中国妊娠出産日記 ![]()
| えっ、妊娠しちゃった?! 結婚して半年の健康な夫婦に赤ちゃんは当たり前。でも私は中国合肥市在住、夫は中国人。トラブルにカルチャーギャップ、すったもんだを乗り越えて元気な赤ちゃんを産むぞ! |
|
|
今月は遅いなあと思ったのは六月末。 なんか調子が悪いし便秘だし、どうなってるのかなあと思う。 なんか出てはいるけど「お客さん」では ないし。 (中国語では老朋友、お友達と言うのだ) 週末に姑と婦幼保健院(中国の産婦人科)へ行くことにした。 夫は大学の用事で朝から出かけてしまった。 病院は大体国営だ。 中国には変な決まりがあって、 「外資の病院は建ててはいけない」 ことになっている。 とにかくどこの病院も人だらけ。 並ばない、痰を吐く、ゴミをそこら辺に捨てる、汚い、応対が乱暴、 えらそう、ぼったくり、など中国の欠点のオンパレードだ。 姑は慣れたもので、横はいりするおばちゃんに 「ちょっと!並びなさいよ!」と鋭い一声。頼もしいことで。 で、尿検査をしたら見事に陽性だった。 あー、出来ちゃったのね。 気になったのは妊娠検査薬。 これ、外の薬局で3元(45円)で売ってるやつじゃない。 と、いうことは家でも出来る検査だ。 病院での検査料は5元。 人件費は2元というわけで、 検査技師もやってられないわなあ。 検査の結果を見た医者から 「で、産むのどうするの」と聞かれた。 産むに決まっている。 一人っ子政策の影響で堕胎が多いことから、 の質問だろう。 未婚で妊娠して堕胎するケースも多い。 とりあえず、「微量出血かもしれん」 と保胎薬の処方箋を書いてくれる。 処方箋取り扱い薬局か保健院内で薬を買う仕組みだけど、 「ま、いっか」と薬は買わずに帰宅。 もし異常妊娠だったら自然に流産した方がいい。 内診はなし。 問診だけで血圧・体重の測定もなし。 なんせこの人だかりだ。 私と同じく家族に付き添ってもらっている人が多く、 「婦人科」で来ているおばちゃんも。 女は色々あるわけだ。 婦人科・産婦人科の医師は殆ど女性だ。 男よりどうこうというわけではないが、 女ばかりの世界である。 医師が合肥弁じゃなくてよかった。 合肥弁じゃ私は分からない。 姑の四川弁も分からないときがある。 普通語と合肥弁、四川弁は随分違うのだ。 夫が携帯に電話してきた。 「どうだった」 「子供出来たって」 「あ、そう」 嬉しそうでもなんともない返事。 私だって今妊娠するとは思わなかった。 この後「つわり」と「便秘」が私を待っていた。 |
|
2002年12月12日 16時02分23秒
|
|
|
しかし、出ない。 いつも「老朋友(妊娠発覚!参照)」の前は便秘気味だし、 最初はそうじゃないかと思っていたのだ。 でもこれだけ出ないのはおかしい。 減肥茶を飲むと今度は下すし、どうなっておるのだ。 妊娠かも、と思ったときに減肥茶のパッケージを見ると 「孕婦忌服(妊婦は服んではいけません)」とあるではないか。 私はあせった。 せっかちな夫は「障害のある子が生まれてきたらどうする」。 病院でおばちゃん医師に減肥茶の箱を見せると、 「全く最近の若い子は(もう大台だ若いわけじゃない)すぐこういうもん飲むから」 とぶつぶつ。でも、 「まあ、全部漢方だしそんなに大きな問題はないわね」 ということだったのでひとまず安心。 それにしても、出ない。 「果物食べて野菜食べて水分しっかりとりなさい。妊婦は薬のんじゃだめ」 日本で知り合いが妊娠してたときは便秘薬もらったって言ってたぞ。 果物食べて野菜食べてヨーグルトと水飲んで、それでもやっぱり、出ない。 おまけにコーヒー・茶類も周りに禁止された。 うんと濃い中国緑茶(安徽名産である)に話梅(梅を干した菓子)が好物だったのに。 同僚に聞いたら「自分の妊娠中は浣腸を使った」とか。 試してみたが、効果はない。 前記の知り合いが「大黄(漢方薬)がいいよ」と言うので夫に頼んで少し買ってきてもらった。 言われたとおりやってみたが効果はない。 おまけに姑が「大黄は止めた方がいい。バナナを食べなさい」と言う。 バナナもしいたけも試したんだ。 それでも出ないんだもん。冗談じゃないよ。 |
|
2002年12月12日 16時07分42秒
|
|
|
今度は安徽省省立医院に行ってみた。 知り合いに頼んで連れて行ってもらったのだ。 ひどい便秘で困っているというと、医者はやっぱり同じことを言った。 「水飲んで野菜と果物たべなさい」 そんなことは言われなくても承知している。 薬の処方箋を書いてくれたので病院内の薬局で買って、 帰ってからよく見ると 「孕婦忌服(妊婦は飲んではいけません)」とあるではないか。 夫が怒り出した。 「中国の医者ときたら薬を売るためには何でもする。 妊娠中に使えない薬なんか出してどうするんだ」 怒りたいのは私だ、中国人。 結局薬はのまなかった。 私は開き直った。 コーヒーを飲もう。 週末の朝に東京の姉が送ってくれたレギュラーコーヒーをたてた。 久しぶりのコーヒー。 うるさい夫は出かけていないのである。 やっぱり、おいしい。 そして、よく効いた。 コーヒーを飲み終えて30分もたたないうちに出そうな気配。 ああすっきりした。 |
|
2002年12月12日 16時08分49秒
|
|
|
出るものが出てしまうと実に爽やかである。 お腹がやたら張っているような感覚もない。 帰ってきた夫に「出た♪」と報告した。 「あ、そう」 「コーヒー飲んだの」 「何だって」 夫の眉が曇る。 「妊婦はコーヒーなんか飲んじゃ駄目じゃないか。 子供に何か影響があったらどうする」 「じゃ、聞きますけどね、便秘で体毒が子供にまわったらどうしろっていうわけ」 夫は黙り込んだ。 「それにあなた、漢方薬とコーヒーとどっちが身体に害がないと思う」 夫は黙ったままである。 「出るもんが出ないより出した方がいいのよ。 毎日飲むわけじゃなし、次も便秘したら私はコーヒー飲みますからね」 夫が何か言いたそうだが放っておく。 大体この男は毎朝便器に座って 「ああすっきり」と言いながら出てくるのである。 嫌味である。 |
|
2002年12月12日 16時10分00秒
|
|
|
つわりが始まったのか、やたらぼうっとする日が続いた。 集中力がない。 身体がだるい。 夜中トイレに目が覚める。 食欲もないが空腹か、空腹に近くなると吐き気がする。 昼に会社の食堂で肉団子を食べたら午後遅くに吐き気がしてきた。 トイレに駆け込んで吐いたら同僚にばれた。 「ひょっとして、妊娠した?」 事務所は女性が多い。 しかも産休明けで半日出勤を始めたばかりの同僚が二人もいる。 他にも二人が去年産休をとっていた。 「最近トイレで吐いていた」という話はあっという間に事務所中に広まり、 お陰で朝のラジオ体操と月曜日の外掃除が免除になった。 朝体操に下りると、 「今は休んでなきゃだめよ。事務所へ上がってなさい」と言われる。 事務所には湯沸かし器と飲料水器があるのでなるべく水分を取るようにしたが、 胃の痛みや便秘など消化器系のトラブルは収まらない。 消化のいいものを、と思うが食堂のおかずは油でぎとぎと、 帰宅すれば夫の炒め物もにんにくと油でぎとぎとだ。 やだやだ見たくもない。 しばらくバナナと牛乳とチーズとビスケットで栄養を取っていたが、 そのうちバナナの匂いが気になって食べられなくなった。 |
|
2002年12月12日 16時05分02秒
|
|
|
お昼に食堂へ上がるのも苦痛になってきた。 炒め物にたっぷり入ったにんにくと油の匂いが気になるのだ。 食堂に立ち込める匂いを吸い込まないよう息を止め、 食事の盆を受け取ったら足早に食堂の隅へ行く。 食べたくないが何も食べないわけにはいかないので、量を減らして食べた。 お腹はあまり空かない。 夫の料理も殆ど食べられなくなった。 夫はにんにくや唐辛子の大好きな四川人である。 何より好きなものは油で、「少し」というと日本人の「多め」に当たる。 時々生のにんにくを齧っていることもある。 夫が外の屋台の炒めものを持って帰ってきた日には 大変で、「何を持って帰ってきた、ひどい匂いがする」 と私は騒ぐのである。 大体中国に来てにんにくと油の匂いをかがないなんて無理である。 夫には私がつわりで強いにおいが駄目になったなどとは分からない。 いくら話しても分からないしすぐに忘れてしまう。 この辺は大変男らしい。 あっさりしたものが食べたいと言ったら夫が 枝豆をむいたものを茹でてくれたが、しっかりにんにくが入っている。 にんにくが嫌なんだ、にんにくが。 かと言って私が作るにんにく油抜きのしょうゆ味の料理は夫には物足りないらしい。 そりゃそうだろう。 枝豆だって皮のまま柔らかめに塩茹ですれば食べられるし、 炒めるより茹でたり蒸したりした方がさっぱりして口にあう。 これまで夫の作るものには慣れていたし、自分で作る料理も夫用に 油にんにく生姜花椒唐辛子を欠かさなかった。 でもつわりなんだもん。 しょうがないじゃない。 例によって私は開き直る。 |
|
2002年12月12日 16時06分30秒
|
|
|
妊娠中はカルシウムが不足してはいけないとか、鉄分が不足してはいけないとは 中国でもよく言うことである。 外で牛乳を買って毎朝飲むことにした。 会社の帰りに売店でヨーグルトを飲んだりもした。 もともと朝食は外で摂っていた。 外の食堂や屋台で朝食用の小さい包子や揚げ菓子、 豆乳等を買って食べていたのだ。 妊娠してから外のものを食べる気がしないから、 ビスケットと牛乳、果物などで済ませることにした。 少し食べるとすぐ何も要らなくなるので、会社にもビスケットや果物、 ドライフルーツ、チーズなど持って行った。 ところが、そうやって買っておく牛乳を、帰宅して喉が渇いた夫が 水代わりに飲んでしまうのである。 妊婦の栄養補給用の牛乳をガバガバ飲まれてはたまらん。 今住んでいる辺りは辺鄙でまともな商品を売る店がない。 いい牛乳は市中より高いし、安いものはまずい。 有名ブランドの偽物を売っていることもある。 牛乳がなくなってしまうと私は困る。 うるさく抗議すると夫は飲むものがないとすねかえった。 ミネラル水でも何でも買ってくればいいではないか。 中国の水道水は沸かさないと飲めない。 沸かして冷めるのを待つのが億劫なのだろう。 週末バスで市中のスーパーに出かけて牛乳だのビスケットだのを買い込んだ。 1L入りの牛乳二本は、重い。 夫は飲むばかりで買いに行ってはくれない。 ついでにファンタの大瓶も買っておく。 夫用である。 牛乳よりファンタの方が安いのだ。 |
|
2002年12月12日 16時11分11秒
|
|
|
つわりでぼうっとしていても相変わらず会社には出ていた。 現地採用の私は一日いくらの給料で、休むとないのである。 もちろん、医療保険・失業保険・有給休暇・年金などもない。 中国の医療保険は自分で購入するものと企業を通じて加入するものがある。 自分で購入する場合は年間に大体2、3千元かかる。 病気で長期入院すると治療費を含まなくても まず1万元ほど取られるのが普通だから、 万一に備えて保健を購入する人が増えている。 企業を通じたものは給与から数十元差し引かれ、 後は企業が半分補填するタイプだ。 昨年から始まった制度だが、政府機関を中心に加入企業が増えている。 中国政府は企業の加入を広く呼びかけているが、今はどのくらい広まったのだろう。 企業の年金や保険は当地に戸籍がないと加入できない仕組みになっている。 農村戸籍の職員は正社員にはなれないのが普通だ。 中国人と結婚したものの私は外国人で戸籍がないから、 (国際結婚で3年の長期居留証がもらえるのは結婚後 中国に数年滞在してからになる。 国籍は変わらないし外国人が国籍を取る手続きは めんどくさい上に手数料をがっぽり取られるだろう。 大体結婚手続きの手数料だって普通の中国人の倍以上は取られる) 日給の高い臨時工になるしかなかったのだ。 日給が高い、といっても大したことはない。 一ヶ月の手取りは本社派遣の社員の現地収入の4分の一にも満たない。 日本の本社が私を雇ったわけでもないので、日本での収入・保証も一切ない。 それでも、外人と見ると余計に金を取ってやろうという 中国人の根性が気に食わない。 ふざけんな。 会社の名誉のために書いておくが、私はボーナス代わりに 会社負担で年に二回帰国できる。 月給は低いが旧正月前のボーナスは給与の五ヶ月分ぐらいでるのが普通だ。 但し臨時工は数百元出ればいい方である。 |
|
2002年12月12日 16時12分26秒
|
|
|
前回つわりの話を書くつもりが保険の話になっちゃった。 七月の半ば頃から本格的につわりが始まった。 その上夜中にトイレに起きる。 大きくなった子宮で膀胱が圧迫されるのである。 充分に眠れなくなり体がだるい日が続いた。 それでも、今日の給料を稼ぎ出すために私は出勤していたのである。 中国の法定産休は半年である。 うちの会社は有給で五ヶ月の産休が認められているが、 私は「一日働いてなんぼ」なので五ヶ月の休暇はきつい。 今のうちに働いておこうと思ったのだ。 夫の実家へ遊びに行ったときにお姑さんが、 「具合の悪いときは無理に会社へ行くことはない」と言った。 そうか、休んでもいいんだ。 それから私は具合が悪くて起きられないときは堂々と休むことにした。 無理してしんどくなるのは私で、体のしんどさは他人には理解できないものである。 食欲はないものの眠ってしまうと楽である。 どうせ夜も眠りが浅い。 そういえば留学中に交通費を節約するために神戸から船で上海へ行っていたが、 (それも帰国は一年に一度。船の往復切符は一年有効だった) 船酔いしそうなときも「とりあえず眠ってしまう」という手を使ったのだ。 |
|
2002年12月12日 16時14分13秒
|
|
|
普段夕食は二人で作っている。 私が帰宅する頃は市場にはろくなものが残っていないから、 買い物は比較的時間に融通のきく夫が行くのである。 ところがつわりでにんにくと油が駄目になってしまった。 にんにく・油・ごま油は中華料理にはつきもので、 特ににんにくの入っていない料理はない。 外食も夫の料理もダメ、ということになる。 生姜は平気だった。 夫はそれでも何とか私の口に合いそうなものを作ってくれようとしたのだが、 日本育ちの私の好きな食べものなど夫には思いつかないのだ。 仕方ないので日本から持ってきた蕎麦を茹でて食べたり、 味噌汁を作ったりした。 夫の口には合わないので、私一人で食べた。 仕事で疲れていても自分の面倒ぐらい見られなくてはいけない。 日本で馴染んだ匂いは気分が悪くならないのである。 ご飯を炊いてもバター炒めを作っても平気だった。 会社は八月に一週間ほど夏休みがあったので毎日家にいた。 時間があるのでホットケーキやポテトサラダを作って食べ、 夫にも食べさせた。 夫にはあまりおいしくなかっただろう。 私の料理が合わないと一口食べたきり黙って手をつけなくなる男だ。 ただ、オムライス・トマトスパゲティ・カレー・肉じゃがは夫もおいしいという。 豚のあばら肉と野菜のポトフも苦情が出なかった。 |
|
2002年12月12日 16時15分38秒
|