みが治まると なんとなく陣痛じゃなかったような気がしてきて、普通に話をしていた。そのうち、ダーリンが おなか空いてきた・・・というので その日作る予定だった 鉄火丼の材料を出しに冷蔵庫に。

マグロを切っているときに、再び 痛みが…。「あぁぁぁ、ねー、また痛いのが来たかも、やっぱし陣痛かも〜」と言っているのに、ダーリンは小皿に醤油と練りわさびを入れて混ぜながら、「わさび切れかけてるから 買ってきてっていったやんかー」などとのたまう。

そんな話をしていると やはり 陣痛だから治まって来た。

つい、「で、とろろはかけるの?」と聞いた。「欲しい。」というので 長いもをすりおろしているりんりん。

「ねぇ、でもさ、やっぱし、陣痛だと思うよ、経産婦だしタンタンのときが早かったから 陣痛かなと思ったら すぐに来てくださいって言われてるんだけど。あ・・・・・・・・ほら、また 来た来た、痛くなってきた〜、あたし、長いもすってる場合じゃないってば!」

やはり間隔が狭まってきたなと思ったら 病院に行ったほうがいいよねと思い ダーリンに相談するが

「あ、じゃぁ 俺が長いもすろうか?」

「だから!そうじゃなくて!」

 結局 鉄火丼は完成し、ダーリンが食べてみろと言うので 食べたらそれが結構おいしくて・・・ いやいや、やっぱりあたし早く用意しなくちゃ!と思い直して 病院に連絡。寝ているタンタンをダーリンが抱っこして車に連れて行き あーちゃんに会いに行くよ!と言って出発。それが あの ゲストブックに書き込みしたとき、車の中からでした〜。

病院到着は 12時15分ほど前。分娩室には 誰もいなかったけれど 通された分娩準備室は2部屋あり、隣にももうすぐ分娩を控えた妊婦さんが待機していると。すぐに お腹の張りを観察するモニターが付けられた。が、、、その途端 陣痛が治まってしまう。看護婦さんも、「こっちに着いてからは 陣痛来てないわね…」と 今からでも家に帰る?くらいの感じで話している。さすがにもう一度家に帰るのは嫌かなーと思っていたら 再び陣痛が!それまでは モニタの数値で30,40しかきていなかった 張りの値が 90以上を示すように!

りんりんの子宮口はまだ6センチ程度しか開いていないけれど、あなたの方が早いかもしれないわよと言われてドキドキ。しかしそんな状態でも 浣腸とテイモウはされたのだった。浣腸をされたら当然 トイレに行きたくなるでしょ、でも、どっちのお腹の痛みなんだか 分からないのよね。で、トイレで なんだかいきむと あーちゃんまで出てきそうな気がして 怖かった。

お隣の部屋が 騒がしくなり いよいよ分娩室にうつるらしい。・・・え、じゃぁ あたしは あのきれいな分娩室では産めないのかしら?なんて陣痛の合間に考えていた。さすがに分娩室は一つだろうし。。。

案の定、通されたのは 手術室。りんりんは 展開が速いだろうからと いつ産まれてもいい様に 連れて行かれた。しかし、何が辛かったって、「はい、じゃぁ 登って!」と 自ら手術台の上に上がらされたこと。足を上にあげようとすると 奥から出てこようとしているあーちゃんの圧迫がもろに感じられて、痛い。どうにか登ったけれど、ここで産むのは 嫌だな〜と思っていた。

ダーリン母もやってきてくれて タンタンの相手をしてくれていた。タンタンは 手術室を歩きまわり 「ママ だいじょうぶ〜?」とか とても場違いなテンションでりんりんに話しかける。お義母さんと隣の妊婦さんの話をしたりしていて、「なんか、ほんとに今から産むん?余裕あるよね… タンタン、 ママはまだまだやね」と言われたりして、談笑。

院長先生が 程なくして来られ、そのあとしばらくしてから タンタンのときからお世話になっている副院長先生が来られて、一安心。横にいたダーリンも 「一安心ヤネ」と。 でも、産むのはあたしなのよ、分かってるの?

陣痛は不規則にやってきて5分おきにはならず、7〜10分おきに 数回やってきた。30分くらいすると お隣のきれいな分娩室から オギャーオギャー と聞こえてきた。その間、痛みに耐える妊婦さんが だれかにどこかをさすってもらっていたのだろうか、気に食わなかったらしく「さするなぁっ!」と ドスの聞いた声で 叫んでいるのが聞こえた。

陣痛は更に痛みをましてきた。でも まだお隣の分娩室の片づけは終わっていないらしく、看護婦さんに「あたし、お隣の部屋で産めるんですか?」と聞いてみた。「もうちょっとがんばれる?いま 用意してるからね」 ・・・・・・・ がんばれる?って、つまり 陣痛を我慢して止めといてねってこと??

そのとおり、りんりんは 陣痛を しばらく耐え抜いた。助産師さんは「よくがんばった!」と褒めてくれた。。。(あたしの力なんだろうか?)で、移れる事になったのだけど 陣痛の痛みは すでにマックス状態!「え、どうやって 隣の部屋に行くんですか?」 よこでダーリンは笑いながら 「徒歩」       ・・・・・ っく 覚えとけよぉぉぉ!

結局 ダーリンがりんりんの 上半身を抱え 院長先生が 足を持ってくれた。で、せーの・・・で あわわわわわわ!と運んでくれた。乗せられてみると、タンタンのときの分娩台とは違うことに気がつく。足はM字に固定され、腰の辺り両脇に 体操競技のあん馬の握るところみたいなのがあって、それを両手で握りながらお尻を突き出すようにいきむのだと説明を受ける。感覚としてかなり寝た感じがして産めるのかな?という不安があって、もうちょっと起こしてもらえますか?と頼む。

陣痛はますます 強くなり 今までは 我慢できていた痛みが 思わず 『ひぃぃたいかもほぉぉぉ・・・・』(痛いかも〜)という 叫びに変わるくらいになっていた。子宮口は全開!

先生だから当たり前なんだろうけどさ、とっても落ち着いた声で 「もう 子宮口は全開ですから、あとは破水したらすぐに出てくると思いますよ、頭もだいぶ下がってきてますしね。なんで、ちょっと破水をさせて促しますね。」 と 切羽詰ってきているりんりんに説明。しかし妙に冷静に聞いている自分もいたりして。

そして 破水。「羊水も とてもきれいでしたからね。」と先生。 きれい汚いって どういう違いがあるんだろう?と思ったりしながら…。

イキミの波がやってきた。右には ボーっと突っ立っているダーリン。左には頼もしい助産師さん。「便だしていいから お尻のほうに力入れて〜」と助産師さん。イキミがやってくるたびに 懇親の力をいれるのだけど イキミが来ない間は膝がガクガクと震えている。とっても頼りになる助産師さんで 落ち着かせてくれていたのだけど、ちょっとりんりんの側から離れそうになったとき、思わずその手を がつっ!!と捕まえてしまった。・・・それをみてか?ダーリンがやっと りんりんの手を握ってくれた。

イキミの波は 定期的でもなく連続もしていなくて 先生が助産師さんに「次々 来ないんだね」と言っている。「先生、次々来てたら、たぶんここまでもってない・・・」「ははは」 結構必死なりんりんを挟んで 笑いあってるお二人。

覚えてないけど4,5回目のイキミで 「もういいよ」と助産師さん。逆に 「いまはもういきんじゃダメよ、」と言われる。最後の出口を ゆっくりと あーちゃんが通ってきているところだったのだ。でも、その最後、イキミがまだ残っていて 時々力が入る。が、ふっと その衝動が消えて 先生が何かを受け取るような手つきになった。『出てきてるんだ!』 そう思ったら 自分の股を 覗きこんでしまった。

小さな 髪の毛をべっとりと撫でつけたあーちゃんの頭が スローモーションで 出てくる。頭と肩が通ったあたりで ツルン と全身が出てきた!そして 間もなく 小さな オギャー!!!そして もう少し大きな声で ギャーギャーギャー!

10月26日 1時24分 予定日になって 間もなくの 出産!

産まれたんだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ダーリンが りんりんの頭を へへへ!と笑いながら撫でてくれた。そして 先生に「へその緒、切りますか?」と言われてダーリンが おもしろい形のはさみで チョキン!!

その後、先生が「胎盤が出ますからね〜」と。慎重な手つきでへその緒が つながっている胎盤を出してくれた。興味があったので これまた 覗きこむ。わ〜、赤い色に白い筋がたくさん入っていて… なんだか 馬肉の刺身みたい。。。

そしてきれいにしてもらった あーちゃんとご対面!「あーちゃん やっと出てきてくれたね〜、会いたかったよ〜!」と話しかけた。

あああああああああ、小さい、柔らかい、か細い、そして なんて ガッツ石松に似てるんだ!

りんりんは うまい具合に子宮口も開いていたし あーちゃんがゆっくりと出てきてくれたお陰で 出口の切開がなく処置はわりと簡単に済んだ。そして 個室も大部屋も一杯になっていたので その夜は分娩待機室で泊まることに。タンタンもりんりんと二人、その部屋に泊まった。後陣痛(子宮が元に戻ろうとして 陣痛のような痛みがくること)がやってきて あまり眠れなかったけれど それでも産んだーという達成感と りんりんと一緒にいたいと言ったタンタンの寝顔を見ながらウトウトと過ごした。

そして、天国のさくらの事を思い、涙がでてきた。

 

翌朝 りんりん父と母がやってきた。今回も やっぱり 間に合わなかったね。でも、二人とも とても喜んでくれている。大部屋に移される。大部屋だけど大きなカーテンとクローゼットで仕切られていて 快適。ただ、季節はずれに暑い日だったので一日中 蒸し暑かった。午後から あーちゃんを部屋に連れてきて 寝顔をみんなで観察した。


 

出産を終えて

こうして りんりんの妊婦期間は 終わった。

幸いにも 風貌などからは ダウン症の疑いは全くないですと説明を受けた。もちろん、他にも染色体異常の種類はあるので 血液検査をしてみないことには 分からないので 落ち着いたら血液検査を受ける予定でいる。

病院では いまひとつ出の悪かったりんりんの 母乳、そして 飲みの悪かったあーちゃんではあったけれど 帰宅した今、あーちゃんはたくさん飲むようになり りんりんの母乳も 飛ぶように出始めた。

 

あーちゃんは 妊娠前期に 「あーちゃんはね、 あずさ なの」 とりんりんに 話しかけてきた。

天国に行ってしまった さくらが 命を張って あーちゃんの病気を引き取ってくれたのだと 思っている。

だから 名前はさくらから字をもらい   梓桜 と書いて あずさ と 読ませることにした。さくらが天国に行ってしまった後から もう この漢字は決まっていた。

 

あずさには さくらのように 優しい子に育って欲しい。そして、何よりも とにかく 健康でいて欲しい。

ほんの小さな塊だった受精卵が10ヶ月かけて こんな かけがえのない 子供に育つ、出産というのは ほんとうに 神秘的なものだと思う。タンタンも、あーちゃんも 大事に大事に 育てていかなければなと 二人の寝顔を見ながら 思っている。

 

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