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    ドラマと歴史

三国時代・・・新羅、百済、高句麗に分かれていた
○高句麗・・・「広開土王の碑」に高句麗の建国伝説が書かれていて、そこに建国の祖として登場するのが
朱蒙〈チュモン〉。
○百済・・・日本とも深い関わりがあったらしい。唐と手を結んだ新羅によって滅ぼされる〈660年〉。その後の百済再興のための戦いが「白村江の戦い」で、日本からも応援参戦(敗北)。
「千年の愛」のソン・ユリは、百済滅亡のときにタイムワープした百済の姫という設定。百済の将軍の末裔(キム・ナムジン)が日本人なのを不思議に思っていたのだけれど、百済滅亡のとき多くが日本に逃げてきたらしい。
○新羅・・・新羅といえば花郎〈ファラン〉。元々貴族の連合制による政治が行われていて貴族の力が強く、貴族の子息の中から頭脳明晰、容姿端麗な者が選ばれて、花郎に。花郎は常時7,8人ほどで、その周りに花郎徒という集まりがいて、集団で武術を磨いて戦士団となっていた。
「ソドンヨ」ではリュ・ジンが新羅の花郎役。チョ・ヒョンジェら百済の学士はわけあって新羅で暮らしている。新羅の姫のイ・ボヨンが「花郎のように全国を旅したい」と言っているのは、花郎が戦時には先頭を切って戦うけれど、平和時には全国を巡って風流の道も磨いていたため。ソドンヨのモデルは百済30代王、武王。

新羅の三国統一・・・他の2つの国を新羅が唐と結んで滅ぼし、統一〈684年〉
「海神」の張保皋〈チャン・ボコ〉は武臣ながら日本とも交易を行い、黄海の王者と呼ばれた実在の人物。ドラマとは異なり、自分の娘を后にして政治に関与しようとはかり、王の刺客に殺された〈846年〉ということになっている。

後三国時代・・・新羅の国力が弱まり、再び三国に

高麗全国統一〈936年〉

李氏朝鮮建国〈1392年〉・・・統一国家へ 李成桂(イソンゲ) 都:漢城(今のソウル)
・「
チャングムの誓い」の王は11代中宗(1506〜1544)。クーデター(パク・ウォンジョン)で擁立された王で、幼いチャングムがお酒を運んだのは、そのクーデター蜂起を知らせるもの。王となってからも政局は安定しなかったらしく、チョ・グァンジョも実在の人物。一番出番の多い王妃(文定王妃)は、政敵を次々毒殺したと見られている悪女らしい(ドラマでもチャングムに命令を・・・)。物語自体は、男社会にあって、王医として女性の名があったことから作り出されたフィクション(舞台は16C初頭)。(中宗については下「女人天下」に詳しく)
中宗が王に擁立されることになったクーデターで王位を追われたのは、中宗の異母兄、10代燕山君。12年の独裁の後、クーデターが起きた時は31歳。類まれな暴君で、母もひどい女だったらしく、燕山君が幼い頃に王命で処刑。王になってから燕山君がこの処刑に関わった人間を多数処刑している。チャングムの父が捕らえられて殺されたのもこのため。ただクーデターの後、島に流され、2ヵ月後には病死(または餓死)している。
燕山君は「
王の男」のモデルにもなっている。また「快刀ホン・ギルドン」のホン・ギルドン(洪吉童)が活躍したのもこの時代。ただホン・ギルドンは、日本のももたろうみたいな、物語の有名な主人公らしい。
・「
黄真伊〈ファンジニ〉」は、李氏中期(チャングムの誓いの中宗の頃)の実在の有名な妓生〈キーセン〉。名詩なども残している。
女人天下」では主人公が、既に有名だったこのファンジニに師事しようとしていた。これも「チャングムの誓い」と同じ中宗の時代の物語。主役のチョン・ナンジョンは韓国の三大妖婦の1人といわれているらしい。ここでは中宗が詳しく描かれていて、クーデターで王になったもののクーデターを起こした功臣達に意のままにされ、善政を行おうとするものの、功臣たちの親族である側室たち(敬嬪など)におぼれたり・・・。そこで功臣を否定する急進的なチョ・グァンジョらを登用。けれど陰謀渦巻く中、これも処刑。敬嬪とその息子も処刑。
・「ホジュン」は東医宝鑑を著したことで有名な名医(1539〜1615)。この頃は両班による官僚政治。両班というのは元々は文班、武班という官吏のことだったのだけれど、官吏になるためには難関の科挙に受からねばならず、そのためには私塾に通い、勉強だけに打ち込むだけの財力がなければならなかったことから、文班になれる身分を両班と呼ぶようになったらしい。科挙には文科、武科、雑科があり、両班が受けるのは、高級官僚になれる文科で、試験内容は儒教のこと。あまり役にも立たない儒教がもてはやされていて、医学や通訳など、実用的なことは卑しまれていたらしい。それらを請け負う身分は中人と呼ばれて、雑科に受かるとなれた。ホジュンが受けた科挙もこの雑科。医女はもっと卑しまれていて、「チャングムの誓い」にもあるように、奴婢たちの出世手段だったらしい。
・「チェオクの剣」は17C末が舞台。
・「
イ・サン」のイ・サンは22代正祖(チョンジョ・在1776〜1800)。ホン・グギョン(洪国栄)も実在の人。祖父が21代英祖(ヨンジョ・在1724〜1776)。「風の絵師」の王はこのイ・サン。ここでも義母との政権争い、幼い頃、父を殺された(米櫃に閉じ込められて・・・)ことへの復讐心が描かれている。
・「
商道」にあるように、この頃湾商〈マンサン〉や松商〈ソンサン〉が大商人として活躍。パク・チャンファンが演じた洪景来〈ホンギョンネ〉は世直しのため反乱を起こした人で、支援者には大商人もいたらしい。5ヶ月に及ぶ乱の最後は籠城し殺害された。けれど英雄として伝説化した人らしい〈1811年〉。
・「
キム・マンドク」も、同じくこの時代の商人。

日本による侵略・・・日本が植民地化しようと内政支配
国家分裂・・・日本が敗戦し、アメリカとソ連とで韓国を38度線を境に分け合う形になった
・「京城スキャンダル」の舞台は京城と呼ばれていた、日本の支配下にあったソウル。「英雄時代」でもそうだけれど、日本の憲兵や総督府がでてくる。
・「グッキ」で描かれているのは日本敗戦前後。グッキの父親は日本からの独立運動をしていた。

朝鮮戦争(1950〜1953)・・・北朝鮮がソウルまで攻め入り、韓国政府は釜山まで撤退。主にアメリカが主力となる国連軍介入。1953年休戦(休戦であって終戦ではなく、現在まだ戦争は続いているということになっているらしい。事実上は終結)。
・「
ソウル1945」ではこの戦争の前後が若い男女の運命を通して描かれている。
その後・・・韓国では政権がクーデターなどにより二転三転
○朴正熙・・・クーデターにより政権奪取。大統領在任1963〜1979。この人が大統領直属の中央情報部を作ったらしい。またドラマによく出てくる夜間外出禁止令はこの人の時代、0〜4時の医者以外の一般人の外出を禁じたもの。

・「
英雄時代」は実在の二大財界人をモデルにした物語。日本による徴兵、日本敗戦、38度分断(叔父が北に取り残された)、朝鮮戦争勃発、北に占領されたソウルを出て、釜山へ。休戦でソウルに戻るまでの前半と、朴正熙によるクーデターに始まる後半からなっている。
・「
白夜」の事の起こりは青瓦台(韓国の大統領官邸のこと)事件〈1968〉。北朝鮮ゲリラによる青瓦台襲撃未遂事件で、狙われたのは朴正熙。2週間の銃撃戦で韓国側の死者は民間人を含め68名でたらしい。その事件に朴正熙が報復しようと北朝鮮に送る特別部隊を作って起きたのが実尾島〈シルミド〉事件。南北の関係緩和で報復は中止になり・・・それを元に作られたのが映画「シルミド」。
・「
ファッション70's」では子供時代に朝鮮戦争が起こり、ソウルから逃げるときに親子ばらばらになってしまった。韓国政府がソウルを放棄する際、避難民もろとも漢江の橋を爆破、多くの住民、軍人が取り残されたらしい。アメリカ軍人がごろごろしていて、後半・・・70'sということは、閣下と呼ばれている人物は朴正熙と思われる。出てくる金仲麟という人は北朝鮮の幹部。
・「
砂時計」で描かれた光州事件は、軍事クーデターによって権力を握った全斗煥が、自らのクーデターに抗議する人々を徹底弾圧する中、軍隊を出動させて市民を虐殺したという事件(1980)。
・「
コッチ」には文盲の母が出てくる。またこの頃のドラマには夜間外出禁止令がつきもの。