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act.5 キスの後
※ゆるいですが性的表現が含まれています。苦手な方は。苦手な方は読まないでくださいね。
「最近忙しいの?」
「うん、まあ…」
「リーダー、倒れないでよ?」
「はは、大丈夫」
本日午後。俺はゲームをしている振りで、ゲームになんて集中していなかった。
番組収録前の控え室で、大好きな人の声を耳で追っていたから。
翔くんとリーダーの…、智の笑い声を聞いて、長年一緒いたメンバーに嫉妬してしまう俺は重病だ。
「だからって収録中に居眠りなんてすんなよ」
ムッとしてこういう意地悪い痛くなる。
「したことないけど…」
智が眉間にシワをよせる。
「いやしてた」
「してねーよ」
「先々週の収録、ゲストの話聞いてる振りしてウトウトしてたじゃん」
「まだケンカしてんの?仕事に支障出るぞ」
松潤が心配そうに俺たちの様子をうかがう。
俺はとんがってしまった口を引っ込めゲームに目を戻した。
一緒に食事をしたあの日から忙しさに追われて全く二人きりになれなかった。
時間が取れればマメに声をかけるのに雑誌やドラマやらで捕まらなくて、次第にあの夜のことは本当だったのかいい加減不安になってきていたんだ。
あれは俺の願望から見た夢…、とかじゃないよなって。
実際あの後俺たちは何もなかったかのように仕事ですぐ別れたから、なにが起こったのか確かめようもなくて…。
こっそり、いつもいつも目で耳で追いかけてる。笑う顔も、舌ったらずな話し方も、人がうらやむその才能も、全部好きだ。
「トイレってあっちだったよね」
智が楽屋を出て行こうとした。
その後ろ姿を目で追いかけてるうちに我慢できなくなった。
「俺もトイレいこ」
楽屋の戸を閉める間際相葉君の声が聞こえた。
「心配ないんじゃない?ツレションするくらいだから」
心配なく。かつてないほど仲がいいはず。
俺の十歩先を歩く智を同じスピードで追いかけた。トイレの中に入ったのを確認してから足早に後を追った。
扉を開けるとズボンに手をかけようとしていた智が俺に気付く。
「ニノ」
少し驚いた顔をした智の手を引っ張って、個室に引きずり込んだ。
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