DR-570の修理記録

 アルインコのディアルバンドモービル機DR-570の修理記録です。2mだけ使えません。趣味の修理で直るかなぁと思いながらWEBを検索していると、アルインコさんのHPからサービスマニュアルがダウンロードできることを発見しました。

 なんといってもサービスマニュアルはつよーい味方ですから早速ダウンロードです。送受不能の現象からして2m用のPLL周りが怪しいと思われます。広帯域受信機を使ってVCOの出力周波数を受信すると、430はS9の漏れを確認!しかし、2mは確認できません。不思議なことにLCDにUL(アンロック)の表示がでません。

◆故障のシナリオを考えてみる

 普通のアンロックだったらULが表示されるハズ!で、いろいろ考えてみました。

  • PLLのICが壊れちゃった
  • アンロックと表示の故障が同時に起きている
  • PLLはロックしているつもりだけど、発振が弱すぎてミキサーが機能しない

◆分解して測定器をあてながら探ろう

 サービスマニュアルを見ながらVCOの制御電圧のタップを確認するけどノイズレベルの電圧しか出ていないし、発振出力も全然見えませんでした。それ以上詳しくはPLLユニットを取り出して測定器をあてないとなりません。仕方がないなぁ・・・手術開始です。

◆PLLユニットの摘出は一苦労(汗;;)

 PLLユニットは”超”頑丈なシールド構造でした。メイン基板には10本以上のピンとシールドが半田付けされているので取り外しは一苦労です。やっとの思いで取り外しPLL基板をシールドから外そうと思ったのですが全然ダメです。仕方がないので側面の鉄板を剥いてみました。なんと基板が二階建て構造でそれぞれの基板がシールドに半田付けされています。

◆個別回路の動作確認

 これ以上分解するのも骨だしここまでの段階で確認できることをすることに。まずは、VCOに電圧を加え発振するか確かめました。VCO単体はOK!です。

 位相比較部分はマイコンと連動しないと確認できないので、本体との間に必要な部分だけをワイヤリングして測定器をあてることにしました。

 配線を確認し電源投入です。配線したピンの電圧と信号を確認すると、VCOの電源電圧が4Vに満たない事を発見しました。定格の半分なので、別途8Vを供給しなおすとスペアナの画面に山が出ました。発振周波数も正常だしダイヤル操作にもちゃんと反応します。

◆メイン基板の8Vラインをチェック

 メイン基板に入力される8Vは正常なので、途中で電圧降下してしまったのでしょう。回路図からPLLユニットへの給電ラインを見ると、シリーズに100Ω、パラにパスコンが2個ありました。故障原因の常連さんケミコン君が鎮座しています。早速抜いてみると抜いた跡に液漏れがありました。ケミコンなしの状態で電圧を確認すると8Vになりました!壊れてショート傾向にあったようです。いやぁー危ないところでした。元々10Vだったので耐圧の大きなものに交換です。

◆元に戻して動作確認

 PLLユニットの故障じゃなくって良かったのですが、剥いてしまったPLLユニットのシールドが戻らなくなってしまいました。またもや無実の部品を傷物に・・・(涙)中途半端に剥いであるので思い切って切除してから半田で付け直しました。ちょっとブスだけど機能的には問題無いはずです。

 最初はどうなることかと思いましたが無事ディアルバンド機能が復活しました!

◆優秀なPLLユニット

 この機種は広域なロック範囲を確保するためにVCOの制御電圧にDCDCコンバータを使って20Vを供給しています。そのお陰で40MHzもの範囲でロックするんですね。大昔の無線機と違って設計の段階から受信改造が想定されており、その範囲はデジタル回路だけでなくアナログ回路もちゃんと追従するように作ってある。いやはや頭が下がります。


Latest update at 2006/6/25