〇涼宮ハルヒの憂鬱 第六話 (後編)           キョン ♂:  ハルヒ ♀:  みくる&ユキ ♀:   イツキ ♂: _________________________________________________________________                       イツキ:我々の組織の上の方は、恐慌状態ですよ。影を失った こちらの世界がどうなるのか、誰にもわかりません・・・。 涼宮さんが慈悲深ければ、このまま何事もなく存続する可能性もありますが 次の瞬間には、無に帰する可能性もあり得ます・・・。 キョン:なんだってまた・・・。 イツキ:さぁて?・・・ともかく、涼宮さんとあなたはこちらの世界から 完全に消えています。そこは・・・ただの閉鎖空間じゃない。 涼宮さんが構築した、新しい時空なんです。もしかしたら、今までの 閉鎖空間もその予行演習だったのかもしれませんね。 キョン:・・・・・。 イツキ:そちらの世界は、今までの世界より涼宮さんの 望むものに近づくでしょう。彼女が何を望んでいるのか 知りようがありませんが・・・。さぁ、どうなるんでしょうね? キョン:俺がここにいるのはどういう訳だ? イツキ:・・・本当にお分かりでないんですか? あなたは涼宮さんに選ばれたんですよ。こちらの世界から唯一・・・。 涼宮さんが共にいたいと思ったのがあなたです。 とっくに気づいていたと思いましたが・・・。 ・・・!!そろそろ、限界のようです。このままいくと、あなた方とは もう会えそうにありませんね・・・。 キョン:こんな灰色の世界で、 俺はハルヒと二人で暮らさないといかんのか? イツキ:アダムとイブですよ?産めや増やせていいじゃないですか。 キョン:殴るぞ・・・お前。 イツキ:冗談です・・・。おそらくですが、そのうち見慣れた世界に なると思いますよ。ただし、こちらとまったく同じではないでしょうが。 ま、そっちに僕が産まれる様な事があれば、よろしくしてやってください。 キョン:俺達はもう、そっちに戻れないのか? イツキ:涼宮さんが望めば・・・或いは。可能性は薄いですがね。 僕としましては、あなたや涼宮さんともう少し付き合ってみたかったので 惜しむ気分でもあります・・・。あー、そうそう。朝比奈みくると 長門有希からの伝言を言付かっていました。朝比奈みくるからは 謝っておいてほしいと言われました。ごめんなさい。私のせいです、とも。 長門有希からはパソコンの電源を入れるようにと・・・。それでは・・・。 キョン:こいつは・・・どういう冗談なんだ・・・。・・・ぁ。 (パソコンの電源を入れるキョン。) キョン:・・・・ん? YUKI.N>(みえてる?) キョン:・・・!!・・・見えてるとも。 YUKI.N>(そっちの時空間とはまだ完全に連結を絶たれていない。 でも、時間の問題。そうなれば最後。) キョン:・・・どうすりゃいい。 YUKI.N>(どうにもならない。情報統合統合思念体は失望している。 これで進化の可能性は失われた。涼宮ハルヒは何もない所から 情報を生み出す力を持っていた。それは、情報統合思念体にもない力。 この情報創造能力を解析すれば、自律進化への糸口が つかめるかもしれないと考えた。) (教室、ハルヒが窓の外に光るものを見つけた。) ハルヒ:・・・・!! (再び、部室) YUKI.N>(あなたに賭ける。) キョン:何をだよ・・・。 YUKI.N>(もう一度こちらへ回帰することを我々は望んでいる。 涼宮ハルヒは重要な観察対象。わたしという個体も あなたには戻ってきて欲しいと感じている。また、図書館に_ ) (パソコンが停止する) キョン:長門!! YUKI.N>(sleeping beauty_) キョン:・・・・どうしろってんだよ。長門!古泉!・・・・!! (その時、轟音と共に外に光の巨人が現れる。) ハルヒ:キョン!何か出た!!何あれ!?怪物?蜃気楼じゃないわよね♪ 宇宙人かも!!それか、古代人類が開発した超兵器が現代に蘇ったとか! キョン:・・・くっ。(ハルヒの手をとって部室を出ようとする) ハルヒ:え?ちょっと、何!? (振動でよろめく二人) キョン:・・・ぐっ。 ハルヒ:あれさ、襲ってくると思う? 私には、邪悪なもんだとは思えないんだけど! キョン:・・・わからん。 (必死でハルヒの手を引いて、巨人から逃げるキョン) ハルヒ:何なんだろ、ホント!この変な世界も・・・あの巨人も! キョン:・・・元の世界へ帰りたいと思わないか? ハルヒ:・・・え? キョン:一生、こんなところにいる訳にもいかないだろ。 腹が減っても、飯食う場所なんかなさそうだし・・・。 ハルヒ:不思議なんだけど、何とかなりそうな気がするのよ。 どうしてだろう・・・今、ちょっと楽しいな♪ キョン:SOS団はどうするんだ? お前が作った団体だろ?ほったらかしかよ! ハルヒ:いいのよもう。だって、ほら!アタシ自身がとっても 面白そうな体験をしてるんだし、もう不思議な事を探す必要もないわ! キョン:・・・俺は戻りたい! ハルヒ:・・・・!! キョン:こんな状態に置かれて発見したよ。俺は何だかんだ言って 今までの暮らしが結構好きだったんだなぁ・・・。 アホの谷口や国木田も、古泉や長門や朝比奈さんも。 そこに、消えちまった朝倉を含めてもいい! ハルヒ:・・・何、言ってんの? キョン:俺は、連中ともう一度会いたい! まだ、話すことがいっぱい残ってる気がするんだ! ハルヒ:会えるわよ、きっと!この世界だって、 いつまでも闇に包まれてる訳じゃない!明日になったら、 太陽だって昇ってくるわよ!アタシにはわかるの! キョン:そうじゃない!この世界の事じゃないんだ! 元の世界の、あいつ等に俺は会いたいんだよ! (急に手を離すハルヒ) ハルヒ:はぁはぁ・・・・意味わかんない。 キョン:はぁはぁ・・・・。 ハルヒ:アンタだって、つまんない世界にうんざりしてたんじゃないの!? もっと、面白い事が起きて欲しいと思ってたんじゃないの!? キョン:・・・思ってたとも。・・・・あのな、ハルヒ。 俺はここ数日で、かなり面白い目に遭ってたんだ。お前は知らない だろうけど、世界はお前を中心に動いていたと言ってもいい・・・。 お前が知らないだけで、世界は確実に面白い方向に進んでいたんだよ! ハルヒ:・・・・・。 (無数の光の巨人がハルヒ達に近寄ってくる) キョン(M):長門は言った。進化の可能性と。朝比奈さんによると時間の 歪みで、古泉に至っては神扱いだ。では、俺にとってはどうなのか・・・? 涼宮ハルヒの存在を俺はどう認識してるのか?ハルヒはハルヒであって ハルヒでしかない・・・。何て、トートロジーで誤魔化す必要はない。 ないが!決定的な回答を、俺は持ち合わせてなどいない・・・。 そうだろ?教室の後ろにいるクラスメイトを指して、そいつは お前にとって何なのかと問われて、何と答えりゃいいんだ? ・・・いや、すまん。これも誤魔化しだな。俺にとって、ハルヒは ただのクラスメイトじゃない!もちろん進化の可能性でも 時間の歪みでも、ましてや神様でもない!あるはずがない!! みくる:白雪姫って知ってます? YUKI.N>(sleeping beauty_) ハルヒ:・・・・な、何よ。 キョン:俺・・・実はポニーテール萌えなんだ。 ハルヒ:・・・何? キョン:いつだったかのお前のポニーテールは、 反則的なまでに似合っていたぞ! ハルヒ:はぁ!?バカじゃないの!?・・・・!! (突然、キョンはハルヒにキスをする。すると光の巨人や閉鎖空間が ハルヒの中に吸い込まれるように消えていく。次の瞬間、キョンは 部屋に戻っており、ベットから落ちて目が覚める) キョン:うぐっ!!・・・・・・・・・。 ・・・!!なんつー夢見ちまったんだ!!フロイト先生も爆笑だぜ! (M)今だかつてないリアルな夢・・・。か、ここは既に 元の世界ではないとか。ハルヒによって創造された新世界なのか。 だったとして・・・俺にそんな事を確かめる術はあるのか? (教室に入ったキョンが目にしたのは、ポニーテールの 髪型をした涼宮ハルヒだった。それを見て微笑むキョン。) キョン:・・・よっ!元気か? ハルヒ:元気じゃないわね。悪夢を見たから。 キョン:ほう・・・。 ハルヒ:おかげで、全然寝れやしなかったわ。 今日ほど休もうと思った日はないわね。 キョン:そうかい。・・・ハルヒ。 ハルヒ:何? キョン:・・・似合ってるぞ。 (場所は変わって、校庭) イツキ:あなたには感謝すべきなんでしょうね。僕のアルバイトも 暫く終わりそうにありません。まぁ、この世界が昨日の晩に 出来たばかりという可能性も、否定出来ない訳ですが、まぁ、とにかく あなたと涼宮さんにまた会えて光栄です。・・・また、放課後に。 (部室) ユキ:あなたと涼宮ハルヒは、2時間30分この世から消えていた。 キョン:お前みたいな奴が、お前の他にどれだけ地球にいるんだ? ユキ:・・・結構。 キョン:また、朝倉みたいなのに俺は襲われたりするのかな? ユキ:大丈夫・・・私がさせない。 (みくるが入ってくる) みくる:・・・!!・・・・キョン君!うぅ・・・よかった! また会えた・・・。もう二度と・・・こっちに戻って来ないかと・・・。 キョン:朝比奈さん・・・。 みくる:はっ!!ダメ!ダメです!こんなとこ涼宮さんに見られたら! また、同じ穴の二の舞です!! キョン:意味わからないですよ、それ。 あ、そうだ朝比奈さん。胸のここんとこに星型のホクロがありますよね? みくる:・・・・?(確認する)・・・ひゃぁ!? ど、どうして知ってるんですかぁ!?あたしも今まで星の形なんて 気づかなかったのに・・・いつ!いついつ、見つけたんですかぁ!!!! キョン:あ、あははははは!!! ハルヒ:何やってんのぉ?アンタ達・・・。みくるちゃん・・・? メイド服もそろそろ飽きたでしょぉ?さぁ、着替えの時間よぉ・・・。 みくる:え?え?ひぇぇええええ!!! ハルヒ:こら!暴れないの!今度のはナースよ!ナース!看護婦さん! (部室を出るキョン、場面変わって駅前) キョン(M):その後の事を少し語ろう・・・。SOS団はこの度 ようやく設立申請の書類を、生徒会に提出した。 「世界を大いに盛り上げる為の、涼宮ハルヒの団」では却下確実なので 「生徒社会を応援する、世界作りの為の奉仕団体」と改名した。 市内の不思議探索パトロールも継続中で、今日はその2回目だ。 どういう偶然か、朝比奈さんも長門も古泉も急用で欠席になり、俺は一人 ハルヒを待っている。俺は集合時間の1時間前にやってきた。遅刻の 有無に関わらず、最後にやってきた者は罰金という定めがあるからだ。 あのしかめっ面が、参加率の低さを嘆くものなのか。俺に遅れをとった 不覚を嘆いたものなのかはわからない。後でゆっくり聞いてやろう・・・。 ハルヒの奢りの喫茶店で。その際には、俺は色々な事を話して やりたいと思う・・・。SOS団の今後の活動方針について。 朝比奈さんへのコスプレ衣装の希望、などなど。 しかしまぁ、結局のところ最初に話すことは決まっているのだ。 ・・・そう。まず、宇宙人と未来人と超能力者について話してやろうと 俺は思っている・・・。 END