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PSoCで作るワンチップLCメータ
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◆PSoCで作る測定器パートU 以前に位相検波方式のLメータを作成しましたが、今回はLCの並列共振を利用したLCメータを作成しました。共振回路にLM311を使用した精度の良いデジタルLCメータが世界中で作られています。共振回路を実験するページを書いたとにCMOSを利用してCメータを作成しこの方式の良さを認識しました。そこで今回はPSoCの特徴をいかして共振方式のLCメータをワンチップで作成してみました。 製作中に何度もやり直しを行うので、一号機は大きめのユニバーサル基板で作っています。部品点数が少ないので次回はもっと小さく作れるハズ・・・
位相検波方式のLメータで 14.0uH だったインダクタを計測したところです。ほぼ同じ値でした。
続いて、秋月のCメータキットに付属されてきた校正用の 0.1uF を測っている様子です。こちらもいい感じの値が表示されました。
左側の赤いコンデンサはキャリブレーション用のポリプロピレンコンデンサ(誤差 1%)です。右側の青いコンデンサは共振用の 1000pF(誤差 5%)です。この部分のコンデンサはどちらもフィルムコンデンサを使うのがよさそうです。セラミックコンデンサは温度変化に敏感で発振周波数が安定しません。手で持ったりするとどんどんずれてしまいます。 ◆発振の方法 PSoCを使ってLC発振する方法はいくつか考えられますが、今回はLM311の回路に習ってコンパレータを使いました。インバータを使った回路も実験してみました。(インバータを使ったLCメータの例はこちらのサイトが参考になります)PSoCのインバータを利用した場合、0.1uF や 1mH 付近は発振が不安定だったり発振しなかったりして思わしくありませんでした。 発振器周りの外付け部品の量はこんな感じです。若干のアレンジはあるもののほとんどLM311と同じです。コンパレータのマイナス入力部分は正確な図ではありませんがイメージとしてはこんな感じの構成になります。
この辺の回路はいろいろ実験すると楽しいと思います。上の回路でも 1mH 以上のインダクタでは波形がひずみ測定誤差が出ることがわかりました。そこで、インダクタモードにしたときはキャリブレーション用の 3900pF を接続して周波数を下げようにしています。ひずみが減り 10mH 付近でも良好な測定結果が得られるようになりました。 ◆その他の処理 キャリブレーション用のコンデンサのON/OFFはリレーを使わなくても何とかなりました。WEBで紹介されている多くの例ではこの部分がリレーになっていますが、PSoCのIOピンを利用しても実用上の影響はないと思われます。 発振が確認できたら外付けのオシレータを使ってなるべく正確に周波数を計測すればOKです。周波数のカウントはデジタルブロックを使うとほとんどプログラムすることなく実装することができます。PSoCのすごいところですな。 ◆最後に測定原理(忘れたときのためにメモしておきます) 測定の原理は未知の L1 と C1 を既知の Ccal をから算出するこにあります。Ccalが無い場合の周波数をf1、Ccalを追加した時の周波数をf2とするとそれぞれの式は以下のようになります。
この式を L1 について解くと、
となり、C1 を求めることができます。
C1 が分かってしまえば L1 も計算することができますね。
未知の Cx が並列に接続された場合は、周波数 f2 が観測されるとします。以下のように解くと Cx が求まります。
未知の Lx が L1 に直列に接続された場合も同様に解けます。途中の計算は省略しますが結果は以下のようになります。
以上の原理から、値の分かっているコンデンサを1つ用意すればLC共振回路の周波数から未知の Lx と Cx を知ることができるのです。 ◆組み立てて感じること ワンチップになっても表示器が大きくあまり小さくなった気がしなかったりします。海外のサイトでは、LM311と8ピンのPICの構成なんかもあります。8PINのPICでどうするのか?と思ったら、圧電素子からモールスを出力するようになっていました。それはそれでアリなんでしょうね・・・ 2008/3/20 ◆デジタルLメータとの比較 以前に測定したものと同じ試料を使ってLCメータの値を比較しました。大きく外れていないようです。
容量の方も調べてみたいところですが、各容量のフィルムコンデンサの在庫が無いので今回は見送りです。LCメータを作ってセラミックコンデンサの不安定さが見えるようになり少し驚きでした。セラミックコンデンサを指で温めると、5〜10% 程度の容量が変動します。一方、ポリプロピレンフィルムコンデンサは同じように温めても 0.5% 程度の変動に納まります。セラミックコンデンサでの比較はパスすることにしました。 ◆ちょっと脱線して 値を並べると本当の値は?といった疑問が湧いてきます。でも、測定器によって試料に与える周波数や電流が異なるので結果に差が出ることは当たり前なんですよね。つまり、部品が実際に使われる環境での動作が本当の値と考えるならば、測定環境(疑似的な動作環境)から得られる値は目安と考えなくてはならないことになります。だから使用目的がはっきりしていない部品の本当の値は無いのかもしれませんよ。 |
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Latest update at 2008/3/22 |