〇涼宮ハルヒの憂鬱 第三話 (前編)           キョン ♂:  ハルヒ ♀:  イツキ ♂:  ユキ ♀: みくる ♀: _________________________________________________________________                       キョン:う、ちゅうじん・・・? ユキ:私の仕事は涼宮ハルヒを観察して、入手した情報を 統合思念体に報告する事・・・。 キョン:・・・え? ユキ:生み出されてから三年間、私はずっとそうやって過ごしてきた。 この三年間は特別な不確定要素がなく、いたって平凡・・・。 でも、最近になって無視できないイレギュラー因子が涼宮ハルヒの 周囲に現れた。・・・それが、あなた。 情報統合思念体にとって銀河の辺境に位置するこの星系の第三惑星に 特別な価値などなかった。でも、現有生命体が地球と呼称するこの惑星で 進化した二足歩行動物に知性と呼ぶべき思索能力が芽生えた事により その重要度は増大した。もしかしたら、自分達が陥っている自律進化の 閉塞状態を打開する可能性があるかもしれなかったから。 宇宙に遍在する有機生命体に意識が生じるのはありふれた現象だったが 捧持の知性を持つまでに進化した例は地球人類が唯一だった。 統合思念体は注意深く、かつ綿密に観測を続けた・・・。 そして三年前、惑星表面で他では類をみない異常な情報フレアを観測した。 球状列島の一地域から噴出した情報爆発は、瞬く間に惑星全土を覆い 惑星外空間に拡散した。その中心にいたのが・・・。(涼宮ハルヒ) 以後三年間、あらゆる角度から涼宮ハルヒという固体に対し 調査がなされた。しかし、今だその正体は不明・・・。それでも 統合思念体の一部は彼女こそ人類のひいては情報生命体である自分達に 自立進化のきっかけを与える存在として涼宮ハルヒの解析を行っている。 情報生命体である彼等は有機生命体と直接的にコミニュケート出来ない。 言語を持たないから。人間は言葉を抜きにして概念を伝達する術を 持たない。だから私のような人間用のインターフェイスを作った。 情報統合思念体は私を通して人間とコンタクト出来る。 キョン:・・・・・。 ユキ:涼宮ハルヒは自立進化の可能性を秘めている・・・。おそらく 彼女には自分の都合の良いように周囲の環境情報を操作する力がある。 それが私がここにいる理由。あなたがここにいる理由。 キョン:待ってくれ。正直言おう・・・。さっぱりわからない・・・。 ユキ:信じて・・・。 キョン:そもそも、何で俺なんだ?いや、百歩譲ってお前のその情報 ナントカ体云々っていうのを信用したとして、何故俺に正体を明かすんだ? ユキ:あなたは涼宮ハルヒに選ばれた。涼宮ハルヒは意識的にしろ 無意識的にしろ、自分の意思を絶対的な情報として環境に影響を及ぼす。 あなたが選ばれたのには必ず理由がある。 キョン:ねぇよ。 ユキ:ある。あなたと涼宮ハルヒが全ての可能性を握っている。 キョン:・・・マジで言ってるのか? ユキ:もちろん。 キョン(M):度を越えた無口な奴が、やっとしゃべるようになったかと 思ったら・・・。永遠、電波な事を言いやがった。こんなとんでも少女 だったとは・・・。さすがに想像外だぜ・・・。 あのな・・・。そんな話なら直でハルヒに言ったほうが喜ばれると思うぞ。 ハッキリ言うが、俺はその手の話題にはついていけないんだ。悪いがな。 ユキ:情報統合思念体の意識の大部分は、涼宮ハルヒが 自分の存在価値と能力を自覚してしまうと、予測できない危険を 生む可能性があると認識している。今はまだ様子を見るべき。 キョン:俺が今聞いたことを、ハルヒに伝えるかもしれないじゃないか。 ユキ:彼女はあなたがもたらした情報を重視したりしない・・・。 キョン:・・・確かに。 ユキ:情報統合思念体が地球においているインターフェイスは 私一つではない。情報統合思念体の意識の一部は積極的な動きを起こして 情報の変動を観測しようとしている。あなたは涼宮ハルヒにとってのカギ。 危機が迫るとしたら・・・まず、あなた。 キョン(M):・・・付き合いきれん。 (学校。ハルヒがキョンに話しかけている) ハルヒ:来たわよ!待望の転校生!凄いと思わない? 謎の転校生よ!間違いない! キョン:会ってもいないのに、謎だとわかるのか? ハルヒ:前にも言ったでしょ?こんな中途半端な時期に 転校してくる生徒はもう高確率で謎の転校生なのよ! キョン:その統計は、いつ誰がどうやってとったんだ?そんな 高確率で謎的存在がいるんだとしたら、今頃日本全国に・・・。 ハルヒ:見にいってくる!! キョン:あ〜、やっぱり聞いてねぇ〜・・・。 キョン(M):放課後、部室に行くと健気にも 朝比奈さんが一日で復活していた。 よくまた部室に来る気になりましたね・・・。 みくる:うん・・・。ちょっと悩んだけど、でもやっぱり気になるから。 キョン(M):前にも似たような事を聞いた気がするが・・・。 何が気になるんです? みくる:・・・なんでもない。 (気がつくとキョンの後ろでユキがみくる達のオセロ風景を見ている。) キョン:・・・代わろうか?長門。 (ユキを意識しながらオセロを打っているみくる) ハルヒ:へい!お待ち〜!一年九組に本日やってきた、 即戦力の転校生!その名も〜! イツキ:古泉イツキです、よろしく。 ハルヒ:ここSOS団!アタシが団長の涼宮ハルヒ!そこの三人は団員 その1と2と3。ちなみにあなたは四番目!みんな!仲良くやりましょ! イツキ:入るのは別にいいんですが、何をするクラブなんですか? ハルヒ:教えるわ、SOS団の活動内容。それは・・・。 宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶ事よ!! (一同、沈黙&驚愕) キョン(M):全世界が停止したかと思われた・・・。って言うのは 嘘ピョンで、俺は入学式のハルヒの第一声を思い出していたんだがなぁ。 イツキ:あぁ・・・なるほど。さすがは涼宮さんですね。 キョン(M):今、何を納得したんだ? イツキ:いいでしょう、入ります。今後とも、どうぞよろしく。 キョン(M):早速だが翌日の放課後。 みくる:へああぁああああああ!! ハルヒ:早く脱いでってば!! キョン:・・・・・・。 みくる:・・・きゃあああああ!! キョン:だぁ!!ご、ごめん!!(急いで外に出る) ハルヒ:やっぱり、萌えといったらメイドでしょ。 学園ストーリーには一人はいるものよ〜! キョン:どんな学園ストーリーだよ。 ハルヒ:さて〜・・・。記念に写真でも! みくる:ひぇ!?と、撮らないで!! ハルヒ:ちょいアゴ引いて。エプロン握りしめて!ほら!もっと笑って! ・・・キョン!カメラマン代わって。みくるちゃ〜ん。ちょっと 色っぽくしてみようか〜。 みくる:な、な、何するんですかぁ〜!? ハルヒ:いいからいいから〜。 キョン(M):何がいいものか・・・。って撮ってる俺が言うのも何だが。 ハルヒ:ユキ!メガネ貸して!・・・と〜っりゃ!! みくる:やは〜ん! キョン(M):はい、メガネオン。しかし・・・この写真、何に使うんだ? ハルヒ:う〜ん!完璧!ロリで美乳でメイドで しかも、メガネっ娘!素晴らしいわ!! みくる:やは〜〜〜〜〜ん!! ハルヒ:みくるちゃ〜ん?これから部室にいるときは この服着るようにしなさ〜い。 みくる:そんなぁ・・・。 イツキ:うわ!!なんですか?これ! ハルヒ:あ〜、いいとこに来たわね〜。 みんなでみくるちゃんにイタズラしましょ〜。 キョン:いい加減にしろ。 イツキ:遠慮しておきましょう。後が怖そうだ。 お気になさらず、どうぞ続きを・・・。 キョン(M):・・・っていうかとめろよ! もういいだろう?これ以上は、色んな法律に引っかかる! ハルヒ:何の法律よ!・・・ん、まぁいいわ。写真もいっぱい撮れたし。 では!これより、SOS団第一回!ミーティングを開始します! 今までアタシ達は色々やってきました!ビラも配ったし、 ホームページも作った。校内におけるSOS団の知名度は鰻の滝登り!! 第一段階は大成功だったと言えるでしょう! キョン(M):朝比奈さんの心に傷を負わせといて、何が大成功だ・・・。 ハルヒ:しかしながら、我が団のメールアドレスには 不思議な出来事を訴えるメールが一通も来ず、またこの部屋に 奇怪な悩みを相談しに来る生徒もいません・・・。 キョン(M):何をする部活動なのかイマイチわからない所だからなぁ・・。 俺たちでさえ昨日ようやくわかったし・・・。 ハルヒ:果報は寝て待て。昔の人は言いました。でも、もうそんな時代 じゃないのです!地面を掘り起こしてでも果報は探し出すものなのです! だから!探しにいきましょう!! キョン:・・・何を? ハルヒ:この世の不思議をよ!! キョン(M):というわけで、謎のような現象を求めて市内探索ツアーを 敢行する。次の土曜日、北口駅前に九時集合。来なきゃ死刑。 ・・・死刑て。休日の無駄遣いはしたくないんだがなぁ・・・。 ハルヒ:遅い!!罰金!! (喫茶店でクジ引きを始める一同) キョン(M):ハルヒの提案はこうだった。二手に分かれて市内を探索。 不思議な現象を発見したら携帯で連絡を取り合う。以上! ハルヒ:・・・この組み合わせね。 キョン(M):今日は意外とラッキーかもしれないな。朝比奈さんとデート 出来るんなら、この店が俺のオゴリになったのも安い代償ってもんだ。 ハルヒ:キョン!わかってる?デートじゃないのよ? 真面目にやるのよ?いい? キョン:わかってるよ・・・。 ハルヒ:マジ、デートじゃないのよ!遊んでたら殺すわよ!ふん!! キョン(M):と、言い残してハルヒチームは駅の東側の探索に出発した。 俺と朝比奈さんは西側を探索しろと言うのだが・・・。 みくる:・・・どうしましょう? キョン(M):・・・ねぇ。 続く