まよなかのようちえん@ 〜わすれもの〜

ちいさなまちにある ちいさなようちえんのおはなしです

「せんせい おはようございます」

って えんじたちが まいあさげんきにやってきます  

ひるまのようちえんは おにごっこやドッチボール 

それからブランコにのったり すべりだいをしたりと それはそれはにぎやかなこえが

えんていからきこえてくるのでした

そして ゆうがたになると

「せんせい さようなら みなさん さようなら」

ごあいさつをして みんなおうちにかえってしまいます

にぎやかだったようちえんも えんじたちがみんなかえってしまうと 

シーンとしずかになってしまうのでした

では そのあとのようちえんは・・・?

まちのひとが ぐっすりねむっている まよなかのことです

「せんせい こんばんは」

「はい こんばんは」

「せんせい こんばんは」

「はい いいよるですね」

よるのようちえんに たくさんのえんじたちがやってきましたよ

みんなおなじスモックをきて きいろいかばんをもっています

ひるま ようちえんにきていたえんじたちとおなじようにみえます

でも まよなかにやってくるこどもっていったい・・・?

「さあ みなさんそろいましたね ではしゅっせきをとります 

よばれたひとは まちのひとたちがおきないようにきをつけて 

ちいさなこえで おへんじしてくださいね」

「けんちゃーん」

「はーい」

「ゆきちゃーん」

「はーい」

せんせいがじゅんばんになまえをよんでいると 

なんだかうしろがザワザワさわがしいようです

「はいはいみなさん どうしたの?

おおきなこえをだすと ほんとうにまちのひとが おきちゃいますよ」

「でも せんせい のんちゃんが・・・」

みんなが のんちゃんのまわりにあつまって しんぱいしています

のんちゃんはおかおにてをあててないていました

「エーン エーン」

「あらあらのんちゃんどうしたの?どこかいたいのかな?」

「どこもいたくない」

「じゃあどうしたの?」

「あのね ママがね・・・エーンエーン」

「ママがどうしたの?」

「あのね ママがね わすれものしちゃったの」

「ママがわすれもの?のんちゃんのママは なにをわすれちゃったのかな?

おかおをあげて せんせいにおしえてくれる?」

ヒックヒックとなきながら のんちゃんはおかおをあげました

せんせいはビックリ

「あらあらたいへん おかおをわすれてきちゃったのね」

えーっ おかおをわすれたって いったいどういうことなんでしょうね

じつはね このようちえんは まよなかになると‘のっぺらぼう‘のこどもたちがかよう

「のっぺらようちえん」になるんですよ

みなさんは‘のっぺらぼう‘って なんだかしっていますか?

おめめも おはなも おくちも なーんにもない つんつるてんのおかおをしているんですよ

「ママがね おねぼうしちゃって おかおをかくのを わすれちゃったの」

「あらあらたいへん せんせいがおかおをかいてあげますからね なかないでじっとしていてね」

せんせいはマジックをもってきて のんちゃんに おかおをかいてあげました

「えーっと のんちゃんはどんなおかおだったかな?うーん・・・‘へのへのもへじ‘っと 

これでよかったかしら」

みていたえんじたちは

「せんせい いつもののんちゃんじゃないよへんてこだよ」

「そうだよ とってもへんてこ」

みんながわらいました

「ごめんねのんちゃん こんやはこれでがまんしてね 

あしたのよるは ちゃんとおかあさんにかいてもらってきてね」

「はい せんせい ありがとう」

のんちゃんは‘へのへのもへじ‘のおかおでにっこりとわらいました

のっぺらぼうにはおかおがないでしょう

だからようちえんにくるときには おうちでめやはなやくちをかいてもらうのです

そうしなければ うっかりふつうのひとにであってしまったとき ビックリさせちゃうでしょ

でもこうして ときどきおかおをわすれてくるこもいるんですよ

ちいさなまちの ちいさなようちえん

まよなかになると「のっぺらようちえん」になる ちょっとふしぎで たのしいようちえんです

あなたのようちえんはどうですか?

いちどまよなかにいって こっそりのぞいてみるといいかもね

しらないこどもたちが げんきに だけどしずかにあそんでいるかもしれませんよ