2SC460

 

概要
Vcbo(V) Vceo(V) Ic(A) Pc(W) hfe(min) hfe(max) Ft(MHz) その他主要項目 電極
30
30
0.1
0.2
35
200
230
MIN 26dB 10.7MHzにて ECB
互換
2SC2839 2SC941 2SC1675 2SC829 2SC710
2SC2410

 古い無線機はこのトランジスタが原因で故障や性能低下を起こすケースが良くあります。特にある時代のTRIO(現Kenwood)製アマチュア無線機には多用されており、製造から2、30年経つものは無条件で全数を交換しても良いくらいです。

◆TR-2300

 下の写真のTR-2300も2SC460の劣化が原因で調子が悪くなったものです。この無線機はオークションにてジャンクをまとめ買いしたときの1台でした。入手時はPLLのロックが不安定で、たまたまロックしてもチャンネルを切り替えるとアンロックになってしまいます。

 PLL回路を見みると、位相比較用にミックスダウンするための水晶発振回路、位相比較器への入力アンプに2SC460が使われています。これらの箇所を互換品に交換、ついでにそれ以外の2SC460も全部交換しました。取り外したもののhfeを計測してみると、3〜20程度にばらついています。何れも定格の35を下回るものばかりで、この値を見ても利得が期待される部分の動作は厳しいことが良く分かります。

◆昔のPLL機

 TR-2300は比較的早期のPLL採用機種だと記憶しています。この頃のものは位相比較器に設定する分周比をどのように操作するのか、中身を見ていると当時の工夫が読み取れて面白いです。

◆井上は

 例えば、井上(現ICOM)のIC-200は分周を行わず、機械仕掛けのスイッチングで多くの水晶を切り替えて比較周波数を作りました。それはカラクリと呼ぶにふさわしい出来だと思いますが、使い勝手は最悪です。同社のIC-250は少し進歩して、ICによる位相比較が行われるようになりました。分周比はロータリースイッチとダイオードマトリックでバイナリ信号を生成しています。ロータリースイッチの個数が足らないので、使いたいチャンネルはユーザがダイオードマトリックスを切り替える仕様になっています。

◆TRIOは

 そしてTR-2300は、大変スマートな設計がなされた印象を感じました。40kHzステップのロータリースイッチと+20kHzのSWを組み合わせて6ビット分の信号を作る仕掛けです。フロントパネルからの分周比コントロール信号は6本で送られ、位相比較器のICに接続されています。バンド切り替え用の水晶を追加することで、144MHzでも145MHzでも同じ分周比コントロール信号で動作するように設計されています。個人的には美しい設計だと思います。

◆ヤエスは

 そしてデジタルの時代へ変遷するのですが、本格的なCPU制御に移行する手前に過渡的に出たリグがFT-227だと思います(6m用もありました)。カウンターICを利用してチャンネル切り替えにロータリーエンコーダが採用されるようになりました。さらにラッチのICを利用して周波数がメモリーできる機能を搭載したのです。今見てしまうとこの機能も大変チープに思えます。

◆大分脱線して

 2SC460のことを書いていたら”懐かしい時代つながり”ということもあって話が大分脱線してしまいました。年代物のジャンク品の中身は時代が詰っているような感じがしませんか?


Latest update at 2006/10/21