・28mの解



 同軸ケーブルを1/4λ剥いて、外皮を広げるとアンテナになることはよく知られて
いる。では、1/2λではどうだろう?出力された電波がそのまま反射され戻ってくる
ため、電波が輻射されなくなるのである。*1

例えば20m程度のロングワイヤーに7MHzを乗せようとしたとき、いくら
チューナーで同調させようとしても、高インピーダンスとなりチューナーが唸る
だけで同調が取れない例からも明らかである。

1/2λの整数倍では、ワイヤーから電波が輻射しない。
同軸ケーブルの長さを、この波の特性を利用して決めると何かと都合がよい。

その昔、50MのOMから「同軸ケーブルは必ず偶数長にして使いなさい。」
と教わった。以下の表を作ってみて納得した。
(同時に2V/2Wに限定された話だということも理解できた。)

2V/2W系

周波数波長0.664/λ0.5λλ1.5λ2.5λ3.5λ4.5λ
182016510927.254.4108.8163.2217.6272326.4380.8435.2489.6544
353584.9561428.0156.0184.02112140168196224252.1280.1
380078.952.113.0326.0552.1178.16104.2130.3156.3182.4208.4234.5260.5
705042.628.17.02114.0428.0942.1356.1770.2184.2698.3112.3126.4140.4
1012529.619.64.8899.77819.5629.3339.1148.8958.6768.4478.228897.78
1420021.113.93.4866.97213.9420.9227.8934.8641.8348.855.7762.7569.72
1811016.610.92.7335.46710.9316.421.8727.3332.838.2743.7349.254.67
2125014.19.322.3294.6599.31813.9818.6423.2927.9532.6137.2741.9346.59
24930127.941.9863.9717.94211.9115.8819.8623.8327.831.7735.7439.71
2855010.56.941.7343.4686.93510.413.8717.3420.8124.2727.7431.2134.68
502505.973.940.9851.973.945.917.8819.85111.8213.7915.7617.7319.7


FSA系
周波数波長0.834/λ0.5λλ1.5λ2.5λ3.5λ4.5λ
182016513734.268.41136.8205.2273.6342410.4478.8547.3615.7684.1
353584.970.417.6135.2270.44105.7140.9176.1211.3246.5281.8317352.2
380078.965.516.3832.7665.5398.29131.1163.8196.6229.3262.1294.9327.6
705042.635.38.8317.6635.3252.9870.6488.3106123.6141.3158.9176.6
1012529.624.66.14812.324.5936.8949.1961.4873.7886.0798.37110.7123
1420021.117.54.3848.76817.5426.335.0743.8452.6161.3770.1478.9187.68
1811016.613.73.4376.87513.7520.6227.534.3741.2548.125561.8768.75
2125014.111.72.9295.85911.7217.5823.4429.2935.1541.0146.8752.7358.59
24930129.992.4974.9949.98814.9819.9824.9729.9634.9639.9544.9549.94
2855010.58.722.184.3618.72213.0817.4421.826.1630.5334.8939.2543.61
502505.974.961.2392.4784.9557.4339.9112.3914.8717.3419.8222.324.78

 2V/2Wの短縮率(0.66)は、メーカー公表値「約0.67」となっている。
この「約」というのが曲者で、実際にはそれ以下が一般的なようだ。設置環境に影響される
のか短縮率0.65としてあるサイトもある。そういった意味でも2Vよりはシールド効果
が高く、設置環境に影響されにくい2Wを使用したほうがよいのかもしれない。

厳密には実際設置してみてアナライザーを使い測定して決めるのが良いと思われる。

SFAはフジクラの低損失ケーブルで、短縮率は0.83としている。
(厳密にはケーブル径によって異なる。)

上の表をよく見てみると、似たような長さで複数のバンドをカバーしている「都合のよい長さ」
があるのに気がつくと思う。その周波数を長さからみて取り出したのが、以下の表である。

2V/2W系
ケーブル長0.5λ1.5λ2.5λ3.5λ
13.97122.3142452136728489
147071.4141432121428286
14.17021.3140432106428085
27.83561.27122.3106831424517806213672492828489
27.93548.47096.8106451419417742212902483928387
283535.77071.4106071414317679212142475028286
28.13523.17046.3105691409317616211392466228185
28.23510.67021.3105321404317553210642457428085


SFA系
ケーブル長0.5λ1.5λ2.5λ3.5λ
17.67073.9141482122228295
17.77033.9140682110228136
35.135477094106411418817735212822482928376
35.23536.97073.9106111414817685212222475928295
35.33526.97053.8105811410817635211612468828215
35.43516.97033.9105511406817585211022461928136

 例えば10D−2Wを使い、同軸長28mでRig−Antを結べば、3.5M−28M
のどこのバンドでも同軸からの漏れが少なくアンテナに給電できることがわかる。

逆にこのケーブルに1.8Mを乗せたとしたら。。。
同軸芯線自体が1/4λのアンテナとなり、例え外皮でシールドしているとしても
電波が放射されやすくなると思われる。

又、あなたのアンテナがTA−351−40等の7−28Mのマルチバンド1本
だとしたらば、14m長のケーブル(SFAであれば17.6m)でも同様な効果
が期待できることがわかる。

もし、あなたが特定周波数の基本波障害でお悩みならば、同軸ケーブルからの漏れに
つながるケーブル長をもう一度見直してみるのも、一つの手ではないかと思われます。*2


*1
ダイヤモンド社のノンラジアルアンテナ等電圧給電のアンテナがあるとの指摘がありました。
マッチングをちゃんと取ればもちろん1/2λでも電波は出ます。
ただし電圧給電の場合、相当な高インピーダンスとなりますので、そのままではミスマッチング
となり電波はでませんし、無理やりオートチューナーで落とそうとするものなら壊すのが落ちでしょう。
ちなみに1/2λ給電は理論的にはノンラジアルでも安定するとのことですが、使っている方複数に
聞いてみた限りボディーアースをちゃん取らないと、やっぱりうまく動作しなかったようです。

*2
くどいようですが、この方法は最善策ではありません。
コモンフィルター、ローパスフィルター、電源フィルター等の基本的な対策、スチールラック等の
2次輻射を起こすものからできる限りリグ同軸を離し、なおかつアンテナをきちんと調整し設置さ
れることが大前提です。
又、同軸ケーブルなのだから何mだろうが絶対に漏れないと信じている方がいますが、それはアン
テナ側負荷が50オームの理想的な条件での話です。アマチュアの場合、1周波数しか運用しない
なんて事はありませんので、アンテナチューナーを使わない限り、必ず給電部でミスマッチを起こし、
同軸から漏れると考えるのが自然ではないでしょうか?
ですからやみくもにただ28mにすればOKという話ではなく、基本的な対策しても解決しなかった
場合の一手段として考えてください。


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