5/18~20 帆船”あこがれ”でセイルトレーニングに参加

 直線的なマスト・ロープ、風をはらんで緩やかなカーブを描く帆、スリムな船体。
 帆船の優雅でしなやかな姿には男のロマンを掻き立てられます。
 
 昨年、ネット上を彷徨っていると、セイルトレーニングシップ
AKOGAREのHPにたどり着いた。
 覗いてみると、1日から2泊3日の入門コースから13泊14日の航海コースがあり、
 それぞれ一般人にも公開されていた。
 09年の計画が発表されると同時に申込を行い、子供の時からのあこがれが実現できる機会に恵まれた。

 今回のコースは小名浜から館山経由、横浜への2泊3日のセイルトレーニング。
 参加者は小学生が8名、大人は団塊の世代中心に16名程度。3グループに分かれて基礎訓練を受ける。
 クルーは船長以下10名、他にワッチオフィサーと呼ばれる経験者の5名のボランテイアが、
 クルーと一緒にセイルトレーニングの指導をしてくれる。
 
 トレーニングの内容は基礎として
  ①ロープの結び方やマスト登りやヤード作業等の説明と実践訓練
  ②帆のあげたり降ろしたり、帆を畳んだり広げたりの実践訓練
  ③デッキ・便所・部屋掃除や食事当番等の船上の生活訓練
 
 全ての仕組みがシステマチックに出来上がっており、
 クルーとワッチオフィサーが連携して厳しいながらも和気あいあいと運営してくれる。
 参加者の中にもリピーターが多く、初参加でも十分に溶け込め、楽しむことができた。

 また、今回は天気に恵まれ(翻弄され)、2日間は荒れ狂う海での航海・最終日は鏡のような静かな海の航海と
 海の苦しさと楽しさの両方を体験してきました。

 5/17 小名浜で前泊

 18日の集合時間(9:30)に合わせて、小名浜で前泊。

 一人で食事しようと、以前観光で行った評判の店を尋ねると、
 日曜の夜ということで早々と店を閉めてしまった様子。

 しかたなく、うまい魚と酒を求めて街中を歩きまわるが、
 港町特有の客引きや胡散臭そうな店ばかりで、ぶらっと入れる店が見つからない。
 何のことはない小名浜まで来て、庄屋(チエーン店)に入り、喉と腹を満たす。

 帰りに港を覗き、 風にあおられたしぶきが舞う中に、帆船あこがれを確認。
 天気予報も強風と高波を予報しており、明日が思いやられる。


 5/18 帆船セイルトレーニング 1日目

 集合場所の小名浜港に8時30分過ぎに着く。
 なんとなく参加者らしき人々が既に集まっており、挨拶をして時間を潰す。リピーターも多そう。

 9時半に、乗船式が行われ、いよいよ体験がスタートする。
 太陽が顔をだし暑いくらいだが、風が強く外海はうねりがきつく、出港できない。
 係留したままでロープの結び方等の訓練を受ける。
 のんびりと食事時間を入れて3時半までデッキですごす。

 親・お祖父さんに連れられたり、一人で参加している
 小学生の参加者が多いのには驚くと同時に、(学校を休ませても貴重な体験させたい親心か)
 のびのびしたわんぱく坊主の姿を久しぶりに見たような気持ちがする。
 3時40分に錨をあげ、ドラを鳴らしゆっくり離岸していく。
 見送る人・見送られる人がなごり惜しそうに手を振っている。いつもながらいい風景だ。
 
 ゆったりしていたのは此処まで。
 港を出た途端に大きな縦の揺れが始まる。
 何かに掴っていないと立っていられないほどの揺れにすぐに半分以上の人が船酔いする。
 その中で、揺れを少しでも和らげるべく、クルーによるマストの帆をはる作業が行われる。
 我々トレイニーは言われるままに2・6ヒープの掛け声でロープをひっぱる。

 その後、無理やり夕食を食べ、早々にベッドへ。7時過ぎには寝てしまう。

 
対岸からの全景 お尻から。失礼! 前から。  クルーによる展帆
 
 5/19 帆船セイルトレーニング 2日目
 
 朝の3時過ぎに、いつもより少し早めに眼がさめ、デッキに出る。
 少しは星空が見えるかと期待したが北斗7星が見える程度。残念!
 たばこを吸ったり、モーニングコーヒーを飲みながら自由時間を過ごす。
 
 6時20分起床、全員でヤシの実を持ってタンツー(デッキ磨き)。
 食事当番は配膳、後かたずけ手伝う。
 朝食はパン。これも無理をして食べる。楽しい筈の食事が苦痛。

 9時過ぎにブリーフィングがあり、前日の航路・今日のコース説明を船長から受ける。
 もう少しで犬吠埼を通り過ぎ、今日の夕方には館山に入り、錨を下ろすので
 もうしばらくは揺れを辛抱。
 前日の縦の揺れから今日は横の強い揺れ:ローリング。
 安全のためデッキにロープを張り、それに摑まりながら訓練を続ける。
 前日に引き続きロープワークや帆の上げ下げを行ったり、
 また、船上運動会として輪投げや2,3のゲームを全員で行う。
 童心に戻り、その時ばかりは船酔いを忘れ無邪気に遊ぶ。

 今日の目玉は船長自らの指導による舵取り。
 羅針盤らしき計器を見ながら舵をきり・進路を言われた緯度に合わせる。
 一人数分の訓練だが、船乗り気分を味あえて大満足。

 でも、船酔いする人も多く、苦しそう。
 規律は厳しいが、労わる心配りは強く、皆で助け合うので、気分はいい。
 夕食時、心ない老人が自慢げに”船酔いするなんてだらしない”と若者を揶揄していたら、
 他のベテランからそんな心ない事を言うんじゃない、失礼だと逆に咎められていた。
 要は船酔いは病気であり、精神うんうんは筋違いと言うことらしい。
 老人も悪気は無かったのだろうが、・・・
 こんないたわりの心配りが随所に感じられ、本当によかった。
 
 この日も7時過ぎのベッドに入り、就寝。
 この2日間、シャワーにも入っていない。生あくびが出て、船酔いの一歩手前。寝るしかない。
 

ロープで飾り結び 船長の指導で舵を取る 帆を張る作業
ロープの引きにつれて広がる帆   
       
房総の夕陽
 5/20 帆船セイルトレーニング 3日目 最終日
 

 夜中の2時前にゴロゴロという大きな音で目が覚める。館山湾に入り錨をおろした音らしい。
 船長の千里1日、5里20日の言葉を思い出す。
(1日に千里を帆走する時もあれば、風がなく5里を20日かかる時もある)
 予定の夕方到着が風の影響で大幅に遅れ、今到着した模様。
 これで漸く、船酔いから解放されると思うと目が覚めたのも気にならない。
 なんたってこの2日間、7時過ぎに寝ているのだから、睡眠は十分。

 
館山湾で操業する底網漁船
館山湾で遊ぶシーカヤック
かすむ館山


 今日は最終日。漸く、波も無くなり館山に停泊中にマスト登り・帆を畳んだり・広げたり作業を体験する。
 30メートル程の上部にロープネットが忍び返しになっているステーションまで登る
 3点確保などの注意を守りながら小学生も含め全員が無事マスト登りをやり遂げる。
 登りついた達成感もあり、ステーションからの眺めは最高。

マスト登り 顔も真剣 果敢に帆の縛り作業 修了書をもらって 
 

 昼前に錨を揚げる。
 浦賀水道に入ると、大型船も多くなり、悲しいかな海の色が変わり、見るからに汚い。
 途中で米軍の航空母艦にも出くわせたりしながら
 ベイブリッジをくぐる抜け、予定通り3時前に横浜港に到着する。

 今回の私のテーマであった
  ①船上から、満天の星を見る
  ②滑走するような、スピード感ある帆走を体験する
 残念ながら、天候の影響で2つとも達成できなかった。

 ものは考えよう、1回の体験で願いが叶うと思うのが 厚かましい。
 次回以降にテーマを引き継げてラッキー・・・・

房総/鴨川 男の週末
09年5月
帆船セイルトレーニング体験
SINCE
  05年10月

更新
 09年5月21日