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第一話 アクシデント
吉川幸広は宏美に肩を揺さぶられ目が覚めた。
「先ほど起きると言って、もう20分も経ったわよ。いい加減に起きて〜。遅刻しますよ」
僕は、昨日、月のサントール地区で忘年会があり、飲みすぎたのを思い出した。
頭が痛い、二日酔いであった。
「あ〜あ。嫌になっちゃうな」
このまま、昼まで寝ていたい気分だ。
だが、今日は授業があった。
しかも、土星を周遊している衛星の、質量や成分、温度等の実習がある日だ。
「宏美、風呂を沸かしてくれ。レベルは疲労細胞回復にセットだ」
「また、飲みすぎね。人工培養肝臓が手に入り移植出来る時代でも、急性アルコール中毒は、ドクターロボが居ない地区だと、命を落とす危険があるのに、飲みすぎたの。もう」
「うるさいなぁ。ロボットの宏美に言われたくないよ」
「なに言ってるの、私に家事どころか彼女役までやらせて」
「だって、家事、彼女と兼務が出来る複合型じゃん、お前は。それと、最近、馴れ馴れしくなってきたよな」
「ええ、そうよ。彼女役が1年を越えると、そうなるようにプログラムされているもん」
「新しいのに替えようかな」
「何、馬鹿を言ってるの。人間と同じで、私が納得し、お互いの合意が無いとロボットと言えども別れられない、交換できない。法律で定められているのは知っているでしょう」
「ああ、分かってるよ、冗談だよ。君の事は結構好きさ。人間のつもりで接してるよ」
「最初っから、そう言いなさいよ。それより朝食の時間は無いから、味噌汁のドリンクカップとハムエッグのチューブ型流動朝食を用意しておいたわよ。エアカーの中で食べて」
「ありがとう。お酒を飲んだ次の日の朝は、味噌汁だよ。気が利くね」
「はい、エアーカーを玄関前に回したわよ。今日は土星で授業だから、念のため、耐熱服にしてね」
「あれは薄い生地だけど妙にゴワゴワ感があって、嫌なんだ。普通の服にするよ」
「何言ってるの。万が一、エアカーが故障したら大変じゃない。じゃあ、鞄に入れておきますよ」
「ああ、そうしてくれ」
西暦2113年12月
僕は地球のローザンヌ大学、大学院2年生だ。
で、物理学の先生を目指している。
26歳、一寸、奥手の青年だ。
何故、奥手かと言うと、本物の女性と恋愛はしたことが無い。
今まで好みの女性のデュプリケートロボットで恋愛してきた。
その経験は5人程あり自信はあるが、本物の女性となると自信がなかった。
ロボットの宏美は最新型で身長160cm体重45kgのスレンダーな体型に、色白、うりざね顔の美人、茶髪である。
内蔵と皮膚は人間の物を培養し植え付けてある。
脳は人間の脳からコピーした物では無く、ヒューマン型コンピューターの2090型だ。
この2090型は、一般常識が脳内に詰め込まれている。
骨格は人間の骨と同じ形状だ。
ただし、どんな衝撃があっても骨折は無く、せいぜい折れ曲がるだけだ。
人間のようにポキっと折れないように、柔軟な材質で出来ている。
外観だけだと人間にソックリだ。
臭い息もするし、排泄物も出る、切りつければ血も出るし、涙、耳垢、鼻汁、汗等も出る。
もちろんセックスも可能になっている。
希望があれば、自分の好きな人の脳細胞をコピーし思考や好み、趣味、癖等は、そっくりに出来、もちろん外観もそっくりに作れる。
ただし相手の承諾が得られない場合はコピーすることは出来ない。
ロボットは何台も自分で持つことは法律で禁止されていて、1人1台までである。
でも、人間同士で恋愛するのは1人で何十人と付き合おうが自由であった。
それは法律でも認められていた。
ただ、結婚という、21世紀辺りまであった習慣は、この時代には無くなっていた。
宗教上の理由で一夫一婦制度をしている人達が、少数ではあるが結婚していた。
ほとんどの人が独身のままだった。
子供を堕胎することも21世紀で無くなり。
妊娠した時点で、出産用ロボットの子宮に移し替え、代理出産をさせていた。
希に、これまた宗教上の理由で、本人が出産する場合もあった。
人間との違いは、パスポートや身分証にデェプリケーターと書いてあるのと、病気になったり、犯罪をしないぐらいしか、見分けがつかなかった。
唯一、金属探知機で反応が出るのが違いとも言える。
2050年には細胞を老化させない技術が発達し、人間は誰しも150歳まで生きる事が出来るようになっていた。
それ以上は細胞が急激に駄目になり、150歳ジャストで死んでしまう。
まだ現代科学では、その原因が完全にカイセキされていなかった。
したがって、不老長寿は無理であった。
ただ脳細胞の全ての記憶や性格は記憶する技術が確立し、将来、保存してある体の一部を復活し、クローンの体が造形出来るようになれば、永遠に生きながらえる時代になるであろう。
その時のために全宇宙に開拓を進め、人が住めるスペースを増やしている。
その後2060年には、自分の好きな年齢にセットすると、その世代の細胞に、約1週間で成る技術も開発し実用化された。
多くの人は20歳代にセットし生活している。
時々好奇心で老人や子供にセットするときも希にあった。
僕は実際の年齢は26歳だが、細胞年齢は20歳にセットしてある。
その方が若さで、もてるような気がするからだ。
だがそれは自己満足でしかなかった。
この時代では21世紀以前の旧時代のようなブスやデブ、ハゲ、ちび、短足は遺伝子操作で生まれる前に補正され、姿での不公平は無くなり、その人の性格や人間性だけが、異性を選ぶ基準になっている、だから、いくら若い世代にセットしても意味が無かった。
エアーカーは光のスピードで飛ぶ宇宙船だ。
1人乗りから500人乗りまでの物がある。
1人乗りは全長が10mで幅は5mのほぼ楕円の球体である。
500人乗りは全長180mに幅90mの同じく楕円形の球体だ。
エンジンは半重力物質の放射で加速し重力圏を出た後、真空地帯はコア物質を噴射し加速していき、光を少し上回るスピードになる乗り物で、主に太陽系内の惑星移動用の乗り物である。
天気予報で今日の流星は少ないと、言っていた。流星がバリアに当たって起こる、バリア揺れも少ないだろう。だから、ゆっくり本が読めそうだな。
早く、大学院を卒業して先生の身分になりたいよ。
先生だとハイパーシャトルに乗れるし、今日もハイパーシャトルなら10分程で到着し、ユックリ珈琲を飲めたのに。エアカーだと30分はかかる。
「ヤンなっちゃうよ」
「何ぶつぶつ言ってるの。行ってらっしゃい」
「うん、行ってくる」
地球の大気圏を出る時に、一寸キシキシと言う音がした。
反重力装置が調子でも悪いようだ。多少、体が重く感じられたのも、そのせいかなと思った。
地球から土星方向は視界がクリアで、流星やチリも無く、星空がギッチリと宇宙の果てまで見えて、気持ちのよい日だ。
土星まで、あと5分の時に、突然エアカーが止まった。
「コアエンジンの故障か?」
先週、点検に出したばかりなのに。
「まいったなあ」
真空地帯だから、反動でそのまま前には進むが、土星の方向からは5度程ずれている。
太陽系無線で、最寄りのサービスステーションを呼び出したが、応答は無かった。
念のため、警察や消防署も連絡してみたが、応答はない。
普段、市民は生命に危険な状態にならない限り、連絡してはいけない、光子で進む宇宙無線も、思い切って使用してみたが、どこからも応答は無かった。
どうやら推進装置と同時に無線装置も故障したらしい。
安全装置は効いていて空調は大丈夫だった。
しかし安全装置の燃料が切れると、たちまち船外と同じ超高温になるだろう。
耐熱服を持ってきて正解だった。
宏美のお陰で命拾いした。
「ああ〜今頃、授業が始まっているな」
どうしたんだろうと、調べ始めているだろうか?
そうなれば家に連絡が入り、地球と土星間を調査し、発見して貰えるだろうから慌てるな。と自分に言い聞かせていた。
8時間も惰性で飛んだ頃、太陽系から外れ、見慣れない星々が、まるで荒れ狂う河川の様に、何十万個も、帯となって見えていた。
「やばいなあ。心細くなっってきた」
食料は積んで無いから死ぬ可能性があるな。
こんな事なら、オプションで、食事デェプリケーターを取り付けて置けば良かった。
それがあれば、宇宙を浮遊しているチリの各元素から食料を作るので、半永久的に作成できたんだな。
今頃、宏美は学校や警察に連絡してくれているだろうか?
太陽系を出て銀河系となると、10年に一回位しか、船とすれ違わ無いと言われてる。
再度、土星のエアカーサービスステーションに連絡を取ろうと、宇宙無線で呼びかけたが応答がない。
「やはり故障か?」
そうでなければ、太陽からの磁気嵐で交信が出来ないみたいだ。
太陽系を出れば、磁気嵐は弱くなり連絡は取れるだろうから、待つしかないかな。
彗星のように、この先で折り返し、太陽を軸に、楕円形に周回運動を始めてくれれば、またどこかでパトロールカーに出くわすんだがなあ。
そんなに上手く事は運ばないだろうが祈るしかないな。
のんびりと宇宙を眺めていたら、なんと1台の惑星間戦闘機が近付いて来るではないか。
全身の力が抜け落ちるようだ、まるで、温泉に何時間も浸かった後、外に出たときのサッパリ感と言えば良いのか。
全身オイルマッサージを受けた後の軽い体になった気分というか、とにかく良かったあ。
「助かった」
しきりに船体を振ったりして、合図を送っているようだ。
どうやら宇宙無線が使えないのは、このエアカーの無線機の故障らしい?
僕も連絡したいが、良い方法が無かった。
窓からどうしょうもないポーズを取ってはみた。が、分からない様子だ。
その時、戦闘機のコックピットから光の点滅が見えた。
「何だろう?」
そうだ!あれは20世紀頃に使われていたモールス信号だ。
「コンピューター、あのモールス信号を解読してくれ」
「どの星にも向かってないが、どうしたのか?と言ってます」
「コンピューター、こちらのエアカーはエンジン不調を起こし方向が制御出来ない。と伝えてくれ」
「了解。伝えました」
「今からドッキングして、最寄りの冥王星ステーションまで運ぶと言っています」
戦闘機の後部からワイヤーの様な細い物が出てきた。それをエアカーの先端にあるドーム状のカバーを半分に割るような形で開き、ワイヤーをその穴に挿入する、なんだか宇宙船のセックスだな。と思った。
ドッキングして、入って来たパトロール隊の人は女性ロボットであった。
モールス信号で、やり取りしている時は、性別が分からないので、なんとなく人間の男性かロボットでないかなと思っていた。
辺鄙な地区では危険が多く、臨機応変に対処しなくてはいけないので、人間の男性かロボットが勤務している事が多かった。だから、特に不思議ではなかった。
土星に授業を受けに行く途中だったので、冥王星のステーションでなく、土星までエアカーを牽引してもらう事にした。
土星到着までの間に、彼女の事を色々聞いた。
彼女はパトロール隊に入って3年目だった。
彼女の住まいは月で、静の海近くのクリーマタウンにあり、一人住まいだ。彼女の私的な部分への質問にも嫌な顔しないで返事をしてくれるので思わず、
「こんどのお休みは、いつですか?」
すると事務的な声と顔をし、
「それは、お礼の印ですか?それともデートのお誘いだと解釈すれば良いですか?」
ロボット的に、優等生な返事が来ないので、僕は面食らい慌てて言ってしまった。
「お礼にかこつけてデートの誘いです」
「予定は無いです。彼氏もいません。と言う返事を期待しているでしょうかしら。一応、はい、と言っておきます。でも私はレプリカロボットではなく生身の人間だよ」
笑いながら言った。
僕は死ぬほど驚いた。
危険なパイロットの仕事は、男性かロボットが行うという先入観を打ち砕かれた。
僕の驚いた顔を見て
「ビックリした?変な女だと思ったかな。私は小さい時から、星空を見るのが好きで、パイロットになりたかったの。でも宇宙の果てでは、まだ未知との生命体と戦闘になる可能性があり怖いから、惑星間パトロールの道を選んだの。同じ歳の女の子は仕事はレプリカに任せて、男の子と遊んでばかりだけど、私はこの仕事が好きなの。いろいろな場所から星座が変わる様子も見る事が出来て。とっても楽しいの。こんな女の子でも構わないの?」
僕は生身の女性だと分かっていたら、とても口説く自信がなかったし、誘わなかった。
心臓がパクパク鳴りだし、酸欠状態の金魚の様な顔をしていたに違いなかった。
「どうしたの、何か顔色がおかしいね。やっぱりジャジャ馬だと引いてしまったかな?」
僕は頭の中がオールクリアになってしまい、つい素のまま、本音を言ってしまった。
「まだ、本物の女性と付き合ったことが無くて自信がないのに、知らずに口説いてビックリして。あせってどうして良いか分からない・・・」
「キャン可愛い。じゃあ本物の女だとまだ童貞君だ。食べたいなぁ君を」
ここで僕の脳はやっと本当の女性とセックス出来る期待と興奮と不安で一杯になり、フリーズしてしまい。
「うん、いいとも〜」
20世紀に流行った言葉を嘴ったら彼女が笑いだした。
「あはは。面白い人」
それでなんとか場が和んで土星までの時間が楽しく過ごせたのは言うまでもない。
土星のサービスステーションにエアカーを入れ診て貰うと、やはり推進装置と無線機の故障であった。
大学にその証明データーを送信してもらい、遅刻報告を出し、代車に乗り換え到着したのは4時限目を過ぎていた。
何とか5〜6時限目は、授業を受けることが出来た。
約束の日までの長かった事、まるで10年位かかった気がする。
テクノトウキョウで会う約束をしてある。
ここは21世紀まで東京湾だったが、埋め立て技術が発達し、環境を破壊しない方法で埋め立てた場所だ。
今の江戸前の場所は21世紀以前では江戸の外海、千葉や横須賀沖であった。
21世紀に芝浦から浦安辺りの海岸地帯にあった高層ビル群はダウンタウンになっていた。
そして半重力装置の発達で空中にビルが浮かぶようになった。
昔からのダウンタウンの上空にはテクノ東京と呼ばれる都市があり、その中にバーチャルランド遊園地がある。
そこでデートをすることになった。
彼女がエアカーで迎えに来てくれることになっていた。
家のコンピューターが、
「山口摩季さんが、お見えです」
僕は玄関に出た。
エアカーは2113年式、最新の物であった。
「お待たせ」
僕はドキドキしながら言った。
「なんか緊張しちゃうな」
「私もよ」
僕は助手席に乗り込むと、なんと彼女は手動運転でバーチャルランドに向かった。
「僕は手動運転なんか、教習所で緩急時の運転方法として習った以外は、操縦したことがないよ。
第一、隕石等を避けきれず、当たったりして危険でない?」
「そうね、宇宙ではあまりやらないけど、大気圏のある星は、ほとんど隕石が落ちてこないから、手動にするわよ。ファントゥドライブで気持ち良いの。
嫌だったら自動にしようか?」
「いや、構わないよ。君はパイロットだし」その時、右前方上空から火の玉が落下し、此方にぶつかって来た。
たぶん旧型衛星で、廃棄され、軌道上を回っていた物が、落ちてきたのだろう。
アッ駄目だ!と思う間も無くエアカーは反転し、交した。
尾翼の一部分が、少し破損したが、無事であった。
「僕の運転なら死んでいたよ」
「ゴメンね。怖い思いさせて。でもあのスリルがたまらなくて」
本当は足が震えていたが、見栄を張って、平気な顔をし、
「バーチャルの空中戦とは違うね。生は迫力あったよ!」
バーチャルランドは、一部屋が野球場ドームほどもある大きな面積だ。
そこで立体画像を出すのだが、本物の分子を作成するので手で触っても感触は本物と同じであった。
ゲームをしたり、時代劇のヒロインを演じたり、スポーツをしたり、好みに応じて過去の時代に起きた事は全て疑似体験できるようになっていた。
現実との唯一の違いは、失敗しても怪我をしたり死んだりしないだけであった。
今日は2人で、20世紀マフィアの巣窟を探検する事にした。
この時代、マフィアとの戦いは、ピストルや機関銃、ナイフであった。
ここでも彼女は条件反射が良いらしく、何十人もギャングを、早撃ちで殺してしまった。
あっという間にギャング団が壊滅した。
そしてバーチャルゲーム過去最高得点を出し、2人揃って記念写真を撮られ、記録に残ってしまった。
彼女は本当に嬉しそうな顔をし、
「やったね」
「うん」
僕の生返事を聞いて、彼女は聞いてきた、
「あれ?嬉しそうな顔じゃないね」
「うん。僕は殆ど撃ってなかったので、君の力で勝ったよ」
「幸広が私を敵から守って、援護射撃を上手にしてくれたから、安心して敵を狙えただけだったのよ。
連携が無ければ、空中戦でも勝てないのよ」
優しく言ってくれた。
そこが可愛らしく、そして頼もしくもあった。
バーチャルランドを出た先でロケットカーレースの参加募集をしていた。
プロのパイロットの部や一般の部、女性の部があった。参加はエアカーの操縦免許証がある者は誰でも出来た。
通常のエアカーの半重力装置をはずし、昔のロケットエンジンで飛ぶレースだ。
東京湾を周回し、途中で、地上を自動車が走っていた時代の遺産であるベイブリッジとレインボーブリッジの下をくぐり抜けるコース。
プロパイロットは15周、一般の部は7周、女性は3周だ。
地上数十メートルから上空3万メーターの間で競うので縦G、横Gとも2G〜5Gもかかる。
心臓や脳障害を起こす恐れのある人は、事前の身体検査ではねられる。
スキャナーの付いている扉の枠を通過するだけで身体検査は終わる。
摩季はプロレーサー部門で出ると言い出した。
僕は心配になり言った。
「横Gが5Gにもなるから、男のプロレーサーの中で勝負しても、筋肉力のある男には勝てないよ」
摩季は笑いながら僕の手を取り自分の胸と腕の拳の辺りに触らせながら、
「幸広、まだ私の裸を見て無かったわね。女性用プロティンを飲んでるのよ。10G位までは平気よ。でなきゃ宇宙パイロットの資格は取れないわ。今度体を見せても良いわよ」
腕の拳には、もの凄い筋肉があった。
柔らかいバストの下には強大な硬い筋肉もあった。
だが、それを触ってしまったとたん、僕の頭の中は、妄想が夏の入道雲のようにモクモクと広がってきた。
下半身は制御不能状態だ。
この時点で、僕は摩季の下部となってしまった様だ。
胸の膨らみの感触は、天国で女神の胸に触った時も、こんな感じだろう。
そして摩季のためなら、僕は命を投げ出しても惜しくないと思った。
アナウンサーが自慢げな声で、
「1番手は山下泰三、60歳のお爺さんだ。お爺ちゃんの時代、パイロットはエリートで、頭脳も明晰で記憶力も良く、体力も有り冷静な性格の人を何千人か選び、尚かつ、その選ばれた何千人の人の中でも、長い間の生活でリーダーシップを取れる人だけが成れたそうだ。接戦になれば年季が入っている分だけ、駆け引き上手で有利だ。優勝候補の1人だよ」
「2番手はヤフー横手、14歳の男の子。子供だと思って馬鹿にしていると、痛い目に遭う。この子は昔ながらのカートレース、そう車輪が4個付いている地上を走る1人乗りのゴーカートみたいな奴。そのジュニア世界チャンピオンだ」
「3番手はジュビレー・オットー、おっ!なんとエアカー教習所の教官だ。安全運転をさせたらパーフェクトだが、スピードを出す場合はどうなるのだろう?ダークホースの1人だ」
「そして、しんがりの4番手は惑星間戦闘機パイロットだ。しかも現役バリバリだよ。歳も若く運動神経も機敏だろうから、今日の優勝候補だ。しか〜し、山口摩季。女だ。競い合いになると男に勝てるか、チョット心配な感じもする」
「各ロケットが紅蓮の炎を噴射し、一斉にスタートした。文字通りロケットスタートしたのはヤフー、若いから条件反射が早い!一気に1kmは差がついた。2番目は山下だ、流石に操縦はベテランだ。3番手はジュピレー、やはりエアカー教官だけあって、安全にスタートしたか?そしてゲットになってるのは女性戦闘機パイロットだ。惑星間は宇宙の果てと違って、何時も戦争は無いが、テロリストが太陽系に紛れ込んだ時は、こんなスピードで大丈夫か!」
レースはそんな状態で始まり、芝浦上空から急ターンしながらレインボーブリッジの下をくぐり抜け、ベイブリッジまで一直線に駆け抜けていった。
ベイブリッジの下をくぐると急ターンで上昇し、空気抵抗の少ない上空3万メーターを飛行します。
上昇しながら、翼橋の上空を飛んで行き、巨大な千葉エアタウンの上空を通過し、芝浦に戻って、そこで急降下し、またレインボーブリッジをくぐる。
それが、順位が変わらず10週も続いた。
アナウンサーがまくし立てるように喋った。
「先頭と最後の摩季までの距離は1km差だ。この距離だと殆ど差は無く、一瞬の気のゆるみで4人ともゲットになったり、トップになりする可能性はあり、まだまだスリルタップリ予断は許せないぞ」
「おっと、ヤフーがレイボーブリッジへの下降で操作ミスし海面に着水してしまったあ。その上空をあっという間に3機とも通過してしまった。10秒ほどでヤフーが離陸したが30kmも話されてしまった。残り7周での挽回は難しそうになってきたあ」
「15週目にジュビレーが山下を交わそうとしてドッグファイトになった。千葉エアータウンからレインボーブリッジへの下降でジュビレーがブレーキを遅らせ山下に列んだ。先ほどもヤフーがブレーキを遅らせすぎてレインボーブリッジで着水してしまった場所だあ。おっとー、ここで山下がジュビレーの前をふさごうと、かぶせながらレインボーブリッジをくぐり抜けようとした瞬間、何と山下の真上の位置にピッタリとジュビレーが付いてしまった。これから先はベイブリッジまで水平飛行だが、真上にかぶせられると水面も注意してみなければイケナイのでスピードが緩んだ。その隙をつきジュビレーは先頭に立った」
最終回、船橋上空3万メーターの辺りで、運悪く宇宙から10個前後の隕石群が降ってきた。
当然ながら、ロケットカーは手動操縦なので、まともに操縦していれば激突する。
自動運転に切り替えて回避するか、地上1万メーターまで降りて減速し回避するかだ。
減速すると、空気抵抗で芝浦まで時間が何分もかかる。
かといって上空に戻っても、すぐ芝浦まで下降するので、やはり時間がかかる。
アナウンサーは興奮気味に、
「たっ大変だ隕石が沢山降ってきた。このままでは全員死んでしまう。2番手の山下は元パイロットらしく手動操縦のまま下降して回避したあ〜。そして又、上昇し芝浦に向かった。先頭のジュビレーは、その下降から上昇しないで平行飛行をしている、空気抵抗にあっているようだぞ。このままでは山下に抜かれるかあ〜。経験数が少ないのが裏目にでたあ〜、読み違えたかあ」
アナウンサーは声を枯らし、なお興奮気味に叫びだした。
「ヤフーは自動運転に切り替え、回避したので、埼玉の辺りまで回り込み、何分もロスした。そして女性パイロット?あれ何処にもいない」
アナウンサーの焦りの声が聞こえてきた。
突然、最高に興奮した声で
「オーマイゴッド。しんじられな〜い。流星群を突っ切って飛行しているぞ。もうすぐ芝浦上空を通過だ。拍手!彼女の勇気に。激突していれば死んだかも知れません」
会場からは「どー」とざわめきが起こった。途端に上空を巨大な音が襲った「キーン、ゴー」摩季のロケットが通過した。
拍手の渦となった。
一般の部と女性の部の表彰が終わり、いよいよプロレーサーの部だ。
アナウンサーが、
「本日のスリルあるレースで最後に大逆転勝利をした山口摩季さんで〜す」
表彰台に立ち、摩季は観衆に手を振っていた。
本日の中で一番拍手が多かった。
トロフィはロケット型の硝子細工だ。
その光景を見ながら、初デートの記念としては並外れた物だし、僕は幸せ者だなあ、と思っていた。
夜も7時となると芝浦近辺も幻想的な夕焼けが始まった。空中都市上空の夕焼けはロケットに乗っているときよりも、ゆっくりと、昼の青空から夜の世界が広がって行く。
オレンジ色のカーテンを引くと窓の外が蒼から黒に変わるような感覚だ。
そんな景色を見ながらのレストラン「ザ・アース」での食事は最高だ。ここの建物は360度ガラス張りの半円形ドームで全天が鑑賞できる。障害物は何もない。時折、上空を長距離宇宙船が通過するぐらいだ。
食事が済んで、加工しないパパイアを原型のまま食べていると、
「行ききますか?見たいモノを見に」
僕は訳が分からず、怪訝な顔をして、
「えっ」
摩季は怒った顔して
「ばか」
さらに僕は困った顔をしたら、しょうがないなという顔をしながら言った、
「か・ら・だ」
「しまった」と思った。
なんてデリカシーが無いのだろう。
自分が厭になってしまった。心の中で自分を罵った、
「コノ、ボンクラメ」
何事も無かった様に、なるべく自然な顔して、
「あっ・ゴメン。反応が21世紀にあった蛍光灯で。何が何でも見たいたとえ命を落としても」
摩季は、ハイハイ、分かっていますよ。という顔で、
「じゃあ特別サービス。ちょっとだけよ」
遠方の宇宙から来た人達が、お台場のターミナルに到着した日に、宿泊をするホテル群が、芝浦上空に沢山浮かんでいた。そこは恋人達も利用する場所でもあった。
ホテル「宇宙の果て」そこへ入ることにした。
本物の女と初体験の筆おろしする場所としては妥当な場所だと思う。
エアカーを駐機場に入れ。扉を開け、部屋に入ると、潤んだ目を僕に向け、
摩季は抱きついてきた。
胸の膨らみが心地よく、僕の胸に押しつけられてきた。
生臭いが、愛おしい、熱い息が僕の口にかかってきた。
生暖かい舌が、遠慮無く僕の舌を絡め取り、脳のてっぺんに電気が走った。
と共に僕のペニスまで電気が走った。
人工的な臭いや生暖かさとは違うような気がした。しかし、それは精神的な面から来ているのは分かっていた。摩季のデェプリケーターロボットを作成すれば、成分は分析機にかけても、まったく同じ唾液で、全く同じ温度と柔らかさであっただろう。したがって他のロボットでも、人間とそっくり同じ成分で、味が変わるはずもない、感触もまったく同じ成分で出来ているので、違わないはず。人間の味なはずだ。
でも、ロボットと違うような気がする。
生身の人間、しかも恋した相手は!
この時、僕の心の片隅には宏美がいた。
そして、何故か謝っていた、
「ごめんな。他の女とセックスしてしまうよ」
抱きしめて、いきり立ったペニスを、そのまま入れたくなり、キスをしながら、入り口で服を脱がしかけた時、
「お風呂に入ってからね」
摩季は僕の腕の中からすり抜け、お風呂に行ってしまった。いきり立ったままのペニスをあやし、ズボンを脱ぎ、ベットに腰掛けた。待っていると1時間もかかったような気がした。
仕方なくニュースを見ていると、ラスベガス星の奥の未開拓宇宙空間で好戦的な生物が見つかり、話し合いをし、連合を結ぼうとしたが、失敗に終わり、ラスベガス星は半分が戦場となり、10億光年先のチョウハン星に人々は避難したそうだ。なんせ人間の脳みそを生で食べるのが彼らのご馳走になるそうだ。牛の脳で我慢が出来ないかと思うのだが、彼らに言わせると味が100倍違うそうだ、牛の脳は美味くないと。余り行きたくない星座の一つだ。
待つのに飽きて、途中で風呂の中の摩季に聞いた、
「一緒に入って良い」
「だめだめ」
初回だし、仕方ないか、一緒に入るのは諦めよう。
やっと風呂から上がったので、僕も入れ替わりに入った。
女性の入った後は、何だか、生々しい女の臭いがするような気がする。でも今日は違う臭いだ。何でだろう?暫くお湯に浸りながら考えていた。そうだ、これは細胞再生レベルにセットしたお風呂の臭いだ。だが今張ってあるお湯は只のお湯だ。もしかしたら一旦お湯を抜いて、また新しいお湯を入れたのかな?少し気になったが、すぐに忘れ、体を洗い風呂から出た。
部屋は明かりが最大限に明るくしてあった。
摩季に聞いてみた、
「明るくして恥ずかしくないの?」
摩季は、不思議な顔をして聞いてきた、
「ねえ君はタイムマシーンに乗って21世紀の大昔から来た人なの? 明るいと女は恥ずかしがらなきゃいけないと言う習わしがあった時代から来たの?」
笑って返事をした、
「いや僕がシャイなだけ」
摩季は納得した顔をして、
「ふうーん。でも楽しめなくなるから、明るくしてSEXしようよ」
ベッドに座っている彼女の横に座ると、僕のペニスを柔らかな手で優しく包むように触ってきた。それだけでも気持ちが良いのに、前屈みになり、いきなりフェラチオを始めた。袋の裏からペニスの裏側を舌が蠢くようになぞり、亀頭の先は蛇が舌を出すようにチロチロと舐められてしまった。
もうその時点で限界が訪れ、僕のペニスはピクピクと波打ち始めた。彼女は察して口で覆い被さる様にし、ピストン運動をし始め、構えた。
「ドックン・ドクン」
音を立てるように射精してしまった。
あ〜気持ちが良かった。
本物の女に対しての初射精は口の中だった。彼女のバァギナの中にしたかったのに少し残念だった。
「ごくごく」
と精子を飲み、ニコッと笑いながら、
「はい。続きは、この後30分したら。まだ出るでしょ・」
「うん出ると思う。スゲー気持ち良かった。でも、ちゃんと中に出したかった」
「私も自分の中に出されるのが一番気持ち良いわよ。精子って苦くてネバッとしていて、喉に引っ掛かりそうになるから、好きな人、以外は絶対しないのよ」
ベッドの上でじゃれ合いながら、今日のロケットレースの話題を喋り始めた。
「流星が来たときは、棄権して欲しかった」
「うーん。気がついたら流星群を交わしながら操縦してたよ」
「でも僕は生きた心地がしなかったよ」
「トップになったと気がついたのはゴールする30秒前ぐらいかな。レーダーに写っている機影が、遙か上空に2機と、埼玉上空に1機見えたので。その瞬間はスカッとし気分が良かった」
僕は彼女の体に抱きつくようにして、
「うーん。まるで男と女が逆転して話をしてない?」
二人でゲラゲラ笑った。
笑いが止まると、欲情した目がこちらに真っ直ぐ向けられてきた。恋する男を見る潤んだ目だ。摩季のオッパイの先をクルクル指でさするようにもて遊び、キュッと細くなったウエストに舌を這わした。軽く体が反応した、肌は真っ白くつやつやの雫が垂れ落ちるフルーツの様な肌を舌でなぞり、もてあそんだ。お臍を通過すると、体は赤みをまして、ブルッと反応し始めた。陰毛は少なめで、縦長であった、もうクリトリスは小豆粒ほどに十分膨れあがり、準備は整っていた、そこに舌がさしかかると、
「あは〜ん」
気持ち良さそうに、やっと目を瞑り、快感の世界に浸り始めた。割れ目からは透明な液体が迸るように出てトロントロンになっていた、顔を近づけると摩季の香りは薄めだが、チーズとマンゴーのミックスジュースの様だ。味は甘酸っぱい感じがする。クリトリスを舌の先でコロコロと愛撫していたら、
「あ〜ん。だめ。もう駄目」
ビクンビクンと摩季は仰け反り始めた。
「ジュルジュル」と音を立ててクリトリスを吸い上げると、
「あぐ。ぐうえ〜ん」
太股がブルブルと痙攣のような動きをし、声にならない声を出していた。
もう僕も我慢が出来なくなり、膨張したペニスを挿入した。入る時はヌルンとした感触が亀頭に伝わった、と思ったら、ニュルニュルと入ってしまった。摩季は僕の下で何回もブルンブルンと痙攣に似た動きをしていた。
ロボットとは動きが少し違うような気もしたが、本来なら同じなのだろう。これも精神的な面だけの違いが、そう思わせるのかな?
突然「あーんーぐっ」と大きく仰け反り摩季は静かに目を瞑り動かなくなった。
そのままの体制で暫くじーっとしていたら、摩季は突然目を開け、こちらにキスをしてきた。
長ーいキスの後、掠れた声で言った、
「好きよ」
「うん。僕も」
僕は摩季をもう愛していた。
後、何回会うと、彼女と言えるように成れるか、楽しみでもあった。
第四話 ジェラ
「西暦2050年に起こった第3次世界大戦の時代、高伝導光子爆弾により地球と月、木星等の土壌が汚染された。汚染を元に戻す技術が確立されるまでに30年の年月がかかった・」延々と話は続くようにも思えた。歴史の授業は退屈で寝てしまいそうだ。特にこの教授の声はボソボソと聞こえる、子守り歌だった。
窓の外はエンロンの丘に月が上り、これまた眠くなる景色だ。
前の席の男は机に顔をつっぷしてヨダレを垂らしている。時々ハッと我に帰り、顔を持ち上げ、眠そうに目を擦り、まだ授業が続いているのを確認し、また寝てしまった。
そんな光景をボンヤリみながら、摩季は今頃、木星パトロールかなあ、と思っていた。
これは恋をしたかなぁ?
四六時中、頭から離れないよ、摩季の事が。早く会いたくて頭の中が一杯だ。
勉強が手につかない。
休憩時間にビリーカフェへ行くことにした。このカフェも建物全体が昇降するように出来ている。今日は流星群やチリが降って来ないので建物全体が地表に出ていて、ガラス張りのドーム状の屋根は見晴らしが良い。20km先のアーシアスシティのビルもよく見える。天空を見ると隣の銀河もよく見えて綺麗な景色だ。ドームの入り口は高い位置にあるのでドーム内は丸見えで、カフェやレストランが間仕切りで区切られて、どの店が人気があり人が多いかがよく分かる。アイスカフェを飲んでいると竹田哲也が来た。彼はM61星雲のビヨン星を周回する惑星トリオン生まれである。学校で知り合いになった。歳は2歳上だが4回生であった。面倒みが良く明るい性格で、将来は弁護士か歴史法律家になりたいと言っている。
現代ではロボット同士が法律を厳守するようになっている。そして、殆どの仕事はロボットが行っている。だからトラブルは少ない。人間が職業として行うのは、国会で法案作成や改訂する事が主だった。
少数だが人間が行っている仕事は、弁護士や検察、裁判官等だ。人間だけが持つ感情の縺れのトラブルは、ロボットでは裁けないので、人間が行うからだ。
だから弁護士や裁判官などに興味を持つより、心理学の1専攻科目として習う場合が多い。彼はよっぽど人間の感情的な喧嘩の仲裁が好きなんだろうな。悪く言えばお節介焼きの人間だ。
「おう。授業はサボりかよ?」
「いいや。休憩時間だ」
「なんか良いこと無い?」
「彼女が出来た」
「おおぉ〜お前にも、とうとう彼女かよ。で、筆おろしをしたのか?」
僕は笑いながら、
「それは6年前の20歳の時に済ましたよ」
「そうか。今まであまり女の話が出なかったから、奥手なのかと思っていた」
僕は爆笑に近い感じで、
「よせやい」
竹田は悪戯っぽい目で冗談に、
「女で揉め事になったら相談無料だから」
「よせよ縁起でもない。まだ付き合いが始まったばかりだよ」
「女と刺身は新しいのが良いね」
「それ刺身じゃなく、古女房と畳だろ。諺で言う」
「知ってるよ。ものの例えだよ。ダシャレだっつぅの」
彼はよく新しい例え話を造るし、ダシャレを連発する。そして明るく大きな声で喋る。まるでPタイルの床とコンクリートの壁の部屋の中で喋っているように、周りに響く声だ。
「そういえば最近、彼女と一緒の姿を見ないね」奴はバツの悪そうな顔をして、
「別れたんだよ」
「そうかあ。可愛くて、性格が良さそうだったのになあ」
竹田は友人になってから2年もたってないが、その間に彼女を3回も変えている。本人は、熱しやすく冷めやすい性格で、モノにするまでは、マメに動いたり愛情表現するが、それ以降は、彼女が馴れ馴れしくなればなるほど、ウザク感じるようになり、それが相手にも伝わり、だんだんとお互い気まずくなり、自然消滅するそうだ。本人は特にそれで不幸せと思ってないので良いのだが。
竹田が妙に悪戯っぽい顔をして、
「おい。ジュゴラ星に行かないか?」
「あの星は人間や動物の精子やセックス運動をエネルギーにして生きている、妖精ロクローンが居るところだろ。どうして?」
「彼女がいないと溜って。でも一人で行くのは詰まらないし」
竹田はエヘッヘッと笑いながら喋った。
僕は一度も行った事がないので、好奇心も手伝い、ついうっかり、
「ああいいよ。まだ一回も行った事がない。竹田は詳しいのかな?」
彼は満更でも無い顔で、
「先週、超可愛い子がいる店を見付けたのでその店に行こう」
「あいつらは擬態が出来るから、皆、可愛い子ばっかだろう」
「まあそうなんだが。その店は脳波を読み取り、自分が思い描いている理想の姿の女性に擬態してくれるサービスもあるんだな。たとえば昔付き合った彼女の姿とか、物に出来なかった女とか」
竹田は僕の顔色が変わったのを見てニャッと笑いながら、
「そうなんだよ先週は、物に出来なかった女の姿になってもらったが、感激したよ。でもって、超〜気持ち良かったよ」
何だか共通の秘密が出来てしまったような気がした。強姦の共犯者の気分はこんな感じなのだろうか。
ジュゴラ星は、近づくとピンクがかった茶色の星だ。人工大気があるので流星からは守られている。だからシェルター型の建物は不必要だ。白いガラスで覆われたドーム形の建物に入ると、
「いらっしゃいませ。宇宙銃や武器をお持ちでしたら、お預かりします」
簡単な身体検査を受ける、6畳ぐらいの部屋に入ると透視装置が全てを調べてくれる。人間や惑星連邦の生物か未知の者かのチェックと爆弾類のチェックが1秒ほどで終わる。そこを出て受付に着いた。
カウンターで好みは女性か男性か中性かと聞かれた。ここは同姓愛者と女性客も来ている。それと、中性と呼んでいるが、両方の性器が付いてるように擬態してくれて、二つ楽しむことも可能らしい。只、病みつきになる場合もあるので中性は避けた方が良いらしい。
先ほどロビーに20歳位の女性客も来ていたのを見た。美人でスタイルも良かったのにワザワザ来るなんて、セックスが好きなのか、彼氏が遠い宇宙勤務で寂しいのか、分からないが、僕が代わりに相手をしたいくらいだった。
「小柄な女性でバストはあまり大きいのはダメ、肌の色は黒人でお願いします」
カウンターの礼服に蝶ネクタイをしたロボットであろう受付の男性が、
「すぐ用意が出来ます。部屋番号K102までご案内します」と返事をした。
竹田がニヤッと笑いながら、
「お前も凄いのが好きだね」
「お前には負けるよ」
ヤツは笑いながらも、憤慨した顔をしていた。感情がすぐに顔に出るところが欠点でもあり、味があって魅力でもある。
部屋に入ると、
「タンベでも吸う?」
彼女の言ったタンベの意味が分からず、怪訝な顔をしていたら、
「この店で流行っている韓国語で煙草って意味なの。君、緊張しているから、冗談で言ったのよ」
確かにもう少しで足が震えるくらい緊張していた。まだ彼女が地球人じゃ無いのが、助かっている。震える位で済んでいるから。
本物の地球人の女や、ジュゴラ星人を、何十人も知っていれば、こうも緊張しないのだろうが。と思うまもなく彼女が覆い被さってきて、
「凄〜く気持ち良いことシテアゲルね」
と言いながらキスをしてきた。
口の中に舌が入ってきた。
ソレは絡まり、僕と一体化しようと、蠢いた。ソレは遠慮を知らず乳首から臍を這ってきて、ペニスにも絡みついた。
黒い割れ目の中から真っ赤な肉体が僕を呼んでいる。濃厚な臭いも、イカなのかチーズなのか、それともミルクなのか分からない。全部混じった様な臭いが鼻に入ってきた。
その臭いに僕の脳は強烈に反応してしまい、ペニスはいきり立ち始めた。
40分位だろうか?あれこれされているうちに自分は人間でなくなり、ただの動物の様にいきり立ち、頭の中は万華鏡がグルグル回り、征服欲と性欲とが混ざりあい、水の中に絵の具を垂らすと渦を巻き色が薄まるように、僕の欲望も彼女の中に何回も何回も、放出され、薄まり、軽くなった。
気が抜けたサイダーの様だ。
遣りすぎて腰が少し痛かった。
ペニスの先も少しヒリヒリする。
どうも頑張りすぎた感じだ。
やはり擬態されると、遣る気が出過ぎて、気持ちが良すぎ、困る。
控室で竹田が終るのを待っていた。
テーブルは50個あるだろうか。ちょっとしたレストランと変わらないくらいだ。
ドリンクバーからバドワイザーを取りだし飲んでいた時、窓際のテーブルを何と無く見た。
なんと、そこには摩季がいた。
こちらに気が付いてない様子だ。
ショックだった。
雷で打たれても、これほどでは無いだろう。
彼女が人間そっくりのハンサムな宇宙人と、
セックスし、
喘ぎ、
声をだし、
エクスタシーに達しているなんて許せなかった。
想定外であった。
そして怒りがこみあげてきた。
なぜ怒りがこみあげてくるのか最初は分からなかった。
胃から酸っぱい物も込み上げてきた。
なんとか吐かないで済んだが、危ないところだった。
これはもしかして嫉妬をしてしまったのか?
まだ正式に付き合ってもいないのに。
文字通り恋に落ちるとは、この事を言うのだろうか?
声を掛け、
「こんな所でセックスするくらいなら、僕として下さい。したくなったら何時でも言ってくれよ」
と言おうか迷ってしまった。
でもここに居る僕も同罪ではないか。
迷っていると竹田が、
「よっ!お待たせ。どうした?落ち込んだ顔して。あっそうか、立たなかったのか?俺も宇宙人と初めての日は、緊張してダメだったが、二回目には大丈夫だったよ。気を落とすな」勘違いして慰めてくれた。
結局、彼女には声を掛けないで出てきた。
その翌日
彼女からテレビ電話が入ってます」
コンピューターの声で目が覚めた。
うぅぅ・・・
頭が痛い。
夕べは彼女がセックスショップにいたのでショックを受け、地球産のバッカス酒を飲みすぎ二日酔いで頭が痛い。寝惚けた顔で画面に映るだろうな、と思いながら出た。
「おはよう。どうしたの?風邪でも引いたの?起こしてしまったの?」
「いやストレスが溜って、酒で発散したが、つい飲みすぎて」
「私で良ければストレス発散の相手をしたのに。次は声をかけてね」
まさか、お前のせいでストレスが溜まった。責任を取ってとも言えず、
「本当!嬉しいよ」
「明日は空いてますか?フライトが急に変更になり時間が空いたの」
「うん午前中の授業が済めば空いてるよ」
「じゃあ。火星のウォームステーションで午後1時に会いましよう♪」
「分かったオッケイだよ。じゃあ火星で」
電話を切ってからが大変だった。時間が倍以上かかって動いているような感じであった。
一日が長い日であった。
翌日昼頃
洋服は流行りの宇宙戦争時代のミリタリールックにするか、20世紀の背広にするか、普通の宇宙服にするか。迷った挙げ句、宇宙戦争時代のミリタリールックにした。洋服選びで時間を使ってしまい20分も遅れた。彼女は先に来て待っていた。
「ゴメンな〜遅れて」
彼女は怒ってもなく、寧ろ嬉しそうな顔をして喋った。
「好きな人じゃなければ帰っていたわよ」
「え〜じゃあ俺は好きな人なんだ?」
「うん彼氏にしても良いくらい」
「うあっ大胆な発言」
「私は思っている事をハッキリ言ってしまう性格なの。それで嫌われたりもするけど。なかなか直らないわ」
「じゃ僕もハッキリと言おう。こないだ会った時から彼女にしたいと思っています。君が好きだ。愛してる」
彼女は小さな声で、
「私も」
今世紀で一番凄かった瞬間だったと思った位嬉しかった。僕の背中に天使のような羽根が生えていたら空中高く何キロも飛んでしまっただろう。そして胸が「キュン」となっていた。思えば思うほど「キュン」「キュン」と胸が鳴ってしまう。それを何回も何回も楽しんでいた。
でも次の瞬間はセックスショップでの彼女の澄ました顔、そうセックスを済ました後の、何食わぬ顔。そして、僕の目の前で開いた足を他の男の前でも開き、そしてペニスを挿入され・・・考えただけでもジェラシーの炎が「メラメラ」と湧き起こり、たまらない気持ちになる。
思わず彼女を抱きしめてしまった。
「どうしたの。元気だね」
摩季は僕が体を欲しがっていると勘違いして困ったなという顔をして喋った。
「もう欲しいの?」
あわてて返事をした、
「いや。何でもない」
ケンカになるかもしれないと思いながら、思い切って聞いてみた、
「僕以外にも抱きしめてくれる人は居るの?」
摩季は不思議そうな顔をし、
「いないよ〜。どうしたの。気になるの?」
「いや。何でもない」
どう反応して良いのか考えながら摩季が言った、
「今日の幸広は何か変」
その返事はしないで、僕は、もう一度、麻季を抱きしめながら、
「僕だけのモノになってほしい」
「うん。そうする」
今日はコロン星のミレニア海で食べられている料理だ。このレストランは岩の中をくり抜いて洞窟の中に作ったような造りだ。太古の昔、コロン星の人達は洞窟に住んで居たそうだ。草食と肉食の両方ともあるのは地球人と同じである。この星の巨大な火山の噴火でアミノ酸等の成分が宇宙に流失し地球にも漂着した。人類が生まれる元の元素にもなっている。体も似ていてDNA鑑定をすると99%以上が同じ成分で出来ているそうだ。
サラダなんかはキャベツと似ているマカンターレは青臭さが強いが逆にメリハリが効いた味になりドレッシングを上手く組み合わせると、とても美味しい物だった。
この星の魚は白身が多く淡泊な上品な味がする。特に鱒と煮ているユーリアンは大好物の一つだ。デリケートな魚で物資輸送ロケットの高度な制水装置でも9割方が死んでしまうため地球ではとても貴重な食べ物である。最新の科学でも何故死んでしまうか未だに解き明かせない不思議な魚でもあるらしい。
地球で言えば地中海風料理を食べて、次は何をしようと相談していた。
僕は「スパイアクションのシミュレーターでもしようか?アクション物は得意だろ?」
摩季はあまり乗り気でなく生返事であった、
「うーん」
「じゃあ座って観るだけで楽な映画は?」
「うーん」
「スポーツのシミュレーションする?」
「うーん」
何だか浮かない顔をしているので、
「体の調子が今一なの?」
「違う」
仕方がないから受けねらいで言ってみた、
「セックス」
「うんそうしようか」
嬉しそうに返事が来た。
「幸広と二人っきりで一緒に居たいだけ」
火星上空のウオームステーションは夕暮れ時に差し掛かり、真っ赤な夕日が見えていた。地球の大気と成分が違うせいか、赤が本当に真赤である。
この辺りにはホテルは無いので。彼女のエアカーで、土星のコークステーション近辺のホテル群がある場所まで、1時間の移動だ。
彼女は珍しく自動運転にしている。そして僕にじゃれついてきた。
窓の外は赤い夕焼けから真っ黒な宇宙空間になっていた。
「幸広君、ほらあっちの天の川の方向」
また、流星群かと思い、それとも面白い何かがあるのかと思い、振り向くと、彼女の指が僕のほっぺたにちょこんと当たった。
「やったなあ」
座席のリクライニングを倒しながら、摩季の上に馬乗りになり、羽交い締めにした。
摩季は急に抵抗を止め、静かになった、目は閉じられていた。摩季の口に吸い寄せられるように近づき接吻をした。舌を絡め合わせるヂープキスになった。もう摩季の中に入れたくなった。服を脱がそうとしたら、摩季が、
「楽しみはとっておきましょう」
土星でのラブタイムは翌日まで続いたが、摩季はフライトが午後3時から、僕も2時から木星で授業があるので帰った。
第五話 ロングバケーション
そんな楽しい関係が1年も続いたある日。
僕の家に取り付けてあるコンピューターが、摩季と連絡が取れないと言って来た。
どうした事だろう。
胸騒ぎがする。
こんな時、普通は、宇宙の磁気嵐や、太陽系の太陽のフレアーから出る磁気嵐で、連絡が一時的に途絶えることは、よく有るので、不思議では無いが、昨日からだと少し変だ。無線機器の故障も考えられるが、その場合、予備の機器に1時間もすれば交換され更新できるはずだ。
それ以外には、ワザと受信拒否があるが、それは表示がされるため「ああ嫌われたか」とか理由はそれぞれだろうが、分かりやすい。
一番怖いと言うより嫌なのは引っ越しだ。それも転居先の返信を特定の人だけ指定して、不明にする場合と、死んだ場合もそうなる。
エアカーを飛ばした。
摩季の家のインターフォンを鳴らしたら、
「はい摩季です。コーデュアル病院に入院してます。些細な用事なら家の中に貴史と言うロボットがおりますから、もう一度インターフォンを鳴らし打ち合わせをお願いします」
コーデュアル病院はホスピスではないか。どうして彼女が最期に行く病院に居るのだ?
現代では臓器は全て人工の物に交換できるし、ガンや白血病も不治の病では無い、だから病気で最期になり入院するはずが無いし。
僕の頭は完全に思考停止してしまった。
ボーとしながらも、エアカーに乗り、到着先の地名をコーデュアル病院へセットした。
「あの〜山口摩季の部屋は何処か教えて下さい」
やや小太りの、30代後半の看護婦が、訝しげな目で見ながら返事をした。
「山口摩季さんなら26階の278号室です。とにかく間に合って良かったですね、そろそろ限界年齢を終えたので、何時逝かれても不思議は無い状況でしたから。失礼ですがご主人か彼氏ですか?」
どう返事しようか、一瞬迷ったが、事実を言った。
「彼氏です」
「そう、それならビックリしないと思いますが、今は末期なので細胞再生が効かなくなっています。外観は150歳に戻られ、シワシワのお婆さんなので驚かないで下さいね」
「ああ、覚悟は出来ているつもりです」
ベッド数500は有る高層建物の広いロビーを突っ切り、エレベーターホールに向かった。20機もエレベーターが並び、次から次へと人がエレベーターに飲み込まれては50階建ての各階へ向かっている。エレベーターに乗ると30秒もしないうちに25階へ到着した。 死刑台の椅子に向かう囚人もこんな気持ちでエレベーターに乗るのだろうか?
コンコン
しわがれた声が聞こえた。
「どうぞ」
入っていくと皺が深く刻まれた老女がベッドに寝ていた。よく見ると、紛れもない摩季であった。摩季は慌てて布団を被った。
僕はもう目から涙が溢れそうになってきたが我慢した。
「年齢を言ってくれれば良かったのに」
摩季は布団を被ったまま、
「言ったら、引いちゃって、付き合わなかったでしょ」
「そんな事は無いよ。君の性格が好きだったし。最後の彼氏に成れて良かった。途中の彼氏だと、印象が薄くなり、忘れ去られただろうし」
「ありがとう。優しいね。幸広は」
このまま永遠に摩季が永眠するなんて。・・・
どんどん悲しさが増してきた。もう涙を我慢することが出来なくなり、ポロポロと大粒の涙が頬を伝わった。
摩季は布団の隙間から僕を観ていたらしく、
「そんなに泣かないで。私の脳はコピーされ保管されるから、将来科学が発達した時に復活出来る可能性が高いので、また何百年後に会いましょう。幸広もチャンとコピー出来るよう無茶しないでよ。あと130年間は」
「うん。また復活したら遊ぼうね。一番手で彼氏に立候補するから」
「幸広との1年間が一番楽しかったよ」
喋りながら摩季は安心したのか眠ってしまった。
が、布団をめくり口に手を翳すと、息は無かった。僕は母親より皺が多いこの老女となった摩季に最後の口づけをした。体温はまだあり、生暖かかった。見かけより柔らかい僕のよく知っている唇だった。そして、紛れも無く、摩季の味がした。
ポタリ・・・
摩季のシワシワとなった顔に涙が落ちた。
ナースコールをするとロボットと思われるナースが直ぐに来て。
「ご愁傷様です。早速、今日の脳の記憶の分をベットの記憶装置より採取しますので手術室に運搬させていただきます。その他の手続きは1階のナースセンターで打ち合わせをお願いします。ご臨終のお知らせは自動的にご家族や親戚、山口摩季様が生前に指定された方全員に送られます。手配をする必要は有りません。では」
家に帰っても食欲がまったく湧かなかった。大学の授業には出たが、頭の中は摩季との楽しい思い出を考えているだけだった。
昼休みに構内のベンチでボーとしていた。
後ろから誰かが肩を叩いた。
「よお、どうしたんだよ。浮かない顔をして」振り返ると竹田であった。
「そうかー彼女は150歳だったのかあ。濃厚な恋愛をたった26歳で教わったのだから良かったジャン。俺なんかまだそんな年上と濃厚な恋愛したこと無いのだから羨ましいくらいだよ。悲しみはお前だけが受ける訳じゃないよ、みんな同じように試練に会うからさ。元気出せよ。
そうだ、20世紀頃の007のスパイシューティングシミュレーションでも行こうよ。こんな時は何時までもウジウジしてないで、ぱあ〜と発散しなきゃ」
竹田の友情に感謝しながら、
「そうだな。久しぶりにぱあ〜とやろうか。カラオケの方が良いけどね」
「よっしゃ決まった。行こう」
「ありがとう竹田がいないと俺はもっと落ち込んでいたよ」
「よせやい。大人な返事しちゃって」
二人で大笑いしながら、竹田のエアカーでローザンヌ大学の近くのカラオケに向かった。
さんざん歌い、3時間も歌ってしまった。
「ただいま」
家に帰ると宏美がいつものように出迎えた。最近彼女を良く見ていなかったが、今日、よく見たら、衣装がパンツルックで臍を出しているセクシーなスタイルだった。
突然、抱きたくなり、宏美をたぐり寄せ、そのままベッドに連れて行こうとした。
宏美は心配そうな顔をし、
「どうしたの?何かあったの」
僕は何も言わず、彼女の服を脱がし、クリニングスを始めた。宏美は戸惑いながらも反応し、受け入れ体制に入って、ぬるぬるになっていた。ヌポッとペニスを入れ強引に達してしまった。
上気した顔で宏美は、
「久しぶりね」
ロボットだから、僕の体調や時間に合わせててイッテくれるのは分かっているが、精神的に安らいだ。やっと男として正常な状態になったと思った。竹田や宏美が居なかったらこうも早く元気には成れなかったと思う。
「宏美ゴメンな。摩季ばかりにかまけて。ほったらかしで」
「いいえ。私は幸広が幸せなら、それで楽しいよ。でも、ここしばらく無かったのは寂しかったかな・・・」
彼女の目から涙が伝わっているではないか。そうか、宏美は何時も僕の側に居てくれて、大事な存在だったのを、忘れていたよ。
明日から124年間も側に居て貰えるのだから大事にしなきゃな。
彼女の長い黒髪をさすって、二人の時間を楽しんだ。
ふと、宏美を見つめたら、
恋する瞳が僕を見ていた、
ニコッと笑った、
僕
「よろしく」
宏美
「大好き、幸広」
僕
「僕がお爺さんになっても愛してくれよ」
宏美
「もちろんよ。永遠に」
摩季が復活した時の事が心の中でよぎった。
まあいっか、まだ生き返ると言う保証は無いのだから、
のんび〜り130年かけて悩むとするか
1回しかない短い人生
思いっきり楽しまなきゃ!
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