鹿角「子どもの医療とお産に関するアンケート」の集計
ダイジェスト版
目的
鹿角地域の「子どもの医療、及びお産」に関 して、住民が日頃感じていること、困っていること、望んでいることを、大枠で明らかにする ために行いました。
方法
鹿角市・小坂町、及び同教育委員会の了解のもと、市町内の保育園・幼稚園・小 学校・中学校にご協力をいただき、幼児・児童・生徒の保護者を対象に、自由記述
式アンケート(無記名、回答肢を設定しない方式)を実施しました。
期間
(配布) 2010年(平成22年)1月22日
(回収) 2010年(平成22年)2月18日
回収数
配布数 4,489枚 回収数552枚 回収率 12.3%
集計
1.アンケートは自由記述式であり、数量的な集計はしていません。
2.自由記述の趣旨を把握し、3つの大項目、30の小項目に分類しました。
なお、このダイジェスト版では、それぞれに代表的な意見例を掲載しました。
概評
1.自由記載の割には共通した思いが多く、その意味で、アンケートの当初目的は充分に達成されたと思います。
2.医療に関連する機関・政策・行政への不満や要望の他、地域の将来を視野に入れた高い見識、この課題の改善のための提案、それに自ら係っていきたいという主体的な思いなど、全体としてきわめて建設的で前向きな意見が目立ちました。
3.それだけに、多くの住民が、鹿角の「子どもの医療とお産」に関して不安と危機感を抱いており、このアンケートをきっかけに何らかの具体的な行動に結びつける必要性を痛感しました。
アンケート結果
@ 医療機関・医療行政・医療政策への不満や要望
(1) 以前診察を受けたときに適確な診断が得られなかった
☆ 以前、子どもの膝の痛みで市内の病院を受診しましたが、ちゃんとした検査もしてもらえず、シップを出されただけ。いっこうに治らないので、市内の別の病院を受診し、検査を受けたところ、股関節の病気と判って入院しました。そのことがあってから、最初の病院は、いまだに受診することはありません。
(2) 病院スタッフの対応でイヤな思いをしたことがある
☆ 以前、他市の病院で診断を間違われたことがある。その病院のスタッフは過労状態だったそうだ。医師の過労は患者とのコミュニケーションの質を低下させたり、時にはドクターハラスメントに繋がることもある。
(3) 医師がいつも変るので、困っている
☆ 妊娠したとき、行くたびに別の先生の診察で、初めての妊娠でもあり、すごく不安に感じたことがありました。
(4) 鹿角地域の医療関係者全体がイラ立っている
☆ コンビニ受診を避け、家庭常備薬を飲ませて登校させた子どもの熱が下がらず、学校からの連絡で「インフルエンザの検査を受けるように」と言われ、早退下校しました。私は転入者なので、鹿角の医療事情がわからず、学校の紹介でA医院を受診。しかし「今、うちではやっていないの!!他のところに行って!!」と言われ、B医院へ。そこの医師には「ちょっとやそっとの熱で、『インフルの検査をやってもらいなさい』っていう学校も、あまりにも検査・検査と言いすぎだ。その検査の用品も数がないから、ちょっとの熱で本当はやれないんだ」と言われました。
(5) 医療の中身や質の充実を
☆ 私は扇田病院で子どもを産みました。なぜなら、扇田病院は完全看護だったからです。私の母は仕事でとても忙しかったため、とてもありがたい制度でした。鹿角にも、そういった病院があればいいと思います。
(6) せめて待合室の充実を
☆ 全体的に診察してもらうまでの時間が長く、待つ場所を大きくするなり、本を置くとか、ビデオやDVDを観ることができるテレビを1台待合室に置いてもらえると嬉しいです。
☆ 小さい子どもたちが落ち着けるよう、床にマットレスなど敷いて、親も床でオムツ交換ができるようにしてほしい。また、点滴など、子どもから目が離せない場合など、近くに自動販売機などがほしい。
☆ プレイルームのようなスペースが欲しいといつも思っています。
(7) 受付の方法に工夫を
☆ 電話やメールを使って受付をして、何時ごろ病院へ行けばいいのかがわかるようなシステムがあればいいのにと思います。
(8) 医療施設の改善を
☆ 病院に行って困るのは、トイレの問題です。デパート等では当たり前のベビーベッド・ベビーチェア付き個室トイレ。もしくは一時預かりを頼めれば良いなと思います。
☆ 子どもが体調を崩すと親が仕事を休むことになりますが、少しでも良くなると、すぐ保育園に出してしまいがちです。回復期、安定した症状の子どもをあずかってもらえる施設(病院?)があれば、大変助かると思います。
(9) 「夕やけ診療」があると助かるのだが・・・
☆ 病院に午後診療があった時に、学校が終ってから通院でき、とても助かりました。
☆ 「夕やけ診療」など、PM8:00頃までの診察できる医療機関ができていただけると、子どもをもち、働いている人にはとてもありがたいです。
(10) 専門医療のことも描いた、鹿角の「病院地図」があればよい
☆ 専門医が少ない感じがします。専門医のいる病院、休診日、場所などを描いた、地域の「病院地図」があればよいと思います。子どもがアトピーなので、詳しい先生を求めて大館に通ったりしていましたが、鹿角にもそういう先生がいたらなぁ・・・と感じます。
(11) 妊産婦のケアの充実を
☆ 病院外でも行える定期検診を助産師にやってもらうのもいいかなと思いました。
☆ 産後(入院中)の母親に対する精神的・体力的ケアを充実させてほしい。
12) 小児科・皮膚科・耳鼻科・眼科が不足している
☆ たまたま里帰り出産で盛岡に帰っていたとき、上の子がクレープ症候群で、夜間でも診療している小児科に診ていただき、入院しました。もし鹿角で発症したらどうなっていたのだろうと心配になってしまいました。親としては、すぐに診ていただける小児科・皮膚科・耳鼻科・眼科等があると、子育ても仕事も心強いです。
☆ 小坂町内にも小児科や耳鼻科があればと思います。
(13) 医療費を安くしてほしい
☆ 予防注射は高価なので、ぜひ、すべてのワクチンを無料にしてほしいと思います。
☆ 熱を出したり、怪我をしたりと、子どもは病院に行くことが本当に多いです。医療費を、無料とまでは思いませんが、所得に関係なく、ある年令までは医療費を考えていただければ、大変助かります。
☆ 出産の際にかかる費用を一時金で全額まかなえない。はみ出した分を払うのは簡単じゃない。子どもがほしくても、踏み出せない一因になっている。育児中の手厚い保障もほしい。秋田県、そして鹿角市は、賃金も低く、仕事も選べるほどない。もちろん高い給料の所に勤務したいが、家庭の事を考えると、ある程度融通のきく所でなければならず、そうすると必然的に最低賃金になる。
A 鹿角が「安心して暮らすことができる地域」になるために
(14) 鹿角は子どもが育つ環境として最高な場所
☆ 他の地域では、里帰り出産も断られている中、鹿角では、組合病院の婦人科の医師2人体制で診てくれているので、恵まれていると思っています。
☆ 医療が充実していない点を除けば、鹿角ほど子どもが育つ環境として最高な場所はないと思います。
(15) 医師がいない、あるいは少ないことを実感
☆ 大館市立病院や労災病院などに行くと、住所が鹿角なので「鹿角組合病院に」とよく言われる。
☆ 妊婦検診のときです。胎児の超音波の途中で、担当医が緊急手術により行ってしましたのです。お腹を出して横になったまま、1時間ほど待たされました。
☆ 私は、鹿角へ転勤で越して来ましたが、子どもが耳が痛いと言うので耳鼻科へ行ったら、毎日ではなく、週何回というのにビックリしました。
(16) 医師を確保するための対策を
☆ 小児科・産科の充実は、鹿角にとって必要だと思います。財源については「ふるさと納税制度」の推進が考えられます。大都市で生活している地方出身者は、自身の出身地の疲弊を望んではいないと思います。
☆ 医師不足に関しては、病院だけで解決するのは難しいと思うので、行政や市民の協力も必要と思います。
(17) せっかく「当番医」があるのに、実際にはタライ回しの理由にされ、機能していない
☆ 先日、子どもが40℃近くの熱を出したのですが、その時たまたまかかりつけの病院がお休みで、近くの小児科もお休み。土曜日だったのですが、当番医は午後5時から。その近くの内科は午後休診。毛馬内へ向かい、小児科・内科とまわってもダメで、結局、薬局で風邪薬と座薬を買いました。小児科3軒、内科3軒を車に乗せて回り、熱を出している子どもはグッタリしていました。
☆ 喘息の子どもがかかりつけの組合病院に受診したところ「今日は小坂診療所が当番ですので、そちらへどうぞ」と言われ、八幡平から小坂に行きました。すると「紹介状を書くので、組合病院に行くように」と言われてしまいました。
(18) 救急医療の充実を
☆ 3才の子どもが耳の痛みを訴え、激しく泣いて嘔吐しました。休日の夕方だったので組合病院に駆け込みましたが、緊急以外は当番医へ行くようにと診察を断られました。親にとっては「緊急」なので、すぐ行った当番医は「池上レディスクリニック」。耳鼻科は専門外だし、子どもには薬も出せないと言われて帰りました。
(19) 医療環境が人口にも影響する
☆ お産のとき、助産院と病院の両方を経験した者です。助産院では、出産のときから、赤ちゃんが生まれてからの過ごし方などもサポートしてもらい、とても満足感の高いものでした。お産のときの満足度は、その後、また産みたいかどうかという意欲にもつながるのではないでしょうか。
(20) 鹿角に住み続けるためには、医療の充実が・・・
☆ 転校して来る前まではアレルギー性鼻炎の治療をしていたのに、鹿角に住むようになってからは、授業を休ませることになるし、いつも子どもに我慢させています。以前は喘息もありましたが、転校する前に喘息も治りました。喘息が続いていたら、ドクターの少ない鹿角には引っ越して来なかったかもしれません。
(21) このままでは、鹿角で安心してお産や育児はできない
☆ 人の命は待ったなし。地方だからといって、安心して暮らせないのは「差別」「地域格差」です。
☆ このままでは鹿角で安心してお産や育児はできません。私は、大館市内の病院に勤務しておりますが、鹿角からの母体搬送の多さを目の当たりにしております。自分自身も鹿角市内の小児科にかかることはほとんどなく、夜間救急は大館市です。お産も大館でした。ところが、大館市立病院は、市外の妊婦は、たとえ病院職員の家族でも「里帰り」は絶対受け入れていません。もし、鹿角でお産しても、異常分娩や子どもにリスクが高いときなど大変です。どうか、「かづの厚生病院」の周産期医療の体制を充実してください。
B 医師の苦労と、患者の思い、そのどちらも解決する方法の模索
(22) 医師のひと言で救われた
☆ 子どもがつらい症状になったときに、先生から「いつでも連絡をください」と言ってもらい、不安な親の気持ちも、このひと言で軽くなり、先生に対する信頼感を持ちました。
☆ 以前、組合病院にいらした先生が、「もし心配なら、いつでも電話しなさい」と言ってくれました。その言葉だけでとても安心したのを覚えています。
(23) 医師が頑張っている姿を見て、かえって心配になった
☆ 子どもの入院時、小児科の先生がとてもよく説明してくれました。とても安心したことを覚えています。しかし、その時、外来も同じ先生が診ていることを知り、先生はいつお休みになっているのか、心配でした。小児科の先生が増えてくれれば良いと思いました。
(24) 働く医師にとっても、患者にとっても安心できる環境を
☆ 小児救急で対応できる病院がないどころか、小児科医も常勤1名という病院の現状。病棟で急変患者が出たら、その日の外来診療はストップという日もときどきあります。患者の不安もありますが、医師も一日中多忙。夜間・休日も呼び出しで、これでは、医師が倒れてしまいます。働く医師にとっても、診てもらう患者にとっても、安心して生活できる環境や体制づくりを、早急にとってもらえるように望みます。
(25) 子どもの病気の基礎知識を学べる講座を
☆ 最近、小児医療の負担軽減のためにも「病院への駆け込みは控える」という呼びかけを耳にしますが、母親の不安を軽くするための活動も不可欠です。子どもの病気の基礎知識を学べる機会(講座)の開催はどうでしょうか。私が出産した県外の病院では、自治体と連携し、子育て講座が多数企画されていました。私個人としては、小児科受診の際、そこに至る子どもの変化(発熱・食欲・睡眠・機嫌・病歴等)を一読できるようにまとめ、医師に渡すようにしています。
(26) 困ったときに相談できる場所がほしい
☆ 夜間は、電話などで、症状を説明し、応急処置ができる専門の相談先があれば良いと思います。
☆ 受診する前に問い合わせができる病院以外の機関があれば助かります。
☆ 産婦人科では、心配な状態のとき、病院に電話すると、看護師さんに相談することができます。受診のタイミングも確認することができました。小児科でも、もう少し詳しく看護師さんに相談できたら、無駄な受診、特に時間外の受診を減らすことができるのではないでしょうか。
(27) 子育てサポーターや教育機関の充実を
☆ 困っているのは、子どもが病気をしたときに預けるところがないことです。祖父母と同居していないので、なかなか働きたくても思うようにいきません。病気をしている子ども(風邪等で自宅療養)でもあずかってもらえる「子育てサポーター」がいたら、とても助かります。
(28) 受診の判断を適確に行えるようになりたい、学習サークルがほしい
☆ 子どもの機嫌が悪く、いつまでも泣きやまない等、親がどう判断したら良いかがわからないとき、いつでも相談できる、信頼できる人がいたら、若いママさんも安心して子育てができると思います。病気の事、子育ての事など、気軽に話し合える場やサークル等がたくさんあったら良いと思います。
(29) 「救急受診パンフレット」があればいい、♯8000の活用も
☆ 病気のサイン、症状と対応などについての医師の解説、♯8000の使い方などについて、図が入った判りやすいパンフレットがあればいい。
(30) 住民も地域の医療に参加したい
☆ 医師も1人の人間、労働者です。地域に根ざした医療提供できる環境づくりについて、地域に暮らす人たちは、医師や看護師との意見交換をする場も必要と思います。
☆ 住民である私たちが協力することで、役に立つのならば、積極的に参加していきたいと思っています。自治会や広報などを通じて、呼びかけてください。
以上
こちらに掲載したものは、多くの意見の中から代表的なものを抜粋したものです。
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