バレエ・カンパニー  the Company  2003*アメリカ


30.September.2004   
Director ロバート・アルトマン

  Cast ネーヴ・キャンベル
      マルコム・マクダウェル
      ジェームズ・フランコ


    *完全に結末に触れています*



アルトマン・ミーツ・バレエ・・・
群像劇の巨匠、アルトマンの描くバレエの世界は、やはり彼らしい一歩ひいた視線。
まったく説明がましい描写はなく、淡々とバレエ・カンパニーの内情を描く。
いつも豪華なキャストをずらりと並べるアルトマン作品と違って、
主要キャストは少ない 。
‘スクリーム’シリーズで有名なネーヴ・キャンベルが主演ともいえるのだろうが、
その他には往年の名優マルコム・マクダウェル、新進のジェームズ・フランコくらい。
ダンサーとしても出演はほとんど舞台となったジョフリー・バレエ・オブ・シカゴの
本物のダンサーのようだ。
それが効を奏したのか、まるでドキュメンタリーのような仕上がりで、
途中に挟まれる数々のジョフリー・バレエのバレエ・シーンが素晴らしく活きている。
細部の説明が足りないので、はっきりとしない状況も多々あったが、
あえて不自然な会話を入れない監督の姿勢が相変わらず好き。、
3種類の‘マイ・ファニー・バレンタイン’、ヨーヨー・マのチェロなど音楽も、
全体に漂う大人のムードとあいまって、今でもアーバンな余韻を残す
秋にみたかった作品


主役の不調で代役に交代したり、プリマのわがままぶり(ジョフリーの本物のプリマが演じる)、
アキレス腱を切るダンサー、舞台の直前で交代させられるダンサー、と
様々なエピソードは挿入されているのだが、
この作品ではそれらは本当に些細な日常として描かれている。
あっけないほどに周りの反応は薄い。
多分それがバレエ団の実情なのだろう。
おおげさに語ると芝居がかってさえみえるような人間模様が、
厳しいバレエの世界にはゴロゴロと転がる。
またそんなお定まりのエピソードを排してはバレエ界は語れないのだろう。
その醒めた目の演出がまたひとつ新しいかたちのバレエ映画を完成させた。
合間に挿入されるダンサーたちの禁欲的なレッスン風景が心に残る 。

挿入されるバレエの演目はいずれも素晴らしく、
日ごろコンテンポラリー作品を目にすることの少ない私のような人間には新鮮だった。
代役なしで演じたライことネーヴ・キャンベル、バレエのキャリアを考えると、
素晴らしい表現力といえるけれど、やはり本物のダンサーとの技術の差は否めない。
そこを演目でカバーしているのがうまい。
ジェームズ・フランコ演じるジョシュとの恋愛モードが唯一ドラマ性を感じる部分で、
こちらも派手な展開は一切ないが、ほっとできる。
ジョシュがライの部屋で朝食を作るシーン、男の人の料理する姿って本当に魅力的。
彼女のアパートメントが素敵だった。