秋月100円充電基板のDCDCコンバータ化改造

 今回は秋月の100円充電基板をDCDCコンバータ化してみようと思います。

■リニアレギュレータの効率

 少し前に秋月のいたわり充電キットを1本充電化改造をしました。直列2本充電を1本にすることでアンバランスな充電問題が解消できたまでは良かったのですが、12Vバッテリーから充電器を使うとトランジスタでの損失が多く熱くて使えません。わが家では普段から太陽電池の出力を12Vバッテリーに充電しラジオや充電などに利用しています。

 リニアレギュレータ方式で制御すると充電が 1.2V 200mA の場合でも 12V 200mA 消費されますので、エネルギー効率は 10% となります。充電器の手前にスイッチング方式のレギュレータを設けることでエネルギー損失を緩和したいと思いました。その役目を秋月の100円充電基板にさせることにしました。

■まず最初に定電流源改造

 100円充電基板はありがたい事に参考回路図が掲載されています。回路図より、この基板は定電流で充電を開始し、RT-001と称されるマスク部品が満充電を検出し充電を停止していることが分ります。また、温度検知による充電の停止機能も持っています。

 電圧制御改造をする前に、回路の理解も兼ねてまずは定電流源にする改造を考えました。そのまま電子負荷を接続しても定電流を取り出すことはできませんでした。出力がカットされる仕組みは、Q4 が ON になることで KA7500 の Dead Time Control (pin 4)を 3V 以上にすることで大きな Dead Time を設定しパルスを停止していると思われます。Q4 を取ってしまえば Dead Time Control は常に 0V なので満充電の判定を切ることができます。

 Q4 を取ることで定電流動作するようになりました。

■電圧制御の改造

 定電流電源になったところで、電圧制御機能を追加する改造をしたいと思います。改造の回路図は以下になります。(クリックで拡大)

■改造のポイント

 今回の改造では、なるべく表面実装のIC(KA7500)の足にハンダをあてること無くできる方法を考えました。その結果、温度検知停止用のオペアンプで電圧比較を行い、U1の Q (pin 5)出力が 10k ohm を経由とすることで電圧制御と SW による ON/OFF 制御を共有することにしました。10k ohm の実装は以下のように MOSFET の下のパターンをカットしチップ抵抗を挿入しました。

 また、U2 (pin25) と電圧制御のオペアンプとの接続は、以下のように基板表側にダイオードとジャンパー線を組み合わせて実装しました。

 その他の実装は、回路図に従い淡々と部品を抜いたり交換したりすればOKです。

 今回は出力電圧を固定にしましたが、R43 と R44 の分圧比を変更することで可変にすることができます。この時、REF が 5V なので 5V 以上にする場合は観測電圧も分圧する必要があります。しかし、Q2 のゲート電圧は「入力電圧 - D3のVf」 を使用していますので、出力を高くすると Vgs が小さくなり電流が取り出しにくくなります。使えるのは 7〜8V 程度までではないかと思われます。

■最後に

 以上の変更で過電流カット機能を備えたDCDCコンバータとして機能するようになりました。オシロで出力で見ると多くのスイッチングノイズを含んでいる事が分ります。今回の用途は充電なので特に問題ないですが、出力をオーディオなどに使いたい場合は別途リップル対策が必要になりそうです。

 それから、参考回路図の温度検知停止用のオペアンプの入力表示は反対な気がします。


Latest update at 2010/5/16