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エースをねらえ! 2 |
| 原作:山本鈴美香 |
| 1988年O.V.A.として発表 |
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エースをねらえ! Final Stage |
| 原作:山本鈴美香 |
| 1989年O.V.A.として発表 |
■私的評価
「岡、エースをねらえ!」の名セリフで幕を閉じるTV版『新・エースをねらえ!』。
最下段にある関連作品の年号を見れば放映時期の都合で第2部を度外視するしかなかったと一目瞭然であるが、
原作版『エースをねらえ!』で
感動した人間としては、精神世界の高みを極めんとする第2部のアニメ版も見てみたいというもの。
その第2部をO.V.A.として制作されたのが本作『エースをねらえ! 2』と『エースをねらえ! Final Stage』だ。
宗方の死から立ち直るまでを描いた『2』。完全復帰から世界を相手に飛躍してゆく過程と先輩達のその後の人生を描いた『Final Stage』。『2』の制作時には既に『Final Stage』の制作も決定していたという事なので、この二作はセットとして考えるべきだ。
*映画『Back to The Future』の2作目,3作目と同じような関係。
劇場版と同様、完全に出崎ワールドのドラマに昇華された本作は、岡ひろみという"日本テニス界の
至宝"をいかに守って育ててゆくかに終始する原作と異なり、後進の才能に追われ抜かれる宿命の先輩達を描いく事でドラマ性を
膨らませている。
よって、お蝶夫人と加賀のお蘭の強烈な存在感によって、鑑賞中はひろみの存在を忘れてしまったほどだ!
原作では淡々とひろみのサポート役になってしまう二人の先輩だが、"かわいい後輩"の立場に嫉妬し簡単には抜かせまいと
アガくのが先進として当然の心理だろう。よくぞ描いてくれたと出崎氏に感謝状を進呈したいくらいである。
テニス学的に具体的な理論で裏付けされたひろみと宗方が目指したテニス最終形、そもそも何故宗方が育てるのが
岡ひろみだったのか?宗方の病気とは?など、今回も出崎の解釈によって原作ではウヤムヤに終わった謎が明かされてゆくが、
この理由付けも見事の一言だ。「ココは原作通りに描いて欲しかった」と思う場面も確かにあるが、本作と原作が互いに
補完し合っていると思えば些細な事だ。我々は、ただこの濃密なドラマに身を委ねるだけでいい。
元気さが無いのにテニス中の叫びは怖い岡役の水谷優子、気高さが希薄な竜崎役の榊原良子、
とメインキャストが大きく入れ替わってしまい違和感が先立つ本作だが、愛川マキ役を菅谷政子で変えずに残してくれた御配慮に感謝する。
10年前と変わらぬこの声があってこそ『エース』だろう。
各DVD3枚組全15話だが一気鑑賞必至の名作。お蝶とお蘭の生き様に涙せよ。
*『Final』終盤、クイーンズカップでのお蘭の姿は鬼神の如し。
バスティーユ牢獄戦でのオスカルの姿とダブったのは私だけだろうか?
■データ
・原作は山本鈴美香。
・愛川マキ役の菅谷政子は出崎氏の先輩。だから使うのだと出崎氏の弁。
■エースをねらえ!関連作品
- エースをねらえ! (原作マンガ第1部:1973年〜1975年)
- エースをねらえ! (原作マンガ第2部:1978年〜1980年)
- エースをねらえ! (アニメ1974年)
- 劇場版エースをねらえ! (アニメ映画1979年)
- 新・エースをねらえ! (アニメ1978年〜1979年)
- エースをねらえ!2 (O.V.A.1988年)
- エースをねらえ! Final Stage (O.V.A.1989年)
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