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◆お汁に浸かったCaplio R5
メーカー修理をあきらめた水没Caplio R5を預かりました。レンズ部を飲み物につけてしまったらしいです。とりあえず電源は入りますがまったく結像しません。レンズかCCDについたお汁が乾いて濁っている感じがします。Caplio R5の分解過程を報告します。

◆とりあえず分解
だめで元もとですから分解しちゃいます。外側に見えるネジを全部外すと表面と背面のベゼルが取れます。また、シャッターと電源ボタンの配置してあるモールも外れます。中身の基板が丸見えになるわけですが、ここで重大な注意事項があります。
◆ストロボ用のコンデンサは要注意
ストロボを光らすためには高圧が必要で、カメラの中には高圧を貯めるコンデンサが内蔵されています。使用直後はコンデンサに高圧の電荷が溜まっていますので誤って触ってしまうとスゴク痛いです。下の写真の右側のユニットの左側の円柱形の物がコンデンサです。分解作業をする場合はこの端子に抵抗を接続して安全に放電させる必要があります。抵抗を使わないでショートすると激しい火花で周辺のフィルムケーブルを痛めてしまうかもしれないのでショートは避けたほうが無難と思われます。
◆本格的に分解
注意事項も分かったところで分解作業の続き見ましょう。外皮が全部取れると上の写真の右左が合体した状態が現れます。左側ユニットのLCDにつながった基板が右側ユニットの上部にマウントされる構造です。基板上部のコネクタ、基板右上のネジ、基板左下のアースの半田を外すと上の写真のように左右に分離することができます。今回の分解の目的地はレンズユニットですので右側ユニットの分解はここまでです。
次にレンズユニットとLCDのセットを切り離します。右側ユニットをひっくり返すと基板とレンズユニットの接続コネクタが現れます。基板とレンズユニットは2つのコネクタで接続されているのでこれを取りましょう。
上の写真は分離した状態です。レンズユニットから出ている2本のフィルムケーブルが下の基板に接続されていました。また、LCDは両面テープでガッシリとレンズユニットに固定されているのでベリベリと剥がします。ここまでで目的地のレンズユニットを取り出せました。ちょっと乱暴ですが、この状態で水洗いします。
◆水だけでは・・・
レンズユニットを水につけて洗いました。再び組み立ててみると、すりガラス越しに絵が見える状態でレンズかCCDに付いた水滴の後がくっきり残ってしまいました。さらに分解する必要がありそうです。しかし、ここから先は禁断の領域です。レンズユニットはズームやフォーカス、さらには手ブレ補正のメカ構造が激しく詰まっています。ギアを取ると元に戻らなくなる可能性があります。と言っても今の状態では何の役にも立たないカメラですから、勉強もかねてやってしまいます。
レンズユニットの背面にあるネジを全て外します。黒いネジに混ざって一つだけ銀色のネジがあります。このネジが金属の棒の下に隠れています。金属の棒はおそらく手ブレ補正のON、OFFを機械的に行う支持棒で上下に稼動するよう作られています。この棒を可能な限り上に引っ張りあげるとずらすことができます。下の写真は上蓋の役目を果たすCCD部とレンズ部を切り離したところです。(上がCCD&手ブレ補正用のステージ、下がレンズと絞り)

ズームレンズは周辺のモーターを外さないとバラせそうにありません。周りのモーターはフィルムケーブルに直接半田されています。これを取ってしまうと元には戻せない予感がします。分解はここまでにします。
◆中性洗剤でジャブジャブ
周辺のギアを手で回すとズームレンズが飛び出します。見るとズームレンズの隙間から光が見えるんです。密閉されていませんので水には弱いはずです。それから、フォーカス用の接眼レンズ?が2つあります。たぶん普通用とマクロ用でしょう。CCDとこのレンズにお汁の後がありました。ズームレンズも見るからに曇っています。水洗いで落ちないので油分があるのかも知れません。周辺のモーターやメカには酷な話ですが中性洗剤に浸けることにしました。しばしジャブジャブ・・ブクブク・・その後よーく乾燥・・・ギアをグリスアップ・・・バネと格闘しながらの組み立て。
◆それっぽい絵が出るように
テスト撮影してみました。フォーカスの動作がちょっと怪しい感じもしますがまぁなんとなく動くみたいです。引きのピントが甘い感じがですが、寄り絵は綺麗です。マクロ撮影に強いカメラなんですね。
置物を撮ってみた。
中性洗剤の威力はすごかった。完全ではないですがズームレンズの曇りは思ったよりも改善されました。フォーカス用のレンズとCCDは洗剤で磨きました。モーター達には可哀そうなことをしたと思っています。寿命が短くなったことでしょう。
また、ピンが甘いことがあるのは素人組み立ての弊害でしょう。一眼レフレンズの組み立て調整工程を見たことがあります。レンズは組み立て過程で専用の光学冶具を使い様々な調整を細かく行い、品質を確認するために10m以上も距離の取れる部屋を使ってテストパターンを投影しレンズ周辺のボケをチェックしていました。この手のカメラでも、メーカーの組立工程ではそれなりのチェック項目があるはずです。まぁ適当にネジを締めている訳ですから仕方が無いです。
◆おことわり
最後になりますが、このページの内容を実践してどんなことになっても当方は一切関知しません。カメラの分解は自己責任で行ってください。
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