アジアと私
ニコン、大和証券およびリョウビに勤めた後、、以前から勉強していたタイ語を活かしたく、タイに移ってきた。当初ビジネスをするつもりで
実際におもちゃの輸出等を手がけたが、以前から興味を持っていた経営学を学ぶため大学院へ入学した。その後ビジネスの不調もあり
(1997年通貨危機の影響を受けた)、どんどんアカデミックなほうに傾いていき、気がついたときは修士号、博士号を取得し、
タイ国立マヒドン経営大学院で起業学科長を務めていた。研究の興味は国籍とビジネス感の関連についてで、
特にタイ人、ベトナム人、中国人と日本人が職場で発生した問題に対して対処の仕方がどう違うかをフィールド調査に基づいて研究している。
今のところの調査結果は日本人のほうが問題に向かって真正面から取り組もうという姿勢が強く、ややもすれば物事を大げさに捉える傾向があり、。
他のアジア人は問題があった場合、それを避ける傾向があり、反対に問題が大きくなるまで掘っておく為、事が大きくなる傾向がある。
アジア、特にタイに進出している日系企業ではこの点で、日本人管理職とタイ人従業員の間で摩擦が起こることしばしばあるようである。
私も株式会社二コンの駐在員としてシンガポールと香港に駐在したとき、なぜ、現地従業員はことが大きくなるまで報告しないのかしばしば思った。
当時は上司にしかられるのがいやで報告しないのかと持ったが、現在は国文化の違いが影響しているという事がわかってきた。
おいおいこのホームページを使って其の辺についても話をしてみたい。趣味はスポーツと異文化探索でタイで経験したいろいろな不思議についても
ここで皆さんに紹介したい。
TOPIC 1タイ人は日本人のことをどう思っているのか?
2002年から2004年にかけてバンコクでタイ企業および日系企業に働いている大卒以上のタイ人、それぞれ370人ずつに日本人に関するイメージを答えてもらった。当初日系企業に勤めているタイ人は日本人を直接見ているので、タイ企業に勤めている者とは異なる答えを想像していたが予想に反してほぼ同じであった。18項目の日本人のいいイメージの中、点数の高いもの順位上げると
1.
時間に正確である
2.
勤勉である
3.
組織だって行動する
4.
正直である
5.
目上の者を尊敬する
となっており反対に悪いイメージとしては
1.
何事も生真面目に考えすぎる
2.
厳格すぎる
3.
短気である
4.
感情的である
5.
女性を蔑視する傾向がある
となっている。このうち特に上位2位は配点が高くこれをまとめると、日本人は勤勉で時間に正確であるが反面、何事も生真面目に考えすぎて、厳格で心にゆとりがないというイメージが上がってくる。この結果は2003年度に面接調査を行った日系化学製造業のタイ人人材開発担当者の日本人上司に対する印象に非常に類似していた。彼の説明では、日本人の上司は例外なくまじめで勤勉である。しかしながら、熱帯性気候、交通の未整備、家庭事情等で遅刻や早退する者もいるがこれを一律規則は規則だからといって、罰するのはどうかと思う。決してルーズな管理を望むわけではないが、タイ人の場合、厳格さは時と場合によっては心の狭い人(タイ語でチャイノーィという)と見られ、部下の尊敬を得られない。最もゆとりを持ってほしいということであった。このほか、一般的に言ってタイでは短気で感情的になることはタブー視されている。タイ人は部下を叱るときは別室に呼んでしつこいくらいに時間をかけて諭すということをよく日系企業の方から耳にする。日本では上司が多少、声を荒げて公然の場でも、しかることがあるが、タイでは基本的には避けたほうがよいようである。
TOPIC 2 日本人はタイ人のことをどう見ているか?
前の項でタイ人が日本人をどのように見ているかということについて調査結果を報告したしたが、今回は日本人がタイ人についてどのようにみているかについての調査結果を紹介したい。前回と同様、タイで日系企業に勤める日本人との日本で企業に勤める日本人で大卒以上のものを対象に行った。なお、日本で企業に勤めている日本人については原則、タイ王国に公私に渡ってきたことのないものを選んだため,サンプル数は150人弱と少なめになっている。前回のタイ人の日本人に関する意識調査ではタイ企業に勤めるタイ人と日系企業に勤めるタイ人の間に差がなかったが、日本人のタイ人に関する意識調査では差が出た。まず、タイ人に対するよいイメージの上位5項目は日本にいる日本人とタイにいる日本人とは次のように異なった。
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日本で働く日本人 |
タイで働く日本人 |
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1位 |
友好的である |
友好的である |
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2位 |
親切である |
親切である |
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3位 |
誠実である |
目上の人を尊敬する |
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4位 |
率直である |
ユーモアのセンスがある |
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5位 |
目上の人を尊敬する |
助けになる |
興味深いのは双方ともタイ人は友好的で親切だと思っているが、日本にいる日本人がタイ人はその上、誠実で率直であると感じているがタイで働く日本人はそうは思っておらず、日々いろんなことで助けてくれ、ユーモアのセンスがあって楽しい国民ではあるが裏があるのではと感じているようである。
全体で、最も差が有った項目はタイ人は首尾一貫しているとタイ人は説得力がある、の2項目でタイで日系企業に勤める日本人の場合、日本にて企業勤めをしている日本人より、20%近くポイントが下がっている。これは日系企業に勤める日本人は日々の業務を通して、タイ人の言うことには首尾一貫性がなく、かつ説得力がないと感じているようである。
タイでは首尾一貫しているよりもその時々で臨機応変に対応していくほうがよいとされており、英語のフレキシブルという言葉をよく使いたがる。この辺がタイにはじめてきた日本人が感じるカルチャーショックかもしれない。
次にタイ人に対する悪いイメージの上位5項目は次のようであった。
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日本で働く日本人 |
タイで働く日本人 |
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1位 |
該当なし |
感情的である |
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2位 |
該当なし |
複雑である |
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3位 |
該当なし |
なまけものである |
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4位 |
該当なし |
わがままである |
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|
5位 |
該当なし |
該当なし |
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日本で働く日本人はタイ人についての知識がないのか、いいイメージしかないのか、嫌悪感に関する質問で積極的に支持した項目はひとつもなかった.タイで働く日本人は一緒に働いている経験から来る肌で感じている点が多いようだ。小生の在タイ日系企業インタビューでもタイ人が感情的である、わがままで自己中心的である意見はよく出てくる。またタイ人男性はタイ人女性に比べて働かないというイメージも一般化しており、この辺から怠け者という意識が出たのかもしれない。ただ、小生が日系企業に勤めているタイ人中間管理職から聞いた言葉がこれの意識の差に関連しているのかもしれない。彼の説明によれば、日系企業では重要な決定は日本人のみで行われ、昇進もタイ人の場合は頭打ちである。このような環境で日本人のように土日もなく、家族を犠牲して働くことはできない。仕事と家庭といえば家庭を優先せざる終えないということであった。よりタイ人にとってもやりがいのある職場を作ってあげれば、彼らの勤務態度も変わり、タイで働く日本人のタイ人に対するイメージも変わって行くのではないであろうか。
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