SURVIVOR


■私的寸評

「産業ロックの」や「ああ、ロッキーのテーマ曲の」といった接頭句付きで語られがちな SURVIVORだが、良質でメロディアスなハードロックを創出したという功績は素直に賞賛すべきだろう。

SURVIVORを語る上で欠かせないのが一連の映画ロッキーに提供した楽曲(「Eye of The Tiger」「Burning Heart」)だろう。 2曲ともヒット作となり彼らの活動の追い風になった事は確かだろうが、情報が乏しかった当時の日本では(少なくとも中学生の私にとっては) 『一発屋』のイメージが根付くという皮肉な結果にもなった。
*この情報不足のおかげで、高校生の時にラジオで聴いた超名曲「Man Against
 The World」がまさかSURVIVORの曲だと気付かず長年探し続けた。
 (カッコつけて聴き取れない英語で曲紹介した西森マリーを今でも怨む。)

彼らの魅力を一言で表すなら「メロディが美しく温かい」に尽きる。美しいメロディだけならば幾千ものバンドが名曲・佳曲を 残しているが、"温かさ"をも感じさせる曲を量産したのはSURVIVORが随一だ。
名盤『Vital Signs』や『When Seconds Count』、例えば「Is This Love」を聴いてそう感じない人とは友達になれないと 本気で思う。

何故このような素晴らしいバンドが消えたのか?と考察してみた。
1980年代後半の米国といえば、LAメタル全盛とMTVの台頭。個人的にSURVIVORの弱点は「堅実すぎる演奏ゆえにパワー不足」 だと考えているのだが、SURVIVOR的なメロディを本家よりハードに演奏するバンド(例えば「愛に抱かれた夜」のCUTTING CREW) が多数出現した事により、ハード&ヘヴィを歓迎した時代が彼らを見捨てたのだという結論に至った。
*10数年後、彼らを追いやったHMを扱う雑誌BURRN!の編集者がSURVIVORを
 絶賛し、私のような後追いリスナーを産み出したのは何とも皮肉だ。

今でも現役ながら、「懐かしの」という形容詞がついて回るバンドとなってしまったSURVIVOR。 全盛期である1980年代の作品もさすがに音色に古さ(特にキーボード)を感じてしまう事は否めないが、素晴らしき数々の 名曲の価値が損なわれる訳ではない。ましてや現役なのだし、再結成初のフルアルバム『Empires』で「Cry Tough」を筆頭に "SURVIVOR節健在"をアピールしてくれたのだから、これからも期待している。
7thまでのアルバムは日本盤CDは廃盤になっているが輸入盤なら手軽に入手できるので、少なくとも『Vital Signs』と 『When Seconds Count』はメロディアスなHRを愛する人なら死ぬまでに一度は接してもらいたい名盤だ。

■私が好きなSURVIVORの曲
Man Against The Worldこのドラマチックさ。初めて聴いた時の感動は決して忘れない。
Is This LoveWHITESNAKEの同タイトル曲が『陰』ならこちらは『陽』。この爽快感がSURVIVORだ。
Eye of The Tigerベタと言われてもやはり名曲だと思う。凛とした空気が最高。
I Can't Hold BackSURVIVORを真面目に聴こうと思った契機の曲。この美しいメロディは国宝級。
The Search Over目新しさは全く無いバラードだが、心に沁みる。
Cry Tough再結成後もSURVIVOR健在!を確信した"らしさ"溢れる佳曲。このメロディがSURVIVOR。
Burning HeartベタPart2。全盛期の作だけあって自信に溢れた堂々たるVoが素晴らしい。

■データ
・SURVIVORは1978年シカゴにて結成。
・第1期メンバーは、Dave Bickler(Vo)、Jim Peterik(G)、Frankie Sullivan(G)、
 Gary Smith(Ds)、Dennis Johnson(B)。
・"SURVIVOR(生存者)"の名の通り、第1期メンバーはシカゴ音楽シーンで名を
 馳せたメンバーで結成されている。
 →Jim Peterik(G):元IDES OF MARCH。
 →Dave Bickler(Vo)、Frankie Sullivan(G):元MARIAH
 →Gary Smith(Ds)、Dennis Johnson(B):元CHASEの悲劇を逃れたメンバー
・「IDES OF MARCH」と「CHASE」はブラスロックバンド。交流があったのか?
・第2期メンバーは、Dave Bickler(Vo)、Jim Peterik(G)、Frankie Sullivan(G)、
 Mark Droubay(Ds)、Stephan Ellis(B)。
・第3期メンバーは、Jimi Jamison(Vo)、Jim Peterik(G)、Frankie Sullivan(G)、
 Mark Droubay(Ds)、Stephan Ellis(B)。
 →Dave Bickler(Vo)は健康上の理由で脱退。
 →Jimi Jamison(Vo):TARGET〜COBRAを経てSURVIVORに加入。
・第4期メンバーは、Jimi Jamison(Vo)、Jim Peterik(G)、Frankie Sullivan(G)。
 →この3人で『Too Hot to Sleep』を発表後SURVIVORは一度解散。
・プレ第5期メンバーは、Dave Bickler(Vo)、Jim Peterik(G)、Frankie Sullivan(G)。
 →この3人での音源は1993年版『Greatest Hits』で2曲聴くことができる。
 →この3人で活動再開を試みるが契約とれず。Jimiとのバンド名使用権争議へ。
・第5期メンバーは、Jimi Jamison(Vo)、Chris Adamson(G)、Hal Butler(Key)、
 Klay Shroedel(Ds)。Bassはセッションミュージシャン。
 *バンド名使用権争議で勝利したJimiの『Empires』の構成を第5期とした。
 *『Empires』は"無駄な混乱を防ぐ"ため「Jimi Jamison's SURVIVOR」名義。
・第6期メンバーは、Jimi Jamison(Vo)、Frankie Sullivan(G)、Chris Grove(G,Key)、
 Mark Droubay(Ds)、Barry Dunaway(B)。
・第6期で『Reach』を発表。本作にはJim Peterikがソングライターで参加。和解?
・SURVIVORオフィシャル・サイト
 http://www.survivormusic.com/index2.cfm?dspeed=3&

■SURVIVORの作品
  • Survivor (1980年1st *第1期)
  • Premonition (1981年2nd *第2期)
  • Eye of The Tiger (1982年3rd *第2期)
  • Caught in The Game (1983年4th *第2期)
  • Vital Signs (1984年5th *第3期)
  • When Seconds Count (1986年6th *第3期)
  • Too Hot to Sleep (1988年7th *第4期)
  • Greatest Hits (1990年)
  • Greatest Hits (1993年 *プレ第5期音源も収録)
  • The Finest Selection (1999年 *Best)
  • Empires (1999年8th *第5期。Jimi Jamison's SURVIVOR名義)
  • Reach (2006年9th *第6期)

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