2011年9月24日(土)
津波がきてからのこと

先日お休みをいただいて、 第13回 日本臨床獣医学フォーラム 年次大会2011に参加してきました。様々な最新の情報があり、3日間、大変勉強になりました。
その中で一番心に残った講演は「津波が来てからのことー被災地からの報告ー」でした。宮城県、福島県で大震災に被災された獣医師の方がたの貴重なお話を、直接お聞きすることが出来ました。宮城県石巻で動物の保護シェルターを立ち上げた安部先生や、福島県の福島第一原子力発電所から10km圏内で開業されている渡辺先生のお話が、壮絶な事が実際に起こってたし、問題はいまだに継続し続けている、との認識を新たにして下さいました。安部先生の「丘の上に動物達の慰霊碑を建てることが願いです。」と、渡辺先生の「地震の直後、この世の終わりが来たのかと思いました。」との言葉が非常に心に残りました。
震災はいつ、どこで起こるか分かりません。
安部先生は動物との同行避難ができるかどうかは、日頃の動物との生活にかかっているとお話されました。
@クレートトレーニング:ケージ内でおとなしく待てること。特に中・大型犬。避難先でケージ内でもおとなしくして過ごせる子は一緒にいることができますが、吠え続けてしまうような子は、やはり外に出されてしまいます。
A伝染病のワクチン接種:避難所・シェルターでは伝染病が流行ることが多いです。
B避妊・去勢手術:手術を受けていないと、気が荒くなったり、繁殖してしまいます。
そしてC動物用避難バックの準備:フード、水、ペットシーツ、猫砂、おむつ、クレート、食器、常備薬等、まさか自分は大丈夫だろう、という思い込みは捨てて、日頃から緊急時に対する心構えをしておくことが大切だと痛感しました。
震災で命を落としたたくさんの動物達からも、私達はたくさんの事を教えてもらいました。


2011年9月9日(金)
ハッピードライブ

タイガ君は資材置き場の番犬として数年間、生活してきました。
番犬だったため、あまり飼い主さんのお世話が行き届いていたとはいえない状況だったようです。このままだとずっと番犬・・・でしたが、飼い主さんの息子さんの彼女のYさんがタイガ君と関わることになり、タイガ君の運命はガラリと変わりました。
タイガ君は熱中症にかかり、入院もしました。また、背中に大けがを負い、1カ月の闘病生活もありましたが、どれもこれもYさんとの絆を深める出来事でした。そしてついにYさんは、タイガ君のために車を買い換えたのでした。タイガ君が後ろに乗って一緒にドライブできるように、外に向けて広いスペースのあるもので、上には風通しのよい屋根をつけ、床には滑らないように人工芝をひき、タイガ君グッズを入れるボックスも横に置いてあります。
そこに乗ったタイガ君の嬉しそうなこと!Yさんは将来、タイガ君を家に連れて帰りたいと思っています。一人ぼっちで番犬をしていた頃より、生き生きと人間との生活を謳歌しているタイガ君。犬も人も一緒です。愛情に囲まれて過ごす幸せを、タイガ君もかみしめていることでしょう。

2011年8月22日(月)
6周年記念のお客様

8月8日はCoCo動物病院の6周年記念でした。この6年間、長かったような気もしますし、あっという間だったような気もします。たくさんの方々に来院していただき、感謝の気持ちでいっぱいです。今後も皆様と可愛い動物達のハッピーライフをサポートするために、日々努力していきます。よろしくお願いします(^^)
そんなCoCo動物病院を祝福してくれているのか、1匹の珍しいお客さんがやってきました。オリイオオコウモリ(準絶滅危惧種)の幼獣です。「台風の後、庭の木にぶら下がっていたけれど、朝になったら地面に倒れていました。」と保護されて来ました。コウモリの保護は初めてでしたので、初めは触るのにも緊張しましたが、なんとこの「イチロー」君、とても可愛いのです!フルーツコウモリとも呼ばれるくらい果物が大好きで、バナナ、リンゴ、みかん、モモとあらゆる果物をむしゃむしゃと美味しそうに食べてくれます。弱っていた体も、3日もすると元気になり、後ろ足でブラブラとお得意のポーズが取れるようになりました。おそらく台風で親とはぐれてしまい、食べることが出来ずに弱っていたのだと思われます。体にそっと触れてみると、堅い毛なのかな、という予想に反して、子猫のようにふわふわの毛!で驚きました。
もう少ししたら大空に飛び立ってもらいましょう。今後はコウモリを見る目が変わりそうです。

2011年6月25日(土)
すうちゃん その後

去年のゴールデンウィークに、巣から落ちてしまい保護されたスズメ、すうちゃん。初めは小さいヒナでしたが、一年の間にすっかりスズメらしくなりました。
残念なことに片脚が不自由で野生に戻すことはできませんが、元気に過ごしています。生活の中に小鳥がいると、とても優しい気持ちになるので、不思議です。
私が一番初めに飼い始めた動物も、小鳥でした。小学校2年生の時、デパートの屋上にあるペットショップで、身体は雪のように白く、嘴は苺のように赤い文鳥を買ってもらった時の興奮は今でも覚えています。一生懸命世話をしていたのですが、何せ小学生。管理が行き届かず、不意に死んでしまいました。元気に見えた小鳥がある時急に冷たく横たわっている姿を見つけた時の、心が凍るような気持ちも、鮮明に覚えています。冷たく小さな死骸を手にした時、今思えば、小鳥に命の意味を教えてもらっていたように思えます。
その後も様々な小鳥を飼い、共に過ごし、分かった事は、小鳥とも心が十分通じ合うのだ、ということでした。今小学2年生の長女は、すうちゃんをとても可愛がっています。彼女も小さなすうちゃんに、命の意味を教えてもらっているに違いありません。

2011年4月21日(木)
家族

去年の暮のことです。
猫をたくさん飼っている飼い主さんから「うちの猫がハトを襲ってしまって、尾羽がとれてしまいました」との連絡が入りました。来院したキジバトは尾羽が全て抜けていて、寒々しい様子。ただ、被害は尾羽のみでしたので、元気な様子にほっとしました。保護された方の庭の木に、いつも仲良くつがいで来ていたとのこと。そのうちの1羽が襲われてしまい、残された1羽は・・・木の上でじっと待っているそうです。なんとかまた一緒にしてあげたい。と保護された方が、けがをしているハトのみならず、待っている相方のことも気にかけておられました。
数日間の治療後、元気になったキジバトを、いよいよ放鳥することになりました。
検討した結果、怪我をしたお家の近くの公園で放すことにしました。「相方に会えるといいけれど・・・。」そんな私の不安をよそに、キジバトは元気よく羽ばたき、大きな木に止まり、そのまま見えなくなりました。
数日後、キジバトを保護したBさんが病院にやってきました。放鳥して1週間程したある日、なんと、あのキジバトがペアでやってきたということです。いつもの木に仲良く止まり、たたずんでいたとか。1羽の尾羽はもちろん短いままでしたけれど。
怖い思いもして、もう相方の所には戻らないのではないかしら、と心配していましたが、キジバトの家族愛はそんなことでは引き裂かれない、強いものでした。大きな震災もあり、様々想うことはありますが、家族がいてくれる・・・それだけで幸せです。
 

2011年2月26日(土)
里親さん〜その後〜

以前こちらから里子に出したコッコちゃんの飼い主さんから嬉しいお手紙を頂きました。
「山下先生、この度は、コッコちゃんを譲っていただきありがとうございました。
コッコちゃんが我が家に来て早や1カ月になりました。先日はワクチンの接種も終え体重も4,5kgに増え順調に成長しております。
最近はやっと慣れてきた様で庭に出ると元気いっぱい走りまわっています。私が一緒だとずっと足にまとわりついてきます。人間の子供と同じで何にでも興味をしめし何でも口にしてしまいます。新しいものには恐る恐る後ろ足を残しダックスフンドの様に胴長になりながら観察している様でとても可愛らしいです。楽しい時や興奮しているときにはおもいっきりぐるぐる回ってます。お陰様で毎日楽しい時を過ごさせて頂いております。ありがとうございます。」

コッコちゃんは人一倍怖がりな仔犬だったので、里親になって下さるNさんに渡す時には心配で胸がいっぱいでした。娘を嫁に出す親の気持ちってこういうものかしら、と思ったほどです。でもお手紙にある以上に、コッコちゃんのうっとりとした表情が全てを物語っていて、思わず涙が出てきました。
コッコちゃん、本当に良かったね。幸せに過ごしてください。

2011年1月26日(水)
里親さん

しばらくの間、里親募集をしていた仔犬(通称ミミちゃん)が先週無事、もらわれていきました。彼女は2週間前に兄弟犬と一緒の所を保護され、CoCo動物病院にやってきました。お兄ちゃんは2日後にもらわれて行き、一人ぼっちになってしまったミミちゃんは強い不安を感じているようでした。同じところをぐるぐる回る癖があり、興奮したり寂しかったりするとぐるぐると回っていました。そんなミミちゃんの不安を少しでも和らげてあげられるように、我が家のラブと一緒にしたりしました。そうすると、嬉しそうに遊んではまたくるくる回って、一緒に眠って・・・。ゆっくりですが、だんだんお兄さんのいない暮らしに慣れてきたようでした。ミミちゃんはかなりの寂しがり屋さんで臆病なところのあるワンちゃんなので、里親さんも優しくてしっかりと面倒を見てくれる方でないと難しいなあ、と思っていた矢先の事でした。
豊見城のNさんから連絡が入り、ミミちゃんを見に来たいとのこと。一目見て、Nさんはミミちゃんを気にいり、早速連れて帰る段取りとなりました。Nさんは、1年半前にシェルティmixのワンちゃんを15歳でみとり、その後はもう犬は飼うまいと決めていたそうです。でもだんだん犬との生活が懐かしくなり、少し前から、家に来てくれるワンちゃんを捜していたそうです。
「愛護センターに見に行こうかとも思ったけれど、置いて行かれる子にどうして私は連れて行ってくれないの・・・という瞳で見られたら哀しいから、行けませんでした。」

とのお話に、とても優しい方だなあと感動しました。「前のワンちゃんも最後は寝たきりになったので、あまり大きい子だと介護しきれないので小さい子がいいです。ミミちゃんくらいなら大丈夫。」と、まだ仔犬のミミちゃんを見つめながら、もうそんな先の覚悟までしている様子。Nさんならミミちゃんを幸せにしてくれるはず!と嬉しくなりました。人もそれぞれ個性があるように、ワンちゃんにもそれぞれの性格があります。人との生活の中で、ワンちゃんの長所を伸ばしてあげれるような、そんな風に過ごせるといいですね。
・・・・・・3日後Nさんに連絡してみると、名前は「ココ」ちゃんとなり、まだまだ緊張しているとのこと。ゆっくりでいいので、Nさんとの生活に慣れて幸せになってほしい、と祈るばかりです。

2011年1月14日(金)
今年の干支

明けましておめでとうございます。いよいよ2011年が始まりました。新年は何か気持ちが真っ白になったような、気持ちの良い毎日が過ごせます。
今年の干支はウサギですが、我が家にも2羽のウサギがいます。白い「うーたん」と茶色い「きゅうちゃん」です。うーたんは4才の女の子、きゅうちゃんは1才の男の子です。どちらも避妊・去勢済みですので、安心して一緒にすることが出来ます。(ウサギはとにかくたくさん子ウサギを産みますので、要注意!)
うーたんはずっと1羽で過ごしてきましたが、きゅうちゃんが来てから運動場で遊ぶようになり、お互い毛繕いをしたり穴を掘ったりして、見ているこちらを和ませてくれます。そんなきゅうちゃんですが、年末お部屋を大掃除した際、綺麗なお部屋になって喜ぶどころか、ストレスから胃腸機能が悪くなり、全く食餌を採らなくなってしまいました。1週間の闘病の末、以前にもまして食欲旺盛、元気いっぱいのきゅうちゃんにもどってくれたからよかったものの、ウサギのデリケートさに驚き、教えられました。
今年もみなさんの動物達が元気いっぱいに過ごせますように!

2010年12月22日(水)
出産ラッシュ

12月12日の早朝、電話が一本かかってきました。その前日に妊婦健診を受けたレイトちゃんからでした。体温が下がってきていたので、いよいよかもしれません・・・との話をしていたのですが、翌日の早朝に陣痛が始まりました。
1匹目は自力で産んだのですが、その後陰部より胎嚢が出てきてはいるけれど
赤ちゃんが出てこないとの連絡でした。早く出してあげないと赤ちゃんが危なくなってしまう緊急事態です。すぐに病院に来てもらい、診察となりました。レイトちゃんの陣痛が弱いため、産みきれないようです。
微弱陣痛を強くするため、陣痛促進剤の投与を行いました。その効果があり、2頭目、3頭目は自力で出産できたのですが、最後の1頭だけ出てきません。長引く出産は母体の体力も消耗してしまうので、帝王切開となりました。早朝でしたがスタッフもすぐに集まってくれて無事最後の1頭が取りだせました。
レイトちゃんは出産の疲れもあるはずなのに、麻酔から覚めた後、すぐにおっぱいを与えて仔犬たちを気づかっていました。
飼い主さんも大喜び。みんな笑顔になりました。
出産は何度立ち会っても感動的なものです。命が生まれる瞬間に立ち会える幸せを感じさせてもらっています。実はその後3日後にヨークシャーテリア、8日後にフレンチブルドッグの帝王切開があり、この年末10匹もの仔犬に出会うことができました。
昨夜眠る前に外の月明かりに目を向けると、綺麗な満月でした。月の満ち引きと出産。神秘的です。

2010年10月2日(土)
殺し屋トンちゃん

ある日、猫のトンちゃんが、右前足に怪我を負い病院に連れてこられました。どうも外で他の猫と喧嘩をした様です。飼い主さんに「よく外で喧嘩をしたりするのですか?」と聞いたところ、「実は・・・。この子‘殺し屋トンちゃん’と呼ばれているんです。」とのこと。ええ!?殺し屋??誰かを殺したわけではもちろんなく、その執拗な意地悪い喧嘩の仕方からそんな異名がついたのだとか。詳しく聞くと、嫌な相手がいると、ソロリソロリと背後から近寄ってガブリと臀部にかみつき、決してその牙を離さない・・・という技の持ち主。被害者(被害猫)は多数に及ぶようです。「そんなに喧嘩が強ければメス猫にもてるのかしら。」という私の素朴な質問に、飼い主さんは大きく頭をふり、「いえ、メス猫には全くもてないんですよ。それが。」とのこと。う〜む、猫の世界も奥深いものです。ふうてんの寅さんのような風貌の「殺し屋トンちゃん」。
これ以上怪我をしないように、そして他の子も怪我をしないように、得意技は封印してほしいものです。

2010年9月19日(日)
名猫マルちゃん

先日ワクチンに来院したオス猫のマルちゃん(1才4カ月)にまつわる信じられないような実話をご紹介します。
マルちゃんはワクチン接種の為、初めてCoCo動物病院に連れてこられました。無事ワクチンも終わり、車に戻ろうとしたその時!マルちゃんはお母さんが持っていたカゴから飛び出してしまったのです!!!素早い動きで隣の塀に登るマルちゃん。一番可愛がっているお兄さんが呼びながら手を伸ばし、あと1cmで届く・・・という所で、マルちゃんは走りだし、失踪してしまいました。その後みんなで方々捜しまわりましたが、その日はとうとうマルちゃんは見つからず。飼い主さんが何度も足を運び、呼びながら探しましたが3日たっても音沙汰無しでした。
大雨も降って、いったいマルちゃんはどこで何をしているんだろう、と心配もピークに達した頃、なんと飼い主さんから「マルが家に帰ってきたんです!」との電話連絡が。「夜中に外で猫がニャーニャー鳴くので夢かなあと思っていたけれど、あまりにも近くで鳴くもので窓を開けてみると、なんとそこにマルがいたんです!」とのこと。お腹がペコペコではあったけれど、怪我ひとつしていなかったようです。本当に良かった。。。それにしても、病院からマルちゃん宅までは2km程もあるし、初めて病院にそれも車で連れて来られているし、よく家にたどり着いたものだ・・・とひとしきり感心しました。マルちゃんは家の周りだったらよくフラリと出かけるタイプのようで、今回ばかりはそのお陰で土地勘がはたらいたようです。名犬ラッシーではなく、名猫マルちゃん、の実話でした。

2010年9月7日(火)
日本小動物獣医師会の年次学会

月の最後の週末に、東京で開催された日本小動物獣医師会の年次学会に参加してきました。全国からたくさんの獣医師が集まり、勉強したり意見交換したりする場です。学校飼育動物関係の報告会もあったので、沖縄県の代表として今帰仁村の先生2人で参加してきました。
子供達と動物との架け橋になりたいという獣医師の熱意が伝わってきて、よーし、沖縄でもまた頑張るぞ。という気持になりました。

今回は展示場に盲導犬や介助犬のラブラドールがいました。その中に、我が家のココちゃんとそっくりのラブがいました。介助犬のシェリーちゃん、7歳です。
シェリーちゃんはザワザワとした会場の中でも、穏やかに飼い主さんの側に寄り添っていました。思わず声をかけ、シェリーちゃんの写真を撮らせてもらいました。
シェリーちゃんは、車いすの飼い主さんの生活のお手伝いをしています。落としたものを拾ってくれたり、具合が悪くなってしまった時には他の人に知らせたりもしてくれるそうです。飼い主さんとシェリーちゃんとの間に流れている、信頼しているという空間がとても素敵でした。

2泊3日でしたが、久しぶりに千葉の実家にも帰ることが出来、私の大学時代にもらってきたビーグル犬りん太郎にも再会することができ、とてもリフレッシュできた小旅行でした。

2010年8月15日(日)
クーニちゃん

「交通事故に遭って58号沿いで倒れていた犬を保護しました。診てもらえますか?」と夜遅くに急患がきたのは1カ月前のことでした。ドアを開けると、後ろ足の立たない白い犬と若い男性が2人、立っています。ワンちゃんは体がかなり痛いらしく、少しでも触ると泣き叫びます。話を聞くと、2人は別々に偶然通りかかり、倒れているワンちゃんを見るに見かねて力をあわせて運んできたとのことです。
「できるだけの治療はしていただきたい。その後飼い主が見つからないなら僕達のどちらかが飼います。」とのことでした。
ショック状態のワンちゃんは危険な状態でしたので、まずは入院治療となりました。翌日、状態は安定しましたが、骨盤が数か所折れていることが判明しました。シロちゃんと名付けたこの子は、とても穏やかで優しい子でした。整形外科手術をいつもお願いしている病院での手術も無事終えた翌日の事です。

「白い犬が保護されていると聞いたのですが・・・」と一人の男性が病院を訪れました。

シロちゃんに会ってもらうと、このMさんがシロちゃんの飼い主さんでした。シロちゃんはクーニという名前で、つないでいた紐が切れてしまって逃げ出したとのことです。それにしてもクーニちゃんの喜びようはすごいもので、ずっとMさんが現れるのを待っていたようでした。

保護してくれた2人の男性とMさんはその後話し合いをして、クーニちゃんは無事Mさんの元に戻ることになりました。その時にお二人が「あの状況だったら誰だって倒れている犬をほっとけないですよ。できることをしたまでです。」とおっしゃっていましたが、誰にでもできることでは決してなかったと思います。
お二人の優しい勇気ある行動によって一つの命が助かりました。

そして今日、久しぶりに病院にきてくれたクーニちゃんはぶんぶんシッポをふって自分の足でしっかりと歩いていました。痛みも無く、元気いっぱいで。よかったね、クーニちゃん

2010年8月2日(月)
モモちゃん

モモちゃんの体のあちこちのリンパ節が腫れていることに気がついたのは去年末のことでした。悪い予想は的中し、リンパのガンであるリンパ肉腫でした。治療しないでおけば、モモちゃんに残された時間はもういくばくもないという状況でしたので、抗ガン治療にふみ切ることになりました。人の方でも怖いイメージの抗ガン剤ですが、もちろん動物にも恐ろしい副作用があります。モモちゃんの飼い主さんのNさんご夫妻は、それはそれは深い愛情と献身で、モモちゃんの闘病生活を支えてこられました。
ガンが勝つかモモちゃんが勝つかのギリギリの攻防は今年1月末から2月にかけての時期でした。発熱が続き、食欲も落ち、下痢もおこり、貧血も出てきました。
その頃のNさんが私に渡してくれたメモ書きがあります。一部ご紹介いたします。

「1月21日(木)AM 7:00おしっこOK。AM7:30ポタージュスープ(ポテト、ニンジン、コンビーフをつぶしてスープ状)を与え、吐き気止めを飲ませた。AM9:30うんこが出た。前回の3倍ぐらいの量(黒くて固い)AM11:30ポタージュスープをめしわんの7分くらい与えた。食べっぷりが良い。PM2:30ビスケットや大根1かけ与えたがOK。吠えるようになってきた。PM6:30おじやを与えた。(ポテト、ごはん、ニンジン、ソーキの汁)薬を投与。少し元気になっている。体のふるえが殆んどなくなってきた。」

毎日毎日病と戦っているモモちゃんを側から支えて、どんなにか心配だっただろうとメモを読み返すと胸の奥にジンときました。今、モモちゃんは若干の抗ガン剤の副作用はありますが、元気に過ごしてくれています。私が心配そうな顔を少ししているときに奥さんがおっしゃいました。
「モモはラッキーな子ですから、乗り越えてくれるはずです。」
そうです。モモちゃんは子犬の頃、事故で倒れているところをNさんご夫妻に保護されたのです。本当にモモちゃんはラッキ―なワンちゃんなのです。

2010年6月24日(木)
幼稚園のウサギ

6月13日、喜名幼稚園にてうさぎの飼い方についてのお話をしてきました。ウサギの好きな食べ物、食べてはいけない食べ物。とても怖がりだから優しく接してほしい事、などなど子供たちの目は真剣そのもので、しっかりとお話を聞いてくれました。日曜参観でもあったので、ご父兄も一緒に聞いていただきました。ご父兄には、「子供の心の成長に動物との触れ合いはとても良い影響があるということ。
そのためには動物が健康で気持ち良く生活していなければならないこと。お休みの日のお世話など、できる範囲でのボランティアはいかがでしょうか」と提案してきました。
喜名幼稚園は先生方が熱心です。去年は飼育舎の床をPTA発案で土からコンクリートに変えました。土だとウサギが穴を掘って中に隠れてしまい、しっかりと健康管理ができないのです。コンクリートにして子供達はお掃除が上手になり、ウサギ達は運動するときは芝生の運動場で走り回る、といった良い環境になりました。しかしその参観日の2日後、小さいウサギが大きいウサギに襲われて大けがをしてしまいました。病院で縫合処置をし、数日入院しました。幸いなことに大事には至らず、元気に幼稚園に帰っていきました。来週は名護の大北幼稚園でもお話をする予定です。
このふれあい教室、どんどん輪が広がるよう頑張っていきたいです。

2010年6月5日(土)
家族想い

ボロボロのロットワイラーとFさんが出会ったのは約9年前の出来事でした。誰か飼い主が探しているかもしれないと保護したFさんでしたが、待てども待てども飼い主は現れず、おまけに妊娠していたため、出産して、たくさんの子イヌのもらい手も探して・・・・。でも飼い主は現れず。とうとうFさんはナナミと名付けてこの子を飼うことにしたそうです。
当初は血気盛んで歩いている猫にも噛みついたというナナミちゃんでしたが、今は年を重ね、足腰も弱り、歩けなくなってしまいました。
Fさんは仕事のお昼時間にも家に帰り、献身的にナナミちゃんのお世話をしています。大型犬が寝たきりになると必ず起こる問題点が「じょく創」です。同じ体勢が続くと下になっている皮膚が傷んでジクジクしたり破れたりしてしまいます。ナナミちゃんも残念なことに胸にじょく創ができてしまいました。その治療でお家に往診に行ったときに聞いたお話がとても心に残りました。
まだナナミちゃんがとても元気な頃、夜中にものすごく吠えまくり、尋常ではない様子にFさんが見に行ったところ、
玄関先に酔っぱらった腕が刺青だらけの男性がいたそうです。ナナミちゃんはその男性に吠えていたのです。道を聞かれ、答えはしましたが家には女性だけ。Fさんはとても恐怖心を感じていました。玄関の扉を閉め、中から外の様子をうかがっていたところ、ナナミちゃんはいっこうに吠えることを止める様子はなかったそうです。朝方、ナナミちゃんの顔を見てFさんはビックリしたそうです。顔中、石を投げられてぶつけられた痣だらけだったのです。ものすごい至近距離から投げられていたと思われる石にひるむことなく、家を守るために吠え続けていたナナミちゃん。
今は穏やかに眠るナナミちゃんの様子からはそんな激しさは感じられませんでしたが、家族を想う気持ちは今も変わらないことでしょう。

2010年5月29日(土)
スズメのすーちゃん

4月の終わりのある日、巣から落ちたと思われるスズメのヒナが保護されてきました。あまりの小ささに驚きながら、餌を美味しそうに食べる姿に感動しながら、せっせと口に餌をはこんであげる日々。すぐにお腹が減るので30分とあかずに餌を与えなけれなりません。親鳥は自然界でこのヒナ達に餌をやるために相当な努力をしているのでしょう。
スズメの「すーちゃん」と名付けたこのヒナは、初めは地肌が露出してなんだかスズメに見えなかったのですが、5月の連休が終わるころにはすっかりスズメらしくなりました。すーちゃんは左足が不自由で、右足のみで生活しています。見ていて可哀想ですが、治せる病気ではなく、一生片足の生活です。ただ上手に飛べもするし、エサも自分からよく食べるし、本人はそれほど気にしていない様子。。。
残念なことに野生には戻すことができません。今後は我が家で保護していくことになりました。娘達もすーちゃんが大好きで、学校から帰るとすーちゃんをケージから出して、机の上を歩くすーちゃんに話しかけています。愛らしいすーちゃんとのこれからの生活が楽しみです。

2010年5月17日(月)
猫のシンデレラストーリー

もひょひょちゃんはとてもラッキーな猫ちゃんです。というのも、役場でうろうろしていて、保健所に連れて行かれるかも・・・という状況のもと、Tさんに保護され、現在は猫飼育仕様の庭付き一戸建て住居に住んでいるからです。
 ちょうど一軒家を立てようと計画中だったTさんは、その家を猫仕様にしたのです。家が完成するまでの6ヶ月間、もひょひょちゃんは病院でお預かりしていました。そして待望のお家が完成しました。猫仕様の家って・・・?と興味深々だった私は、オープンハウスのときにお宅を拝見。
 まず、壁はもちろん爪とぎ対応の壁素材。そしてどの扉にも下に猫が通り抜けられるキャットドアがついていました。そして2階は3部屋とも上に犬走りならぬ猫走りがついていたのです!3つの部屋は天井近くの穴でつながっており、猫が走れる板がついています。その板に登れるように猫用階段も併設。
 素晴らしい設計です。Tさんのもひょひょちゃんへの愛を感じました。
 現在は新しいお家でたっぷり栄養をもらってたくさん遊んで、幸せな生活をしているとのこと。もひょひょちゃんは幸せものです。

2010年3月12日(金)
ウサギの赤ちゃん

「赤ちゃんウサギを保護したのですが、どうすればいいのか分からず困っています。」との連絡を保育園の先生から受けたのは昨夜のことでした。ウサギに葉っぱをあげに行った親子が保育園のウサギ小屋で大人のウサギ達に踏まれているちいさなちいさな赤ちゃんウサギを発見したのです。まだ生まれて1日くらいでしょうか。毛も全くなく、目も耳も開いていないまるでヌードマウスのような赤ちゃんです。冷え切っていて体はまるで氷のように冷たかったです。よく生きていたものだと、すぐ保温を開始しました。
6歳と2歳の娘達も突然の赤
ちゃんの登場に興奮ぎみ。まだまだミルクが必要な次期ですので、こちらでお預かりして育てることなりました。久しぶりの哺乳。体が小さいので飲んでくれるかな〜というこちらの心配をよそに、赤ちゃんウサギはごくごくとミルクを飲み始めました。人間だったらまだお腹にいるような状態なのに、ウサギは生まれて育っていくのですね。たくましいです。子供たちが「ミキティ」という名前をつけてくれて、新しい命をしっかりと育てていかねば、となんだか子を産んだ母親になった気分です。ミキティ、一緒に頑張っていこうね。もう少し成長したらまたお知らせします。

2010年3月1日(月)
愛情たっぷりの食事〜じろちゃん編〜

 お正月休みにプードルのじろちゃんの飼い主さんが旅行に行かれるとのことで、2週間ほど病院でお預かりすることになりました。じろちゃんは目に入れても痛くないほどに飼い主さんに愛されている幸せワンちゃんです。もちろん預けるのも初めてとのことで、じろちゃんが寂しがると思うと、飼い主さんもとても心配していました。さて、じろちゃんはアレルギーを持ちで、以前よりドックフードを食べると体が赤くなってしまう体質でした。手作りご飯にしてから体調が良好となり、ずっと手作りごはんを食べています。今回お預かりするために、2週間分の手作りご飯を冷凍して持ってきていただきました。その内容に私たち全員ビックリ!したのです。
 ある日のじろちゃんのご飯の内容はというと・・・朝食「豚肉、ゴボウ、里いも、白米、ピーマン、トマト、ヨーグルト、ごま」。夕食「とりがらスープ、かぶ、砂肝、アマランサス、かぼちゃ、アスパラガス、トマト、えのき」。続いて翌朝は「七穀ごはん、まぐろ、舞たけ、りんご、ごま、赤ピーマン、ブロッコリー、白菜、ひじき」となります。こんなご飯、私が食べたい・・・。
この食材の多彩さが毎日続いていました。そして飼い主さんのじろちゃんへの愛情がしっかりと伝わっていたはずです。そして、2週間はあっというまに過ぎ、じろちゃんは元気いっぱいに飼い主さんに再会することができました。体は毎日の食事から。「食育」を見直してみるきっかけとなりました。

2010年1月5日(火)
新年明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。
2010年が始まりました。いつも年始めはきりっと
した気持ちになります。お正月の良いところですね。
年末には重症患者さんが駆け込みで来院し、慌ただしい年の瀬となりました。その中の1頭、猫のトラちゃんは2日前から様子がおかしい、ご飯も全く食べないとのことで29日に来院されました。見ると呼吸が荒く、息をするのが精一杯といった状態です。猫がこういう呼吸をするのはかなり重症な時です。検査をすると横隔膜ヘルニアといって、内臓の一部が胸の横隔膜を破って胸腔に入り込んでしまう病気でした。外に行っていたということですので、交通事故にあったのかもしれません。この報告をしたとき、お母さんと一緒に来ていた中学生くらいの男の子の心配そうな、落ち込んだ表情を見たとき、「ああ、この子は本当にトラちゃんの心配をしているんだな。弟みたいな存在なんだろう。」とこちらも同じ気持ちになりました。
点滴で状態を改善してからの翌日の手術となりました。トラちゃんは手術を乗り越え、回復してくれて、お正月の2日、無事お家に帰ることができました。
子供の時に動物に対してこんなに優しい気持ちを持つことができて、この男の子はきっと優しい大人に育っていくのだろうな、こういう子供がたくさん育ったら、優しい社会になるんじゃないかな、と希望を持った今年の初めの出来事でした

2009年10月15日(木)
夏の来客

8月も終わりに近づいた頃、道で倒れていたアカショウビンが連れてこられました。彼は疲れているようで元気も無く、ぐったりしていました。
アカショウビンは初夏に沖縄に渡来する渡り鳥で、「キョロロロ〜」という鳴き声とともに、「夏がやってきたぞ。」と合図をしてくれます。クチバシが綺麗な赤橙色で、全身目を見張るほどの赤や紫色をしています。
ぐったりしている彼に点滴や保温をしてワカサギを与えていきます。ぐったりしていても野鳥は野鳥。クチバシを大きく開けて威嚇してきます。
アカショウビンの飼育はなかなか難しく、今までも餌をあげて元気になったように見えていても突然死んでしまった子もいました。野鳥はとにかくストレスに弱いのです。
今回のアカショウビンは幸い骨折などの外傷は無かったため、栄養状態を上げれば飛べるようになるかもしれません。毎日ワカサギをあげながら、時々外に連れ出して飛行訓練をしました。初めは低空飛行をしてすぐに落ちてしまいましたが、回数を重ねる毎に飛行距離も高く長くなっていきました。そして保護から13日後の9月1日。
彼は手の上から、一直線に振り向きもせず、高い木に向かって飛んでいきました。この時の彼の気持ちはどのようなものだったのでしょうか。
野生の世界は厳しいものです。秋の渡りに耐えられる体力はまだありません。この森に生息している小魚や虫を食べて生きていってね、と心の中でつぶやきました。

2009年8月24日(月)
大好きだよ

マプティちゃんは10才のマルチーズミックスのワンちゃんです。可愛くておりこうで、おばあさんのTさんは目の中に入れても痛くないほどに可愛がっていました。ある日、マプティちゃんの様子が急変し、お腹がパンパンに腫れてきました。慌てて病院にいらしたときには、マプティちゃんは、子宮に膿がたくさんたまってしまう子宮蓄膿症にかかってしまっていたのです。
ぐったりしているマプティちゃんの様子に気が気でないTさん。緊急手術をすることになりました。
Tさんは手術まで点滴をしている間、ずっとマプティちゃんに付き添い「マプティ、大好きだよ。頑張って。痛い思いをしていたのに気づいてあげられなくて、ごめんね。」と繰り返しマプティちゃんに声をかけていました。
マプティちゃんの子宮はこれ以上腫れることができないという程に腫れ上がり、破裂寸前でした。手術も無事乗り切ってくれたマプティちゃん。翌日、Tさんはマプティちゃんと感動の再会を果たし、「マプティ、ありがとうねえ。大好きだよ。」と涙を流しながら抱きしめていました。
無事に退院となった時、「マプティがいなかった数日間は、夜も昼も寂しくて、何をしていても時間が長く感じて、でもマプティが頑張っているから・・・。」と声をつまらせていました。
 
私は大好きな絵本のひとつ「ずっとずっと大好きだよ」を思い出していました。
主人公の男の子は、愛犬のエルフィーに「ずっとずっと大好きだよ」と毎晩伝えていました。歳をとって、エルフィーは死んでしまいますが、男の子は、悲しかったけれど、エルフィーに気持ちを伝えていたことで、エルフィーの死を後悔なく、しっかりと受けとめることができました。 
言葉に出して、気持ちを伝える。出来そうで、なかなか出来ないことです。大切な相手に、声を出して伝えてみよう。とTさんの姿に教えてもらいました。

2009年6月20日(土)
子供達とウサギ

先日喜名幼稚園の子供達に、「ウサギとのふれあい」というテーマで講演をしてきました。今回で、うさぎの「うーたん」を連れての学校での講演は3回目となります。
私も回を重ねるごとに、子供達の表情や反応を見たりする余裕がでてきて、子供達の前で話をするのがどんどん楽しくなってきました。彼らのキラキラした目に希望の光を感じます。喜名幼稚園では先月、新しい子ウサギを、元からいる3羽のウサギのケージに入れたところ夜のうちに襲われてしまい、1羽が前足の皮膚を食いちぎられるという大怪我を負ってしまいました。
このフワちゃんは1週間病院に入院し、この講演の日にみんなのところに帰ることができるようになりました。「フワちゃんはまだまだ足が痛いから、みんなでお薬をあげたり、包帯を交換したりして、面倒をみてあげてくださいね。」との言葉に真剣にうなずく子供達。「新しい子が来たからといって、いじめたりしてはいけないよね。」と、ウサギを通じて大切な事も伝えることができました。学校で飼育している動物をみんなで大切にすることで、様々な事を学んだり体験できるはずです。でも実際の学校の現場では、動物達の置かれている環境が悪かったり、子供と動物との関わりもあまりなかったり、まだまだうまくいっていないという現状のようです。獣医師として、一人の大人として、私が子供達に出来る事のひとつとして、学校で飼育されている動物と子供達の素敵な関係を築くために、活動をしていこうと思っています。

2009年5月1日(金)
基地の動物病院

昨日、友人の獣医さんのご厚意で、嘉手納基地内にある動物病院の見学をしてきました。病院内は外科と内科病棟に分かれており、外科病棟の見学をさせてもらいました。
その日は避妊・去勢手術を行う日だったので、ボードに本日行われる犬・猫達の名前がぎっしり書き込まれていました。犬の避妊が5頭、犬の去勢が3頭、猫避妊が3頭、猫去勢が1頭といった具合です。その数の多さに驚きましたが、その数の手術をなんと午前中だけで行うとのこと!
手術室は2部屋あり、獣医師2名で同時に手術を進行していきます。
隣の処置室で看護士さんが麻酔や気管挿管まで行い、手術室に運びます。そこで獣医師が手術を行い、その手術が終わり運び出される頃には、処置室で次の手術予定の子が麻酔下にいて、運び込まれ、そして手術・・・。といった具合に次々に手術が行われ、気がづくと本日予定の12頭の手術が12時半には終了していた、といった具合でした。
ともかく看護士さんの手際の良いこと!アメリカでは動物看護士も獣医師と同じように国家試験を持っているため、医療行為がしっかりと行え、トレーニングもされているという、いわば資格を持っているプロといった感じです。
あっという間の半日でしたが、同じ動物病院で働いている獣医師として、とても刺激になり、勉強になった見学でした。
そしてもうひとつ驚いた事。それはハンバーガーの大きさ!ビックマックの
2倍はありそうな大きさのハンバーガーとポテトも3人前はありそうな量がでてきました。
そして味は・・・とっても美味しかったです。

2009年2月7日(土)
手術体験記

1月下旬、1週間程お休みをいただいて、腹腔鏡による手術を体験してきました。
卵巣嚢腫が以前からあり、大きくなってきていたので思い切って手術を受けることに決めたのです。日頃犬猫の避妊手術など、手術を行う側ですので、手術を受ける事はとても興味深い体験でした。手術前には血液検査やレントゲン検査、MRI、肺活量の検査などを受けます。手術の前日からおかゆの食事となり、下剤も飲みながらお腹をからっぽにしていきます。前夜からの食抜き、水抜きもなかなかのプレッシャーでした。
いよいよ当日を迎えました。手術着に着替えて手術室へ移動します。執刀の先生、麻酔医、看護士さんなどに囲まれ、横たわります。緊張はこの時が最高潮です。酸素をマスクで吸入しながら
「山下さん、麻酔を
今から入れますよ」
という声を最後にものすごく眠たくなり、まるで熟睡するときのように麻酔の世界へと入っていきました。
はっと気づくと、聞き慣れた家族の声が枕元でします。「あら、もう終わったんだ」と思いながらまだまだ眠たく、うつらうつらしていました。翌朝には意識もはっきりとしましたが、なにせ傷口が痛い・・・。しかし覚悟していたほどは痛くなく、すぐにゆっくりと歩いたりもできるようになりました。後は体の快復力にまかせてグングン元気になりました。
今は術後2週間経ちますが、全く普通の生活に戻ることができました。
20才の時にも同じ卵巣嚢腫で開腹手術を受けましたが、腹腔鏡手術の方が術後のダメージが半分くらいに軽減されたように思います。
手術を受けるにあたって、思ったこと・・・麻酔は一番「死」に近い状態です。そこから無事戻って来れた事に、感謝です。
入院するといつも思いますが、看護士さんの暖かい言葉や、笑顔にかなり助けられます。本当に素晴らしい職業だと思います。いつもの普段の生活がいかに大切で幸せなものか、健康であるということの素晴らしさ、を改めて実感しました。
お腹を切られるワンちゃん、ネコちゃんの気持ちが分かるようになり、これから一段と優しい医療を目指していきたいです。

2009年1月9日(金)
2009年  新年あけましておめでとうございます

2009年はどのような1年になるのでしょうか。今年は丑年。実は年女です。新年は気分もパリッとして、新しい自分が生まれたような気がします。
今年の目標・・・私事ですが、「早起き」・・・なんとも基本的な事なのですが、なかなかこれが難しく、子供と同じ時間に起きてしまいます。CoCo日記に公開した事で、何としても実現していかねば、と気合が入っています。
たくさんの動物たちの笑顔に出会えるように、今年も精一杯頑張っていきたいと思います。
今年もCoCo動物病院をよろしくお願いいたします

2008年9月30日(火)
闘病

我が家の家族と動物達の中で、私と一番長いお付き合いをしているのは、猫のランポです。
大学生の時、友人が道端でうずくまっているところを保護し、そのあまりにか弱い姿を見た瞬間に飼うことを即決した、というのがランポと私の出会いでした。片眼は伝染病によりつぶれ、小さく震えていて、片手の手のひらで持てる大きさでした。一匹では寂しかろう、とちょうど牛小屋で生まれた同じ年頃の子猫をもう一匹もらってきました。(その子はベニと名付けました)
当時木造アパートに住んでいた私は、「ここで猫を飼ってもよいのだろうか・・・」と不安になり、下に住んでいた大家さんに聞いてみました。もしダメと言われたら引っ越しも覚悟の上です。優しい大家さんは、快く許可してくださり、私とランポとベニの生活が始まりました。
猫を全く飼ったことがなかった私は、子猫2匹のやんちゃぶりに驚き、また、猫のいる生活の楽しさにどっぷりと浸かっていきました。その後卒業し、沖縄に一緒に飛行機に乗ってやってきてあっという間に10年が経ってしまいました。ランポは持ち前の人なつっこさを発揮し、入院室のお世話係に。面会に来る様々な飼い主さんに触られて、幸せそうでした。初めは赤ちゃんだったランポが気づくとおばあちゃんに。動物の時計はなんと早く動く事でしょう。
去年末頃から食欲が落ちて、ふっくらした体格がどんどん痩せてきて。腎不全でした。今は点滴を受けながら闘病生活を送っています。老後に私達も直面するだろう闘病、介護、そして死。動物達は体を張って、私達に、様々な事を教えてくれます

2008年9月21日(日)
友人

去年の2月。待望の第2子の妊娠が発覚しました。しかし仕事、ストレス、体力などなど心配は尽きませんでした。
一番の心配事は、仕事。病院の診療をお休みすることなくできるのだろうか?出産直後はどうしよう???そこでまずはお手伝いをしてくれる獣医さんを探すことにしました。
実は私は10年ほど前、1年間県の公務員
をしていた事があります。その新入社員説明会で初めて声を交わした友人が獣医さんで、山下薫さんでした。その後同じ名護勤務ということもあり、仲良く遊んでいました。私が臨床の道へ行き、薫さんが九州に帰ってしまった後も、時々連絡を取っていました。「薫さん、沖縄に来てくれないかな・・・」私の想いは通じ、当時アメリカで行動学の勉強をしていた薫さんは、帰国してからすぐに沖縄に来てくれました。お腹の大きかった私はただもう、嬉しかったです。
10月にはなおが無事生まれ、出産後の体力が戻るまで薫さんにはかなり助けてもらいました。その後は2人3脚で様々な動物達との泣き笑いを共にし、たくさんの想い出ができました。1年はあっという間に経ち、先日薫さんは故郷に旅だってしまいました。薫さんがいなくなった後、ぽっかりと穴が開いたような気持ちですが、またすぐにでも沖縄に遊びに来てくれそうな、そんな気がして、まだ実感が湧きません。
猫のランポが一番寂しそうかな・・・。(薫さんにとても良くなついていたのです)
友人であり、共に苦楽を共にした薫さん、本当にありがとう。これからの薫さんの人生に幸多きことを願っています。

2008年5月29日(木)
小学生とイソヒヨドリ

1ヶ月前の夕方の事でした。小学校4年生くらいの女の子5人組が病院にやってきました。「1週間前に落ちているところを拾ってみんなで交代しながら面倒をみているんです。」と、大切に抱いているちいさなイソヒヨドリのヒナを見せてくれました。「名前はピッチ」「オスかな、メスかな」子供達の楽しげなおしゃべりが受付に響き渡りました。
「ヒナが落ちているときは、親鳥が心配して探し回っているから、安全な場所に移してあげるのが一番いいんだよ。でもこの子はみんなが1週間も保護しているなら、母鳥代わりにみんなで頑張っていこうね」
と私も子供達をサポートしていくことを決めました。
 
その後も「2階からピッチが落ちちゃったあ」「ビービー弾食べちゃったかも」「脚が痛そう」などなど巣立ち前のヒナに対しては様々な困難がピッチちゃんを襲いました。ある夜、「水に濡れたらぐったりしちゃって・・・」と病院に。横たわり動きがおかしいピッチちゃんに、お注射をして暖めてもらいました。
次の日。「元気になったよー。先生ありがとう!」とわざわざピッチちゃんを見せにきてくれました。
羽もそろってきて、パタパタ飛ぶ練習をするピッチちゃんは、そろそろ大空へ飛び立とうと準備をしているようにも見えました。
私は子供達の粘り強い看護と熱心な世話に、心の底で驚きと感動を感じました。

ピッチちゃんが飛び立った事を誇らしげに報告しに来てくれるのを、楽しみに待っていようと思います。

2008年4月25日(金)
優しいお金

先日足をビッコしている、という猫のBちゃんが病院に来ました。以前Bちゃんは避妊手術を受けた後、お迎えにお母さんと男の子が一人来ていました。約束の時間より早くに来ていて、Bちゃんを渡すと男の子が嬉しそうに抱きしめていたのが印象的でした。お母さんが「この子はBが心配で朝早く起きてしまったんです。だから早くにお迎えに来てしまいました。」とおっしゃっていました。そのBちゃんが足を少し痛がっている・・・診察の後、「たぶん捻挫してしまったようで、痛みはあるけれどたいした怪我ではないですよ。数日したら元の元気なBちゃんになるはずです。」と伝えると、お母さんはほっとした様子で、「今回の診療費は子供4人がお小遣いを集めて私に預けてくれたんです。お母さん、大変だからって。」私はその話を聞きながらお会計をしていて、いつものお金が何だか暖かく感じました。子供達の優しい気持ちがたくさんつまったお金でした。

2008年3月22日(土)
食育

「うちの子、ジャーキーや人の食べている味付の物しか食べないんです・・・」
という相談、時々耳にします。初めはドックフードを食べていたけれど、だんだん味の濃いものばかりを欲しがるようになり、飼い主さんもついついあげてしまい、ついには食餌とおやつが逆転してしまう・・・。
こういう状況に一度なってしまうと、食生活を元にもどすのは思った以上に大変です。最後は我慢比べになり、ワンちゃん達の頑固さに根負けしてしまう・・・。マルチーズのA君もここ数年間そんな食生活で生活していました。受診の際、心雑音が聞こえ、「心臓の悪い子に食塩の高い食餌を与えると高血圧になり、ますます心不全が進行しやすいです」と説明したところ、飼い主さんは冒頭の言葉をつぶやき、ため息をついたのでした。
そこで、手作りフードを提案してみました。炭水化物にご飯やじゃがいもを茹でたもの、タンパク質に茹でた肉や魚類、野菜も茹でて混ぜていきます。ネギ類や消化の悪いタコ・イカなど以外であれば人の食べている食材はほとんど犬は食べることができます。ただ、栄養バランスが崩れたり、ビタミン・ミネラルが不足することもあるので、半分はドックフードにした方がお勧めです。
1週間後、A君の飼い主さんは「よく食べてくれるので、嬉しいです」ととても喜んで報告してくださいました。
食餌と一緒に愛情も混ぜ込んで・・・。ワンちゃんにも食育、大事です。

2008年1月5日(土)
新年あけましておめでとうございます

皆さん、新年あけましておめでとうございます。
今年はどんな一年となるのでしょうか。楽しみです。
我が動物病院も随分地元の方々に知られてきて、利用していただき、嬉しい限りです。
 
私達は1月1日、座喜味城趾で凧揚げをしてきました。ものすごい風が吹いていてこんなに高く、速く上がる凧は初めて見た、でもものすごく寒い・・・という状況でした。かじかんだ手を握り、高く上がった凧を眺めながら、今年も飼い主さんと動物達の手助けができますように。と願いました。
こんな風に童心に帰って遊ぶのもいいものですね。

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