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「オルタネーターって車に載っている発電機だよね」そんなくらいの認識しかなかったところ、「オルタネータは交流発電機なんだけどブラシがある」とか「バッテリーに繋がないと発電しない」とか断片的な事を聞いて頭の中に ? がいっぱい出てきました。
認識の薄かったオルタネーターについて考えていきたいと思います。
■オルタネーターを耳で感じる
自分にとってオルタネーターを身近に感じる事は無線の受信音です。車にアマチュア無線機を載せている局と話をすると、相手の声の後ろから「ひゅーぅぅー、ひゅーぅぅーーー」って音が聞こえることが良くあります。
この「ひゅー音」はオルタネーターノイズと呼ばれています。これはエンジンが低回転の時は低く、高回転になると高くなります。特徴としてパルスっぽい音ではなく、場合によっては歪みの少ないある意味奇麗な音を感じることができます。
音の感じからしてもオルタネーターで正弦波が作られており、ノイズの多くは無線機の電源から回り込んでくるものと思われます。
■聞きかじった話の疑問点
「オルタネーターにはブラシがある」らしい。自分の中の常識としてブラシは直流発電機にあるのもで交流発電機に不要と思っていました。なぜ交流発電機にブラシが必要なのか疑問です。さらに、発電機のくせに「バッテリーに繋がないと発電しない」とは何様のつもりか、と思いました。
このキャッチーな言葉に誘われて動作原理を知りたいと思いました。
■疑問はすぐに解決した
すごくいい説明だと感心したのがエレキジャックのページです。
このページの図に関しては、なんだかなぁーと思いますが、原理的な説明が的確で疑問点を一撃で解決してくれます。
一般的な交流発電機は永久磁石が回転することで外側にあるコイル(ステータ・コイル)に電流が生じます。一方オルタネーターは、永久磁石の代りに電磁石(ロータ・コイル)が回転する仕組みになっています。このロータ・コイルは磁化しないといくら回転しても外側のステータ・コイルに電流は生じません。そこで、ロータ・コイルはブラシを経由してバッテリーに接続されています。謎のブラシはロータ・コイルを磁化するためのものだったのですね。
オルタネーターは初動段階でバッテリーの電力によりロータ・コイルを磁化し発電を開始しますが、エンジンが十分な回転数に達すると自分が発電した電気でロータ・コイルを磁化できるようになり、さらに余った電力はバッテリーの充電や電装品の駆動に使われるのです。
■レギュレーターの役割は?
オルタネーターは発電のし過ぎによるバッテリーの過充電を防ぐためにレギュレータと呼ばれる回路を備えています。以下は自動車整備士の過去問題に出たオルタネーターの回路図です。
レギュレータはバッテリーがある電圧に達すると発電を停止します。
■機構の持つ意味
よくよく見ていいると、オルタネーターがなぜこんな機構になっているのか感じられるようになってきました。
ここで、普通の交流発電機で過充電制御することを考えてみたいと思います。このとき電力のON/OFFは、大きな電流の流れるステータ・コイルの出口に制御回路を挿入することになります。一般的には、リニアレギュレータ方式と、スイッチングレギュレータ方式が考えられます。リニアレギュレータ方式では抑制された電力を熱に変換して放出しますが、捨てられる電力はエンジンの回転エネルギーであり過充電防止のために無駄にエネルギーを捨てることは避けたいところです。一方のスイッチングレギュレータ方式は捨てる電力が少なく済みますが、大電力素子とスイッチング制御回路が必要になります。
そこまで考えたところで、ロータ・コイルを使う方式を見ていきたいと思います。上の回路では、Tr3 をスイッチングすることでロータ・コイルの磁化をコントロールしている事が分ります。ステータ・コイルの出口に比べるとロータ・コイルに流れる電流は少ないでしょうから、使用する電力素子も小さく比較的簡単な回路で制御できます。また、ロータ・コイルを切ることで、オルタネーター自身のトルクを小さくすることができエンジンへの負担を軽減する効果が期待できます。
■レギュレータ回路の動作
ここで上の回路の見方について書きたいと思います。Tr3 が ON になるとロータ・コイルが磁化されます。Tr2 は Tr3 をドライブしています。Tr2,3 の両トランジスタはダーリントン接続されており、Tr2 のベースに与える小さな電流でロータ・コイルが容易にON/OFFできるのです。
Tr1 はバッテリー電圧の比較結果を作る役割を果たします。バッテリー電圧が低い時は、Tr1 がOFFとなり、R3 によってプルアップされた Tr2 のベース電位は約 1.2Vとなります。従って Tr2,3 は ON でロータ・コイルが磁化されます。
バッテリー電圧が上がってくると、Tr1 の ZD(ツェナーダイオード)に電流が流れ始めます。ツェナーダイオードは逆電圧が既定の電圧を超えると、規定の電圧を保つように電流を流します。ツェナーダイオードから流れた電流によて R5 に電圧が生じ R5 の電位が 0.6V を超えるタイミングで Tr1 が ON になり、ロータ・コイルの磁化は行われなくなります。Tr1 と ZD, R5 が協調することで電圧比較を行っています。
R2, R4 はバッテリー電圧を分圧しています。ツェナーダイオードの定数に合わるための調整役を果たします。D2 は Tr3 が ON から OFF になった時にロータ・コイルに生じる逆気電力から Tr3 を守る役割を果たします。
チャージランプはバッテリーの電力でロータ・コイルの磁化を行っている期間点灯し、回転数が十分になってくると消灯します。
■まとめ
WEB の情報からオルタネーターがどんな物なのか大よその事を知ることができました。疑問も解消されてすっきりです。
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