「トロイダルコアとは、いったいなんぞや?」という話を聞く。特定の周波数に対して
のみ高いインピーダンスを持つ特殊な磁性体である。その特性を生かしRFノイズの
障害対策用に使われる。一口にトロイダルコアと言ってもいろいろな材質のものがある。
大きくはフェライトと、カーボニル(圧粉鉄系)の2種類。このうちノイズ対策用に使用されるフェライト
には、ニッケル亜鉛系(透磁率20−850)と、マンガン亜鉛系(透磁率800−10000)がある。
トロイダルコアの最大手である米国アミドン社では、フェライトコア(FT、FB)の材質によって
マンガン亜鉛系(#33,73,75,76,77,78,85材)と、
ニッケル亜鉛系(#42,43,44,61,67,68材)に分類して製品化した。
このうちEMI・RFIノイズ対策用として推奨しているのは、
#75材:15M未満、#73(77)材:30M未満、#43材:30−200M、
#44材:30−250M、#61材:200M以上の6種類である。
さらに形状の豊富さ、入手しやすさから、30−250MHz用として#43材(透磁率850)、
30MHz以下のHF用として#73(77)(透磁率2500)が主に使用されている。
ここで「あれ?」と思われた方も多いと思う。そう、定番の#43材は実はVHF対策用の
素材である。では、なぜHF用の対策でも使われるか?というとトロイアルコアの特性で
体積(数)を増やしても周波数特性は変わらないが、線(同軸)の巻数を増やすと
インピーダンスが増えるのと同時に浮遊線間容量が生じ、最大インピーダンス時の
周波数特性は低くなるのである。
よって43材に数回程度線を巻く事により、HF帯に適したコアになる。
同軸が太すぎて巻けない、例えばハイパワーのため耐圧が必要な場合、小さなビーズを
使用する場合、もしくはローバンドに特化した障害対策には、透磁率が高い#73、77材
(スリーブコア等)を使うと良いと思われる。少ない個数でより高い効果が得られる。
「アミドンのコアって値段が高いじゃん。」という方には、代品として最近よく見かけるように
なったトーキンやTDKのPCノイズ対策用の分割フィルタが手頃である。ただし、やはり
VHF等の高い周波数のノイズ除去目的に作られているようである。その場合、店にある
一番大き目のフィルタを購入し、巻数を稼ぐ(できれば数回)と良いと思う。
手軽にローバンド専門の対策を行ないたい場合は、むしろAM用のバーアンテナの方が
効果が高い。(うまく巻けない場合は、数本束ねてから巻いてもOK。)
コアについては、素性のわからないノーブランド品は避けた方が良いと思われる。
ちなみに電源用チョークなどに使用されるカーボニル(Tシリーズ)は、ノイズ対策用と
しては、まったく意味をなさないので注意が必要である。 もし特性の不明なコアがある
場合はアンテナアナライザーを使って簡単にコアのインピーダンスを測定することができる。
測定方法の詳細は以下のホームページが参考になると思います。
http://bun.dokidoki.ne.jp/common-mode-1.html
いろいろなコアを使って、インピーダンス特性を調べべてみるのも面白いと思います。
最後に質問の多いトロイダルコアの入手先についていくつか紹介いたします。
・斎藤電気商会 秋葉原ラジオデパート内3F、店長さんハムだから、話がわかる。
FT#43、#61、#77材、AMバーアンテナ(魔法の棒)もあり。
03−3251−5803
・中部特機 少々高いが純正のスリーブコアが手に入る。
http://www.chutoku.co.jp/
・JM1VRW/NH7W 高橋俊之氏のサイト 43材の同軸用分割コアあり。
http://www.tim.hi-ho.ne.jp/j-seven/core.html
・Tゾーントヨムラ アミドン社日本代理店
・ハムフェアー 言わずと知れたハムの祭典。定番ですね。
参考文献:マイクロ電子製品カタログ
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