◆あらすじ◆
伊勢の国二見が浦の神職渡会の某は、神に御暇を告げずに諸国を廻る旅に出かけたため、その報いからか急死してしまいます。しかし三日目には生き返り、そしてこの時から頭髪が真白になってしまいます。
その後も渡会の某は諸国をさすらい、歌占を人に引かせて渡世としていました。
そして加賀の国白山の麓に来た時に、歌占がよく当たるということを聞きつけた里人と父を尋ね歩く子どもが見てもらいに来たので、それぞれに短冊を引かせたところ、なんとその子どもは我が子であることがわかります。
渡会父子は邂逅を喜び、一緒に伊勢の国に帰る事となります。そこで里人が別れを惜しんで地獄の有様を語ってほしいと頼むと、父親は少し神気に憑かれたかの様で、地獄の模様をクセ舞に作って謡いきかせ、謡い終ると共に狂気から覚め、親子は連れ立って伊勢の国へと帰って行きます。
病父の生死を占ってもらう白山の麓の里人(長野 裕)
「北は黄に、南は青く東白、西ぐれなゐの染色の山。」
父親は蘇命路で命が蘇ると判じる。
つづいて子ども(菅沢康平)が短冊を引くと
「鶯の、かひごのうちのほととぎす、しやが父に似てしやが父に似ず。」
行方知れずの父にすでに逢っていると判じて・・・
折りしもほととぎすが鳴き、不思議に思い名乗りあってみれば、我が子幸菊丸であることがわかる。
再会を喜び、子を連れ伊勢の国へ帰ろうとする男神子に、里人は地獄の曲舞を所望し、神子は神がかりになるのを恐れながらもそれに応じ・・・
現なき有様の中、地獄めぐりの体験を舞い始める。