〇涼宮ハルヒの憂鬱 第一話 (後編)           キョン ♂:  ハルヒ ♀:  ユキ&みくる ♀:        ___________________________________________________________________                      (ホームルームの教室。席替えが行われている。) キョン(M):席替えだそうだ。お菓子の缶に入れられたクジを引いた俺は、 窓際後方二番目というなかなかのポジションを獲得した! さらば、ハルヒ〜。フォ〜エバ〜♪ (席替えしたはずが、またもやキョンの席の後ろにハルヒ) キョン:(M)偶然だよな・・・。 全部のクラブに入ってみたってのは本当なのか? どこか、面白そうな部があったら教えてくれよ。 ハルヒ:ない、全然。 キョン(M):即答しやがった・・・。 ハルヒ:全然ない! キョン(M):どうやらこいつの口癖は「全然」のようだ。 ハルヒ:高校に入れば少しはマシかと思ったけど。これじゃ 義務教育時代と何も変わんないわね〜。入る学校間違えたかしら? キョン(M):何を基準に学校選びをしているのだろう・・・。 ハルヒ:ミステリ研究会ってのがあったのよ。 キョン:へぇ・・・。どうだった? ハルヒ:笑わせるわ・・・。今まで一回も事件らしい事件に 出くわさなかったって言うんだもの。部員もただのミステリ小説オタク ばっかで、名探偵みたいな奴もいないし! キョン:そりゃ、そうだろ。 ハルヒ:超常現象研究会にもちょっと期待してたんだけど、 ただのオカルトマニアの集まりでしかないのよ!どう思う!? キョン:どうも思わん・・・。 ハルヒ:あー!もう!つまんな〜い!これだけあれば少しは変なクラブが あってもよさそうなのに・・・。 キョン:ないもんはしょうがないだろ〜。結局のところ人間はそこにある もので満足しなければならないのさ。言うなれば、それを出来ない人間が 発見やら発明やらをして、文明を発達させてきたんだ。空を飛びたいと 思ったから飛行機作ったし、楽に移動したいと思ったから車や列車を 生み出したんだ。でもそれは一部の人間の才覚や発想によって初めて 生じたものであり、つまり天才がそれを可能にしたわけだ。 凡人たる我々は人生を凡庸に過ごすのが一番であってだなぁ・・・。 ハルヒ:うるさい! (会話が途切れる。ハルヒがそっぽを向く) キョン(M):もしかしたら、この会話がネタ振りだったのかもしれない。 (授業中) キョン(M):それは突然やってきた。 (ウトウトとしているキョンを後ろから引っ張るハルヒ、勢いで頭を打つキョン) キョン:うごぁ!?・・・あぅ・・ん。・・・何、しやがる!! ハルヒ:気がついた!! キョン:何に・・・? ハルヒ:どうしてこんな簡単なことに気がつかなかったのかしら! キョン:何が!? ハルヒ:ないんだったら自分で作ればいいのよ! キョン:だから何を? ハルヒ:部活よ! キョン:・・・・・・わかった。まぁ、今は落ち着け・・・。 ハルヒ:何、その反応。もうちょっとアンタも喜びなさいよこの発見を。 キョン:(周りを指し)・・・今は授業中だ。 (授業終了後、もの凄い勢いで屋上近くに連れて行かれるキョン) ハルヒ:協力しなさい! (キョンのネクタイをつかみ脅すように言う) キョン(M):カツアゲされてるような気分だぜ・・・。 何を協力するって・・・? ハルヒ:アタシの新クラブ作りよ! キョン:何故俺が、お前の思いつきに協力しなければならんのか・・・。 それをまず教えてくれ! ハルヒ:アタシは部室と部員を確保するからアンタは学校に 提出する書類を揃えなさい! キョン(M):聞いちゃいねぇ・・・。 何のクラブを作るつもりなんだ・・・? ハルヒ:どーでもいいじゃないの!そんなの。とりあえず、 まず作るのよ!いい!今日の放課後までに調べておいて! アタシもそれまでに部室を探しておくから!いいわね? (放課後。またもやもの凄い勢いでどこかに連れていかれるキョン) ハルヒ:これからこの部屋が我々の部室よ! キョン:ちょい待て。どこなんだよ、ここは? ハルヒ:文化部の部室棟よ。美術部や吹奏楽部なら美術室や音楽室が あるでしょ?そういう特別教室を持たないクラブや同好会の部室が 集まってるのが、この部室棟。通称「旧館」!この部屋は文芸部。 キョン:じゃ、文芸部なんだろ? ハルヒ:でも、今年の春に三年生が卒業して部員ゼロ。新たに誰かが 入部しないと、休部が決定していた唯一のクラブなのよ。 ・・・で、この子が一年生の新入部員。 キョン:じゃあ、休部になってないじゃないか! ハルヒ:似たようなもんよ!一人しかいないんだから。 キョン:あの子はどうするんだよ・・・。 ハルヒ:別にいいって言ってたわよ。 キョン:ホントか?そりゃ。 ハルヒ:昼休みにあった時に部室貸して?って言ったら。 「どうぞ」って。本さえ読めればいいらしいわ。 変わってると言えば変わってるわね〜・・・。 キョン(M):はい・・・お前が言うな。 (ユキが突然こっちを見ながら言う) ユキ:長門ユキ・・・。 キョン:・・・長門さんとやら。こいつがこの部屋をなんだか わからん部の部室にしようとしてんだぞ?それでもいいのか? ユキ:・・・いい。 キョン:いやぁ・・・。しかし。 多分ものすごく迷惑をかけると思うぞ・・・。 ユキ:・・・別に。 キョン:そのうち・・・追い出されるかもしれんぞ? ユキ:・・・どうぞ。 ハルヒ:ふふん・・・。ま、そういうことだから!これから放課後、 この部屋に集合ね。絶対、来なさいよ!来ないと死刑だから! キョン:わかったよ・・・。死刑は嫌だからなぁ・・・。 (・・・で、次の日) ハルヒ:先に行ってて!! (文芸部の部室、長門が一人本を読んでいる) キョン:・・・何、読んでんだ? (本の表紙を見せる長門) キョン:面白い? ユキ:・・・ユニーク。 キョン:どういうとこが? ユキ:・・・全部。 キョン:本が、好きなんだなぁ・・・。 ユキ:・・・割と。 キョン:そ、そうか・・・。帰っていいかなぁ・・・俺。 (ハルヒがドアを開けて登場する。また誰か連れてきた) ハルヒ:やぁ〜!ごめんごめん!遅れちゃってぇ! 捕まえるのに手間取っちゃって。 みくる:いやぁん・・・。 キョン(M):・・・またしても少女だった。 しかも、すんげぇ美少女だった。 みくる:(おどおどして)何なんですかぁ・・・? ここ、どこですかぁ・・・?何で私連れてこられたんですかぁ・・・? (部屋のカギを閉めるハルヒ) みくる:な、なんでカギを閉めるんですかぁ!いったい何を・・・。 ハルヒ:黙りなさい・・・。 みくる:・・・・!! ハルヒ:紹介するわ!朝比奈みくるちゃんよ! (沈黙) キョン(M):紹介・・・終わりかよ!? どこから拉致ってきたんだ? ハルヒ:そんなことしないわ!任意同行よ! キョン:似たようなもんだ! ハルヒ:二年の教室でぼんやりしてる所を捕まえたの。アタシ休み時間には 校舎を隅々まで歩くようにしてるから、何回か見かけて覚えてた訳。 キョン(M):休み時間、教室にいないと思ったら そんな事をしていたのか・・・。・・・!じゃあこの人は上級生じゃないか! ハルヒ:それがどうかしたの? キョン:・・・・ぁーん、まぁいい。えっと、朝比奈さんか? 何でまたこの人なんだ? ハルヒ:まぁ、見て御覧なさいよ!(みくるを指差す) めちゃめちゃ可愛いでしょ!! キョン(M):危ない誘拐犯のような事を言い出した! ハルヒ:アタシね・・・。「萌え」って 結構重要な事だと思うのよねぇ・・・。 (沈黙) キョン:・・・すまん。何だって? ハルヒ:「萌え」よ!「萌え」!いわゆる一つの萌え要素!基本的にね、 何かおかしな事件が起こるような物語には、こういう萌えで ロリっぽいキャラが一人はいるものなのよ! (みくるとキョンが見つめ合う。怯えているみくる。) ハルヒ:それだけじゃないのよ! (みくるの胸をわしづかみにするハルヒ) みくる:へっ・・・?ひゃぇえええええええ!(悲鳴) ハルヒ:ちっこいくせにホラ!アタシより胸でかいのよ! ロリ顔で巨乳?これも萌えの重要要素の一つなのよ! キョン:知らん・・・。 ハルヒ:うぅん〜。ホントにおっきいなぁ・・。何か腹立ってきたわ・・。 こんな可愛らしい顔してアタシよりおっきいなんて! キョン:(二人を引き離す)アホか・・・お前は。 ハルヒ:でも、めっちゃでかいのよ!?マジよ!?あんたも触ってみる? キョン:遠慮しとく・・・。すると何か?お前はこの朝比奈さんが可愛くて 小柄で胸が大きかったからという理由なだけで、ここに連れてきたのか? ハルヒ:そうよ! キョン(M):新生のアホだ、こいつ・・・。 ハルヒ:こういうマスコット的キャラも必要だと思って、 みくるちゃん?あなた他に何かクラブ活動してる? みくる:・・・あの。書道部に・・・。 ハルヒ:あぁ・・・。じゃあ、そこ辞めて。我が部の活動の邪魔だから。 (考えるみくる。ふと長門をみて驚く) みくる:・・・あぁ、そっかぁ。・・・・・・わかりました。 キョン(M):何がわかったんだろう・・・。 みくる:書道部は辞めて、こっちに入部します。でも、文芸部って 何をするところなのか、よく知らなくて・・・。 ハルヒ:我が部は文芸部じゃないわよ? みくる:・・・え? キョン:ここの部室は一時的に借りてるだけです。あなたが入らされようと しているのは、そこの涼宮がこれから作る活動内容未定で名称不明の同好会 ですよ。ちなみに、あっちで座って本を読んでいるのが本当の文芸部員です。 みくる:はぁ・・・。 ハルヒ:大丈夫!名前なら、たった今考えたから!! キョン:言ってみろ・・・。 (M)皆の衆・・・お知らせしよう。新しく発足するクラブの名は今、 ここに決定した! ハルヒ:・・・SOS団!! (沈黙) キョン(M):「世界を、大いに盛り上げる為の、涼宮ハルヒの団」略して SOS団である・・・。そこ、笑っていいぞ?・・・本来なら、世界を大いに 盛り上げる為の涼宮ハルヒの同好会とでもすべきなんだろうが・・・。 なにしろまだ、同好会のていすら立ってない上に 何をする集団なのかもわからないのである。 ハルヒ:だからぁ、団でいいじゃない! キョン(M):意味不明なハルヒの一言により、めでたく そのように決まった・・・。好きにしろよ・・・。もう・・・。 続く