
回路は木村さんの 情熱の真空管 の6B4Gシングルを、大いに(そのまま?)参考にして作りました。回路図はここです。(うまく表示されないときはブラウザの表示フォントを固定ピッチに変えてみてください。また、Netscape 4.5以上でないと正常に表示されません。どうしても見えない方はメールください。テキストファイルで送ります。)
回路図中のB電圧やバイアスは、目標値であり実際はもう少し高くなってしまいました。というのは、参考にした6B4Gシングルで使用されていたTANGOの電源トランス(PT)よりも表示ベースで10Vも高いタップを使用せざるを得なかったためです。(恐る恐る足を踏み入れた世界で、TANGOに手を出すだけの財力も勇気もなかったのです。)また、取り出した電流は十分PTの容量以下であったため実質の電圧はもっと高くなってしまいました。
その結果、当初の動作点は上図緑色丸印の位置になってしまいました。図を見ての通り、2A3の最大プレート電圧15W(赤線)を超えた運用になっています。
そこで、このように電源部を改修し、全体の2次側出力を約5%低減しました。
この改修によって動作点は同図ピンクの丸の位置に収まり、、、、、(うっ、まだ15Wを超えています。)
それではということで、さらに2A3のB電源に挿入されている470Ωを680Ω/3Wに変更しました。その結果動作点は青色丸印となり、ようやく最大プレート電圧以下に抑えることができました。
まだロードラインが最大プレート電圧にかかっているように見えないでもありませんが、これ以上はきりがないのでよしとします。
2.デザイン
見た目については、まだまだ素人にも付け入る隙があり、色々とこだわってみました。前述した木村さんのサイトの
「師匠と弟子のいいたい放題」
の「アンプのデザイン」を参考に『四隅確保の法則』を念頭に置きデザインしました。電源トランスを前面に置き、ブロックコンデンサはその後ろに配しました。一応、電源トランスの出す磁束の方向には注意したつもりです。
また、5687についてはヒーター電流が0.9Aもあり、相当発熱しそうだったので、一番外側に配置して他の回路に与える影響を極力排除しました。
3.感想
2A3はSOVTEKのシングルプレートペア(三栄電機で\6,500-)を使用しました。SOVTEK(ロシア)で最近生産をはじめた商品だそうで新品です。このタイプは、スプリングでヒーター線を吊るしてあり、熱によるヒーター線の伸縮を吸収する構造になっています。ノイズも全くなく質の高さを感じます。が!!最近になってペアの左右で球の高さが異なっていることに気づきました。どこかのページで呼んだのですが、「物理的な性能以外の部分にはあまり気を遣っていない」という言葉を思い出しました。
まだまだ調整が必要ですが、聴いてみて「ここまで、凄いとは思わなかった」というのが率直な感想です。昔から、真空管の美しさに心惹かれるところがあり、雰囲気だけでも楽しめればと思い製作したのですが、完成するまでは正直言って「真空管アンプは、古い音楽を聴くためのノスタルジックな道具」と思っていました。ところが、完成して鳴らしてみると、出てきた音は私の偏見を覆すには余りある物でした。これまで使っていたトランジスタプッシュプルのプリメインアンプの音とは明らかに異なります。どこが?と聞かれると素人なので困りますが、音がキメ細かくなったというか、そこで演奏しているかのような透明感を感じます。「もとがもと」といってしまえば、それまでかもしれませんが、少なくとも私の持っていた偏見は吹き飛び、真空管アンプには全く無縁そうな今風の音楽を聴いても何の違和感も感じません。
最近知人から借用したスピーカーに取り替えたところ、低音が妙にボンついて野暮ったい印象を受けました。素人目にもダンピングファクタが不足している感じがしたのですが、気がつけばこれまで作りっぱなしで使用していたため、自分のアンプの性能に関するデータを全く持ち合わせていません。ならば、ということで実際に周波数特性とダンピングファクタを試行錯誤の中、測定してみました。
4.測定結果
測定の結果は下図の通りです。
ご覧の通り周波数特性は、-1dBのレベルで3〜30,000Hz程度であり、まずまずの結果となりました。(低音域が期待以上に伸びていますが、オシロでも波形を確認しており、測定ミスではありません。と思います。多分。)40kHz付近に落ち込みが認められますが、恐らく出力トランス(Noguchi
PMF-10Ws)の特性によるものだと思います。カタログでは10〜35kHz(-2dB)となっていました。50kHz以降を、「高域まで伸びている」と安心すべきなのか、それとも「高域の暴れ」と見るべきなのか、判断に苦しんでいます。
一方、ダンピングファクタは可聴域で6前後ありました。もう一声欲しい気もしますが、世間の書物で聞きかじった「実用的なDFは3〜10」と比較しても顕著に不足しているという数値ではありません。気になっていた低域の野暮ったさは、これらの数値には現れない2A3の個性なのかもしれませんが、なんとなくNFBがうまくかかっていない気がするので次回確認してみます。
おまけ・猟奇!2A3シングル・ハラワタ画像!
実は、これをやりたくてこのページを作ったようなものですが、やはりパンツの中をさらけ出すような気恥ずかしさがありますので、興味のある方だけ ここ からこっそりと入ってください。
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