IC-726修理記録

 オークションで仕入れた故障品のIC-726修理に挑戦です。このページは修理の記録です。

◆症状

 稀に受信する。偶に送信する。なんとも奇怪な動きをする。

◆戦闘準備

 海外のサイトからサービスマニュアルを入手!(これの有り無しで作業効率が大きく違う)

 早速ブロック図、回路図を印刷して色々考えてみる。送受信共に異常なので取り合えずPLLに注目してみると、この機種は普通のPLLループの他に、ハイカラなDDSなる回路が付いている事に気が付く。

 DDSの役割は62.05〜62.562MHzまでの発振を担当し、昔のアナログVFOみたいな役割をしているみたいだ。ハイカラだと思ったけどこのDDSは一昔前の物らしくデジタルで直接62MHzを作れないので発振はVCO任せ、位相比較だけを行う代物。あ・や・し・い

◆実測

 分解してPLLの出力を観察してみる事にした。周波数カウンターを当ててみると案の定、全バンドの発振の分解能は512kHzステップでそれ以下は変化しない!DDS用のVCOの制御電圧もほぼゼロで変化無し。DDSループの何かが悪い事が明白になった。DDSモジュールがNGだったらメーカーの保守部品を分けてもらわないといけないかも・・・といやぁな予感が・・・

 取り合えず初日はこの辺で小休止、週末はお出かけなのでコイツをじっくりいじれません。

◆作業再開!更に詳しく計測

 なにしろDDSループの各部分の回路を切断する。VCOには0〜5Vくらいの制御電圧を加えて発振を観察する。DDSにはSGをつないで1MHz付近の信号を入れて制御電圧を作るパルスの状態を観察する。一応、マイコン入力のシリアル信号もロジアナで確認だ。

 DDSは位相比較してる!(少し気が楽になる)VCOの周波数は変わるけど数十mVrmsくらいで発振が弱いような感じがするが・・・もしかしたらオシロを当てているから弱く見えるのか・・・!?ちょっと微妙なかんじ・・・取り合えず2SK192を交換することにする。

 取外した部品はGRランク、我が家の部品箱にはYランクしかないのでこれを付けてみる。結果は発振停止。最悪です。しかし、ここはアマチュアらしく手持ちの2SK241で誤魔化すことにしてみる。すると発振した!しかも信号が強くなっている。512kHz中半分くらいロックするようになったゾ!(もう一息だ)

◆パラフィン地獄にはまる

 多くのVCO回路は制御電圧と発振周波数の調整にトリマがあったりするのですが、このVCOは空芯コイルの形を調整する仕掛けになっていて、しかも、調整後はロウでガチガチにする。つまり、調整用のコイルは現在ロウでガチガチ状態なのです。触りたくないので、野生の感で基板の裏側にコンデンサをつけて調整を試みるが数pFでもビンビン変化するようでなかなかうまくいかない。多分純粋な部品の容量以外に配線にあるストレ成分の影響が大きく出るのかも。仕方が無い、色々つけた部品を外すか・・・と、全部外して元にもどしたらロック範囲が広がった!こんなに微妙なのだったらコイルもほんの少し動かせばいいはず。精密ドライバーをロウに差し込んでほんの少しコイルの端を広げてみる。全部ロックした!その調子で少しずつコイルを調整して規定の制御電圧までもって行く。ロウがブツブツになってしまったので半田で溶かして元に戻し完了!

 直った!と思い気を良くしていたら7MHz帯で再びアンロックに・・・・今度はPLLアンロックだ!しばらくするとロックする。他のバンドはロックするので7MHz用のVCOがNGである。VCOのシールドを開けてみると、ロウの海だった!同様に2SK192GRを2SK241に交換したいが、ロウの海から部品を発掘しないと取り出せない。とにかく大変な作業で無事交換して機能回復させる。

◆動作確認

 ようやく全バンドで送受信できるようになったけど、明らかに6mだけSメーターが重い。HFは40dBuの入力でS9なのに、6mは1も振らない。Sメーターの回路はIFなので、RFに問題ありと思い回路図を追いかけると、6mだけ初段に2SK125が多く付いているのを発見、これを交換して無事元気を取り戻す。

◆浦島太郎

 十数年無線から離れていたこともあり、分解したRIGの中でIC-726が最新です。でもIC-726ってもう十年以上前の製品なんですよねぇ。ほんと浦島太郎って感じがします。


Latest update at 2005/7/6