・28.5の干渉



 ルーフタワーから18m程度の自立タワーに430Mの八木を付け変えたところ、「以前より
飛ばなくなった!」というような話を間々に聞く。その方は「同軸ケーブルが長くなったから
だろう。」と思われているようだが、確かに間違いではないが、それが主原因だというのは
正しくない。

無線にとって、「28.5」という係数は因縁な係数である。波長に係数28.5を掛けた高さ
のアンテナはたいていトビが悪くなる。430MHzの場合およそ20mが該当の高さとなる。

一般的な430Mの15ele八木の打ち上げ角をシミレーターで調べてみた。
反射係数は、誘電率5.0導電率1.0とした。

高さ  打ち上げ角     ゲイン
 1m   7.9度   16.3dbi
 2m   4.5度   18.0dbi
 3m   3.1度   18.5dbi
 4m   2.4度   18.9dbi
 5m   1.9度   19.0dbi
 6m   1.6度   19.2dbi
 7m   1.4度   19.3dbi
 8m   1.2度   19.4dbi
 9m   1.1度   19.4dbi
10m   1.0度   19.4dbi
11m   0.9度   19.5dbi
12m   0.8度   19.5dbi
13m   0.7度   19.5dbi
14m   2.1度   19.0dbi
15m   2.0度   19.0dbi
16m   3.1度   18.6dbi
17m   2.9度   18.7dbi
18m   4.9度   17.9dbi
19m   8.9度   16.3dbi
20m  18.6度   11.8dbi
21m   6.1度   17.5dbi

理想的な打ち上げ角である13mh(係数18.5)程度までは地上高に比例し、順調に打ち
上げ角は低くなる。ところがそれ以上高くなると、けっして打ち上げ角は低くはならないので
ある。これは大地反射波との干渉のために起こる現象でハイトパターンで示すとよくわかる。
これを式にすると、E/E0=2*sin2π*h1*h2/dλとなる。

結果このアンテナの場合は、ゲインにすると13mh時19.5dbiに対し、20mh時のゲインは
12dbiにも満たない。干渉共振周波数ではゲインが相殺され、打ち上げ角は高くなる。この
場合では実に−7dbi以上も減衰する事になった。すると同軸ケーブルの減衰量以上に大きな
減衰となっている事がわかる。

周波数別に見ると、この「干渉」以下のようになる。

周波数     理想地上高   干渉地上高
144M        38m        59m
430M        13m        20m
1200M      4.6m         7m
2400M      2.3m       3.5m
5600M        1m       1.5m

USHFにおいては地上高の高いアンテナが、けっして「飛ぶ」アンテナとは必ずしもいえない。
もちろんアンテナの種類、スタック間隔、地面の反射率等でこの値は微妙に変化する。しかし、
移動における微妙な高さの違いの変化(例えば5.6Gでは1.5mの倍数にしてはいけない。)に
ついて考慮しないと「先日はよく飛んだのに今回はまったく飛ばなかった。」ということにもなりかねない。


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