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第一話 交差点 |
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| ギザギザハートの恋 | 作:流石流葉 | ||||
| ◆ラック◆ 関東大会の試合も一段落してクリスマスイブまであと1日になった。 実家はみなとみらいのマンションにあり、帰れなくは無いが、親と一緒にクリスマスを迎えるのは18歳になる五十嵐和也にとってつまらないような空しいような気がした。 中華街をプラプラ歩いていたら、楽しそうに歩いているカップルが目につき当てられて心がキュンと悲しくなった。 精華園の前で足が止まり、こうなればヤケ食いしかないと店に入り料理をたらふく食べていたら、携帯電話にメールが入ってきた。 受信「和也、今何してるのぉ?」 送信「中華街で飯食ってるよ」 受信「ふーん、一人?」 送信「そうさ精華園」 受信「えぇーいいにぁー。私も一緒に行きたかったよぉ」 送信「また何時でもいけるよ!」 受信「えっ本当、中華街に大世界が出来たのにまだ行ってないから、一緒に行きたいなぁ」 送信「じゃあ今度の日曜日はどう?」 受信「えっ日曜日はいつも清佳とデートじゃないの?大丈夫なの?」 送信「あいつとは、ゲームオーバーだよ、先月に終わったばかり」 受信「そうだったんだ、知らなかった。いけないこと言っちゃったね、ごめんm(_l_)m」 送信「そんな謝ることはないさ、俺も今は暇してっからさ。今度から水曜日に会うだけでなく、彼女ができるまで、土曜と日曜もオッケイ」 受信「やったぁ♪じゃあ私を彼女にしない♪♪」 送信「う〜ん。う〜ん。う〜ん。今まで通りで遊ぼうよ〜ダメ?」 受信「私、イケテナイ?」 送信「いや、イケテルヨ。でも彼氏が居るからねm(_l_)mじゃあ、待ち合わせは、みなとみらい線の元町中華街駅が良い?それとも横浜駅?」 受信「横浜駅!」 送信「オッケイ時間は1時、場所は横浜駅東口の崎陽軒前だあ。1年ぐらい会ってるけど日曜日のデートは初めてだね」 受信「うん。楽しみ♪」 店主の周さんが 「楽しそうに携帯電話のメールって言うのかな?やってるね、俺は携帯電話は通話だけで十分だけどね。彼女とデートの約束かい?」 図星をつかれて和也は内心焦ったが、遊び相手の結花とは言えず。 「ええ仲の良い友達とやりとりしていたので、多分にやけた顔をしていたと思います」 周さんはわかっているよと言う顔して 「そうか、ところで関東大会は、どうだった。勝てたか?」 僕は普通の顔して 「ええ、お陰様で予定通り優勝できました。有り難うございます」 でも、内心はまだまだインターハイや国体、全日本選手権と言う全国大会が目白押しなので、そう喜んでられないからだ。 「この後は大会が三つもあります。今日と明日だけが休みで、三〇日まで練習漬けです」と、周さんに説明したら 「そうか、じゃー彼女とデートしてる暇が無くて大変だな。こんなイブの日に一人で飯食ってどうしたんだ?遅い時間にでも会うのか?それとも向こうさんの都合か何かで明日でも会うのかい?」 周さんはとても良い人で、日本一旨い店としてTVに出てしまうくらいの料理を、出世払いで良いと1000円だけで、好きなだけ食わして貰っていて、何でも話せる相手であるが。丁度、彼女とは一ヶ月前に終わりにしたばかりなのと、学校は私立で男女交際は禁止となっており、表面上は彼女がいると言わないのが習慣となっていたこともあり、ここは世間一般の返事をしなくちゃいけないと思い 「いや、彼女なんていないっす」 一般的な返事をしたら、周さんは 「そうか、いまからF女子大グルメサークルの子達が食事会で来るけど、こないだ来たときアイスホッケーって面白そうだけど身近にやってる人がいないから、どうすれば会えるか!なんて言っていたのを聞いたので、年上になるけど、紹介しようか?」と親切に言ってくれた。 見栄を張って、間に合ってますと言いたかったが、素直に「はい。お願いします。」と言ってしまった。 十分もしないうちに彼女たちは精華園へ来た。 「いらっしゃい。お待ちしておりました、十人のご予約は全員揃いましたか?」 幹事らしき女性が 「はい。全員来ました」 「どうぞ二階の鳳凰の間です。お上がり下さい」と周さんが言った。 後に続き女子大生が二階へ上がって行った時、周さんが幹事の女性にひそひそと話をして、こっちを指さしていた。 女性はこちらを一別した後、二階に上がった。周さんが近づいて来て 「今、君の話をしたら、皆さんに聞いてから、降りてくると言っていた」 まもなく女性が降りてきて、悪戯っぽい目で 「はーい井川未歩だよ。オッケイだから二階に上がって」 僕の手を引いて二階に上がりながら小さな声で 「みんなには、バッタリ彼氏に会ったので、一緒に食べる事にして貰ったから!君、名前はなんて言うの」 僕の意志を聞きもしないでしゃべってきた、唖然としたが 「五十嵐和也だけど」 「学校は何処?」と聞いてきた。 「若葉高校です」 彼女はにっこり笑って 「スポーツが強い学校ジャン。確かホッケーは優勝候補だし、唾つけたっと」と笑い出した。 なぜか僕も可笑しくて笑い出して 「じゃ先々週ぐらいからつき合い始めたことにして、まだお互い詳しく知らないって事で、彼氏になっちゃいましょう」 つい、調子よく返事をしてしまった。 彼女は卵形の顔立ちで、TV番組のキャスターや女子アナが、そのまま抜け出てきても可笑しくない容姿だ。 ハスキーな艶のある声で、本当に彼女にしたいと思った。 部屋に入ると興味津々の眼差しが一斉にこちらに向かってきているのが感じられ、後悔と照れくささと、恥ずかしさが入り交じった気持ちが湧き上がった。 「キャーいい男を捕まえたジャン。未歩、何時の間に見つけたのぉ。しかもホッケーの話の後に、早々と」 仲間の女の子が言った。 井川未歩は 「ちょっと電撃的に知り合って、付き合っちゃったぁ!五十嵐君です」 「きゃぁーごちそうさん。年下だぁ、二人並んで座ってねぇ。でもキスなんかしちゃ駄目よぉ」と誰かが言い。大勢が「きゃー」とうけて、老酒や酒が入る前から、早々と盛り上がっていた。 誰かが「ねえ、ホッケーって、あんなに激しく壁際でぶつかっているけど痛くないの?」と聞いてきた 「プロテクターといって、頑丈な肩パットやエルボーやらでガードしてあり、その上からユニフォームを着ているので平気です。衝撃が少しあるくらいです。ドーンと大きな音がするだけです。だだ、視界に無い場所からぶつかってくると、不意打ちを食らう感じで、怪我をする場合もあります」すると別の女性が 「あの黒い平らな円盤みたいなのはボールと言うのですか?」 「あれはパックと呼んでます。硬質の物で、まともに防具なしの体にシュートが当たるとパックリと切れて何針か縫う大けがになります。ただし高校生までは、フルフェイスのガードをヘルメットとともに装着してますので、顔を切ることはありません」と返事をした また誰かが 「股間にそのパックが来たら、どうなるのぉ」 全員が爆笑して黄色い声が響いた。 「もちろん、チンパッドと言う、プラスティックのカバーをしてますので、衝撃は来ますが、気絶や痛くて腫れあがる事は無いです。」 と返事をすると 「今度見せてぇパッドを。中身でも良いわよぉ♪」 ここで又爆笑が起こり 「試合前の控え室に来ていただければ15人前後はみれますよ」と真面目な声で返事をしてしまったら、より笑いの渦を作ってしまったようだ。 誰かが 「あら、顔が赤くなってない?」と合いの手が入り、多勢に無勢状態は続いた。 2時間ほど酒の肴になって、話をしているうちに忘年会は終了になった。 未歩の友人である真奈美が 「未歩は彼氏と帰るのよねぇ」と意味深な目つきで聞いてきた。 未歩が 「いあやだぁ。みんなと3次会に行くわよぉ」 真奈美が 「いいわよ、私たちに気を遣わなくて。こう言う時はお互い様なんだから」と言ってきた 「真奈美がそんなに言うなら、ご期待に添うように、一緒に帰りますよ」と言って、僕をみてきたので、 「僕は構いませんよ一緒に帰っても」と言ってしまった。 <次回に続く> |
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