1.はじめに
自分のアンプを測定してみようと思い立ったのはいいのですが、「こうしろ、ああしろ」とまで書いてある書物が少なく不安を感じました。少し考えればわかることなのですが、ド素人の私が気づいたことをまとめてみました。
2.ダミーロード
アンプを測定する際、出力(スピーカー端子)に何を繋ぐのかが問題となってきます。スピーカを繋いで測定するのもいいのでしょうが、スピーカの周波数特性はアンプ以上に複雑で、たちまちどちらの特性を計測しているのかわからなくなってしまいます。だいいち、スピーカを繋いで最大出力で鳴らしたりしたら、今の物騒な世の中では何が起きるかわかりません。しかし、最近になって思い始めたのですが本当にこの抵抗による測定だけでアンプの特性がどこまで分かるのでしょうか、、、(後述します)
そこで、スピーカーの代わりに抵抗を繋ぐのが一般的なようです。スピーカの公称インピーダンス(8Ω等)と同じ値の抵抗を繋ぎ計測を行うわけです。
ここで、上のような抵抗を思い浮かべたあなたは、このページを呼んだ甲斐があります。これは1/2Wのカーボン抵抗ですが、アンプの出力は(大抵)少なくとも数Wはあります。そこへこのような小型の抵抗を繋いだら、あっという間に昇天することでしょう。
私の場合は、 Vishay社 のDale NH-50を使用しました。 これは、メタルクラッド型の50Wの抵抗で無誘導巻きとなっています。数Wattのパワーアンプには大きすぎるかも知れませんが、放熱器を取り付けない場合は多めにDerateをとる必要があり、少し贅沢をしました。実際に測定中に触ってみたところ結構発熱しており、改めてこのサイズの抵抗の必要性を認識しました。海神無線で3本だけ残っていたところで2本(各\1,600強)購入しました。(次回の入荷には半年かかることもある、との言葉で飛びついてしまいました。)この抵抗は歪も非常に少ないそうでメーカーでの測定にも用いられるそうです。が、今思えば私にとってこれは完全な豚に真珠でした。どうやら、セメント抵抗で十分なようです。
3.周波数特性
測定には正弦波を入力し、出力電圧を測定します。横軸は入力周波数です。縦軸はフラットな周波数範囲で得られる出力を1(0dB)として、出力をプロットします。
4.ダンピングファクタ(ON−OFF法)
ダンピングファクター(DF)とは、そのアンプがどれだけスピーカーを制動できるかという目安です。スピーカーは固有振動数f0を持っています。恐らく外からポンと叩いたときに響く周波数だと思います。スピーカそのものにも制動力がありますので叩いた後、太鼓のようにずーっと響くことはありませんが、同じ電圧の正弦波を加えたときにも周波数によって出て来る音の大きさが変わり、(アンプなんかよりずっとデコボコです。)f0でピークになります。 アンプに全く制動力がないとすると、スピーカーは振動するたびにf0で揺れようとするので、ボンボンと耳障りな音となるでしょう。実際には、アンプにも制動力があり、スピーカーは自分勝手に揺れることは出来ないのです。その程度をダンピングファクターと呼びます。
ON−OFFでは、前述のダミーロードを1本繋いだときと、2本直列に繋いだときの出力の変化から、その程度を以下の計算式より算出します。通常、2本直列に繋いだときのほうが出力は大きく、その変化の量が小さいほど出力側の影響を受けにくいということでDFが高くなります。
DF=Zsp/Zout (Zsp:スピーカ抵抗、Zout=2*R*((Eoff-Eon)/(2*Eon-Eoff))、R:ロード抵抗、Eon:1本の出力、Eoff:2本の出力)
5.その他(歪率等について思うこと)
(注:ここに書くことは戯言であり、真実では無いかもしれません。)
歪率の測定には高価な測定器が必要です。専用の測定器が無くても出来るらしいのですが、非常に複雑で私もやったことがありません。そんな中で、最近気になっていることがあります。
それは、上記に記した測定結果が全て得られても、それはそのアンプと繋いだスピーカから得られる音の性質を表すものでは無いということです。この疑問は数少ないながらも以下のような経験に基づきます。
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