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Yngwie Malmsteen |
| Eclipse |
| 1990年発表,5th |
■私的評価
超人的ギタープレイと古典的な構成の楽曲で私を魅了するイングヴェイ。
RAINBOWの楽曲をソリッドでヘヴィに再構築したかのような彼の作品には今だに酔わされてしまう。
数ある彼の作品の中で万人が名盤だと認めるのは3rd『Trilogy』や続く4thの『Odyssey』だろうし、私も好きなアルバム達だ。
しかし本作には「Motherless Child(Tr4)」、「Demon Driver(Tr8)」、「Eclipse(Tr11)」と"私的イングヴェイの名曲10選"に入る曲が
3曲も収録されているうえに、初めて彼のLiveに行ったのが本作発表時のツアーだったという思い出も作用し、この『Eclipse』
を最も愛聴してしまうのだ。
正直な話、本作発表時のBURRN!誌レヴューで酒井氏がコメントしていた通り「良曲半分、駄曲半分」というレベルの
作品だ。しかし、前述の通り良い曲群に"超名曲"と称すべき曲が3曲もあるのだから、もうそれだけで名盤の価値があるのでは
ないか?
*キャプテン和田のように「1曲でも名曲が収録されていれば名盤だ!」とまで
言うつもりはない。
と、感情論だけでは面白くないので私的音楽分析を述べるが、本作の特徴は「ギターとキーボードのバランスが彼の作品中
で最も良好」という点と、「北欧独特の透明感を実現」の2点であると考える。
まずギターとキーボードのバランスだが、これは楽曲の中でバトル的にキーボードがクローズアップされる構成になっている
という意味だ。
発想はDEEP PURPLEほどでは無くRAINBOWに近い。顕著な例がTr4とTr8だ(だから超名曲と評価してしまうのだが)。
ここまでキーボードプレイが前面に出た楽曲は、本作以外には見当たらない。
そして"透明感"だが、これはサウンドプロダクションとバッキングキーボードの音色、そしてヴォーカルの無機質さに起因している。
1st、2nd、4thではコモリ気味の音だし3rdは煌びやか。それが何故か本作では冷気をも感じさせる"鋭い音"になっているのだ。
次作6thでは更に冷たさを増すが鋭さは消えてしまう(レコーディングエンジニアの功績?)。
そんな鋭い音を飾るキーボードの音色は、その後の北欧勢(例えばCHILDREN OF BODOM)にも継承されているものだ。
不思議と使用範囲が北欧圏アーティストに限定されているような気がする。国民性なのか?
そしてヴォーカルの声質も大きい要因だ。狂っていると思うファンもいるだろうが、個人的には本作でのGoran Edmanが最もイングヴェイに
マッチしたヴォーカルだと思っている。元EUROPEのG、John Norumの1stソロアルバムで名曲「Love Is Meant to Last Forever」や超名曲
「Eternal Flame」を熱唱した彼だが、その当時から「どこか感情を殺して歌っている」ように聴こえた声が本作では更に感情を抑圧
されているのだ。「やはりイングヴェイにビビっていたのか?」と下衆な勘ぐりもしたくなるが、本作では正に正解。賞賛に値する仕事ぶりだ。
本作以降、ギターソロが完全に手グセ的になるイングヴェイ。現在の彼の作品しか知らない方はぜひ本作のTr4,Tr8,Tr11を
聴いてみて欲しい。本人は間違いなく否定するだろうが、「ソウルフルなギターソロ」という言葉でヌルい演奏を誤魔化している
今の姿からは想像もつかない構築美を感じさせる演奏を堪能できる最後の作品が本作なのだから。
■データ
・メンバーは、Yngwie Malmsteen(G,B)、Goran Edman(Vo)、Mats Olausson(Key)、
Svante Herysson(B)、Michael Von Knorring(Ds)。
*全員スウェーデン人がバックを固めたのは本作が初めて。
・本作の日本盤には「Making Love」の"Extended Guiter Solo Versionが。
ボーナストレックとして追加収録。さほど違いは感じられない。
・後年インタヴューでイングヴェイ本人が語ったが、Tr4は実際の音源を早回しに
してヴォーカルの声域を上げてる。
*よってLiveでは演奏されていない・・・楽しみにしてたのに。
・Tr2がイングヴェイ史上初の"ジミヘン系楽曲"として発表当時話題になった。
■収録曲
| Tr1 | Making Love |
| Tr2 | Bedroom Eyes |
| Tr3 | Save Our Love |
| Tr4 | Motherless Child |
| Tr5 | Divil in Disguise |
| Tr6 | Judas |
| Tr7 | What Do You Want |
| Tr8 | Demon Driver |
| Tr9 | Faultline |
| Tr10 | See You in Hell (Don't Be Late) |
| Tr11 | Eclipse |
■Yngwie Malmsteenのほかの作品
- Yngwie J. Malmsteen's Rising Force (1984年1st)
- Marching Out (1985年2nd)
- Trilogy (1986年3rd)
- Odyssey (1988年4th)
- Trial by Fire (1989年 *Live)
- Eclipse (1990年5th)
- The Yngwie Malmsteen Collection (1992年 *Best)
- Fire And Ice (1992年6th)
- The Seventh Sign (1994年7th)
- Magnum Opus (1995年8th)
- Inspiration (1996年9th)
- Facing The Animal (1997年10th)
- Concerto Suite (1998年)
- Live!! (1998年 *Live)
- Alchemy (1999年11th)
- Anthology 1994-1999 (2000年 *Best)
- War to End All Wars (2000年12th)
- Yngwie Malmsteen Archives (2001年 *Box Set)
- Concerto Suite (2002年 *Live)
- Attack! (2002年13th)
- The Genesis (2002年14th)
- Unleash The Fury (2005年15th)
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