SONYのラジオ ICF-PRO70修理

 SONYの高性能ラジオ ICF-PRO70 です。以前に ICF-SW1S を修理してから幾つかのラジオを修理しました。これもケミコンの劣化により音が出なくなったものです。

 修理している中で故障原因のトップはケミコンです。多くは容量抜け&液漏れ、偶にショート状態のものがありこれは厄介です。続いてトランジスタ、いつもフルスイングしているような箇所や受信の初段等で劣化がみられます。クリスタルの発振不良もあります。クリスタルと言えば局部発振以外に CPU のクロックにも利用されていますので、CPU が動かない原因になっていることもあります。IC の類は壊れる物もありますが、意外と丈夫な物が多いと思います。

 今回は、ケミコン劣化の ICF-PRO70 を見ていきたいと思います。

◆現象の確認

 ICF-SW1 の AF 周りのケミコン劣化では「ぶっぶっぶっぶっ・・・」と雑音が出る症状でしたが、この個体は殆ど音が出ませんでした。オートスケルッチにして選曲すると放送局のある個所で RECEIVE ランプが点灯するので RF,IF,PLL,CPU がそれなりに動作していることが分かります。

◆情報収集

 この症状の故障は典型的で、”ICF-PRO70 修理”等のキーワードで検索すると自分で修理されている方のページがヒットしましたので参考になりました。また、サービスマニュアルも検索に多くヒットしますので情報豊富です。

◆分解開始

 ネジを外した瞬間から半田を外されければなりません。電池ボックスにコンデンサの足が半田されています。

 裏蓋を外すと RF 基板が現れます。以下の 7 つのケミコンを交換しました。特に、黄色の丸は復調された AF 信号の通り道です。少なくともこれだけは交換の必要があります。

RF 基板の交換部品リスト

C66,C67 2.2uF/50V
C49,C54 22uF/6.3V
C52,C64,C91 47uF/6.3V

 更に2本のネジで止まっている表面のケースを外しキャビティ側面のネジを2つ外すと RF 基板の下にある PLL 基板が現れます。PLL 基板には AF AMP が実装されており以下の黄色い丸のコンデンサが AF AMP に関する物です。

PLL 基板の交換部品リスト

C201,C202,C206,C211,C243 47uF/6.3V
C208,C211 47uF/16
C209 470uF/10V
C210 220uF/10

 RF 基板の作業は比較的やりやすいのですが、PLL 基板はコネクタが邪魔で半田をあてることができません。そして、どれもコネクタが硬くて抜けません??無理に引っ張ると不味そうなので AF AMP 付近のコネクタは半田を外すことにしました。

 実装面のケミコンはどれも皆液漏れしており以下の通りベタベタになっています。全部交換することをお勧めします。電解液の影響でコネクタも青さびが出始めていました。作業中は半田の熱で電解液が蒸発し臭いです。

◆調整

 淡々と部品を交換し受信してみます。FM の音が割れ気味、AM の感度がいまいちに感じられたので少し調整することにしました。

 FM 音は以下の赤丸のコアを回し、割れが小さくなるように調整します。下の黄色い丸は FM の IF の調整です。FM で分かり難いですが感を頼りに放送が強くなる所に合わせます。

 続いて AM の調整をしました。どれも信号の最も強くなるポイントに合わせます。

黄色の丸:AM 1st IF の調整
紫の丸:AM 2nd IF の調整
赤の丸:2nd Osillator の調整

◆おわりに

 修理作業は以上で終了です。

 手持ちの ICF-SW7600G と比較して FM の感度が良いです。素晴らしいです。しかし、1,600 kHz 以下が小さなバーアンテナと専用の初段に切り替わってしまうので、MW,LW は力不足を感じます。外部アンテナを選択できる仕様にして欲しかったですね。


Latest update at 2009/7/12